人狼の少女も異世界に来るようですよ?   作:血涙道化師

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こんにちは血涙道化師です。
今後ともよろしくお願いします。


プロローグ

 と有る路地裏にて血塗れで倒れる複数の男性の虚ろな瞳で笑い続ける数人の男性、そして黒髪で2mはあるだろう長身の女性が生まれたままの姿で立っていた。

 

 そんな彼女は目の前の現状を見て、自己嫌悪に至る。

 

 彼女は自分が嫌いだった。。

 

 自分が持つ特別な力が嫌いだった。

 

 自分で止めることの出来ない自身の宿命が嫌いだった。

 

 そして何より、その力や宿命により起きる現状を、悲劇の連載を止めることの出来ない、そんなどうしようも無く無力な自分が嫌いだった。

 

「私何て……死ねばいいのに」

 

 少女は空を見上げながら、もはや口癖となっているその言葉を呟いた。

 

 だがそれも仕方が無い事だろう、少女は人一倍、臆病で優しすぎたのだから。

 

 臆病故に彼女は幾度、死にたいと思っても実行する勇気が無い、また臆病故に自らを守る為に力を使う、だが優しすぎる彼女はその結果に罪悪感を抱き、そして自己嫌悪に至るのだ。

 

 さらに人々は彼女の力を恐れた。

 

 故に人々は彼女を殺さんと、彼女に幾度となく襲いかかる。

 

 そして再び彼女は力を使い、更に自分を罪悪感と自己嫌悪にいたる。

 

 そしてそんな悲劇の連鎖がとめどなく繰り返し繰り返された。

 

 いっその事、残忍で残酷な化物に慣れれば、鬼畜で非道な外道に堕ちれたら、無機質で冷酷な機械で有れば彼女はどれほどに幸せだった事だろうか。

 

 しかし現実は非常で残酷だった。

 

 世界は彼女に無慈悲なまでに善人で臆病な心と、それに相反する力と宿命を彼女に与えたのだから。

 

 そしてそれにより幾度と無く引き起こされる悲劇の連鎖、それを止められ無い現実、彼女の心は常に悲鳴をあげつつけ最早限界だった。

 

 いや既に壊れているのかも知れない。

 

 何せ彼女は死にたいと言う思いと、死にたくないと言う相反する思いを常に持ち続け、悲劇を常に繰り返し続けているのだから。

 

 そんな彼女にの下に空からヒラヒラと落ちて来る物があった。

 

 それは1枚の手紙だった。

 

 少女はそれを思わず掴んで確認する。

 

 そして手紙に書かれた字を見て思わず目を丸くする。

 

神塚(カミヅカ) 椿(ツバキ)様へ』

 

 それは少女の名前だった。

 

 だが少女は困惑する。

 

 何故なら少女に手紙がくるなど、手紙をよこす存在などいるはずが無いのだから。

 

 故に少女は手紙をどうするかで悩んだ。

 

 だがいくら考えた所で結論は出ない。

 

 少女は深くため息を吐くと、諦めて手紙を読む事にした。

 

 そして少女は中に入っていた1枚の紙を取り出し、目を通した。

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 その才能を試すことを望むならば、

 己の家族を、友達を、財産を、世界の全てを全て、

 我らの〝箱庭〟に来られたし』

 

 少女はその文を見て首を傾げる。

 

 何故なら少女には家族も友人も財産と呼べる物など何一つ無かったのだから。

 

 むしろその文は少女に取っての皮肉でしか無いともいえた。

 

 だがある一文を見て少女は呟いた。

 

「……世界を捨てて……誰も…傷付けずに済むなら………箱庭でも…世界の果てでも………良いかな」

 

 彼女はそう言うと、気付いた時には彼女の視界は一変し完全無欠の異世界の4000m上空にいたのだった。

 

「え?」

 

 彼女はそんな声を出す。

 

 そして彼女の身体はそのまま重力に従い落下を開始する。

 

「このまま落ちたら……死ねるかな?」

 

 落下して行くなか、彼女は至って冷静にそして全てを諦めたかの様に、そのまま瞳を閉じたのだった。




続くか不明。

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