序章 強度殺しの少年のお話
⁇年前 -とある路地裏-
「お、兄ちゃん……。小町もう……」
「大丈夫だ。小町……。俺がついてるから!」
真っ暗な路地裏。その細い道を走る兄妹。現在の名前は、比企谷八幡と比企谷小町。
「安心しろ。ここを抜ければ……全部終わる、から……」
「………はぁはぁ。うん。お兄ちゃん……」
真夜中の路地裏はとても暗く、いるだけで恐怖を覚えるほどだった。
二人は走った。
─────この日、学園都市から脱出した。
。。。
七月九日 -とある高校-
「ここはですねー…」
とある教室にとある教師の声が響く。
「はちやん、はちやん、何ボーっとしてるんや」
「ん………? 夢、か……」
今俺を起こしたのが、青髪ピアス。本当の名前は知らない。
「はちやん、いつもだるそうやな?」
「そうか?」
「そうやん。よく寝とるし」
ちなみにはちやんというのは俺のあだ名らしく、青髪ピアスの他に、同じクラスである土御門元春というやつもそう呼んでいる。
「うるせぇ。エセ関西弁」
「エ、エセやないわ!」
「いや、青髪の関西弁はエセニャー」
こいつが、先ほど俺が言った土御門元春。金髪にサングラスであり、最近だと、平日はアロハシャツを着ている。…最近からかは知らんけど。
「な、なんや2人共! いきなり僕を攻め立てて!」
「そこー煩いですよー」
「今のは、上条クンが放屁した音ですニャー!」
「お、おい!土御門!」
今注意してきたのは、身長135cm。見た目は12歳くらいの教師だ。髪はピンク色。一応車の免許とか持っている
そして、土御門が出した名前、上条は、黒髪にツンツン頭の髪型。不幸不幸と連呼している少年。下の名前は当麻だ。中学時代に色々あり、こいつとは友人と言える間柄ぐらいになってしまっている。
「上条ちゃん。授業中に放屁は感心しないですよー」
「ふ、不幸だ……」
この通り、大体の厄介事は、上条が貰い受けてくれるのだ。
まぁそんなことは置いておこう。
中学時代ずっとぼっちで居心地のいい生活をして来たはずの俺がいつの間にか友達と呼べる存在が出来ている。
上条当麻。土御門元春。青髪ピアス。
…………これだから俺は、
。。。
七月九日 -とある路地裏-
「比企谷くん、そっち終わった?」
「はい、終わりました」
暗い暗い路地の裏、昔の事を思い出しそうな路地裏で俺はある仕事を遂行していた。
───暗部組織『ノーマル』。
俺が勤めてる暗部組織の名であり、俺がリーダーだ。学園都市の裏で活動する秘密裏な部隊で、少数精鋭である。
『ノーマル』、の他にも、『スクール』、『アイテム』、『ブロック』、『メンバー』などの暗部組織が存在する。
これで俺が何しているかとわかったと思うが俺は裏の世界、暗部の住人だ。
暗部とは、とある理由で学園都市の闇に堕ちてしまった者たちが活動する場所。ここにいる俺は勿論、何人もこの世界に堕ちてきている。
この暗部組織『ノーマル』は主に暗部組織の解体、及び暗部の存在を消すための組織なのだが多分俺たちが組まされた理由は統括理事会しか知らないだろう。
さっき話しかけて来たのは雪ノ下陽乃さんだ。
暗部組織の同僚である。
もちろん他にもいるが今日はいない。
残りの二人は高校で一個上の先輩、城廻めぐりさんと同級生の材木座義輝だ。
今日の仕事内容は研究所の護衛だった。
そんな俺の能力は何だ?と思った人もいると思う。
俺の能力は《
この能力は、名前通り、相手のレベルを落とすことができる能力。永遠というわけではなく、一定時間だけ、レベルを落とすことができる。
学園都市には、
俺が一向に能力に名前をつけないせいで上層部の人間に勝手につけられた結果がこれだ。
厨二病だよね?これ。
まぁ、能力は大体こんな感じの名前だけど。
俺は原石と呼ばれる種類の能力者だ。
通常の能力者たちは
そのため、原石の持つ能力は絶対に強いというわけではなく、珍しい能力が発現する。
「比企谷くん。ぼーっとしてないで」
「あ、はい」
「ちゃっちゃと仕事終わらせるよ」
。。。
七月九日 -
仕事が終わり、俺は現在、
最初は疲れたから帰るつもりだったが、
皆さんお気づきかとは思うが、俺は
「お兄様、こないだやった能力開発で
白井が話しかけてくる。
こいつはお兄様と呼んでいるが本当のお兄さんではない。
俺は親しみというか以前白井を助けて以来、この呼ばれ方になった。
「あ、ああ、お前は
「そうですの」
この会話の通り、俺の能力の事は、暗部の連中しか知らない。当麻などにも話しておらず、ずっと隠している。
何事もなく
。。。
七月九日 -比企谷家-
家に帰ってきた俺は、神裂火織という名の少女と電話している。
彼女は魔術サイドの人間であり、俺の元仲間であり、現在は同僚の間柄だ。
魔術サイド、というのは、いわゆる、学園都市の科学の力と反対の物。学園都市の学生たちとは違い、才能に恵まれなかった者たちが作り上げた力。
学園都市は、科学サイドと呼ばれていて、魔術サイドには、数え切れないほどの組織が存在する。
『八幡、お久しぶりです』
「堅苦しいのはやめてくれ……。結構俺らって昔からの知り合いだと思うんだが」
『い、いえ、今は知り合いとか関係なしに、仕事の話ですので』
「はぁ……。それで用は?」
この神裂という少女は、魔術サイドに属するイギリス清教の一つの組織、『
ちなみに俺も神裂と同じく『
『今回は
「また、逃げたか…」
『ええ。それで、今年は学園都市に逃げ込んだらしく、現在も捜索中です。私……いや、私とステイルは学園都市のことがよくわからないので、案内などをよろしくお願いします。土御門にはお願いできないので、少しの間迷惑をかけます』
「お、おう。わかった」
先ほどの神裂の口から出た名前、ステイルは、『
そして、土御門元春。同じクラスであり、実は魔術師である土御門は、学園都市からイギリス清教へ潜入したスパイであり、イギリス清教から学園都市に潜入したスパイ。
『それでは、後日そちらに伺います』
「うす」
──────────この時の俺はまだ知らない。
この短期間の間ににつの面倒な事件に巻き込まれてしまうことを。
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