これは【GGO】であって、【MGS】ではない。   作:駆巡 艤宗

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Episode105 お前は 〜Former comrade〜

戦いの火蓋は、突如切られた。

 

ジャリッ……

「!!」

 

しゃがんでいたエムが、突如後ろを振り向く。

するとそこには……!!

 

「おああああ!!!」

「くっ……あああ!!!」

 

ナイフを大きく振りかぶったベネットがいた。

そしてそのまま、ベネットはナイフ片手に突進してくる。

 

ゴッ

「っ……!!」

 

お互いの体が衝突して、鈍い音がガレージに響く。

 

ヒュン!!

「くっ……!?」

「はぁぁぁ!!!」

 

ナイフの切っ先がエムの腹を掠めて横切る。

エムはギリギリのところで避けた。

 

……が、ナイフの切っ先は向きを変え、エムの脇腹へと向かってくる。

 

「くっそ……!!」

ガッ

「なっ!?」

 

ただそこはエム。

 

脇腹まであと数mmの所で、ベネットの手首を掴んで止めた。

そしてお互いの動きが止まる……。

 

その時だった。

 

「……!!」

「……あっ!!」

 

初めてお互いの顔を見合せた2人は、はたと気がついた。

 

 

 

 

 

 

「「()()()……!!」」

 

 

 

 

 

 

お互いが、()()()()()()であったことに。

 

 

バタン!!

 

突如、民家の玄関が蹴り開けられる。

そしてしばらくした後、ひょこっとプルームが銃口と一緒に顔を見せる。

 

すると視界に入ってきたのは……

 

「……ギフト、それにベネット!!」

 

床に腰かけ、足を投げ出し、カウンターに背を預けたギフト。

そしてその横で銃を下ろし、棒立ちでこちらを見るベネットだった。

 

「大丈夫なのか、2人とも」

 

そんな2人を見て、プルームもそう言いつつ銃を下ろす。

 

「……ええ、大丈夫です」

「たった今、回復が終わったとこ」

 

すると、ベネットがギフトを見つつ言葉を返し、それに釣られてギフトが笑った。

 

プルームは、そんな2人に歩きよりながら、どこか変なその様子を見て、少し違和感を覚える。

 

「……本当に大丈夫か?」

「ええ」

「ギフトも?」

「僕もOK」

「……そうか……?」

 

首を傾げつつ、一言返して後ろを見やるプルーム。

その顔は、未だ疑問を抱えていそうだ。

 

「……あれ、ベネットさんにギフトさん? すないぱぁ、さんは?」

 

すると、ちょうどプルームが玄関を見たタイミングで、ライトが無警戒で駆け込んでくる。

 

「ふう……到着。ドンパチが聞こえなかったね」

「相手……逃げちゃったのかな?」

 

そしてそれに続き、タウイとレックスが入ってくる。

 

……が、次の瞬間。

 

「「「……?」」」

 

プルームの顔を見て、すぐに何かを悟った。

そしてそれを悟ったのか、プルームが改めてベネットの方を向く。

 

「……で、そのスナイパーは?」

「ふふ……あ、はい」

「?」

 

プルームの問いに、少し微笑みながら言葉を返すベネット。

 

「どうなったんだ、今はどこに?」

「あっ……えと」

 

そんな彼を見たのか、少し食い気味に質問するプルーム。

するとベネットは、そんなプルームを見てはっとした。

 

「北に……逃げました。もういません」

「……どうやって」

「徒歩でしょう、車は使ってない」

「……追撃は?」

「しませんでした」

 

どこか詰まり気味に答えるベネットに、プルームはやはりどこか違和感を覚えるらしい。

何度も首を傾げながら、地面を見つめて息をつく。

 

「……それと」

「!!」

 

すると不意に、ギフトが声を出した。

その声に、プルームはびくっと反応する。

 

そんなプルームを見つつ、ギフトはベネットを見上げた。

 

「少し……()()をしたんでしょ、ベネット」

「えっ……!! あっ……はい、まあ、その……」

「……だってさ、プルーム」

 

ベネットのたどたどしい返事を聞きつつ、ギフトはそう言ってニカッと笑う。

 

……ただ、プルームもそこまで野暮じゃなかった。

 

「……そうか」

「……はい」

 

瞬時に何かを悟ったのか、ふっ、といつも通りの彼に戻る。

 

「で、これからの進路だが……どうする、タウイ」

「……ん、ああ……そうだね」

 

そして早々と、これからの指示を旗艦(リーダー)に問うた。

 

すると、その質問を問われた旗艦(リーダー)……タウイは、少し考える素振りを見せる。

顎に手を当て、地面を見つめて考える彼に、他5人の視線が集中する。

 

……その後、数秒の後。

 

「う〜ん……よし、そうしよう」

「……!!」

 

タウイが、そう言いつつパッ、と顔を上げた。

全員の視線が、少し上へと引き上げられる。

 

それを見たタウイは、ゆっくりと、こう宣言した。

 

「わが隊は、これより……」

「……!!」

 

 

 

 

 

 

西()へ進攻する」




繋ぎ話が多いですね……(笑)

でも、そろそろ動き始めます。
原作とは違う、別の物語が……。

乞うご期待!!

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