今日はこの前の非番の時から溜まっていた書類をやっと片付けてのんびり出来る午後になりそうだと思っていた。サボった罰としてここ数日秘書艦をさせていた北上があの発言をするまでは……。
「ねー提督?アタシと結婚してくれない?」
その瞬間、部屋には俺、北上の手伝いに来ていた大井、秘書艦補佐の龍驤、たまたま遊びに来ていた時雨と夕立がいた。
「…………北上さん?今なんて言ったのかな?僕、よく聞こえなかったよ」
俺が何か言うよりも早く、時雨が反応した。普段は若葉かいるかると遠慮しているが、未だに俺の事を諦めてはいないらしい。そのため、若葉以外の人には意外と好戦的な態度になる事が多い。
時雨が北上に食ってかかるより前に龍驤が止めに入った。
「落ち着きや時雨。提督が見てるで?」
「あっ……ごめん、提督」
「俺は構わない。だけど先に北上に謝りな?」
「うん。……北上さん、ごめんなさい……」
北上は気にした様子もなくひらひらと手を振って応える。
「いーよいーよ。アタシもちょっと言い方悪かったしね」
「でも、北上さんのさっき言ったことってどういうことなの?」
時雨が食い下がる。
「結婚じゃなくてケッコンカッコカリのほうだよ。アタシもそろそろ練度が99になるしね?」
忘れてた……。北上も若葉や叢雲、龍驤に続く最古参の1人でその性能から最前線には常にいた。その性能から戦艦を差し置いてMVPを取ることも少なくない彼女が若葉に次いで最高練度になるのは分かっていたのに……。
そんな事を考えていたら北上がジトーっと俺の方を見てきた。
「提督……もしかしてアタシがもうすぐ99なの忘れてた?」
おっしゃる通りです……
「い、いや……そんな事ないぞ……」
「提督って嘘下手だよね」
「ぐっ……。ああ、忘れてた。すまん、北上」
ここは素直に頭を下げよう。
「まぁ〜いいけどね?で、どうするの?ケッコン」
「うーん……どうだろうな……北上はよく最前線に出てるし、ウチのエースメンバーだから練度の上限解放って意味でもした方がいいのかな?でも、資源が最近カツカツなんだよなぁ……」
と俺が悩んでいたら北上がやれやれと言いたげなジェスチャーをして
「やれやれだな〜。提督〜?」
とホントに言ってきやがった。
「何がだよ?」
「女の子がねぇ?勇気を出して愛する人に結婚を申し込んだんだよ?それを損得だけで考えられたらねぇ?」
…………………………は?
俺が反応するよりも早くまたも時雨が反応し、さらに大井も動いた。
「北上さん!私という人がいながらどうして提督なんかに!?」
「北上さん……今なんて言ったのかな?愛する人?北上さんには大井さんと阿武隈さんがいるじゃないか?」
龍驤も遅れて2人を止めようとするが2人の圧力に負けてたじろぐ。あと知らないところで阿武隈は北上の嫁になっている。
「2人とも落ち着け!北上も、わざと2人を煽るような事はやめろ!」
と、俺が叫ぶも2人は聞く耳持たず。北上もヘラヘラして
「いやいや〜ホントだよ?」
と言い出す始末。
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最終的にたまたま通りかかった青葉と大和に(力ずくで)場を収めてもらった。
しかし、助けてもらった人が悪かった……。よりにもよってあの青葉に知られてしまった……。次の日には鎮守府の全員に広まっていた……。
次の日には俺と特に仲のいい、練度が高めの奴らから今回の件について問いただされる始末。
今回結婚を迫ってきたのは時雨、大和、青葉、そして北上だった。
若葉に相談しても
「好きにすればいい。結婚するのは貴方なのだから」
と言われてしまった。叢雲にはこの手の話題はしにくいし……。
なんて思っていたらまさかの叢雲からこの話を振られた。
「アンタ今色んな人からケッコン迫られてるんだって?モテるわねぇ」
「嫌味か?そういうお前ももうすぐ最高練度なのにケッコン迫ってこなかったな?」
「……別に、どうでもいいでしょ?アタシの心配をしている暇はあるのかしら?」
「それをお前に相談したくはないんだよ……」
「アタシはもう気にしてないわよ。気にしているのはアンタだけよ」
「相変わらず厳しいな」
「若葉はなんだかんだで甘いからね。アタシは厳しい側よ」
「お手を柔らかに」
なんだかんだいつとのやり取りをする俺達。叢雲はあの時の事はもう吹っ切れたらしい。俺もそろそろ切り替えないと。
それより今はケッコンについてだ。
「なぁ、叢雲。俺はどうしたらいいんだ?」
俺が聞くも叢雲は
「そんな事、アンタしか分からないわよ。自分で考えなさい」
と、お厳しいお言葉。なんだかんだで若葉と叢雲は少し似ている。
「そうだよなぁ……」
「アンタはどうしたいの?それが問題よ。資材はアタシ達がなんとかするわ。あとはアンタの気持ちの持ちようよ」
俺の気持ち……か。そんな物、最初から決まっている。
「叢雲、ありがとう。吹っ切れたよ」
「どういたしまして」
「やっぱりお前はいい女だよ」
「そういう言葉はあんたを好いてくれてる人に言うべきね」
「だからこそさ」
そう言って俺達は別れた。ここからは若葉も叢雲もいない。俺だけの問題だ。
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「で、最初は私たちってわけですね」
「て、提督……」
「…………」
大和と時雨、そして北上。三人同時というのはどうかと思ったけど、どうせ青葉に言う時点で全員に知れ渡るだろう。
「このタイミングで呼び出したって事は、例のケッコンカッコカリの事、提督のお考えがまとまったという事ですね?」
「提督!どうするの?ボク達とケッコンしてくれるのかい?」
「まぁ〜言い出しっぺだからアタシもやっぱり気にはなるね〜」
正直、皆にこの事を言うかどうかはずっと悩んでいた。でも、言わない事の方がみんなに対して不誠実のような気がしたんだ。
そう思って俺は口を開いた。
「ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ」
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「なるほどー。で、最後は青葉の番って事ですね?」
青葉はいつもの海岸に呼び出した。青葉とは一体一じゃないと本音が聞けないからだ。
「青葉」
「はい!何でしょう!?遂に若葉さんに続く愛の告白2回ですか?マイクもカメラもOKです!ささ!グイッとどうぞ!」
「……青葉。その前に言いたいことがある」
「…………なんですか?司令官?」
「分かっているだろう?俺とお前しかいない時はその道化の仮面を外してくれないか?俺は本当のお前と話がしたい」
「…………司令官は相変わらず厳しいですね。私がこうやって話すの嫌いだって知っているでしょう?」
青葉の本当の姿。自分を恐れ、他人を恐れ続けた道化の姿。いつもの陽気の仮面を外した本当の青葉。
「惚れた弱みってやつにしとけ」
「……やっぱり司令官は厳しいですよ。せっかく仮面を被って隠していたのに」
「仮面の下はいつか暴かれるのが世の常さ」
「分かりましたよ。で、私にはケッコン指輪をくれるのですか?」
「ああ。だけどお前だけじゃない」
「と言うと、後の三人にも配るのですか?」
「そうだな。だけど、そうじゃない」
「?じゃあ……」
「全員だ。今、最高練度の全員に指輪を配る事にしたんだ。そして、後に最高練度に達したらその時点で指輪を渡す事にする」
「……資材がドカドカ減りますね。叢雲さんに怒られますよ?」
「その、叢雲本人お墨付きさ。後で小言くらいは言われそうだけどな」
「でも、いきなりどうしてそんな事思い立ったんですか?あのコミュ障司令官が」
「お前も存外厳しいな……」
「本音を喋るとどうしてもこうなるんですよ」
「お前の本音が聞けて嬉しいよ」
「……天然タラシめ」
「……ただ」
と俺は続ける。
「俺は若葉の事が好きだ」
「いきなりどうしたんですか?惚気ですか?新婚自慢ですか?」
「違うよ。時雨やお前達が俺の事を好いてくれてるのは知ってる。でも俺は若葉の事を愛している。皆に優劣を付けたくないから全員に指輪を渡すけど、若葉だけは特別なんだ。それをお前には知って欲しかったんだ」
「……なんで叢雲さんじゃなくて私なんですか?」
「…………どうしてだろうな?」
「……やっぱり司令官は天然タラシですよ」
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そんな事があり、後日最高練度の北上、時雨、大和、山城、龍驤、叢雲、そして青葉に指輪が渡された。他の人達にも最高練度になれば指輪を渡す旨を通達し、今回は幕を閉じた。
指輪を受け取った6人の反応は様々だった。
恍惚の表情で指輪を見つめる大和と時雨(当たり前のように左手の薬指につけている)。
ニッコニコの上機嫌で指輪をつける北上と龍驤。
嫌々な顔をして付けて、後日自室で指輪をじっと眺める山城。
案外すっと指輪を受け取ってくれた叢雲(ムードも何もないけどねと言われた)。
そして、満面の笑みで受け取った青葉。
若葉にこの事を話すと「あなたらしい。いいんじゃないか?」と言われた。まるで何もかもを見透かされてる様な目で。
お久しぶりです。KeyKaです。今回は提督諸兄が常に悩むケッコンカッコカリについてです。
皆さんはケッコンカッコカリをどのようにしましたか?性能?好きなキャラ?人それぞれですね。
ケッコンカッコカリについてのご意見があればコメントにぜひお願いします。
それ以外のご指摘、ご意見等々も心からお待ちしております。