人柱力会談、開始…!
「これは…中々動きづらいものだな。」
そう口にしたのは、いつもの着流しの上からの〝六〟の衣装を着用したウタカタだ。
人柱力会談が行われる湯隠れには、私の水で向かうためそこまで移動時間はかからない。
「そうだろうっ!
ほら、青!ウタカタも動きづらいと申しているぞ!」
「だからと言って水影であるやぐら様が普段から水影衣装を着ないのは威厳が…」
「やぐらさん、私…やぐらさんが水影衣装着てる所…好きですよ?」
なんか可愛いから。
その言葉は心の中に留めておく。
「そ、そうか?ならば毎日でも着よう、うん。可愛い婚約者の意見ならば聞かない訳には行かぬな、うん。」
〝好き〟と言う言葉に動揺しすぎてどこかのデイダラの様になってしまっているやぐらさんを見た青は、ため息をついた。
「ハァ…いいですか、他の影達の前ではそんな事ではいけませんよ?タダでさえ最年少で水影となったやぐら様は威厳が足りないのです。
婚約者にデレデレしすぎてドン引きされないように。」
「デ、デレデレはしていない!」
「いや…してるな。水影様がヒナタといる時は、こう…ハチミツと砂糖とメープルシロップを一気に食べている気分だ。
ナチュラルにヒナタを口説くものだから余計にな。」
「当然だろう?ヒナタは可愛い上に優しい婚約者なのだから。」
((こういう事を公衆の場で平気で言うのはなぁ…))
「や、やぐらさん…恥ずかしい…」
「ほら!照れている姿も可愛いだろう!?」
「アァ、ソウダナ。」
「…ヒナタはやらんぞ?」
死んだ魚の目で同意したウタカタにピンポイントで殺気を向けるという器用な事をやってのけるやぐらさん。
「…そろそろ湯隠れに着きます。くれぐれも気をつけて下さい、やぐら様。」
「分かってるよ…。」
私が操縦する水船は、目的地に向けての短い旅を終えようとしていた。
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「えーでは、第…何回かは分からんが、とりあえず人柱力会談を開始する。」
「あ、このチョコ美味しいっす!」
「お団子無くなっちゃった…」
気の引き締まらない司会進行をし始めた五尾の人柱力、ハン。
マイペースにお菓子を食べる七尾の人柱力フウと、お団子が無くなりしょげている三尾の人柱力、ヒナタ。
「…まだ団子が運ばれてから5分しか経っていないぞ?
明らか20本はあったのを5分で食ったのか?」
「いや、まて!そんなに小さい体に団子が20本も入るような余裕があるのか?
…普段からこんなに食べてないよな?」
「…チビじゃない。でも…もうちょっと食べたい。」
恐る恐ると言った感じで聞いたのは二尾の人柱力、二位ユギトと四尾の人柱力、老紫だ。
「コイツは普段から団子を100本単位で食ってるぞ。…それで飯も多めに食ってる。」
「「「「…。」」」」
そして、班員であるウタカタの報告により後方にいる五影達も含め、ポカーンという効果音が付きそうなほど絶句している。
会談とは名ばかりの、のほほんとしたお茶会。
そして、この場にいないのは九尾の人柱力、うずまきナルトのみだが…。
だが、廊下の方からバタバタッと足音がした後、バタンッと開いたドアによってナルトの来訪がイヤでも分かってしまう。
「うずまきナルト、遅れて参上だってばよ!」
「ナルト、うるさい。」
「ヒナタ、久しぶりだってばよっ!」
「…なんかウザイ。」
「ひでぇ…幼なじみだろ…?可愛くかっこいいナルト様だってばよ!」
「…それはやぐらさんのこ…っ!
とにかく、ナルトにその言葉は不釣り合いよ。」
「初っ端からノロケは辞めろってば!」
「…とりあえず座ったらどうなんだ?」
何回行おうと、メンバーが入れ替わろうと、変わらないカオスな雰囲気。
それが人柱力クオリティなのだと後ろから聞いていた五影たちは似たような顔を浮かべていた。
そして、ヒナタの滅多に聞けぬノロケに顔がだらけきっている水影がいたとかいなかったとか。
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会談開始30分。
机の上にあれだけ並べられていた食べ物は、粗方食べ終わっていた。
それが某三尾人柱力の仕業だと1回で分かる人はどれほどいるだろうか。
「にしても…よく食うだで…胃袋に時空間忍術でも掛けてどこかへ飛ばしてるんじゃなかろうか…」
「磯撫にでも食べさせているのでは…」
「いや、いつも磯撫は分体で別のもん食べているぞ?」
「ハァ…2日は甘いもん要らねぇってば…」
「…要らないなら貰うよ?」
「チョウジみたいなこと言ってんじゃねぇってば!」
「チョウジ?」
聞き慣れない名前に、何故かスレていない我愛羅が聞き返した。
余りに性格の原作乖離が激しかったため、まさかと思い風影を見やると〝何も言うでない〟と言わんばかりに目を逸らしたため大体把握してしまった。
「あ、あぁ、秋道一族のデb…ポッチャリ系だ。
そういえば、ヒナタの妹のハナビも割とよく食うってばよ。
何で同じように食ってんのに太んねぇんだ…。遺伝か?」
「…日向の七不思議ね。」
「ふぅ…ごちそうさま。」
(((やっと終わったのか…)))
雑談をしていると、後ろから何か視線を感じて視線の先を辿ると、雷影が不穏な視線を私に向けていた。
雲隠れは、3歳の時に誘拐が未遂に終わっている。
それで諦めるとは思えないのも事実であったが、ハナビはネジ兄さんが守っている。
だが、私は日向宗家とは程遠い霧隠れにいる。
…私の方が難易度高い気がするのは気のせいだろうか。
磯撫の分体が警護にあたり、空気の中の水分から色々と感知可能だ。
更に白眼を持ち、水影の婚約者。
それに、人柱力会談では他国の影と人柱力の目もあるからさらに厳しい。
例え持ち帰る事が出来ようと、管理出来るかというと別問題だろう。
それでもどうやって謎の視線から逃れようかと考えていると、思わぬ所から援護射撃が来た。
「雷影殿。さっきからヒナタ殿を見つめておりますが…どうかされたのか?」
赤い傘を被った…火影その人だった。
テッテレー!4代目風影 が 憑依 転生者 だと 判明 したぞ!