これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
切るところで切ったらこうなりました(笑)
ご了承ください。
「あと……少しで、SBCグロッケンだ!」
ボスと別れ、ただひたすら走るシノン達。
彼らは遂に、GGOの首都、SBCグロッケンに到達しようとしていた。
ビッグ・ボスが敵に向かって行ったのを見て、邪念を振り切るように走り出したダイン。
ビッグ・ボスの、ダインに向けて言ったのであろう呟きを、何故か忘れられないシノン。
……ただひたすら走っているスコードロンメンバー達。
それぞれの思惑があるからなのか、ダインの指示以外の声は全く聞こえない。
息が切れている訳では無い。GGO世界では、肉体的な疲れは無いのだ。
するとその時、不意にダインが、シノンに向けて話しかける。
「……なぁ、シノン」
「……何?」
「あの眼帯マスクさん、シノンが呼んだんだろ?」
「……」
シノンは肯定を表したいのか、首をダインの方に振った。
ダインはもちろん、それを肯定の意と捉え、話を続ける。
「どうして、あんなすごい人と知り合ったんだ?と言うより、どこで知り合った?」
「……」
「あの人が、あの眼帯マスクさんが、このGGOの裏にいる人ってことはすごく分かった。確かにあの人は強かった。でも……なぜ、あんなに優しいんだ?普通、裏世界に生きる人は、残酷とか……さ。よく聞くじゃないか」
「ええ……」
ダインの問いかけに対し、シノンは、ふうと大きく息を吐いた。
そして、答えを返す。
「私も、彼のことはよく知らない。ただ、今日彼が来てくれたのは、私も優しさだと思っている」
「……」
「それに……私もビッグ・ボスの正体を知るときに聞かれたわ。『正体を知った時、こちら側の世界に足を踏み入れてもいいんだな?』と」
「……!」
「でも、それを私は受諾した。私が、私自身が、強くなるために。でも、本当に入れているのかまだ分からない。だけど……入る覚悟は出来てるわ」
「……!」
「だから、あなたもその覚悟が……私はまだ言える立場じゃないけど、その覚悟が出来てるなら、彼と知り合った経緯だけ教えてあげる。後は自分で調べて、本当に入るのか決めて?」
「……」
ダインは黙りこくる。
走りながらだが数秒考え、う〜んと唸った後、結論を出した。
「よし分かった。どうするのか決めるためにも、教えてくれ」
「……了解。」
そしてシノンは話した。
初めて彼と会ったのは、あのミニガン持ちとの戦闘の時だと。
スコープ越しに目が合った事。なのにも関わらず背中を晒して消えていった事。その時、自分が引き金を引けなかった事。
何から何まで、全部話した。
「なるほど……な……」
そしてそれを話し終わった時、ダインは、たったこれだけ言葉を発し、黙りこくった。
きっと、彼の中で葛藤が生まれているのだろう。
だがダインは、ぱっと顔を上げ、シノンを真っ直ぐ見た。
そして、たった一言、はっきりと告げる。
「分かった。ありがとう。……俺も、強くなりたい。だから俺も俺なりに覚悟を決めて、正体を探ってみるよ。ありがとうな」
「どういたしまして」
ダインが笑顔を見せ、シノンが前を向く。
これで話が終わる……と、思っていたその時。
『ガガッ……はは、いいだろう。あの店に来い。シノン!場所は分かるはずだ。待ってるぞ。』
急にダインの通信アイテムから、大音量で流れてきた声。
その声は、誰もが間違いなく察した。
眼帯マスクだ、と。
✣
「……ふふ、シノンさん、僕達が聞くまでもなかったですね」
「うん。もう彼女は、覚悟ができていたみたい」
一方、通信アイテムからダイン達の会話をこっそり聞いていた店主とタスクは、二人で笑いあっていた。
場所は、荒野のど真ん中。帰りの三輪バギーに乗りながらだ。
そして二人は、お互いでアイコンタクトし、示し合わせると、タスクが通信アイテムに口を近づけ、こう、呟いた。
「はは、いいだろう。あの店に来い。シノン!場所は分かるはずだ。待ってるぞ」
と。
もちろんその時の声は、ビッグ・ボスの声であった。
こんにちは。駆巡 艤宗です。
今回は、お知らせがあります。
それは、これから先、(年明けあたりまで)の半年間、投稿ペースがガクンと落ちそうだということです。
理由は言えませんが、とりあえず落ちます(笑)
とは言っても、少しづつ下書きして、少しづつ上げていこうと思うので、よろしくお願いします。
※2018年10月現在、解消されました。
ご理解ありがとうございました。
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