ついに合同軍事演習という名のガンダム鹵確作戦が始まった。別荘にいる皆の不安が強くなるなかミッションはB2へ移行、エクシアとヴァーチェが動き出す。
「スメラギさん、作戦に変更はなくて良かったんですか」
「問題ないわ。私たちに出来ることは彼らがやることを終えてここに離脱するのを待つことだけよ」
「了解」
そうはいうものの、やはり不安には感じているのだろう。敵は千機近いモビルスーツだ。
俺が考えているとシエラが声を掛けてきた。
「のび太。この戦いどうなると思う?」
「スメラギさんも言ってたけど、長い戦い、攻撃が来るだろうからな。正直、厳しいだろう」
「そう……待つしかないんだね」
「ああ」
確かこの戦いでは奴らが現れる。
ガンダムスローネ
ソレスタルビーイングが所有しているガンダムとは違い、疑似太陽炉になっているガンダム。
いわゆる、偽物。基本、そのままの状態ではトランザムが出来ないようになっている。そしてトリニティの三人が。
スローネシリーズは疑似太陽炉とはいえやはり欲しいところ。まぁ、これは彼らがソレスタルビーイングに来たときに複製すればいいだろう、それにちょっと細工もしようと思っている。後はエイフマン教授の救出に勧誘。これもタイミングはもう決めてあった。
最後に悩んでいることがあり、それはこの三人の扱いである。
生かすか、見殺すか
トリニティは原作でさんざんというほどヘイトを稼ぎ、そして散っていった。まぁリボンズの……というよりアレハンドロの思惑もあったのだが。ようは噛ませ、ソレスタルビーイングの引き立て役である。パイロットたちの腕も微妙、性格もあれだったし……。
普通であれば見殺すのがうまいやり方だと思うが最近、ソレスタルビーイングで活動していると当たり前だが他で動きづらい。もしなにか原作にない異常があったときに対処がしにくいのだ。しかし、自身以外の駒があればそれを解決することができる。
秘密道具でコピー人形やふえるミラーでの自分のコピー、新たに人間を作るという手もあるが正直どれも微妙である。コピー人形や自分のコピーは俺であるという点でまず制御できない。それどころか俺が消される可能性があるのだ。さらに人間を製造するのも非人道的な部分が強く、これも暴走したときに止められる可能性が低いので却下。ということで暴走しても止められる彼らを率いれた方がいいと思ったのである。この世界以外で動くのにも使えると思うしな。人格の方は秘密道具でなんとかなるしな。後は説得の方法か……。
俺が今後について考えを深めていくと状況は変わらず夜になっていった。
ふむふむ、なるほど
皆が手と手を合わせてマイスターたちの無事を祈っている中、俺は現在のガンダムたちの様子をタイムテレビでこっそり観戦していた。無論、皆にはこのタイムテレビは見えていない。
今の目の前ではキュリオスが多数の人革連のモビルスーツに攻撃を受けている。
他のガンダムも大多数のモビルスーツ部隊に苦戦を強いられているようだ。
そして時間は過ぎて夜を明けて朝になる。
状況はこちらに傾くことはなく、それどころか悪くなってく。ガンダムたちが鹵確されそうになった時に三機の機体が現れる。色は違うが赤いGN粒子を出すガンダムタイプだ。
……始まる
奴らによる民間人に対しての破壊活動、無差別殺人が。
後、ノートを見て思い出したが、ネーナが行った結婚式場のあれについても俺は動こうと思っている。あの事件がなければ後々楽になりそうだからな。
俺は一人これからのことについて気を引き締めた。