SMILE-ほほえみのチカラ-   作:十六夜ROCKET

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憧れの人からの衝撃告白に、やはり戸惑いを隠せないイザヨイ

しかし、スミレはイザヨイにとって憧れの人なのは変わらなかった

自分のせいでスミレの人生を壊したくない
そんな気持ちとは裏腹にますます行動が大胆になるスミレ

一体、彼女はイザヨイに対してどういう思いを抱いているのか?
そしてイザヨイの気持ちは?


第5話・不可解な夢と現実

そして翌日

 

 

「…、ん?ふぁ〜zzzzよく寝たぁ。さて、スミちゃんが寝てる間に抜けださな…、あれ?スミちゃんがいない?もう起きてるのかな?」

 

 

部屋のあたりを見渡してもスミちゃんが見当たらない…

 

 

どこに行ったんだろう?

 

 

まぁ、でも俺にしてみれば都合が良いや

 

 

スミちゃんのことだからこっそり抜け出すような真似をしようものなら何されるかわかったもんじゃない

 

 

何度も言うが別に嫌ってわけじゃないんだ

これはスミちゃんの為なんだよ

 

 

せっかく軌道に乗ったあの人の道を3流芸人の俺が崩していいわけないんだから

 

 

俺は重い腰を上げでその場を去ろうと…

 

 

ガシッ!

 

 

ん?腰ではなく腕が重い?

…。大体、って言うか多分予想は当たってる…

 

 

イ「何してるのさスミちゃん…。」

 

 

ス「やっぱり逃げ出そうとした!!」

 

 

イ「そこじゃあない!!!なんでベッドに寝てたはずの貴女が俺が寝てた布団で寝てるんだ!!」

 

 

ス「なんでって…、だって…、イザヨイくん…、私と会ってからずっと逃げ出そうとするんだもん…。ちょっと強引にならないとすぐいなくなっちゃうと思った…からぁ…。」

 

 

スミちゃんは、頬を軽く膨らませて下を向きもじもじしながら、そう俺に答えた

 

 

やっぱりこの人可愛い、そんなことを思いつつも、俺は淡々と彼女に言葉を続けた

 

 

イ「スミちゃんなんか俺と会ってからおかしくない?どうしてそんなに固執するのさ?」

 

 

俺がそう問いかけると、スミちゃんは俺のことを流し目で見つめながら、軽く膨らませた頬をさらに膨らませながらそのまま俺に突進して来た

 

 

イ「のぁーー!?ちょっ!?いきなり何するの…フガッ!?」

 

 

スミちゃんは俺に馬乗りになって親指を俺の口に突っ込み広げ、

そのまま感情赴くままに言葉を続けた

 

 

ス「もう!!バカバカバカバカバカァー!!なんで気づかないのよ!どこまで鈍感なのよーーー!!」

 

 

イ「ふぇぇ!?はに!?いっふぁいふぁに!?(何!?一体何を!?)ふぉれふぁふぁにふぃふぁっふぇんふぁよ!?(俺が一体何をしたってんだよ!?)」

 

 

ス「何もしないから怒ってるのよ!!もう我慢できない!こうなったら身ぐるみはがしてでも分からせてやるんだからぁ!!」

 

 

イ「ひぇぇぇ!!!?」

 

 

バサッ!!

 

イ「や、やめてくれぇぇぇぇ!!ってあれ?ゆ、夢?」

 

 

俺は唐突な悪夢(?)に苛まれ、目が覚めた

 

 

イ「は、ははは…。なんだ夢かぁ。そうだよなぁ!憧れの声優に家に誘わられて、で、その声優が実は幼馴染で、そんでもってその幼馴染に馬乗りされる?そんな漫画みたいなシチュエーションがありえるわけないよなぁ。あーぁ、そうかぁ。なんだ夢かぁ」

 

 

俺は自分に言い聞かせるようにそう悟ったが、明らかなる違和感にとっくに気づいていた

 

 

イ「で?どこだぁここぁ!?」

 

 

高い天井

 

 

明るい日差し差し込む窓

 

 

ふかふかの布団

 

 

3流芸人の住めるシチュエーションであるわけがねぇ!!

 

 

さらに俺は辺りを見渡すと、さらなる違和感に気づいた

 

 

イ「ベッドがある…、あれは明らかに男物じゃない…。と言うことは芸人仲間の部屋じゃない…。」

 

 

現実逃避も兼ねて俺は布団の中に潜り込んで熟考した

 

 

俺に女の兄弟はいない

 

 

芸人仲間の部屋じゃない

 

 

そしてましてや夢に出たあの森坂澄海麗の部屋なわけなはずがない

 

 

だとしたら答えはただ1つ

 

 

イ「これも夢だな。きっとこうして寝てる内にまた現実の世界に戻れるさ」

 

 

しかし、そんなのはただの幻想だった

 

 

「イザヨイくーん!おはようー!!起きたー!?」

 

 

聞いたことある声だ…

そしてなんだこのデジャブは…

 

 

俺は恐る恐る布団をめくり、声のする方へ目を向けた

 

 

ス「えへへ、おはよう♬」

 

 

イ「お、おはようございます…、起きて早々に質問がいくつかあるのですがよろしいですか?」

 

 

ス「はいどうぞ?」

 

 

イ「まずあなたは声優の森坂澄海麗さんですか?」

 

 

ス「はいそうですよ?」

 

 

イ「あなたの森坂っていうのは芸名ですか?本名ですか?」

 

 

ス「いいえ、芸名です。本名は高園って言います」

 

 

イ「えぇっと、ここはどこですか?」

 

 

ス「私の家です」

 

 

イ「なるほど、では最後の質問です。どこから現実ですか?」

 

 

ス「現実?うーん、そうねぇ。イザヨイくんがいつまで経っても私の家に入ろうとしなかったから私が痺れ切らせて思い切りお腹殴ったらそのまま気絶してそのまま」

 

 

イ「あそこかぁ!!てか、何やってるんだよスミちゃん!!自分の立場わかってるの!?あなた有名人なんだよ!?軽々しく異性を家に入れちゃうのさ!?」

 

 

声を荒らげて激昂する俺の気持ちとは裏腹に、スミちゃんは突然嬉しそうにほくそ笑んだ。

 

 

イ「ちょっと!何笑ってるのさ!?こっちが本気で注意してるっていうのに!!」

 

 

ス「ごめんごめん、でも嬉しくなっちゃって。イザヨイくんがようやく私のこと思い出してくれたから」

 

 

イ「へっ?何言って、だって昨日だって名の…あっ!」

 

 

そうか

スミちゃんが俺を気絶させて家に連れ込んだタイミングは、

まだ俺がこの人のことをスミちゃんと気づいてなかったタイミングだ

 

 

ス「さ、朝ごはん出来たからさ♬食べに行こ!」

 

 

スミちゃんは昨日、と言うか夢の中の彼女とはうって変わった様子だった

 

 

今の彼女と夢の世界での彼女とのギャップ

 

 

いや、と言うか現実と夢の世界の親近感が強すぎるというか

 

 

俺は混乱を隠せないまま、とりあえず一旦スミちゃんが作ったと言う朝ごはんを食べに行こう

 

 

あれ?でも待てよ?

もし、あの人が俺の知ってるスミちゃんだとしたら?

 

 

ス「さっ♬召し上がれ♬」

 

 

屈託のない笑顔を浮かべるスミちゃんをよそに、

テーブルに並べられた彼女曰く、この料理と呼ばれる物体は

あまりに漆黒過ぎて、あまりにも禍々しく奇怪な匂いを放っていた

 

 

イ「ちなみにこれは何を作ったの…?」

 

 

ス「えっと♬卵焼きと鯵の開きを焼いたのと、あとサラダ!」

 

 

サラダ!?

 

 

卵焼きと鯵はまだわかる。火を使って加工するからな

でもサラダ!?何故サラダが黒いんだ?

 

 

わからない…、しかし、この料理と呼ばれている物体が人体に影響を及ぼすことは間違いない

 

 

しかし、スミちゃんは自分の両頬に手を当てながら笑顔を浮かべてこちらを見つめている…

 

 

だが…、これを口に入れるのはあんまりにも勇気がいる

 

 

俺が料理をなかなか口にできずに眺めていると、

スミちゃんは先ほどの屈託のない笑顔は一気に崩れてしまい、

 

 

ス「食べてくれないのぉ?せっかく作ったのにぃ…」

 

 

スミちゃんは軽く涙を浮かべながら俺の方を切なげに見つめてきた

 

 

うぅ、えぇい!ままよ!

 

 

イ「た、食べるよ!美味しそう!いただきまぁーす!」

 

 

パクっ!!バタッ!

 

 

ス「えっ!?イザヨイくん!?イザヨイくーん!?」

 

 

注・推しに真剣でも無理なものは無理な状況が時として発動する

 

 

ス「だ、大丈夫…?イザヨイくん…?」

 

 

イ「ゲホゲホ、だ、大丈夫…」

 

 

ス「ご、ごめんね…、ちゃんと料理したの10年ぶりぐらいだったから…」

 

 

にしたって、これは食べ物と呼ばない

 

 

体内に決して入れてはいけない代物だ…

 

 

イ「ちゃんと料理したの10年ぶりって言ったけど、今までどうしてたのさ?」

 

 

ス「えっと…、基本的にはなんか買ったり、あとはお仕事一緒だった人とかとのお付き合いとかで済ませてたから…。ほらあとは遠征というか、色んな場所に行かせてもらってるし」

 

 

まぁ、売れっ子声優ともなれば当たり前か

 

 

ス「ご、ごめんね…、無理やりに家に連れ込んだから何かしてあげなきゃと思ったから…」

 

 

まただ

スミちゃんは時として活発な状況が一変し、突如としおらしくなる

この発動タイミングがいつなのかわからないけど

 

 

俺は昔からこのしおらしい彼女の表情を見てしまうとどうにもほっとけないんだよなぁ

 

 

イ「スミちゃん、まだ材料とか残ってる?」

 

 

ス「えっ?あるけど…」

 

 

俺はキッチンに立ち、余った食材を使い料理をスミちゃんに振る舞った

 

 

イ「はいどうぞ。」

 

 

ス「うわぁ♬すごーい!!イザヨイくん!料理できたんだっけ?」

 

 

イ「まぁ今はコンビニバイトだけど、飲食店でバイトしてたこともあるし、売れない芸人なんて外食する余裕なんてないし…、あら?」

 

 

もぐもぐ

ス「うわぁぁ♬美味しい‼︎すごいねイザヨイくん‼︎美味しいね‼︎」

 

 

まるで話を聞いてない…

 

 

ったく本当に子供っぽいところも昔と変わらないなぁ

 

 

でも、この人のこういうところは本当に可愛いんだよなぁ

 

 

なんというか、普段お姉さんぶってる分、たまに失敗して本気で凹んで、立ち直るとすっごく子供っぽく喜ぶ姿が本当に最高なんだよなぁ

 

 

しかし、俺は決して勘違いしてはならないんだ

 

 

いま俺の前にいるのは間違いなく、幼馴染の高園澄海麗

だが、それと同時にこの人は人気声優の森坂澄海麗なんだ

 

 

あんなことがあってからと言うものの、気が気でならない俺は、

本人にあのことを尋ねてみることにした

 

 

イ「ね、ねぇスミちゃん…、聞きたいことがあるんだけど…。」

 

 

ス「むっ?まぁに??」

 

 

イ「…。とりあえずその頬張ったオムライスを飲み込んでからにしようか…。」

 

 

ごっくん

ス「えへへ、ごめんごめん。で、なぁに?」

 

 

イ「あの、本当に俺を家に入れて良いの?」

 

 

ス「…。イザヨイくん、再開した時からずっとそれ心配してるけどそんなに気にすること?」

 

 

イ「気にするさ!だってスミちゃん、去年そのせいで週刊誌にすっぱ抜かれたじゃないか!おまけにただの誤解だったのに!」

 

 

ス「えっ?」

 

 

イ「気が気でならないんだ。せっかく今こうやってまた活躍できるようになったのに。も、もし俺とこうして一緒にいるところがすっぱ抜かれでもしたらまた…」

 

 

そう、何度も言うがスミちゃんは人気声優・森坂澄海麗なんだ

 

 

過去にそれを良いことにパパラッチ共が彼女をスキャンダルを幾度となく狙ってきて、去年は誤解にも関わらずすっぱ抜かれてしまった

 

 

幸い、誤報だったのでそこまで大きな火種になることはなかったが、

もし、今のこの状況を誰かに見られでもしたら今度こそ言い逃れは出来やしない

 

 

ましてそれが俺のせいでなんて冗談じゃない!

 

 

俺が大好きな声優さんの人生を俺なんかのせいでぶち壊したくない!

 

 

俺はそんな思いで、触れてはいけないこととわかりつつも、

スミちゃんを守るためにその疑問をぶつけたが、

彼女から返って来た返答は俺の予想を遥かに超えるものだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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