「提督、お早う」
「ああ、若葉。お早う」
今日の秘書艦は若葉。秘書艦補佐は不知火でまだ来てないらしい。まぁ、不知火も真面目な子だからすぐに来るだろう。と思っていたら……
コンコン
「司令官。不知火入ります」
ガチャ
「お早うございます。司令官」
「ああ、お早う」
さて、今日中に終わらせなければいけない仕事もないし、のんびりしたい所だが……
コンコン、コンコン
ああ……今日もアイツが来てしまった……
「…………入っていいぞ……」
「提督?どうしたのだ?」
「…………………………………」
ガチャ
「提督、お早うございます、今日もいい天気ですね。さぁ!お仕事ですね?大丈夫!私も手伝いますよ。この大和型一番艦。大和が全身全霊で提督の事をお支えしますよ!」
「…………ああ……よろしく頼むぞ……」
「提督?どうかされました?お気分が悪いのですか?大丈夫!今日のお仕事は大和にお任せ下さい。提督はお部屋で休んでて下さい」
「いや、大丈夫だ。それに今日の秘書艦と補佐は慣れている2人だから手伝いも要らないだろう。それに今日は大和は非番の日だろう?今日は1日ゆっくり休んだらどうだ?」
「提督……!そこまで大和の事を気にかけてくださっているのですね!大丈夫です!提督にお使えすることが大和の喜びなのですから。さぁさぁ、お仕事しましょう?」
「……大和」
「ああ!ごめんなさい!若葉さん、不知火さん。まずはあなた方に挨拶と今日のお仕事を手伝う意思を伝えなければなりませんでしたね!うっかりしていました。改めて、お早うございます若葉さん、不知火さん。本日は大和も2人と提督のお手伝いをしようと……」
「大和!」
「はい?何でしょうか?」
「提督が困っている。少し落ち着け」
「あら、失礼しました」
「…………少し、外の風に当たってくる。若葉、ついてきてくれ。不知火、少しの間頼むぞ」
「お任せ下さい」
「あ、大和も……」
「いい」
「あっ……分かりました」
「行くぞ、若葉」
「分かった」
......................................................
「と、言うわけだよ」
「なるほど、そう言えば提督はコミュ障だったな」
「コミュ障って言うな、誰だって初対面で毎日あんな感じのテンションで話されたらこうなる。大和も悪いやつではないし、今後の大きな戦力になるのは間違いないのだがな」
「ああもグイグイ来られると提督は使えなくなるし、大和も無自覚でやっていると」
「お前最近俺に対して酷くないか?」
「気のせいだ。とにかく、大和の態度をどうにかしないといけないな」
「ああ、とにかくどうにかして大和に大人しくしてもらわないとこっちの身が持たない」
「大和を大和撫子に……」
「…………………………………」
「…………………………………すまない、提督」
「いや……いい」
......................................................
「よう。陸奥」
「あら提督。こんにちは」
「すこし大和について聞きたいことがあるんだがいいか?」
「いいわよ。立ち話もなんだしどこかで座って話しましょ?」
......................................................
「で?大和についでだったかしら?まぁ、大体話の予想はついているわ」
「そうか、なら話は早い。大和ってのはあんなグイグイ来るキャラなのか?」
「そうねぇ……私のイメージではそんなことないんだけどねぇ」
「確か大和が建造された時立ち会っていたのはお前だけだったっけ?」
「そうねぇ、その時忙しくてあなたの挨拶も建造された日から何日が後になるくらいだったからねぇ」
「その俺のあってない数日のことはわかるか?」
「ええ、分かるわあなたの指示で大和のお世話係してたからね」
「その時の様子はどうだった?」
「とくに今みたいな様子は見られなかったわ。大人しくて。ああ、でも、今みたいに元気ではあったわねぇ」
「元気なのは素の性格であの頼ってもらいたい性格は何かがあったんだろうな」
「その言い方だと雷ちゃんみたいね」
「雷よりもグイグイくるけどな」
「司令官!私を呼んだかしら!?頼りたいことね!大丈夫!私に任せて!」
「よう、雷。いまはとくに頼りたいことは無いかな。ありがとうな」
「そう……頼りたいことがあったらいつでも私を呼んでね!」
「ああ!またな」
「じゃーねー!」
「……嵐のような子ね」
「大和はここで下がらずに手伝いをゴリ押ししてくるんだよ……」
「大変ねぇ。雷ちゃんは姉妹がストッパーになっているってのもあるかもねぇ」
「あー、たしかにそうかもな」
「と、言うわけで……大型艦建造……やってみる?」
「勘弁してくれよ……別の悩みが生まれるだけだ」
......................................................
「おや、提督。今日は少し遅いですね。何かあったんですか?」
「提督、お早う」
「てーとくさん。おはようっぽい!」
「青葉、時雨、夕立、お早うちょっとそこで陸奥と話していたんだよ」
「ほほう!陸奥さんと提督の2人きりで話す内容とは?青葉気になります!」
「いや、大したことじゃないよ。……いや、そうだな。青葉、少し来てくれるか?」
「分かりました!」
「時雨、夕立、少しの間2人でやってもらえるか?すぐ戻る」
「分かった。早く帰ってきてね」
「お仕事夕立に任せるっぽい!」
「頼んだぞ、じゃ」
......................................................
「なるほどなるほど。つまり、大和さんが何故そこまで雷さん病になったのかを調べればいいんですね?」
「なんだよ雷病って……まぁそういう事だ。頼めるか?」
「もちろんです!青葉におまかせ!」
......................................................
青葉に調べてもらっているうちにも大和の雷病が進行し、ほぼ毎日執務室に来ては仕事の手伝いをしている。悪気は無いし、仕事はキチンと出来ているのだが、いかんせん距離感が近い。いっそやめてくれと言えればいいのだが、別に悪いことをしている訳では無い…………どうしたものか……
「提督、今日の仕事はもう終わりだ。少し散歩に行かないか?」
「ああ、若葉。ありがとう」
若葉も気を使ってくれて仕事が早めに終わると散歩に誘ってくれる。丁度いい気分転換になってありがたい。
「司令官。おでかけ?」
「暁か、今日の仕事は終わったし若葉と少し散歩に行ってくるよ」
「そう、行ってらっしゃい。今夜司令官のお部屋に遊びに行ってもいいかしら?」
「ああ、もちろんいいぞ」
......................................................
「…………っは!……寝てたのか……」
「ようやく起きたか、大部長い間寝ていたぞ」
「若葉か、すまなかったな」
「いや、提督の寝顔を堪能できて悪くなかった」
「それは上々。俺も若葉が隣にいたからゆっくり休めた」
「……休めた……か。なぁ、提督?」
「どうした?」
「大和の事だ。正直な気持ち、大和の事をどう思う?」
「悪いやつではないが……もう少し距離感を覚えてほしいな」
「……私は提督を守るためなら何でもする。愛する人をこの手で守るとあの時に誓った。それはあなたも知っているはずだ。なのに何故、あなたは私に相談してくれなかった?大和が悪気はなく、別に自分以外は不快に思っていないから?大方そんな所だろう」
「ああ、そうだ。実際に今日も大和がいてくれたからこうして時間を取れた……皮肉だな」
「自分以外は不快に思っていない?提督、馬鹿か!言っただろう!私はあなたを愛していると言うのに、その愛している人のそんな姿を見てなんとも思わないとでも!ふざけるな!それはただの自己犠牲だ!自己満足だ!大和と波風立てたくないから妥協して!闘争を放棄して!ただ今のこの現状に甘えているだけだ!」
「若葉……」
「あなたは優しすぎだ!甘すぎるんだ!何故一言、迷惑だ、もう少し落ち着けと言えないんだ!私だけではなくもう鎮守府の皆はあなたと大和のことは知っている。だから暁もさっき心配して部屋に様子を見に行くと言っていたのだ」
「そうか、俺は若葉だけじゃなくて、他のみんなにも迷惑かけていたのか」
「そうだな。ただ、別に大和が悪いやつだとは思っていないぞ。これからの戦闘で大いに活躍してくれるだろうし、仕事の手伝い自体は本当に感謝している。」
「…………」
「もうあなたは大丈夫だ。さあ、戻ろう。暁はともかく、雷がそろそろ飛んでくるぞ」
「ああ、戻ろう」
......................................................
「あ、司令官!お帰りなさい。遅かったじゃない、心配したわ。」
「司令官!心配したわ!大丈夫?何かあったの?何かあったらすぐに私を頼ってね!」
「司令官さん。お帰りなさいなのです」
「司令官、もう少し早く帰ってきてくれないと、雷が困るよ」
「ああ、皆、ただいま。心配かけたな」
「大丈夫!もーっと頼っていいからね!」
「言っただろう?皆、提督の事が大切で大好きなのだから」
「ああ。……皆、俺はまだまだ未熟だから迷惑かけるかもしれないけど、これからも宜しく頼む」
「任せて、レディーとして当然よ」
「そうよ!もーっともーっと頼ってくれていいのよ!」
「司令官さん、電にも頼ってくれてもいいのです」
「私もできる限りのことをするよ」
「提督。若葉も提督に全てを捧げるよ」
やっぱり俺はまだまだだな。だが、それでも皆がいるなら大丈夫だ。
......................................................
ちなみに、後日大和と話した。
「大和。その、悪気はないと思うんだが、大和は少し、俺と距離が近いと思う。だから、もう少し、距離感を持って接してはくれないか?」
「あら、そうだったのですか。申し訳ございません。そうとは知らずにグイグイと、これからはもう少し大人し目に。そう、大和撫子みたいにしますね!」
と、あっさり了解してくれた。若葉が見込んだ通りに別に無能ではないようだ。この後も軽く手伝いをしてくれるくらいになってくれた。
......................................................
「提督。大和さん聞いてみたところ、理由が分かりましたよ。」
「お、そうか、で、何でだったの?」
「大和は前世で国の期待を一心に背負う船でした。だから、誰かに頼られる。誰かを助ける事が無意識のうちに好きだったのでしょう。らしいですよ」
皆さん。お久しぶりです、KeyKaです。
だいぶ長い間投稿期間が空いてしまいましたが生きています。
この小説を待っていてくれる人がいるのなら申し訳ありませんでした。
誰かにキチンとものを伝えるというのは大変ですが大切です。皆さんはめんどくせーとか、これ意味ねーだろって思ってもそのままにしてはいませんか?
自分の考えは喋らなければ伝わりません。言葉にして初めて自分の考えは生まれ、他人に伝わるのです