再び大ピンチが降りかかる
夢のような奇跡と、厳しすぎる現実に一喜一憂するイザヨイ
そんな中、そんな彼を見かねてスミレはある提案をするが、
これがまたイザヨイにとってはとてつもない大ピンチだった!
イ「ところで…、今何…、時?うぁぁぁ!?しまったぁ!!」
ス「きゃあ!?ど、どうしたんですかイザヨイさん!?」
イ「あぁ…、スミレさんまだいらっしゃったんですね…。あ、いや大したことでは…、えっと終電終わっちゃって…。」
ス「えぇ!?大丈夫なんですか!?」
イ「大丈夫…じゃないですね…、タクシーなんて無論呼ぶお金はおろか、漫画喫茶とかに泊まるお金もないので…」
ス「えぇ!?じゃ、じゃあど、どうするんですか!?」
イ「しょうがないですよ、もう歩いて帰るしかないんで、地道に歩いて帰りますよ。それじゃあ。」
正直、現在地から俺の家まで徒歩で行ったら軽く2時間はかかるが仕方ない…
スミレさんのイベントに参加するために関西圏から遠征してくる人だっていることを考えると、今回スミレさんとあれだけ会話できたことを考えたら徒歩で帰ることも惜しくない
そんなことを思いつつ、俺がトボトボと足を進めると
本当に今日はまさかの出来事が本当に起こる日だったようで…
ギュッ!
その場を去ろうとする俺の腕をスミレさんは俺の腕をがっしりと掴んでいた
イ「なっ!?ス、スミレさん…!?」
ス「あ、あの、私の家、ここからすぐなんですよ…。」
まさか…?
ス「も、もしイザヨイさんがご迷惑じゃなければ…」
やっぱり!
でも、それだけは絶対にダメだ!!
あくまでも俺はこの人のファン!!
ましてや彼女は人気声優であり
おまけに俺とスミレさんは今日初めてあったもの同士!
そんな一線を越えることだけは絶対にしちゃダメだ!
言葉を続けようするスミレさんを急いで制止しなければ!
俺はスミレさんの肩をがっしりと掴んで、顔を横に思い切り振った
イ「だ、ダメです!!スミレさん!!それだけは絶対にダメです!!」
ス「えっ!?で、でも、だってイザヨイさん私と話してたから…」
イ「ダメ!絶対にダメです!!お、俺たちここで出会ったばかりなのに絶対にダメ!!俺なら大丈夫!歩いて帰れるから本当に大丈夫ですから!」
側から見たらとんでもなく美味しい状況をなぜ拒むのかと思う人はいるであろう
しかし、付き合ってもないのに一線を越えるようなことは絶対にしちゃダメなんだ!
何よりここで何か起きた時にスミレさんに一番迷惑がかかってしまう
何より、スミレさんに迷惑をかけたら、悲しむのはスミレさんだけじゃない
スミレさんを推している彼女のファンたちに迷惑がかかってしまう
しかし、どういう訳かスミレさんもなかなか喰い下がらない
何故なんだ!?
スミレさん、さっきから自分のことを有名声優だっていうことを自覚してないのか!?
だったらなおのことだ!
ここで俺が喰い下がってあげないとスミレさんは
俺のためにこの後とんでもないことに巻き込まれてしまう
そんなことを思っていたのだが、
突然、スミレさんは俺の腕をがっしりと掴んで茂みに駆け込んだ
イ「わわ!ス、スミレさん!どうし…ん!?」
俺が語りかけると、スミレさんは俺の口の前に指を押し当てて、
口を塞いだ。正直、若干嬉しい…
って!俺はなにを言ってるんだ!
イ「んー!?んん…!?」
ス「シー!静かにしてください。さっき、なんか物音がしたんですよ!それこそ私たちの今の姿を見られたら…」
物音?
そんな音しただろうか?
ス「もしかしたら、結構大きな声で話してたから誰か気づかれたのかもしれません!このまま茂みに隠れたまま人気のないところにいきましょう!」
物音がしたように思えなかったが…
訳がわからないまま俺はスミレさんに腕を引かれながら、
ひたすらに茂みの中を2人でコソコソと抜けていき…
ス「ふぅ、さぁここまで来れば大丈夫です」
イ「はぁ、はぁ、結構走りましたね…。ってここどこなんだ?無我夢中に走って来たけど…。」
俺がスミレさんに連れてこられた場所には、厳かな雰囲気を漂わせる立派な一軒家が建っていた
イ「はぁ、随分立派な家ですねぇ。都心部にこんな豪華な家が建ってるとは」
ス「ここ、私の家です♪」
イ「へぇ、そうなんですかぁ…、ってなんだってぇぇぇぇぇ!?」
ス「だってこうでもしないと、イザヨイさんあのまま歩いて帰っちゃうと思ったから。」
この人は一体何を考えてるんだ!?
自分がどれだけ有名人なのかわかってないのか!?
この人が出たアニメの劇場版が興行収入が20億円以上を記録したことだってある
某有名な歌番組の生放送にも出演したことだってあるし、
紅白にだって出たことがあるんだぞ!?
おまけに今年はミュージカルにまで出演したことだって
それに何より、何より…
とにかく、スミレさんは優しさのつもりかもしれない
だけど、あんな思いをニ度とさせたくない!
俺はスミレさんの肩をがっしりと掴んで語りかけた
ス「イ、イザヨイさん?」
イ「ごめんなさい、スミレさん。スミレさんの気持ちはすっごく嬉しいし、思いもしっかり伝わってきました。だけど!だけど!だけど!やっぱりダメですよ!!」
ス「ど、どうしてですか!?私は大丈夫って!」
イ「だってスミレさん!_______じゃないですか!?もし俺と一緒のところ誰かに見られてまたそんなことになったら大変じゃないですか!?」
ス「はっ!?」
はっ!しまった!言ってしまったぁ…。
これはスミレさんのファンの間でタブー中のタブーの発言!!
スミレさんの表情と言ったら…、言うまでもない
当然のような唖然顔…
当たり前だ…
スミレさんは俺のために尽くしてくれようとしたのに
俺は自己嫌悪に苛まれた
これで今回は愚か、これからもこの人は会うことはないだろう
だけど、それでスミレさんが守れるならそれで良い
必要悪という言葉があるように、誰かを守るためには仕方ないことだってあるんだ
俺は色々覚悟を決めて腹をくくった
イ「ご、ごめんなさい…、でも、俺もスミレさんに迷惑かけたくないから。せっかく、あのことを乗り越えて今があるのに、俺なんかのために、また壊したら絶対にダメですよ。」
俺はスミレさんに伝えるべきことを伝えて今度こそスミレさんのそばから離れようとした
その時だった
ガシッ!
スミレさんはまた俺の腕をがっしりと掴んでいた
イ「スミレさん?って!このやり取り何回目なんですか!?今言ったでしょ!?俺の存在は!」
ス「なんで、私が良いって言ってるのがわからないんですかぁ!?」
イ「ひぃぃ!?」
スミレさんは先ほどとの優しい態度から一変し、怒りに任せた大きな声を張り上げ、そしてそのまま俺の腕を引っ張って、強引に家の中に引きずり込んだ
バタン!ガチャ!
イ「ちょちょちょ、スミレさん!スミレさん!わかりました!わかりました!わかりましたからもう手を離してください!!」
ス「嫌っ!!もう強引に家に入れないとイザヨイくん、いつまでもウジウジ言うんだもん!!」
ん?
スミレさんの口調がさっきまでと変わった?
怒って興奮したのか?
いや!にしたって急にこんな荒々しい口調になるか?
それに何より俺のことをイザヨイくん??だと???