週末なにしてますか?忙しいですか?遊んでもらっていいですか? 作:ゆきめーる
・ヴィレム
……クトリとお幸せに。今回は出番なし。
・クトリ
……ヴィレムとお幸せに。アルティメットエターナルヒロイン。
・ネフレン
……可愛い。
・ラーントルク
……可愛い。お前本当に14歳か…?
・ノフト
……原作ではもっと出番が欲しいです。
・ナイグラートさん
……女神。しかし今回は出番なし。
・グリックさん
……イイ男。
地上に救助隊が来てからしばらくした、ある夜の話。
「おー、クトリ」
「ノフト、どうしたの?」
「なんかラーンが夜、寝る準備して部屋に来てくれってさ。よく知らねーけど」
「ふぅん?わかった。今日の夜ね」
「おう。じゃあな!」
「えぇと……、ラーン、これは一体…?」
その夜、ラーントルクの部屋に来たのは、私---クトリだけではなかった。何故かノフト、ネフレンもいたのだ。
しかも、全員が寝間着であり、布団までもが用意されていた。
「はい、これは確かこ…こい……えっと…」
「『コイバナ』」
「そうそう。こいばな、ですね」
と、ラーントルク。ネフレンとは少々イントネーションが違ったが、おそらく同じ意味だろう。
しかし…、こいばな?寡分にして聞いたことがない。今が地上であることも鑑みれば、安全祈願の儀式だろうか。それもかなり怪しげな。
「こいばなというのは…『女子同士で集まって好きな人の話をする』というもの、らしいです。
地上調査の際に拾った本に書いてありました」
今回の調査隊の戦利品であろう古ぼけた本を読みながら、ラーントルクは説明を行う。
その際、ページに書かれている文字が何度か見えたが、大陸用言語とはまるで違う、今まで見たことのない文字ばかりであった。
しかし、好きな人の話?それはつまり---、
「クトリぃ!あのヴィレムってヤツなんなんだ!?
ナイグラートの旦那じゃないのか!?それともネフレンのペットかなにかか!?それに人間族って言ってたけど本当か!?それと----!」
「ちょ、質問が多い…。ていうか、違うって!その、私の…ぇと……」
あまりの質問の多さと、ナイグラートの旦那なのかという問いに、どの質問から答えるべきか迷ってしまう。
しかしそこに、
「ナイグラートの旦那さんじゃない。本物の
ネフレンが口を挟み、巨大な爆弾を落としていく。
「ペット扱い!?初耳だぞ、それ!!」
「…聞かれなかったから」
「やっぱり本物の人間族なんですね…」
どんどんカオスになって、収集がつかなくなっていく。
「ネフレンっ!ペット扱いって、変なことされてないよな!?」
「むしろ望んでしてる」
「本当かっ!?それはそれで問題あるんじゃ…!?」
「本当に人間族ならば、質問する事柄が沢山ありますね。まずは……」
「ちょ、ちょっと待って!どんどん話題ズレてない!?」
カオスが加速していき、混沌の極みとでもいうべき空間になっていく。終に収集がつかなくなったとき、
「…おい、お前さんら」
「ひゃぁああーー!」
「うわぁああああ!」
「きゃぁあああー!」
「…………!!」
唐突な訪問者に、各々が様々なリアクションを見せて驚く。
緑色の影が僅かに、彼女らの顔を覆う。影の正体は、同じく船に乗っている
何かマズいことをしてしまっただろうか。
彼に気づいた全員が、震え上がり顔を青くする。
「あー、その、なんだ。元気があるのは良いことなんだが、一応今は夜なんだわ……。だから、なんつーか…」
「す、すすすみません!!」
なんてことはない。只、注意をしに訪れただけであった。
少女らが、おとなしく聞き入れたように見えたのであろう、彼は「悪ぃなぁ。わざわざ部屋にまで来ちまって」と言い、退室していった。イイ人だ。
彼が出ていって、しばしの静寂。
破ったのは、ラーントルクであった。
「……して、あのヴィレムという輩が、クトリの想い人ということで間違いないのですね?」
「えぇと、その…そう、かな…」
クトリ自身、自覚こそしてはいるものの、やはり改めて、他人に自身の想いを吐露するというのは、恥ずかしさが顔を突き出してくるのだろう。顔を真っ赤にしながら、応答を行う。
そんな彼女を、どこかおもしろくなさそうに睨む、青色の少女。
「ラーントルク。クトリはヴィレムにぞっこん」
可愛らしくクトリを睨め付けるラーントルクへ、ネフレンが説明する。
「料理はヴィレムの好む味付けになっちゃうし、家事を手伝う姿なんかは、まさしく正妻の風格あり」
しかし、それを聞いて更に眼光を強くしていくラーントルク。
「クトリ?本当にあのヴィレムとやら
少女が詰め寄ってくる。
しかし、そんな彼女の顔を正面から見据えて、瞳に映る感情に気づいた。
「…もしかして、心配してくれてるの?」
「え!?いえ、ぁ、私はその…、彼を、怪しんでいるだけです」
そう言って視線を逸らすラーントルク。しかし彼女の頬は朱色に染まっており、彼女の心遣いが伺えた。
彼女はただ、優しいだけなのだ。ヴィレムを嫌っているわけではなく、結果的にそうなってしまっているだけだ。
そう思うと、なんだか無性に彼女が愛らしく見えてきた。
「きゃっ!なんですか、クトリ。いきなり抱きついて」
「ううん。なんでもない!」
ぎゅーっと、この幸せを、離さないように抱きしめる。
決して離したくはないけれど、近いうちに
それでも構わない。こんなにも今が幸せならば、私が消えても続いていくのだろう。
なら、それが一番の、私の幸せだ。
「おい、クトリ?大丈夫か?どうしたんだ?」
気がつけば、心配そうな声が私にかけられていた。
なんでもないよ、と返答し、少し湿ってしまった心を振り払うように、別のことを考えようと努力する。
……やはり、ヴィレムのことだろうか。
どれだけ思案しようと、彼に行き着いてしまう私の恋愛脳に、自分でも笑ってしまう。
そんな中、ふと気がついた。
私が消えた後、彼に恋人ができたりするのだろうか。
あまり想像したくなかったが、つい考えてしまう。
最有力候補は、ナイグラートだろう。圧倒的。圧倒的だ。いろんな意味で。
次はネフレンか。自称ペットではあるが、彼女が一番身体接触が多い。現段階でも要注意である。
次は----、
「…ハッ、まさか……!!」
「おい、クトリ。ちょ、おーい!クトリー!?」
ラーントルクという可能性はどうだろうか。自分の発想に自分で驚いてしまったが、しかしあり得ない話ではない。
彼女は現段階でこそヴィレムを嫌っているものの、その実本の虫であるからか、恋愛小説をよく読んでおり、かなりのロマンチストである。つまりは、出会いを夢見ている女の子と言っても過言ではないと言えよう。
そんな彼女が、今まで嫌ってきた男の印象をひっくり返すような出来事があれば……、恋に落ちることは必然である。
しかも相手の顔もいい(恋愛脳)。
その上マッサージは、彼女に施すときだけ顔を赤くしていて、それはつまりラーンを女性として意識していたということで彼女は私より胸とかいろいろ大きいし逆に私にしっかりと大人の女性としての魅力があるか怪しくてうわぁああああ。
これはマズい……!!
うん。でも負けないよ、ラーン。ヴィレムの一番は譲らないから!!
よく知る少女が、いつの間にかライバルとなっていたことに戦慄しながらも、決して負けぬようにと戦意を奮い立たせるクトリ。
彼女の戦いは始まったばかりである。
「クト…、リ…、背骨……、折れそう、死ぬ……」
「うわぁあああ!クトリぃ!ラーンの顔が青くなってるぅぅ!髪の色と変わらないくらいにぃぃ!」
「ヴィレムと似た者同士」
「すまん、嬢ちゃんら……。悪いんだが…」
再び入ってくる苦情。
響きわたる悲鳴。
彼女らの戦いは始まったばかりである。
正 妻 の 風 格
クトリに勝てるヒロインはいるのか……?