目が覚めたらのび太になっていた   作:厨二王子

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陽動

 例のテロの騒ぎはエクシアとデュナメスが見事に解決してくれてあれから時間が経ち俺たち地上組は宇宙へと帰還していた。現在、ガンダムの卓逸した戦闘能力によって紛争の縮小に成功出来ているが、各国の武力の反発は収まることを知らないでいる。俺もとくになにもアクションを起こしていないので特に原作と違う流れにはなっていない……なっていないはず。

  それよりも今プレイマイオスでは大騒ぎになっていた。

 

 

「出撃命令だ!デュナメスの状態はどうなってる!?」

 

「急ピッチでなんとか」

 

「わかった……のび太悪いが管制室へ向かってくれ。こっちはもう大丈夫だからな」

 

「了解」

 

 俺はイアンに見送られスメラギさんたちがいる管制室へ向かう。詳しく事情は分からないがどうやら敵にここを探知されたようだ。

 駆け足で管制室に向かうと皆がいつもの配置でそれぞれの役割をこなしていた。俺も慌てて自分の席に座る。

 

「のび太、システムのプロテクトをお願い」

 

「大丈夫ですけど、そこまで厳重なやつはかけられないですよ」

 

「構わないわ。その変わりに出来る限り重ねて」

 

「了解」

 

「こっちが終わったら私もそっちの作業に移れるからそれまで持ちこたえて!」

 

「頼む」

 

 シエラが合流するまで持ちこたえることくらい俺にでも出来るはず。俺はなるべく早く質もよくプロテクトを施していく。使えそうなものは即時に出来る限りの修正する。

 やがてキュリオスとヴァーチェはそれぞれのポイントへ向かう。次に我らが戦術予報士の状況説明が始まる。向こうは艦が三隻とこちらはガンダムが四機という戦力。こちらは陽動にキュリオスとヴァーチェを出し挟みうちにしようとしたが向こうはさらに陽動をかけれた。これによりキュリオスとヴァーチェはその陽動に時間かけなければならなくなる。そして二機がこちらに戻ってくるまでの六分、その間一気に敵の波状攻撃が来るとのこと。相手は昔の戦いでもこの戦術を使ってきたので覚えがあったそうだ。指揮官は有名なロシアのアラグマであるセルゲイ・スミルノフ。

 

 ……となると。

 

「こちらの守りが……」

 

「でもエクシアとデュナメスで迎撃するしかない

 

『エクシア迎撃体制で出撃、デュナメスはプレイマイオスで射撃状態での待機をお願いします』

 

「プレイマイオス防御状態へ移行、通常電源をオフにする」

 

「耐えるのみ……か」

 

「戦うの?この船武装ないのに!」

 

「ガンダムがいますよ!」

 

「二機だけじゃない!」

 

「スメラギさん、前方に敵艦が!」

 

「デュナメス狙撃を開始して!」

 

『了解、狙い撃つぜぇ!!』

 

 こうして六分間の短いようで長い防衛戦が幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

「すごい衝撃!」

 

「スメラギさん、後何分ですか!?」

 

「後三分よ!」

 

 ちくしょう、まだ半分か。

 

 こちらはエクシアとデュナメスが問題ない状態で出撃できたとはいえ、向こうは作戦がうまくはまりかなりの数が攻めてきている。それにより迎撃しきれない流れ弾も跳んでくるわけで……。

 

「プレイマイオス、A 区画、B区画が損傷」

 

「スメラギさん、大変です!エンジン下部が損傷、このままじゃ!」

 

「くっ……」

 

 このまま耐えきれる可能性もあるが、正直デリケートな部分だ。

 

 ……仕方ない。

 

 俺は懐に仕込ませておいたタンマウォッチを使用。タイム風呂敷を持ちながら席を立ち、損傷しているエンジンへ向かった。

 

「くそ、よりにもよって外側とは!」

 

 損傷箇所が宇宙の面だったのでテキオー灯も一応使い、ロープをうまく使って損傷箇所にタイム風呂敷を被せる。

 これで修復完了。

 俺は急いで管制室へ向かい自分の席に何気ない顔で座る。そしてタンマウォッチを解いた。

 

「あれ?」

 

 シエラは一瞬首を傾げるが、続けざまに来る衝撃を受けてエンジンのことについて突っ込むことはなかった。このまま忘れてくれるといいのだが……。

 そして俺が修理してから数分後、敵の突然の撤退。そしてガンダムたちも無事に帰還。しかし、ヴァーチェのナドレを敵にさらしてしまうことに対してティエリアは一人怒っていた。


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