これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
それと、最後に大切なお知らせがあります。
よろしくお願いします。
ガチャリ……
「お……いらっしゃい」
店主、もといタモンは、とある店の扉を開けた。
そこは、東京都台東区、御徒町の裏通りにある、「ダイシー・カフェ」。
タモンは、そこの店主と
「やあ、エギルさん」
そして今日も、タモンはその店へと入っていく。
いつもどおりと言わんばかりに、慣れた手つきでドアを開け、なおかつ店主の名前を呼びながら。
すると、名前を呼ばれたそこの店主……エギルは、さぞ嬉しそうにその「常連」を迎え入れた。
「よお、タモンじゃねぇか!!いらっしゃい」
「ふふ、邪魔するよ」
タモンも、そんな店主の出迎えを快く受け取り、店の奥へと歩みを進める。
そしていつもの席、カウンターの一番端に腰掛けた。
「いつもの……か?」
「ああ。お願いするよ」
エギルが、待ってましたと言わんばかりに注文をとる。
タモンは、それに少し笑って答えた。
このやり取り、もう何度もやっているのだ。
聞かなくても、いつものに決まっている。
だが、そこはこのエギルという男で、律儀に毎回、注文をとってくる。
そんな所に、この一見筋肉質で無愛想な外見とは裏腹な、この男の真面目さが伺えて、タモンは割と彼の性格が好きだった。
「……」
タモンは、そんな彼の慣れた手つきを眺め、肘をついて、息を吐く。
2年もブランクがあったとは思えないほど、洗練されていて、効率がいい手さばき。
いつ見ても、迷いなく必要なものだけを取り出し、ホイホイと言わんばかりに料理を仕上げていく様子は、圧巻である。
飲み物にしても、彼の調理場には全くこぼした形跡がないし、実際目の前で飲み物を容器に入れる際も、彼が水滴を一滴たりともこぼした所を、タモンは見たことがない。
それだけ練度が高いという事実は、それなりにこの店が繁盛している事も、なんとなく察させてくれる。
「……ふふ」
「ん?」
タモンは、そんなことを考えつつ、エギルの手つきをなお眺めながら微笑んだ。
✣
「ほい、待たせたな」
それから、数分後。
エギルが、タモンの注文した「カフェオレ」と「オムライス」を持って、やってきた。
「まずオムライス……と」
「おお!」
「で、カフェオレだ」
「ありがとう」
順番に渡される料理を、タモンは受け取って机に置く。
そして最後に、
「はい、スプーンとフォーク」
「……どうも」
料理を食べるのには欠かせない食器を受け取って、
「いただきまーす!」
「はーい、召し上がれ」
タモンはさぞ嬉しそうに、そう言って食べ始めた。
エギルがその声に言葉を返す。
もぐもぐとオムライスを咀嚼し、ゴクリと飲み込んだら今度はカフェオレを少し啜る。
そしてまたオムライスを口に入れ……
「おいひぃ〜!」
口を手で抑えつつ、タモンは思わず感嘆符を口にしてしまった。
未だに口をもぐもぐさせながら、口に手をあて、それでもなおはっきりとわかるくらい満面の笑みで。
「はは、そうか。それはよかった」
そんなタモンを見て、エギルも思わず微笑みをこぼす。
そこには、「店主と客」ではなく、「友人同士」のような関係があった。
✣
そしてそれからまた、数分後。
「ほい」
「んお?」
タモンが食べ終えた食器が片付けられると、入れ替わりで、コーヒーがやってきた。
それを見たタモンは、少し驚きつつ、そのカップを受け取る。
なぜなら、タモンはそんなものなど注文してないからだ。
なぜ?という思考をぐるぐるさせていると、ふと、なにかが閃く。
そしてそれと同時に、はっ、と、タモンはエギルを見る。
するとエギルは、ふっと微笑んでその視線を見返した。
その時、タモンは悟る。
これはいわゆる、「サービス」というやつだ、と。
「……ふふ、ありがとう。いただくよ」
「なぁに、気にすんな」
タモンはエギルに、にこりと笑ってそう言葉をかける。
するとエギルは、照れくさそうに言葉を返した。
「……」
改めて、彼はいい人だ、とタモンは物思いに耽ける。
それどころか、現代社会に馴染めなくすらなってしまった人だっている。
美しくも凄惨な、愉快ながらも残酷な
それでもなお、彼はこの店を、
「……僕とは違うな」
「ん?」
タモンは無意識に、そう呟いてしまう。
それが少し耳に入ったのか、食器を片付けていたエギルがその言葉を聞き返した。
すると、
「あ、ああ……いや、違うんだ。なんでもないよ」
タモンは少し焦りつつ、いつもの調子でエギルの声に答える。
エギルは、そんなタモンを不思議そうに見つつ、最後の食器をしまい終え、彼の前にカウンター机を挟んで座った。
「……?」
そうして、エギルはタモンと向き合う。
だが、エギルはその瞬間、あることに気づいた。
それは、
「……タモン?」
タモンが、いや、正確にはタモンの視線が、いつもなら不自然な所に向いているということ。
手元のコーヒーでも、さっきまでエギルがいたのれんの奥の厨房でもなく、なぜか、左をじっと見すえていた。
「……ふふ、勉強かい?少年」
そう、彼は、彼のちょうど対象に位置する席に座る一人の少年を、首だけ曲げて肘をついて、眺めていたのだ。
すると、その少年は、急に話しかけられたからか、それともそもそも話しかけられること自体希なのか、不自然なほど取り乱してその言葉に答える。
「い、いや……その……」
「はは……若いね、最近の子はさ」
「は、はい……?」
だが、その言葉に帰ってきたタモンの言葉を聞くと、ますます訳が分からない、と言わんばかりにその少年はタモンを凝視する。
そしてそんな彼らを見つめ、間でオロオロしているエギルが、
「知り合い……?ではない……のか?」
そんな呟きを発する。
そんなタモンと少年と、そしてエギルのあいだには、いつのまにか、どこか見覚えのあるような、異様な空気が漂っていた。
いつもありがとうございます。
駆巡 艤宗です。
え?遅い?
も、申し訳ありませんでした!(´;ω;`)
大変、お待たせ致しました。
言い訳なら沢山ありますが、ここにそれを書いてしまうと、恐らく画面からはみ出してしまうほどになってしまいます故、ご容赦を……(笑)
✣
さて、ここからが本題です。
そうです、前書きにて告知しました、「お知らせ」についてです。
ええと……結論から申しますと、
『設定集・後書きなどの、大型アップデートを行います。』
つまり、「大規模な周辺情報の更新を行います。」ということです。
主な内容として、
・「ストーリーダイブキャンペーン」にて誕生したキャラクター達の情報を設定集に追加
・各キャラクターの使用兵装情報を設定集に追加
・前書き及び後書きの更新・改稿・削除
・その他、細かい部分の修正・訂正
を、行います。
ただし今回のこの作業は、本作品の本編には全く関係ありません。
あくまで「周辺情報」の更新です。
ですので、話筋がいきなり変わっていたり、設定が変わっていたりという事はありません。ご安心ください。
また、これに伴い次話(Episode62)の更新が大幅に遅くなることが予想されます。
併せて、ご理解をよろしくお願いします。
✣
台風21号や、北海道地震の影響は、皆様大丈夫でしたでしょうか。
一刻も早い復興を、何も出来ない身ではありますが、この作品と共に応援・お祈り致します。
駆巡 艤宗
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この動画にしかない物語の鍵があります……。
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