ーーーほぉら■■■、早く来ないと時間がなくなるぞ!!
ーーーま、待ってくださいよ……た、体力有りすぎでしょ
ーーーこの位普通だよ!!ハハハッ!!
ーーーやれやれ……この人が俺の生みの親か。
他の妖怪に何て言われるのやら?
ーーー急げ急げー!!時間は限られてるんだぞー!!
ーーーちょ、お願いだから待ってくださいよー!!
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ーーー………いかんな、走ってる途中で考え事してた。
ーーーやっぱり、忘れられない……でも、苦しいな。
ーーーあ、しまった頭痛薬忘れtあん!?
照平は走っていた。この赤い空の原因とも言える場所まで走っていたのだ。しかし考え事をしていた。
この考え事の度に照平は頭痛に悩まされる為、本来であれば片時も離れがたい頭痛薬。しかしそれは誰かとぶつかった衝撃で忘れてしまった。
お互いぶつかった衝撃で後ろに倒れ込み、尻餅を着いた。
「あてててて……だ、大丈夫ですか?」
「平気なのだぁー」
「そ、そうですか。それは良かったです」
照平は両脚を上げ、勢い良く戻すと体を起き上がらせた。立ち上がり、着いてしまった泥や葉を払う。
「あ、貴女も汚れてますよ?」
「そーなのかー?」
服が汚れている事を指摘すると、首を傾げながら何故か照平に疑問系で答える金髪少女。
「ところで、何故浮いてるのですか?」
「おにーさん食べても良い人間?」
最終的には話すら噛み合わなくなった二人。しかし照平は先程の言葉で何かを理解し、後ろへとバックステップをする。先程まで照平が居た場所は何故か金髪少女が口を大きく開けていた。
そこに照平はポーチからピックを取りだし、大きく開かれた口に目掛けて投げる。的が大きい為、態々狙わなくても平気である。
「あー……あがっ!?あががが!!」
まるで喉に魚の骨が刺さったと言わんばかりに少女は口の中に手を突っ込もうとする。しかし照平がそれを止めさせ、口の中に軽く指を入れるとピックが戻ってきた。ベトベトの状態で。
「お、おにーさんひどいよー」
「失礼しました。何分狙われるのが日常茶飯事なもので」
「うー………それよりおにーさんは「食べてはいけませんよ」何でー?」
「じゃあ聞きますが、貴女は僕を食べた途端お腹からウジャウジャと虫が出てきたらどうします?」
「気持ち悪いから食べない」
「ということです。では僕はこれにて」
「ばいばーい」
ーーーあの金髪幼女さんは僕を人間だと思ってくれていた。実際人間なのだが……只の人間じゃないんだよね。
ーーーあの子……まぁ予想通り妖怪か。妖怪……ダメだ、今は後回しにしとこう。
ーーー今は原因の追求が先だ。
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ーーー着いた。ここか、この空の原因は。
照平が着いた先には、血の様に真っ赤な館が鎮座していた。この辺りには何回か来たことはあるが、こんな館は無かった筈だと考える。
その館の門……否、正確には門の前でひれ伏してる妖怪と門番らしき者に目を配る。
ーーーこの数……恐らく相当の手練れなのか。見た所、世話をした妖怪たちで溢れてる。
照平は未だ立っている門番らしき人物に向かい歩む。
彼の目には、ドスの効いた黒に近い紫の力が露になっていた。
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ーーー他愛ない。この幻想郷とやらの妖怪どもは骨の無い奴等ばかりだ。
ーーーこんな調子では、異変解決にやってくる『巫女』とやらも他愛ない者なんだろう。
ーーー………?誰だ?倒れている奴等の中を歩いている。真っ直ぐ此方に近付いているが、途中に阻まれている妖怪たちを踏まない様に歩いている。
照平は、門番との距離を3メートルの所で立ち止まる。
「……ここの妖怪たちを倒したのはアンタかい?」
「……貴方、人間ですか?」
ーーー不意に口から出た。言いたい感情を覚える。
ーーー何故この方は【妖力】が存在する?
ーーー経験上、人間は霊力。妖怪は妖力。僧は法力。神は神力という様に持てる力が分類されている筈だ。
ーーーだが、この方には【霊力】より【妖力】の割合が多い。いや、全部【妖力】で構成されている。
ーーーこの方の気質を読み取ってみれば、この有り様だ。妖怪が持つ力を何故この方は持っている?
「あぁ、そうさ。僕は人間だ」
「人間……にしては妖力が多すぎませんかね?」
「……僕の力でも読み取ったのかな?」
「当たりです」
ーーー読まれた。私のした事を。いや、私の発言が失態を及ぼしただけですか。
「悪いけど、ここの妖怪たちは“皆”僕が世話になった奴等ばかりなんだ」
ーーー目の前の自称“人間”はポーチと思わしき所から細長い棒らしき物を十数本ほど取り出す。
ーーーその“人間”の目には妖力が籠められていた。
「だから……ここで倒されろ」
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照平は装備しているピック全てを門番らしき者に投げつける。その起動は綺麗に門番に狙いが定められ、真っ直ぐ飛んでいく。
門番は左腕を伸ばし、右腕を引き絞り放つ。瞬間、門番の手から何かが飛び出しピックが全て落ちる。
照平はファスナーを開けていたポーチから円形状の物体に穴が大きく開けられた投擲武器を取り出す。
【チャクラム】──古代インドで用いられた投擲武器であり、日本では戦輪、飛輪や円月輪と呼ばれ忍者が使用していた武器の1つ。投擲武器の特徴である突貫より斬撃に特化している武器なので、刃の部分が存在している。
刃の部分を指と指の間で挟み、後ろに後退しながら投げつける。合計6つ。
チャクラムは門番の両サイドから向かってくる。しかしそれは門番が照平に向かい走る事で難なく避けられる。
何かしらの力で脚力を強化しているのか、門番は照平に一気に接近する。接近すると、素早く顎に掌打を食らわせようとする。
照平は頭を右にずらす事で避け門番の攻撃に使用した右腕を掴み腹に足を入れ、後ろに倒れる要領で投げる。要するに巴投げ。
照平は体勢を直ぐ様立て直しポーチからピックを取り出して、片手で4本を投げる。
門番は地面に手を着き、ピックをブレイクダンスの要領で蹴りを加えてピックを落とす。
追撃として照平はポーチからブーメランを取りだし、投げつける。ただ、そのブーメランには黒に近い紫のオーラが纏われていた。
門番は何かしらの効果を警戒してか、門番は手に何かを凝縮させブーメランを弾く。そのブーメランは門番の近くに落ちる。
「……貴方、只投げつけるだけですか?全く近接攻撃をしてこないじゃないですか」
「………術中」
「………はい?」
照平は緑のコートの内ポケットから一枚の紫に染められたカードを取り出し、天に掲げる。
「君は僕の術中に、既に嵌まってるんだよ」
「???一体何を申してi………!?」
天に掲げられたカードが光を帯びる。
「スペルカード発動!!」
集符【リトライ】
カードから光が消える。その途端、近くに落ちていたブーメランが門番に衝突する。ひとりでに動いたブーメランに門番は攻撃を受けながら驚愕の表情を見せる。
それだけではない。ブーメラン以前に投げられた投擲武器が門番に向かって行く。
最初の攻撃で驚いて動けない門番は、投げられた全ての投擲武器が当たり出血が多くなり倒れる。
照平は先ず虫の息にある妖怪たちに妖力を与え回復させる。
「ッウ!!こ、ここは……」
「大丈夫でしたか!?」
「あ、兄貴!?どうして此処に!?」
「赤い空の原因を突き止める為にさ。それより倒れている皆に妖力を少しで良いから分け与えて!!」
「「「「うっす!!」」」」
他の妖怪たちは倒れている妖怪に力を与える為散会する。照平は出血が多い門番の方に行こうとした。
しかし門番は出血を止めて立っていた。しかし周辺に血がある為、顔が青い。
照平はゆっくりと歩みよる。何も持たず、何の敵対心も持たず。只単に照平は門番に近付いていく。
顔が青いにも関わらず戦闘態勢を崩さない門番に、ある種の関心を覚える照平。
「……何のつもりですか?敵対心がないようですが?」
「君を手当てするだけだ。その体じゃ君は疲労し続けるだけです」
「……敵に情けを掛ける、そこは人間なんですね」
ゆっくりと戦闘態勢を解き、膝から倒れ込む門番を照平は支える。
照平は妖力を分け与える。すると門番の傷がみるみる内に塞がっていく。当の門番は緊張の糸が解れたのか寝ていた。
門番をお姫様抱っこで運び、門の壁に寄りかけ休ませる。
その後ろで、誰かが着地する音が聞こえる。
照平が後ろを向くと、紅白を主体とした露出の多い巫女服を着た少女が現れた。
どうも、うぷ主の鬼の半妖です。
はい、オリ主の力が判明。妖怪の力である【妖力】になります。
あとは出されたスペルカード紹介。
集符【リトライ】
・妖力が籠められた武器を標的に全て当てるスペルカード
・このスペルカードにはオリ主の能力が関係しているが、それはまた後程
以上です。次回は、最強巫女さんと対決