これは【GGO】であって、【MGS】ではない。 作:駆巡 艤宗
「『スクワッド・ジャム』ですか」
「そう」
店主の店、『ガン・マリア』のカウンターに、6人のプレイヤーが座っている。
右からプルーム、タウイ、ギフト、レックス、ライト、そしてベネットだ。
「大会があるのは知ってますけど、それに僕ら、出るんです?」
「そう」
プルームが、いささか疑問調で店主にそう言う。
その言葉に、隣の
自分達は裏世界プレイヤーなのだ。
なぜ、そんな陽の当たる所に行かねばならない?
実にそう言いたげである。
ただ店主は、そんな気持ちをまるで見透かしているかのように、言葉を返した。
「いや、というのもね」
「……?」
「最近、組織的に動く連中が増えてきたんだよね」
「組織……」
「今まで、二人一組で行動してもらってはいたけど、それもだんだん厳しくなってきているのも現状だ」
「……ふむ」
「だから今回、なるべく無作為で選んだ6人……つまり君達を、言わば試してみたいんだよね」
「……ほう?」
するとその時、
店主はそれを見て微笑む。
「僕ら裏世界プレイヤーは、各々『固有ガジェット』なるものを持ってるよね」
「は、はい」
「それは言ってしまえば、『個性』。現実世界の特殊部隊を想像してみてよ、あういうのって、徹底的に『個性』を否定されるでしょ」
「……」
「でも、僕らは違う。お互いの『個性』を活かしあって、部隊として機能できるはず」
「……!!」
「現実的じゃないかもしれない、まず不可能、そんなことは百も承知だ。僕が求めるのはそれを否定し、存在しえることの証明なんだよ」
「証明……!!」
「それを、君たちに任せてみたい。だから言ったんだ、『試す』とね」
「……!!」
店主の言葉に、
ようは、現実世界ではありえないこと……
……だが、そこは流石、
「分かりました、任せてください」
「……!!」
プルームの一言に、他
各々、決意を店主にぶつけるかのように、鋭く力強かった。
「……よし、任せた」
そして店主はそう言い、笑った。
その笑顔は、少し嬉しそうでもあった。
✣
それから、すぐ後。
彼ら6人は、早速作戦会議に取り掛かっていた。
「そもそも、スクワットジャムまであと何日?」
「えーと……あと3日? くらい?」
「なるほど……」
そんな会話が、カウンターで弾んでいる。
するとそんな中。
「そういえば、目標ってどーします?」
「ん?」
不意にライトが、そう呟いた。
それに反応して、レックスがライトの方を向く。
「そ、そりゃぁ、優勝でしょ」
「ま、だろうね……」
そしてギフトが言葉を差し込んで、タウイがその言葉に相槌をうったその時。
「あ、そうそう、それに関してなんだけど」
「?」
いきなり店主が、レジの方から声をかけてきた。
6人全員、カウンターの机から、奥の方を覗き込む。
すると店主は、そんなある意味滑稽な光景に微笑みつつ、言葉を続けた。
「優勝はもちろんだけどさ、もう1つ達成してほしいことがあるんだよね」
「も、もちろんなんだ……」
「しー! 静かにライト!!」
つい言葉を漏らしたライトを、レックスがおさえる。
そしてそんな彼らをしり目に、プルームが聞き出た。
「……して、もう1つの目標は?」
「うん、それはね……というか、優勝は
「っ……!?」
あまりの店主の言いように、6人はまた言葉を詰まらせる。
そして店主は、あくどい笑顔を彼らに向けると……
「最近さ、『ピンクの悪魔』って人がいるじゃない?」
「は、はい」
「君達の任務はただ一つ。あの子の首を……狩る事」
そう、言い放った。
【次回】
『スクワッド・ジャム』、開幕。
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