これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
「ししし、知ってたって……何を……?」
「え? いやだから、その話。ピトフーイ?さんとやらの、狂った計画の阻止」
「えええ!?」
レンはなんだかバカらしくなって、その場に座り込んでしまった。
「いやぁ、まぁ、ね。正直『ライバルを倒したいから援護』なんて依頼、そこらのちょっと強い人たちでもやれるでしょってのが本音で」
「は、はぁ」
「それで店主さんに3人で詰めてみたんですよ。なんでこんなホントに強い人たちで固めたんですかって」
「つ、詰め……?」
「そしたらあの人サラッと白状しちゃって!! アハハ!!」
ケタケタ笑うタスク。
眉間に皺を寄せ目を伏せるシノン。
苦笑するキリト。
「はぁぁぁ〜……なぁんだ……先に……言ってよ……」
「レ、レーンー? よ、よかったじゃんか、な! な!」
気が抜け、緊張も抜け。
背骨も抜けたのか、ぐったりと伏せるレン。
フカが慌ててフォローに入る。
「……ま、というわけで」
「!!」
「安心してください。レンさん。僕らは最初からそのつもりです」
「……ありがとう」
「気にしないで。報酬たんまりもらう予定だから」
「あは……アハハ……」
タスクとシノンが微笑む。
レンもフラフラと立ち上がり、安心したとばかりに一息ついた。
まもなく。
ついに『PM4』会敵。
✣
方針が決まり、皆が動き出す。
最後尾のタスクがふと口を開いた。
「フカさんは……
「……タスク?」
不意に、タスクの言葉が耳に入るシノン。
彼女は後ろから2番目。
「正直、どうしようか決めあぐねてました」
「……ひょっとして、SHINCの話?」
「そう」
先の3人に遅れないように動きつつも、タスクはゆっくり話し出す。
「SHINCは強敵です。個々の力はともかく、連携と戦術は実に目を見張るものがある」
「……!!」
「だから、正直ここでやり合えば勝ち目はなかった。少なくとも、
「……それは」
ふとシノンがタスクを見る。
タスクはキョトンとした顔を返すが、ふ、と息を抜いて頷いた。
「えぇ、そうです。恐らくフカさんです」
「……まぁ、そうね」
「彼女は極めて厳しかったでしょう」
「ミィを分けたのもそれが理由でしょ、本当は」
「!!」
またもタスクが虚をつかれた顔をする。
なかなか珍しい状況だ。
「……シノンさん、強くなりましたね」
「まぁね、一応
「……そうですね」
タスクがどこか嬉しそうな顔に変わった。
シノンはまた前に向き直る。
「まぁ、それもあります。一番の理由はそれではないですが」
「あら……そうなの」
「ミィも厳しかったでしょうね、分けておいて正解でした」
「さすがね」
一番の理由ではない。
多少そこに引っ掛かりを感じるが、それはさておき。
「でもね、フカさん……あの人」
「!!」
「ある種……
「ベタ褒めじゃない……ふふ」
タスクの言葉に少し笑うシノン。
なかなかない状況の連続。
「フカさん自身が一番危ない。SHINCはレンさんとただならぬ関係がある。今この状況での戦いはやるべきではない」
「……」
「その他色々含め、そういった使える要素を全部使って、今解決すべき要素を全部クリアにできる手段をあのタイミングで咄嗟にできるのは……
「……!!」
「もっと言えば、
「……じゃなきゃ、あんなことしないものね」
タスクの言葉に、シノンは思い返す。
✣
ドームに入ってすぐ、SHINCを発見。
タスクから指示があり、木に登って狙撃手に狙いを定める。
発砲次第牽制しろ、という指示の元、その通りにこなしたその直後。
「待った!!!!」
『シノンさんストップ!!』
フカが両手を上げて飛び出し、直後タスクから声。
「待った!!!! レンのライバルなんでしょ、強い方々なんでしょ!!」
草原の真ん中でさけぶフカを見つつ、SHINCの方を狙い続けるシノン。
「いっかい話聞いてほしい!!みんな銃下ろして!! 1回、1回やめよう!!」
『……はは!! シノンさん、もう大丈夫。レンさんたちに合流しましょう』
『え……いいの?』
『はい、相手もただの相手じゃありませんから。大丈夫です』
『……了解』
『キリトさんももう大丈夫、普通に立って、合流しましょう』
『お、おう』
直後、タスクとキリトが草むらから立ち上がる。
シノンは息をついて、木から降りた。
✣
「結果的に最高の形に持って行ってくれました」
「……あの子に感謝ね」
タスクが心底面白そうに微笑む。
シノンも少しだけ微笑んでいた。
すると、その時。
「なあタスク」
「?」
5人の真ん中、3番目をいくキリトが不意に振り返った。
「どうしました?」
「口ぶりから思うんだが」
「?」
キリトの顔に疑問符のタスク。
「SHINCを味方につけること自体は、想定してたのか」
「!!」
シノンが驚く。
言われてみれば確かにそうだ。
タスクの話し方的に、彼女らを味方につけるのは考えていたようだ。
するとタスクはふ、と笑って、一言。
「むしろそうしなければ、成功はありえません」
「……!!」
あまりに確信した言い方に、キリトとシノンは驚いた。
✣
一方その頃。
「あの女、あの女、あの女、あの女ァァァ!!!!」
緑髪の少女が、
お久しぶりです……!!
色々お話したいのですが、落ち着いたらまた……!!
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