これは【GGO】であって、【MGS】ではない。   作:駆巡 艤宗

193 / 202
Episode191 あなたが重要 〜You are important〜

「ついた……!!」

「ひぃ……怖かったぁ」

 

3回目のスキャンからしばらくして。

レン達一行は、ドームの入り口に到着した。

 

「ちょうど時間だね」

「……見る」

 

時計を見たミーシャルが、ぽつりとつぶやく。

 

「もう4回目かぁ、あれからどうなったかね」

「お願いだから何とかなってて……!!」

 

フカの不安げな声と、祈るレン。

スキャンは、ゆっくりと状況を映し出した。

 

ピトフーイ達は未だ状況変わらず。

リーダー達も位置が変わっていない。

 

ひとまず安心、ではないが。

今、現状では、最悪のケースではないということが分かるだけでマシだ。

 

ただ問題は、レンたち本人ら。

 

「うわ……うわ……!! なんで……!!」

「これは……まずいわね」

 

レンの泣きそうな声に、シノンが同調する。

 

それはまさに「最悪」であった。

何がって、「状況」が。

 

まず、ドームの中。

3チームが異様に近くにいる。

 

これはもう、ほぼ確だろう結託だ。

ここでもか!! とレンは憤る。

 

ただ、それよりもっとマズイのはその上下。

方角にして南北だ。

 

まず北になんとMMTM。

こちらに降りてくる気配は無いが、周りに灰色の点が点在しているあたりもう殲滅しきったのだろう。

 

十分こちらに来うる。

まずい。

 

そして南になんとSHINC。

もうすぐそばにいる。

 

レンとやりたがる連中だ、十分こちらに来うる。

まずい。

 

レンは、スキャンを一通り眺めたあと。

決意したかのように、タスクを見た。

 

「…………タスクさん」

「北ですね」

「!!」

 

いつも通りのタスクの微笑み。

レンはその顔と言葉に少し安堵する。

 

「メンバーは?」

「私とフカ以外」

「分かりました」

 

必要最低限の会話にまたもはてな顔のフカ。

 

キリトとシノン、それにミーシャルは察し顔だ。

この先の行動が分かったので各々準備し始める。

 

「え? どゆこと?」

「分かれるんだよ、フカちゃん」

「あぁ……えぇ!?」

 

フカはミーシャルの言葉にびっくりする。

 

分かれるって。

今、ここで!?

 

「ま、ま、え? この先3チームいるんだよ!?」

「うん」

「まさか私らここで置いてけぼり!?」

「ううん」

「じゃどこに!?」

「レンちゃんフカちゃんは、ドーム」

「へぇ!?」

 

あまりに慌てるフカ。

ミーシャルが変わらずゆっくり説明する。

 

「南の人達は、レンちゃんとライバル。戦ってるところに漁夫の利狙ってきたりはしない」

「そ、そうなのか……?」

 

南の人達……言わずもがな、SHINCだ。

 

「そうでしょ?」

「そうでしょうね、あの子たちは」

 

ミーシャルがシノンを見ると、シノンは頷く。

 

「あの子たち、レンとやり合うの楽しみにしてる。混戦状態でなんてまっぴらごめんでしょうね」

「てわけ」

「はぁ……」

 

納得するような、しないような。

フカは首を傾げつつも縦に振る。

 

「で、問題は北の人達。あの人たち強いよ、強いから」

「容赦ない……って訳か!!」

「そう。だから分かれて強い人たちをぶつける」

「強い人たち……なるほど!!」

 

ミーシャルがそう言って、すっ、と指さす先に立っている3人。

 

強い人たち。

うん、間違いなく強い。

 

タスク、シノン、そしてキリトだ。

 

そこに関しては納得する。

しまくる。

 

「で、でも……だからって3チームのとこに私たち二人でって」

「……」

「それはですね、フカさん」

「!!」

 

すると。

不意にタスクがフカに答えた。

 

「ドームだから、です」

「……!!」

「レンさんは近接戦闘に長けています。だからむしろ好都合なんですよ」

「……なるほど」

 

納得するフカ。

 

ドームという閉鎖空間に、3チームもいて、それらが結託している。

一見厳しい状況に見えるが、実は真逆で。

 

「ようは……レンの得意分野にしかならない所に、3チームもいてくれてるってことか」

「はい。そういうことです」

 

仲間が増えれば、その分自分の動くスペースがなくなる。

しかもそれが狭い空間でとなれば、近接戦闘になる可能性はかなり高い。

 

それも踏まえると、実に好都合なのだ。

ドームという狭い空間は、レンの味方なのである。

 

「それにね、フカさん」

「!!」

 

 

 

 

 

「あなたが、重要です」

 

 

 

 

タスクの真剣な眼差し、しかし口元は微笑み。

たしかな確信を感じる、タスクの言葉。

 

フカは思わず言葉を詰まらせる。

 

「現状ドームという狭いところで効率よく援護できるのはあなたしかいない。ですから、頼みます」

「……がってん。任せろ!!!!」

 

理解し、納得し、やるべきことが分かった。

フカはぐっ!とサムアップ。

 

それをジト目で見つつもレンは。

 

「お願い、任せる」

「お任せを」

 

タスクに一言、そしてドームに入っていった。




【作者Twitter】
https://mobile.twitter.com/P6LWBtQYS9EOJbl
作者との交流、次話投稿の通知、ちょっとした裏話などはこちら!!

【作者 公式LINE】
https://lin.ee/wGANpn2
公式LINE限定セリフ、各章あらすじ、素早い作中情報検索はこちら!!

【今作紹介動画】
https://youtu.be/elqnCcV7R_0
この動画にしかない物語の鍵があります……。

【感想】
下のボタンをタップ!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。