これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
13時19分。
2回目のスキャン直前。
レン達一行は、相変わらず住宅街の中。
フカが泣いて謝っていた家から少し離れた家の中にいた。
「…………もうすぐですね」
「うん……」
窓の外を見ているタスクが、反対側を見ているレンに声をかける。
すると。
「レン、交代する。スキャン見てきてくれ」
「キリトさん……ありがとう」
キリトがやってきて、レンのポジションを交代した。
レンは素直にキリトに任せ、家の中へと入っていく。
彼女の去り際、キリトは少しふりかえってレンを見た。
その背中は少し……小さい。
「…………ふむ」
そんな彼女を完全に見送ってから、耳の無線機を少し触るキリト。
『……タスク』
『はーい』
そして、反対側を見ているタスクにだけ、無線を繋いだ。
『どうされましたか』
『いや……その……レンがさ』
『…………えぇ、そうでしょう』
『……』
まだ何も言ってないぞ。
そう言いかけて、やめるキリト。
彼はそういう奴だ。
先々まで見透せる彼は時折、話そうとする段階から言わんとすることを察して話してくる。
普通だったらいささか癇に障るものだが、どうしてか彼にはそれを感じない。
『なんだか……少し、その……小さく見えてな』
『……ええ』
『それで……大丈夫……なのかって』
『そうですよね』
淡々と返してくるタスクに、キリトはもはや察する。
『……はぁ、お前のその感じ。なんだか分かるようになってきたよ』
『ふふ、ようやくですか』
『察するよ。問題ないんだろ』
『はい、大丈夫ですよ。全て上手くいかせますから』
『!!』
上手く
言い回しに少し引っかかるキリト。
『ただしそれには、あなたの力が必要です』
『……!!』
『でもそれはまだまだ先の話です。だから』
『……』
『その時までは、安心して彼女に身を任せてください』
『……分かった』
タスクの言葉に、キリトは息をついて微笑む。
色々思うことはあれどリーダーはレンで、ここまでのところしっかりやれていることには変わりないのだ。
キリトに巣食った感情の正体は、『不信感』ではなく『心配』。
その似て非なる感情の混同は、キリト自身への刃となる。
タスクはそれを紐解いて、彼自身に伝えたのだ。
彼女は上手くやっている。
同時に……
✣
『方針が決まったよ!! そのまま南!!』
『その先の駅のホームの間に1チーム!! 奴ら陣取ってやがるから殴り込みだ!!』
それからしばらくして。
全体無線に元気な声が響いてきた。
今やすっかりコンビみたいなミーシャルとフカである。
『陣取りですか』
『そう!』
タスクの無線に元気に返すフカ。
そこにシノンが割り込む。
『駅自体はここからでも見えるんだけど、頭だけしか見えないのよね』
『ははぁ、なるほど』
『狙撃してもいいけど殺れて一人だから』
『でしょうねぇ』
どこか分かったようなタスクの声。
「……」
「……」
レンとキリトは何やらジト目だ。
『そこでっ!! 私の出番ってわけさ!!』
そして、フカが何やらやる気であった。
エタる……?
エタノールですか……?
✣
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