これは【GGO】であって、【MGS】ではない。   作:駆巡 艤宗

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Episode52 休息 〜Rest〜

「なあ……シノン?」

「?」

「この後、時間あるか?」

「な……!」

 

菊岡との会談を終え、レストランをでた二人。

 

和人のいきなりの質問に、詩乃は驚きつつ歩道を歩く。

 

「べ、別に……今は特にないわ」

「そうか、じゃあ……!」

「あっ!でも、夜には、GGOに行くつもり」

「……分かった。その、実はさ、少し……付き合ってほしい場所があって……!!」

「……?いい……けど」

 

詩乃の答えを聞いた和人は、すこし頬を赤らめつつ彼女をどこかへ誘う。

 

詩乃はそんな和人の仕草を少し疑問に思いつつも承諾し、二人はヘルメットを被ってバイクに跨る。

 

そして……

 

ブォン……!!ブォンブォン……!!!!

 

エンジンをふかしながら、すぐに街の中へと消えていった。

 

✣

 

同時刻。

GGO内、店主の店で、店主とタスクは、カウンターに向かい合って座り、だべっていた。

 

死銃事件が終わり、緊張が解けたのか、二人の顔にはなんの陰りもない。

 

いくら彼らといえど、人間である。

心の休息は不可欠なのだ。

 

「ふふ……やっぱり、シノンさんは真面目だったねぇ〜!」

 

すると店主が、だべりの中で、そんな言葉を漏らす。

タスクはもちろん、疑問を持った。

 

「やっぱり?前々から知っていたでしょう?」

「……いや、ね?実はさ」

 

首を傾げるタスクに、店主は種明かしをするようにニヤリと笑う。

 

「僕ね、シノンさんに、キリトくんが菊岡さんに送り込まれたプレイヤーだって、教えてないんだよ」

「はいぃ!?」

 

タスクは反射的に立ち上がる。

 

店主がシノンに、BOB参加の仕事を斡旋したのはもちろん知っている。

その理由も、「ボスへの報告」という形で聞いていて、把握していた。

 

だが、それを知っているから、むしろだからこそ、分かるのだ。

今店主の言ったことが、とてつもなく頓珍漢であり、本末転倒なことが。

 

しかし、よくよく考えてみれば、シノンもシノンで、しっかり仕事をこなしていた。

 

矛盾に矛盾が重なり、訳が分からなくなる。

 

すると、店主が、

 

「と、言うのもね?」

「……はい」

 

ニコニコしながら、話し出した。

 

「僕さ、実はシノンさんに、BOBを楽しんでほしいと思って、あの仕事を斡旋したんだ。彼女、過去のことを掘り返しちゃって、少し気分が落ちてたから……」

「あ、ああ……」

「そしたら、バッチリのタイミングで死銃事件が発生しちゃってね」

「……まあ、彼らも合わせてきましたからね」

「それでね?一応と思ってあういう依頼をしたんだよ」

「……」

「……けどさ」

「さ?」

「よくよく考えてみれば、これって僕らが表から手を出しちゃってるじゃない?」

「まあ……たしかに」

「それはまずい。菊岡さんに怒られちゃうからね。だから、キリトくんがそのプレイヤーであることはあえて言わなかったの。これで一件落着」

「……」

「まあでも、結局、何らかの形で気づいたんだろうね。しっかりと仕事をこなしてくれた。だから、真面目だなぁと。……ね?」

「……ブチッ」

「……ね?た、タスク君……!!」

 

そこまで話して、店主は何かをタスクから感じる。

 

……そう、それは、「タスクの怒り」であった。

 

「店主さぁん……?」

「ひっ……!!」

「なにが……ねっ!なんですかねぇ……?」

「い、い、いや、そのあの……!!」

「なぁに店主さんの優柔不断にシノンさんを巻き込んでるんですか!」

「ひいいい!!」

「全くもう、可哀想でしょう!?」

「は、はいっ!」

「すべて、今聞いたこと、洗いざらい、ぜーんぶシノンさんに話しますからね」

「ええ!?そ、それはどうか……!!こんなこと言ったら、シノンさんはきっと……!」

「ダメです!僕がいくら言ってもこれですからね。たまにはこってり他の人に、というより、被害者に絞られてください!」

「……ひ、ひーん!」

「嘘泣きしたってダメです」

「はいっ」

 

ぷい!と、そっぽを向くタスク。

やらかした……と言わんばかりに沈む店主。

 

二人の間に、重苦しい雰囲気が漂いだす。

 

……と思われた、その時。

 

「まあでも、こんだけ言うって事は、タスクくんもシノンさんのこと、思ってるんだよね……」

 

そんなことを、店主は机に伏せながら、小声でぼそりと呟いた。

 

するとその時、タスクの頬がみるみる赤くなる。

 

「〜…!!」

「青春だね〜……ふふふ!」

ガタッ!

 

そしてタスクはいきなり立ち上がると、無言で射撃演習場へと走って行った。

 

「慣れてないなぁ、タスク君」

 

そんな背中を、おかき上がって見た店主は、そう呟いて微笑んだ。

 

するとその時。

 

ガチャリ…カランカラーン!

「……!」

 

店の扉が開き、扉についたベルが来客を告げる。

 

そして、

 

「やっほー!!店しゅー、息してるー?」

 

妙にハイテンションな声が響き、

 

「……ちーす」

 

妙に沈んだトーンの声があとからやってきた。

 

もちろん店主は対応する。

 

「はーい!いらっしゃい!」

「やほー!」

 

 

「ウォッカさんとフォートレスさん!」

 

 

と。




いつもありがとうございます。
駆巡 艤宗です。

やっとです。(笑)
大変、お待たせ致しました。

新キャラの登場です!

……と言っても、名前だけですけどね。
‪ちなみにこのキャラのどちらかは、今後「とあるネタ」の要員になります。‬‪お楽しみに!‬

今後とも、よろしくお願いします。

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