これは【GGO】であって、【MGS】ではない。   作:駆巡 艤宗

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※切るところをミスりました。めちゃめちゃ短いです。
楽しみにしてくださった方々、申し訳ありません。


Episode115 説明 〜Explanation〜

「ひぃ……ひぃ……」

カランカラン……

 

何かが焦げたような、そんな匂いが充満する。

それを示すかのように、同じく白煙もその場を埋め尽くす。

 

「も、もう……」

「ふふ、すまんすまん」

 

ベネットが言いかけたことを察してか、フォートレスが少し笑って答えた。

 

ゴト……

「ふぅ」

 

そしてそれと同時に、構えていた銃を台に置き、一息つく。

ベネットも、それを見て同時に銃を下ろす。

 

するとそれを見たフォートレスが、顎をクイッとしながら話し始めた。

 

「……で、これで分かったでしょ」

「え?」

「そいつの特性」

「……!!」

 

その言葉に、ベネットは思い出したようにそいつ……()()()()を見る。

 

ひび割れて、真っ白に濁ったその表面は、もはや前なんて見えようがない。

ただし、しっかり銃に着いていて、かつベネットに飛んでくる弾を全て弾き返してくれた。

 

「……見てのとおり、そのシールドに使われている素材は、()()()()()()()()

「は、はい」

 

そして、そう。

ベネットはついさっきまで、ハンドガンから対戦車ライフル用の弾丸まで、この世界に存在するほぼ全ての弾丸を、この1枚のシールドの後ろで受けた。

 

そしてその時、不思議なことに、散々ひび割れて散々濁りまくったはずなのに、()()()()()()()()()()()()()()()()()のである。

 

「その素材は、言わば膜だ。薄い透明の膜が、何枚も重ねられている」

「ほ、ほう?」

 

すると、フォートレスが淡々と説明し始めた。

ベネットは、それを聞きつつ、シールドを二転三転させて眺める。

 

「衝撃が加わると、その膜が歪み、その膜たちの間の空間が潰される。そのおかげで、少しだけ衝撃が吸収される」

「なる……ほど」

「ただその代わり、その膜を通る光が乱反射するようになって、白く濁る。イメージは……ラップだな。ほら、ご飯とかに被せるアレ」

「あ、ああ……あれですか」

 

なるほどわかりやすい。

 

ご飯を一時的に保存する時に被せる、透明の膜、ラップ。

あれは確かに、くしゃくしゃと丸めると向こう側が見えなくなる。

それとほぼ同じような現象、ということか。

 

「ちなみに、完全に潰れた……ま要は、完全に真っ白になった所は、通常の数倍硬くなる。ただその分、衝撃がもろに来るようになるから、すぐに交換した方がいい。貫通はしないが、その代わり接合部がイカレちまうからな」

 

ふむ、とベネットは内心で相槌を打つ。

 

貫通はしない。

しかし、衝撃はモロに来るようになる。

 

そのせいで、接合部がやられてしまう恐れがあるから、すぐ交換した方がよい。

 

……ならば。

 

「あのぉ……フォートレスさん」

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最後にもう一個だけ、追加パーツ、いいですか?」

「!?」

 

そう言って見上げたベネットの目は、確かな意思が宿っていた。




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