問題児と力を受け継いでしまった者が異世界から来るそうですよ? 作:皐月の王
現在、十六夜、飛鳥、耀、竜輝、ジンは六本傷”が経営するカフェの一角に陣取り今後のことを話し合っている。
「毎回噴水広場の近くに来ると思うのだけど、ニ一○五三八○外門のあの悪趣味なコーディネートは、一体誰がしているの?」
悪趣味なコーディネートとは外門と箱庭の内壁の繋ぎ目である石柱には、巨大な虎の彫像が掘り起こされており門上には今はもう潰れて存在しない旗印フォレス・ガロの旗印が存在する。ジンはため息混じりに説明する
「箱庭の外門は地域の権力者が"階層支配者"の提示するギフトゲームをクリアすることでコーディネートする権利を得ます。コミュニティの広告塔の役割もあるんです」
「そう・・・それであの外道の名残が残ってるのね」
フンッ、と不機嫌そうに髪を掻き上げる飛鳥。気を取り直したようにカフェテラスの席に向き直る。
「それで、北側まではどうやって行けばいいのかしら?」
飛鳥の服装は、黒ウサギから貰った真紅のドレスだ、普段着にドレスはどうかと思ったが慣れてしまえばどうということは無いらしい。
「んー・・・でも北にあるなら、とにかく北に歩けばいいんじゃない?」
無計画にも程がある意見を言った耀の服装は代わり映えしない、シャツ・ジャケット・ショートパンツ・ニーハイソックス・ブーツと、色気の無い組み合わせである。唯一のお洒落はブーツのアンクレットと埋め合わせで竜輝から貰った、水色と青色のブレスレット
「で?我らのリーダーは何か素敵な案はないのか?」
ニヤニヤと見下ろす十六夜も着た時と変わらない紺の制服と壊れたヘッドホン首にかけた格好だ。かなり簡単だな。
「で?我らのリーダーは何か素敵な案はないのか?」
ニヤニヤと見下ろす十六夜も来た時と変わらない紺の制服と壊れたヘッドホン首にかけた格好と一番簡易な服装だ、着古したダボダボなローブを着たジン。そして執事服を着て気絶している竜輝
「予想はしてましたけど・・・・・もしかして、北側の境界壁の距離を知らないのですか?」
「知らねぇよ。けどそんなに遠いのか?」
「やっぱり何も知らずに出発してたんですね、説明する前に言いますが、箱庭の表面積が恒星級だという話を知ってますか?」
「え?恒星?」
素っ頓狂な声を上げる飛鳥と表情を変えずに瞳を三度瞬きする耀。首肯しながらも、ジンの言葉に眉をひそめた十六夜、未だに気絶している竜輝
「それは黒ウサギに聞いて知ってるが、箱庭の世界は殆どが野ざらしにされてるって聞いたぜ。それに、大小は有っても町もあると」
「有りますよ。ですが、それを差し引いても箱庭は世界最大の都市。箱庭の世界の表面積を占める比率は他の都市と比べ物になりません」
「比率?」
「まさか、恒星の1割ぐらいを都市部が占めている・・・なんて言わねえよな?」
「そ、それは流石にありませんよ。比率と言ってもその数字は極少数になります」
「そ、そうよねそれで、ここから北側の境界線までどのぐらいあるの?」
安堵した息を漏らし飛鳥はジンに聞く
ジンは天を仰ぎながら思考し
「ここは少し北寄りなので大雑把でいいのなら・・・・・980000㎞ぐらいかと」
「「「うわお」」」
3人は様々な声音で呟く
嬉々とした、唖然とした、平淡とした声をあげた、約1名はそれで目を覚ます
~その頃のコミュニティ~
「食堂にはいなかったよ!」
「大広間、個室、貴賓室、全部見てきた!」
「貯水池付近もいないっ!」
「お腹すいた!」
「それはまた後でな。・・・・・・金庫の方は?」
「コミュニティのお金に手を付けていません。皆さんの自腹では境界壁まで向かうことができませんから、外門付近で捕まえれることが可能です!」
「なら、黒ウサギは外門へ向かえ。
捕まえれなくとも"箱庭の貴族"のお前なら境界門の起動に金はかからない。私は"サウザンドアイズ"の支店に向かう。招待状の贈り主が白夜叉なら無償で北の境界壁まで送り届ける可能性もあるからな」
黒ウサギとレティシアは行動を確認し合い、頷き動く
「あの問題児様方・・・・・!今度という今度は絶対に!絶対に許さないのですよ!」
黒ウサギの目にはかつて無いほどの怒りの火花が散っていた。怒りのオーラで髪を淡い緋色に染め、土埃をあげ爆走する
〜end〜
「いくらなんでも遠すぎるでしょう!?」
「遠いですよ!箱庭の都市は中心を見上げた時の遠近感を狂わせるようにできているため、肉眼で見た縮尺との差異が非常に大きいんです!」
「う・・・ううん・・・あれ俺何してんだろ・・」
「おっ?竜輝が起きたな」
「おはよう、竜輝君」
「おっおう・・・おはよう(何があったか思え出せない・・・後頭部が痛い気がするけど)」
「まぁ話を戻すけど、なら、"ペルセウス"のコミュニティに行った時みたいに外門と外門を繫げてもらいましょう」
「"境界門”"のことですか?断固却下です!外門同士を繫ぐにはお金がかかるんです!"サウザンドアイズ"発行の金貨で一人一枚!五人で五枚!コミュニティの全財産を上回ります!」
「(コミニティの全財産?いったいなんの話ををしているだ?境界門・・・どこか行くつもりなのだろうか? )」
気絶した際に軽く記憶が飛んでいる模様の竜輝、ジンに反論され苦々しい顔で黙り込む飛鳥達。
「今なら笑い話ですみますから・・・皆さんも、もう戻りませんか?」
「断固拒否」
「右に同じ」
「以下同文」
ガクリと肩を落とすジン
「竜輝何かいい方法無い?」
耀が竜輝意見を求める
「とりあえず、状況教えて」
十六夜達は竜輝に現状のことを説明する、挑発的な手紙を出したことも
「・・・なるほど・・・境界門を使いたい理由が分かったよ、北の大祭に行きたいんだよね?・・・普段なら帰ろう、て言いたいけど。僕も皆に黙ってたし・・・方法は無くもないよ?」
「竜輝さん!?この間の話で黙っとくと言うことで、竜輝さんは止める側なのでは!?」
ジンは動揺している、それはそうだろう、現状味方になりうる、人物が向こう側につこうとしているのだから
「ジン・・・ごめん、俺も火竜生誕祭気になっていたんだ」
「で?その方法はなんだよ竜輝?」
十六夜は軽薄な笑を浮かべ竜輝に聞く
「白夜叉が招待状送って来たんだから、北側に連れていってくれんじゃないかな?」
竜輝の一言で皆が黙り・・・
「それよ!その方法があったわ!早速行くわよ!」
「おう!こうなったら駄目で元々!"サウザンドアイズ"へ交渉に行くぞゴラァ!」
「行くぞコラ」
ハイテンションな十六夜と飛鳥に続き、ノリで声を上げる耀だった。
魂が抜けたジンを励ましながら、引っ張る竜輝はサウンドアイズに向かうのであった…
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