「ねぇ、提督?提督の吸ってる煙草を僕も吸いたいな?」
「ん?煙草?遂に時雨も煙草を覚えるようになったか
……。 ちょっと待ってろ。 コレは重いやつだから軽めのを奴を…… ほら、ん? どうした?」
「…………なんでもない。 ……バカ」
「???」
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「北上。 何してんだ?」
「ん? 読書だよ〜。 北上様は見た目通り清楚な文学少女なんだよ〜」
「へぇ。 本なんて読むんだ。 意外だな」
「提督って失礼だね。 って言っても読み出したのはつい最近なんだけどね」
「何読んでるんだ?」
「ひみつ〜」
「なんだよ。 そんなに恥ずかしい本なのか?」
「うわ〜? そういう事聞いちゃう〜? きゃー!てーとくがセクハラしてくるー!」
「人聞きの悪いこと言うな!」
「……だって。 恋愛小説とか柄じゃないじゃん……。ばか」
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「ん? あそこにいるのはガンビア・ベイか? 何してんだ?」
「良い?尊敬する人物は阿武隈先輩ですって言うんだよ?」
「尊敬スル人物ハ、阿武隈先輩デス」
「オイコラ北上、なに教えてるんだ」
「やべ、退散たいさーん」
「あっ! クソっ!逃げられた!」
「あっ!すみません! すみません!」
「あ、いや。 ガンビア・ベイは謝らなくて良いんだよ。 てか日本語上手いね」
「えっと、すみません。とりあえず謝っておけば何とかなるかなって」
「発想が日本人」
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「よう、山城。 どうした? そんな顔して」
「……私の可愛い時雨を誑かした挙句フッたクソ提督を目にしたらこんな顔にもなりますよ。 ……不幸だわ」
「それを言うと苦しいけど……時雨はいい女だぞ?」
「知ってる。 少なくともあんたよりかは知ってる」
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「……ふぅー」
「司令。 またサボりですか?」
「馬鹿言え不知火。 ちゃんと午前の分は終わらせてきた」
「それは結構。 しかし、最近本数が増えていませんか?この鎮守府のトップに立つ以上能力は勿論、私生活等での威厳が……」
「分かった! 分かったよ! 1日五本までにするよう努力する。 これでいいか?」
「……三本です」
「厳しいなぁ……。 不知火」
「はい?」
「心配してくれてありがとうな」
「……いえ、これも不知火の仕事の内です」
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「お、天龍。 木曾。 何してるんだ?」
「よう。 今日はもう予定は無いしタバコ吹かそうと思ってるんだが一緒にどうだ?」
「いいね、俺も行こう」
「提督は何吸うんだ?」
「久々にブラデビだ。 最近ご無沙汰だったからな」
「あー……。あれか」
「嫌か?」
「嫌じゃないけど人を選ぶよな」
「まぁそうだよな。 でも好きなんだよ」
「まぁ……人の趣味はそれぞれだから否定はしねーんだけどよ……」
「あれ……臭いんだよな……」
「え?」
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「ただいまー」
「提督、おかえり」
「若葉、起きてたんだ」
「提督が帰ってきてないのに寝る訳には行かないだろう?」
「そうか。 ……飲むか?」
「少しなら付き合おう」
「乾杯」
「乾杯」
「……ふぅー」
「流れるように煙草に火をつけるな」
「あっ!返せよ。 今日ラストなんだぞ」
「どうせすぐに新しい煙草に火をつけるじゃないか」
「不知火に一日三本までって言われた」
「ああ……不知火は怒ると怖いからな」
「若葉はなんも言ってこないよね?」
「自分の体を大切にしない奴には何を言っても無駄だからな」
「そうか……。 ん?なら何で今煙草を止めたんだ?」
「…………」
「……あー。 なるほどね」
「なんだ、ていとむぐっ!?」
「……ん……」
「ちょ……いきなり…………ふぁ」
「……若葉がこんなに甘えん坊になるとはね」
「……うるさい」
「心配してくれてありがとうな」
「……」
「で? 続き。 する?」
「…………。 テーブル片付けてから」
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「……クソみたいな寝顔ね。 早く起きなさい」
「……んぁ? 叢雲? おはよう」
「おはよう。 若葉はもうとっくに出てるわよ」
「……腹減った。 朝飯作って」
「バカじゃないの? ……はぁ、目玉焼きとトーストでいい?」
「おう」
「さて、今日も一日頑張るか」