望んだ世界   作:Haganed

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前兆 赤く染まった空

 ーーー君は誰?

 

 ーーー僕かい?僕は君の親さ。

 

 ーーー親?君が?妖怪じゃないのに?

 

 ーーーうん。妖怪じゃないよ。でも親さ。

 

 ーーーうーん……分かんないよぉ。

 

 ーーーふふっ、後から理解してくれれば良いよ。

    さて、君の名前なんだけど………

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 ーーーお前ら……何をしてるんだ?

 

 ーーー妖怪を封じ込めているだけだ。

    貴様は此処で何をして………ッ!?

 

 ーーーお前ら……此処で……何をして……イルかと……

    聞いてるんだッ!!!

 

 ーーーッ!?よ、妖力ッ!?まさか貴様がッ!!!

 

 ━━━ガリッ!!ゴオォォォ!!!

 

 ーーーす、姿が………貴様ッ!!ここで滅しt

 

 ーーー………嗚呼、■■■……何で……何で?

 

 ーーー嗚呼、■■■……僕の愛しい子……

    僕の心の支え……僕の子ども……僕の………

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

「……………んぅぅ、んぁぅ?」

 

 

 ーーー嗚呼、また夢を見ていたのか?またあの夢を…

    また……夢じゃない。僕の体験した事が……

    そういや、何で僕は寝てたんだっけ?あれ?

    それと……何か下に柔らかいものが……あれ?

 

 

「すぅ………すぅ………」

 

「………あるぇ?」

 

 

 ーーーあれ?何で膝枕されてんの?何で鈴仙の膝?

 

 

 

 幻想郷──それは忘れ去られし者が集まる最後の楽園。その楽園の中の唯一の医療が発達した場所。『永遠亭』

 

 この場所は【迷いの竹林】と呼ばれる竹が生い茂る中にある。そこでは医者『八意 永琳』が薬を作り、それを人里の人間たちに提供している。

 

 その薬を人里まで届けているのが先程彼の言った鈴仙と呼ばれるブレザーを着ており、うさ耳が生えている人物。

 

 そして、彼と表記された者の名は『矢狙 照平《やそう しょうへい》』。彼は少々訳ありで、この永遠亭にお世話になっている人間である。

 

 寝ていたせいか髪は寝癖が付いている。容姿は黒のシャツに緑のコート、紺色のジーパンに赤黒いポーチを所持している。髪と目は黒く、身長は171㎝。体重は50㎏と軽すぎる。年齢17歳。

 

 今現在、照平は何故か膝枕をされている真っ最中。起こさない様にゆっくりと起き上がり、廊下を歩く。ボサボサになった髪を手でときながら御世話になっている永琳の元まで歩く。

 

 ふと視線を感じポーチから1本のピックを取りだし、視線の先に居る隠れた者に投げる。その投げられたピックは障害物である石灯籠に刺さる。

 

 その石灯籠からひょこっと現れた1匹の小さき者。

 

 『因幡てゐ』。この竹林に長く住んでいる妖怪化した兎。この永遠亭で主に鈴仙へのイタズラが仕事?である。

 

 

「あらあら、イタズラ仕掛けようと思ってたらバレちゃったさね」

 

「な~にがバレちゃっただ。お前そんなキャラじゃないでしょ」

 

「チッ、面白くないさね」

 

「もっかい投げよっか?今度は能力使って」

 

「やめてくださいお願いします」

 

 

 手に持ったピックをちらつかせ、脅しを仕掛ける。それに反応し、てゐは両手を挙げて降参の意を見せる。

 

 溜め息を吐きながらピックをポーチに仕舞い、照平は永琳に仕事場所に行く事を伝える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、今日も行ってきます」

 

「はいはい、行ってらっしゃい」

 

 

 スライド式のドアを開け廊下へと出る。玄関まで歩み、用意していた斜め掛けバックを背負い人里へと向かう。

 

 迷いの竹林と呼ばれてはいるが、何度も往復をしている内に何れが人里へと続く道なのかは理解出来ているらしい。

 

 人里に到着すると、先ず先に立ち寄るのが本屋。少しだけ面白そうな本を見つけペラペラと捲るのが日課の1つ。

 

 

「またいらっしゃったんですね、照平さん」

 

「阿求さん、どうも」

 

 

 『稗田阿求』。彼女は現在9歳という年齢だが、転生前の記憶を持ち幻想郷縁起という書物を手掛けている。

 

 

「とと、時間なので行きますね」

 

「あ、分かりました。お気をつけて」

 

「ええ」

 

 

 本屋を出て軽めのスピードを出しながら駆けていく照平。彼が次に向かうのは……寺子屋である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 寺子屋に到着し、とある一室に入る。

 

 

「慧音さん、こんにちは」

 

「おや、照平君。こんにちは」

 

「では、早速ですが」

 

「あぁ、行ってこい」

 

 

 照平は視線の先に居る女性『上白沢慧音』と呼んだ女性に一礼をした後、また別の部屋へと向かう。

 

 そう、彼は教師である。この寺子屋で主に道徳、算学、運動を専攻している。道徳は人間が何をすべきか、どう考えて実行するか等を教えている。算学は書物によるものが多く、運動では様々な古武道を伝授している。

 

 今日も生徒が集まる部屋に入り、生徒から挨拶を受ける。

 

 

『せんせー!!おはよーございまーす!!』

 

「お早う御座います皆さん。さて、今日も少しだけ授業の前に一つ雑学を学びましょう」

 

 

 用意された黒板に白チョークで何かを書き始める照平。

 

 書き終わると題名として『人間の得意行動』と書かれてある。

 

 

「今回はですね、人間が得意とする行動が何なのかを皆さんにも考えてもらいます。さて皆さん一体何でしょうか?」

 

「はーい!!」

 

「はいどうぞ」

 

「走る事!!」

 

「それは君が得意なだけだよぉ。他の人は走るの得意じゃないよね?」

 

 

 他の生徒は頷く。照平は催促する様に促す。

 

 

「はい!!」

 

「はい君」

 

「何かを作る!!」

 

「うーん、少しだけ近付いたけど違うねぇ。じゃあ最後!!」

 

「はい!!」

 

「はい君!!」

 

「細かい作業が出来る事!!」

 

「うーん……確かに人間は細かい作業は出来るけど、今回の答えとは違うかな?合ってはいるよ」

 

 

 正解を書くため白チョークを持ち、黒板に書いていく。

 

 

「今回はね……『投擲』、つまり投げる行為だよ」

 

「投げる行為ですか?」

 

「そう、人間は進化によって生まれたのは前話したよね?その進化の際に人間は肩が発達して『投げる』という行動が得意になったんだ。妖怪とかを考えない場合でね」

 

 

 生徒は感心しているのか全員が頷く。照平は手を合わせて次の行動に移る。

 

 

「それでは、授業を始めますか」

 

 

 これから計2時間15分の授業が開始されるので飛ばす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、僕の授業はここまで。皆さんお疲れ様でした」

 

『ありがとーございます!!先生!!』

 

「はい。では皆さんお気をつけてお帰り下さい」

 

 

 襖を開け、ドタドタと慌ただしく帰っていく生徒たち。その様子を暖かい目で見る照平。

 

 その生徒の波を掻い潜り、上白沢慧音が照平の元まで辿り着く。しかし様子は慌ただしくなっており、先程帰っていた生徒も寺子屋に戻っていた。

 

 

「ど、どうかされましたか?慧音さん」

 

「はぁ……はぁ……しょ、照平君。君も手伝ってくれないか?」

 

「か、構いませんけど……一体何が?」

 

「まっかなお空があったよー!!」

 

「空?……何かの異変でしょうか?」

 

「と、兎に角照平君。君も人里の注意喚起にあたってくれ」

 

「わ、分かりました」

 

 

 照平と慧音は寺子屋の外に出る。空を見れば赤く、血の様な空が広がっていた。照平は何かを感じ取ったのか、ある方向へと視線を向ける。

 

 立ち止まった照平に慧音は声を掛ける。

 

 

「照平、どうした?立ち止まったりして」

 

「……慧音さん、ちょっと原因突き止めて来ます!!」

 

「ちょ!!照平君!!」

 

 

 照平は人間とは思えない脚力で走り、その原因へと突き進む。一方の取り残された慧音は、ただただ駆けていく照平を見守るしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、新作登場。鬼の半妖です。

新作である『望んだ世界』ではチートであってチートでない主人公が時々起こる異変と何時もの日常を繰り返す物語となっております。

ここで少しオリ主の戦闘スタイルを暴露します。


戦闘スタイル
   【投擲】【護身術の応用】が主です。

では、次回は……あのアマゾンみたいに人肉大好きフレンズに会いに行きます。
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