白と共に試合の舞台に降り立つ。
向かい合って試合開始の合図を待つ中、水分感知で攻撃を仕掛ける存在を確認し、反射的に後ろへと飛ぶ。
飛んだ瞬間地面に何かが当たる衝撃音がし、私のいた所には大きなクレーターが出来ていた。
何らかの風遁の術だろう。
白眼を発動し、それらしき人物の警戒を始めた。
試験官や白も同じく警戒を露わにし、観客席を見つめる。
五影席の…主に、水影の席からは先程の攻撃の際に感じた殺気よりも遥かに濃い殺気が漏れている。
「いた…!」
水蒸気での感知も並行し、先程の攻撃の犯人─大蛇丸を水で拘束して化けの皮を剥がす。
病的な程白い肌に、蛇の様な目が不気味さを煽るS級犯罪者だ。
水の拘束に対して抵抗を見せたため、戦闘になっても良いように下に降ろし、3人掛りで警戒をする。
「よく気付いたわね…流石、白眼といったところかしら。
この水は三尾由来の物…興味深いわ。」
「何が目的だ、大蛇丸!」
降りてきた五影と人柱力達。
特に火影とやぐらさんは大蛇丸に厳しい目線を向ける。
と言うより、こんな豪華メンツの前でよく行動を起こす気になったな…。
「日向ヒナタを
「断ります」
「せっかちね、もう少し考えてくれてもいいのよ?」
「巫山戯るのも大概にしろ、大蛇丸…!」
火影がかつての
私は火影達が大蛇丸の対応を行っている間に、もう一人の捜索を行っていた。
「ねぇ、この人…貴方のペットでしょ?」
私が大蛇丸に突き出したのは白い髪でメガネを掛けた男─カブトであった。
大蛇丸と同じく水で拘束し、大蛇丸を助け出す事が出来ぬようにしている。
「あら、よく分かったわね。」
「この人、大蛇丸様って口に出してたよ。
躾はしっかりしないとダメじゃない。」
「くっ…殺せ…!」
男のくっ殺とか誰得だよ…。
そう思いつつ暗部に2人を引渡し、未だに怒りを顕にしていたやぐらさんに近づき、頭を撫でる。
やぐらさんは嬉しそうな顔をしている。
ご機嫌はなおったらしい。
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ゴタゴタがあったが、今度こそ白との試合が始まった。
先に動いたのは白だ。
素早く印を結んで行く。
「氷遁秘術・魔鏡氷晶!」
私の周りに沢山の氷の鏡が現れる。
周りの温度が下がり、真冬のような寒さだ。
鏡に入った白は、光速で移動し私に千本を投げるが…全て鋭い音をたてながら水に弾かれて地面に落ちる。
水での防御に徹していた私だが、スタミナ切れで白の攻撃の止んだスキを突き、行動に移る。
「八卦空壁掌!」
ネジ兄さんとの戦いの中で、周りの木を折ってしまうほどの威力の八卦空壁掌。
それはいとも簡単に氷を一気に割り、衝撃で白は吹き飛ばされる。
トドメと言わんばかりに、柔拳の特徴的な構えをとる。
「柔拳法・八卦六十四掌…八卦二掌!四掌!八掌!十六掌!三十二掌!六十四掌!」
立ち上がった瞬間に点穴を突かれ、血を吐いて倒れた白。
その瞬間、私の勝ちが決定した。
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ヒナタの対戦相手である白は医療班により医務室へ運ばれていった。
本気で八卦六十四掌を放てば、内臓まで破壊されている事だろう。
だが、ヒナタは試合でそこまでしない事は分かっているため、白の怪我の心配はしていない。
「…ダメですね、見て覚えようとしましたが…日向一族の出身ではない私が柔拳を使うことは困難です。」
「直接言えば良いのに…柔拳を教えてくれって。
俺のヒナタは優しいから教えてくれるさ。」
「しかし…柔拳は…」
なんでも難しく考えてしまう癖のある青は、柔拳を教えてくれと口に出すのに6年近くの月日を費やしていた。
戦争中に戦利品で片目だけ入手出来たらしい白眼。
だが、青は柔拳を納めていないため、ただの千里眼としてしか利用できていないのだ。
「やぐらさん、勝ちました!」
「ヒナタ、おかえり。
よく頑張ったね。」
戻ってきたヒナタの頭をポンポンと撫でると、ヒナタは花が咲くような笑顔を見せる。
腰あたりに千切れそうな程振られた尻尾が見えてしまう程嬉しそうだ。
可愛いのでつい頭を撫でる時間が長くなる。
「やぐら様、顔が溶けております。」
「…む。」
〝溶けている〟と評される程緩んだ頬を引き締め、ヒナタの頭から手を離す。
…途端に、ある方角からの重圧が薄れていく。
ヒナタをちらりと見ると、もうナデナデは終わりかとしょんぼりしている。…可愛い。
撫で回したい衝動に駆られてしまうが、木ノ葉にいる限り白眼の視界からは逃れられないため耐える。
…霧隠れに帰ったら思い切り撫で回そう。