これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
「っ……!」
あの日から数日後。
シノンは今日、ついに覚悟を決めて、店主の店にやってきた。
「強くなりたい……今までの私とは、違う!」
そういって、シノンは扉を開ける。
するとそこには、いつも通りの光景が広がっていた。
「やあ、シノンさん。いらっしゃい」
「……」
店主がいつも通り迎えてくれる。
だがその目は、いつもとは違った。
「……ついに、決めたんだね?」
「はい」
「どうするんだい?」
「私は……」
シノンは、ゴクリと唾を飲んだ。
同時に、店主を再度見直す。そして……
「覚悟ができました、店主さん。是非、私にも協力させてください。私とて、人の命が奪われるのはもう見たくない」
「その為に、自分の命が奪われても……かい?」
「……!」
「何かをするには、必ず代償がいる。命を守るために、命を差し出す。この覚悟まで、あなたは出来てるかい?」
シノンは一瞬、ぐっ……と考える。
だがその答えは、もう決まっていた。
「ええ。もちろん」
「よし!合格!」
ジャキッ
「な……!」
そうして、シノンが答えを出した瞬間、店主が叫んでSAAを取り出した。
もちろんシノンは後ずさる。だがその銃口は、斜めに下に、つまり床に向いていた。
そして1発だけ、発砲する。
ズダン!
キンキンキン!
その後すぐ床と壁、そして天井に弾丸が反射する音がして……
ドサッ
と、シノンの
とっさにシノンが振り向く。
するとそこには、緑色の、人が入れそうなくらい大きなダンボール箱があった。
「え……?」
もちろんシノンは訳が分からず首を傾げる。
すると店主が、その答えを出した。
「それは、僕からのプレゼントさ。受け取ってね」
「……!?ほんとに?あ……ありがとう」
シノンは恐る恐る、ダンボールに近づく。
そして蓋をゆっくり開けると、そこには……
ヘカートII用のサイレンサーと、G18用のサイレンサー、それに、
シノンは箱の中を覗き、箱に対してプレゼント類が小さすぎることに疑問を持つ。
別にシノンは、プレゼントに対して不満がある訳では無い。
むしろ嬉しいぐらいだ。
サイレンサーとは、その名の通り、銃の音を
それも、学生プレイヤーが手を出せないレベルにだ。
ちなみにその見た目から、別名「ちくわ」とよばれているが、それは黙っておこう。
しかもそれに追加して、カスタムキットまでついている。
これは、このGGOにある「剣銃作成スキル」を持つ人たちによって商品化された、プレイヤーのプレイヤーによるプレイヤーのためのアイテムだ。
実銃のように、消音化するための様々な追加・交換パーツが入っている。
リロードやコッキング時の音を軽減するためのものや、消音化によって壊れやすくなるのをカバーするための強化スライドなど。
ただし、ゲームシステムの扱い的には単なるプレイヤーが作った「加工物」なので、アイテム名が「加工物」になっているのが残念だ。
まあでも、シノンからしてみればこれ以上ないプレゼントだ。
シノンは早速中に手を伸ばす。するとその時。
「よいしょ」
「うわっ!」
ドサッ
誰かから背中を押され、シノンがダンボールの中に入ってしまった。
そしてそのまま、蓋を閉められる。
「ちょっと!何よ!」
「店主!ガムテープ!」
「はいはーい!」
外からビック・ボスの声が聞こえる。
なるほど、あいつか。と、シノンが納得し、怒りに任せてダンボールを突き開けようとした時。
もう既に時は遅かった。
びびーっとガムテープが蓋に被せられ、閉められる。
そしてシノンは、ダンボールの中に閉じ込められた。
シノン本人は、店主がわざわざ人の入るくらいの大きさのダンボールを用意した理由を知り、怒りの絶頂である。
だが実際は、これはビッグ・ボス、つまりタスクの考えた、とある「計画」だった。
「シノン!見えるか?」
ビッグ・ボスが、ダンボールの隙間から中を除く。
シノンはその目を、きっ!と睨みつけた。
「ちょっと!何するのよ!」
「まあまあ、これは儀式だ」
「はぁ!?」
「ごめんねーシノンさん。ボスがどうしてもしたいって言うから……」
「何の話よ!」
「なあシノン、ダンボールの蓋は、下にもあるだろ?」
「……?ええ、まあ」
「そこから足を伸ばして、歩いてみてくれよ。」
「何?どういうこと?」
「まあ、いいからさ、ほら!」
「嫌よ!何でやらなきゃいけな……」
「やらないとここから出してやらないぞ?」
「……!」
「ほらほら〜♪」
「ボス……はしゃぎすぎだよ……」
「いいだろう、こんな時ぐらい!」
「まあね」
「まあねじゃないわよ!」
「お、ダンボールの住人がなんか言ってら」
「………!!!!」
さすがのシノンも、ビッグ・ボスのとぼけ様に呆れたようだ。
大人しく、指示に従う事にする。
ガサガサ……
ひょこっ
「ぷっ……」
「んぐっ……」
シノンが足を出し、たった瞬間、ビッグ・ボスと店主が吹きそうになる。
もちろん、必死にこらえる。だが、この世には我慢したくてもできないものがあるのだ。
結果ビッグ・ボスと店主は、大笑いしてしまった。
「だははははははははははははは!」
「あははははははははははははは!」
もちろんシノンは、大激怒である。
ダンボールを投げ捨てて、(もちろんプレゼントは回収して)二人へ殴りかかってきた。
だが、そこは彼ら。
あっさりと避けて、また笑い転げる。
そしてその後1時間は、シノンが追いかけ回し、笑い転げるビッグ・ボスと、店主が逃げ回るというなんとも滑稽な戦いが、店内で繰り広げられた。
そしてその日、このGGOに、新たな生物が誕生したのであった。
「ガンゲイルビジョハシリバコ」
それがその名である。
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
駆巡 艤宗です。
お待たせしました。
感想欄の中で、一番「Good」が多かった、「ガンゲイルビジョハシリバコ」。
やっと出すことが出来ました。
長々とお待たせして、すみませんでした。
少し余談しますと、今回はタイトルに少し工夫がしてあります。
見てみてくださいね!
他のご意見も、積極的に取り入れていこうと思ってますので、もう少しお待ちください。
(エロイモアや松明、サンタ迷彩やワニキャップでの儀式、Mk22やM1911A1などなど…お待たせしております!すみません!)
今後も、よろしくお願いします。
では。
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