深まる縁
兄 姉 弟 妹
新たに『家族』となる子達
枝豆の熱を取るため、テーブルへ。蠅帳をかぶせておく、と、耳にはいる、ビアガーデンという単語。はは、また思い出が込み上げる、天使様の歓迎会。あの日、ご馳走を手に行くと、先に楽しんでいる面々がいたっけ。あの日買ったんだよね、ビールサーバー。行きましょう、記憶書庫―
「でも、ほ~んとお腹減った~」
「これからが楽しみですわぁ」
ミク姉とルカ姉の言葉。紛れもない事実。ご馳走と共に、外用のテーブルや椅子が並ぶ場にたどり着く。そこに広がっていた光景は
「お、ウマソ~なのがやって来るぜ、肉が食えるぞ。美味く焼いてくれよ~カイト、かむい~」
「おつまみたくさん、嬉しいわ~。ありがとカイト。純米用意しておいたわよ、神威君」
料理を並べるため、折りたたみテーブルを何卓か並べてある。その上にテーブルクロスも掛けてくれるのは良いのだけれど。一緒に載っているお総菜、フランクフルトやサラミ、チーズちくわ。金銀の包みに入った、マグロブロックを並べながら、ご機嫌テト姉、めー姉
「重音、おまえ達、もうヤリ始めてるのか。いい気なもんだな、天使様もお手伝いして下さるってのに。Sabotage(サボタージュ)ってヤツじゃな~い」
「あら、神威君、人聞き悪い。サーバーのテストよ。しっかり動くか、確認しておかなきゃね~」
めー姉、さらにビールを一息に流し込む。さっそく、おかわりを注ぎ出す始末
「あ~もう、め~ちゃんは~。うわっしかもこれ、業務用の買ってきたのか。まぁ、テストって事にしておいたげる。はは、アルまで始めてるのか」
「Sorryお二人に当てられたでゴザル」
鎮座している、最近買ったビールサーバー。ボトルはお店用。手には、全高(で良いのだろうか)40㎝のメガジョッキ。バツが悪そうなのはアル兄
「にゃはは~、良いじゃね~か『ハレ』の日なんだからよぅ。サボってね~から、炭だって熾して(おこして)おいたぜ」
外用のコンロや焼き台が出され、消火器まで用意してある。ガスボンベを使う鉄板焼き用の物。炭を用いて、網で直火焼き仕様と二種類
「言葉もナイ、な。呆れちゃって。ったく。じゃあ、始めようじゃない。何だかんだ、俺もお腹空いちゃった」
お造り盛り合わせを、テーブルに置く彼。ビーフシチューの鍋は、コンロに鎮座。その隣、土鍋ご飯の第一陣が、すでに火に掛けられる。カレー鍋、アラ汁は〆時に近い品なので、鍋敷きを敷いてテーブルへ置くカイ兄。どの料理にも、蓋やラップがしてあるのは、虫除け対策
「わ~すご~い、ぽ父さん」
「ゴチソフデフ~」
「うあ~マジ腹減ったっす、がくサ~ン」
テーブルの上に並ぶ食べ物。それは、五つ星レストランのバイキングを上回る。はしゃぎだす天使様。勇馬兄を始め、わたし達も急激にお腹の虫が騒ぎ出す。さっきのレンではないけれど、お腹が空きすぎてつらい
「よしよしわかった。乾杯と『一言』済ませようじゃない、メイコ。肉や野菜は、それから調理しよう、カイト」
「いいわね、神威君。みんな飲み物注いで~」
「天使様に、バナナミルクも作ったよ~。レンも飲むでしょ」
年長三人、声が掛かる。優先的に、天使様のコップが満たされる
「では、皆さんから一言お願いしますね」
「じゃあ、リュ~からっ」
一言を促す先生とリリ姉。リュウト君、話し出す
「ありがとうございます。あいたかった、にいさまに。あいたかった、ねえさまに。あこがれのみなさんに、やっとあうことができました。さ、さみしかった。い、いまはすごくしあわせです。う、うう~」
無言で抱きしめる、神威の兄妹。メンバー全員、もらい泣く。神威の両親は忙しい人だ。ここに来るまで、ハウスキーパー生活だったというリュウト君。一人ぼっちの時が長かった。想いと涙が溢れ出る。こんなに泣く歓迎のあいさつは初めて。しばらく涙が止まらない
「リュ~、これからは、おにぃとおねぇ、ウチもカルも。みんなも、ず~っと一緒だからな」
「カワイイリュウト。俺と、俺達と。一緒に歌って生こうじゃない」
「だいすきです、にいさま、ねえさま、みなさま」
リュウト君と、わたし達。縁を深め合う。キヨテル先生、眼鏡をあげ、涙を拭って
「さあ、次はユキさんですよ」
「はい、先生。えっと、まだみんなみたいに、おうた、じょうずじゃないけど」
「「「「「「「「「「そんなことないよ~」」」」」」」」」」
メンバーから、自然にあがる声。照れ始めるユキちゃん。もの凄く可愛らしい
「みんなとおうた、うたえるの、ユキすっごくたのしいです。きいてくれる人のために、がんばります」
微笑みの直撃。なんて健気。これまた、しばらく声が出ないメンバー
「~はあ~。つ、次はいろはちゃん」
なんとか立て直すカイ兄
「あたしもすっごく楽しいで~す。みんなで歌えて、みんなでおどって、みんなによろこんでもらって。やさしくしてもらって。お兄ちゃん、お姉ちゃんたちが大好きです」
可愛らしすぎて、もはや辛い。なんだか疲れてさえくる
「トリ、オリバ~」
紫様も限界に近い声で促す
「ボフ、ニホゴモ、マダジョフズジャナイ。デモ、ミナサンヤサシイ。タノシイ。サビシクナヒ。みんなだいすき、My Family」
最後は全員拍手。微笑むオリバー君。やっぱり笑顔の波動が直撃する
「「「「みんなどしたの~」」」」
天使様に声をかけられるまで、意識がどこかへ飛んでいたわたし達
「じゃ、乾杯しましょうか。発声は~リン~」
選ばれるわたし。さて、何を言おうかなと、少し考える。別に特別意識する必要無いか。そんなに良い頭じゃないもん
「ありがとめー姉。天使様、ありがとう。わたしも嬉しいよ、みんなと歌えるの。これからもたくさん歌っていこうね。カイ兄、がっくん、今日もありがとう。そしてお疲れ様。じゃあ、始めようみんな。せ~の~でっ」
「「「「「「「「「「かんぱいで~す」」」」」」」」」」
歓迎会、開式。腹ぺこメンバー、直ちに料理に群がろうとする。と、手を叩く音
「はいはい、待って下さい皆さん。天使様が優先ですよ」
「大人は後だって~の。みんな、大人気ね~なぁ」
やや苦笑のキヨテル先生。リリ姉は腰に手を当て、あきれ顔
「その通りだぞ~、おまえ達~。分かってるじゃない、リリ。さすが、我が妹~」
紫の彼、リリ姉を撫でる。取り箸を手に、メンバーを制止する
「何が食べたいリュウト、取ってやるよ」
「あぶらあげのはさみやきがたべたいです」
微笑むリュウト君、笑顔でお兄さんモードの彼。その顔が少し曇る。その理由
「ああ、ごめんなリュウト。作りたて、食べさせたくってさ。よ~し、今から炙ってあげようじゃない。ちょっと待ってて。めぐ、リュウトを世話してほしいじゃない」
「は~いぽ兄ちゃん。リュ~君、待っててね~」
屈んで、リュウト君の頭を撫でるめぐ姉。代わりの油揚げ繋がり、五目いなりを食べさせてあげる
「よ~し、オレも焼き始めるよ、殿。テト姉さんの目が『肉よこせ』になってるからね。オレに食らいつかれちゃタマラナイ」
「へへへ、早くしないと食っちまうぜ~カイト~」
わきわきと手を動かし、どす黒い微笑み、テト姉。エプロンを、ふたたび身につけ、立ち上がる『超アニキ様』達。焼き台へ向かう
「あら、アネキ、カイトを食べて良いのは、わたしだけよ~」
「まあまあ、お熱いことですわ~」
両頬を挟み、頬を染めるルカ姉
「めいこさんがたべるんですか」
「カイトさん、食べられちゃうの~」
「ええっ、食べちゃうの、カイトさんをっ」
「オ、オバケミタイデ、コアイデフ」
どういう意味で『食べる』という単語を用いたか、あの日、わたしも天使様も知らない
「ああ、あの歌の事だろ~、メー姉。おまえら気を付けろよ~、食べられちまうぜ~」
感づいたのだろう。リリ姉は、めー姉の持ち歌にすり替え、誤魔化す
「ふふふ、気を付けなきゃだめよ~天使様。わたしはカイトだけじゃ~な・く・て。リンやレンも『食べちゃった』ことがあるんだから~。あなた達みたいに可愛らしい子は、頭から食べちゃうかもしれないわ~」
言って、天使様を追い回す。きゃあきゃあ言いながら、逃げ回る天使様。めー姉の『持ち歌』の事だったのかと、あの日は勝手に理解
「メイコさん、皆さん、お食事の時に走ってはいけませんよ」
「「「「「は~いせんせい、ごめんなさ~い」」」」」
眉を下げ、苦笑の先生。めー姉含め、一同謝る。本格的に、宴を始め出すメンバー。天使様は、甘いポテトサラダ、ナポリタンでご満悦。茄子の揚げ浸しに喜ぶユキちゃん。あの位の歳だったな、レンがまだ、茄子食べられなかったの。よ~し、わたしも『彼』のお手伝いしよう。でも、彼ら料理を手にしていないよね。ならば
「がっくん、カイ兄、何が食べたい~。わたし、持って行くよ」
「あにさま、かいさま、りくえすと~」
調理に向かう『二人』を気にして『彼』を気に掛けて、言うわたし。カル姉も心配り
「ありがとう。でも、大丈夫だよ、リン。皆と食べてて」
「食べてて良いじゃない、カル。焼きたてのも食べてほしい」
でもそれじゃ~、声を出そうとしたわたし
「それじゃ~不公平だよ、神威のアニキ~」
「リンちゃんと一緒に、お酌しま~す。かむさんっ」
枝豆を取り分け、Mikiちゃん。純米を手に取り、ピコ君。味方してくれる声に遮られる
「そうよ、み~んなで楽しむものじゃないの。カイト、何が食べたいかしら~」
「焼きたて食いてぇからな。必然、お前の所に行くぜカイト。ついでに、差し入れてやる」
先に『楽しんでいた』めー姉、テト姉も。彼らが作ってくれた料理を片手に、飲み物を手に。集まり始めるメンバー。ちなみに、テト姉の『食った』に反応しないのは『会ったときからだ、治るはずないじゃない』と紫の彼。出会ったのは小学校の入学式だったそうで。その彼とカイ兄の周り、出来る人の輪。談笑しながら食べる。土鍋ご飯が炊きあがり、蒸らす時間に入る
「この胸肉パスタ、赤ワインと良く合いますわ、氷山さん。香ばしくておいしいですわぁ」
「本当ですか、ルカさん。あ、トマト載せのモッツァレラバッカ、白に合いますよ」
「ふ~ん、酒は飲めないもんな、ウチはまだ~。センセ、ワインて美味い、それ、一口飲ませてよ」
成人を迎え、お酒を窘めるようになったルカ姉。甘いロゼワインで上機嫌。辛口、白ワインを楽しむキヨテル先生。ワイン好き二人、意気投合。横のリリ姉、ややつまらなさそうに、口を尖らせる
「いけませんよ。リリィさん、未成年じゃないですか」
「い~じゃ~ん。一口、ヒトクチだけ~」
驚きと、やや咎める声色の先生。いたずらっ娘モードのリリ姉、さらに先生に絡みだす
「な~、いいじゃ~んセンセ。ここだけの話しにすれば~」
「お~いリリ、テルを困らせんな。大体真似して、他の子供が飲みたい言ったらどうすんだ~」
獰猛に言い放つ、紫様。やや、ご立腹だ。何故なら、語尾に『じゃない』が付いていない、一切。ぐうの音も出なくなるリリ姉が涙ぐむ
「そうですよ。皆さん、お酒は二十歳に成ってからです。リリィさん、良い子にして下さいね。後で、ハニーティーを煎れて差し上げますから。楽しく、デザートの時間を過ごしましょう」
言って、リリ姉の肩に手を置く先生
「テルだって、そんなに飲む方じゃないんだ、リリ。これから、お前の好きな『越後牛の塩胡椒焼き、パイン添え』焼いてあげようじゃない」
今度は、優しい言葉を掛ける紫のおにぃ。涙を拭い、微笑むリリ姉
「も~、フッタリ(二人)とも石頭~。ありがと~センセッ。おにぃ」
憎まれ口は、リリ姉の照れ隠し。今思えば、意気投合するキヨテル先生、ルカ姉に嫉妬していたのかもしれない
「お酒飲めなくたって、楽しいよ~リリちゃん」
「ん、めぐ姉もゴメン。コレ、美味いのセンセッ。一個ちょ~だい」
年齢はルカ姉と同じなので、飲んでも良いめぐ姉。ただ、お酒が苦手。今度はご機嫌で、モッツァレラバッカをつまみ上げるリリ姉。そのやや前方では
「カイ兄、何食べたい。おれ取ってくるけど。はっふっ」
グラタンを食べながら、レン。熱かったらしい、あわてて、飲み物を流し込む
「ほ~ひ、はひひい、ほはへ~(は~い、カイ兄、お酒~)」
野菜サラダを頬張るミク姉。手にはお酒
「ありがとう、レン。じゃあ、Mikiちゃんが握ってくれたお寿司を。ミクにも感謝をいたします」
レン、ミク姉が兄を気遣う。越後以来、日本酒にはまっているカイ兄。最近は、度数の低いスパークリング清酒が好み。兄曰く
「度数が低い分、長く飲むことが出来るからさ。それに、甘くって美味しいんだ~このお酒」
と言うことだ。お酌するミク姉。隣に陣取る、めー姉と杯を合わせるカイ兄
「さあ、出来たぞリュウト。熱っいから、気を付けて食べようじゃない。まとめて五枚焼いたから、皆で食べてほしい。切り分けは、そこのナイフでな。つまみにも最適じゃないの、メイコ様」
「ありがとうございます、にいさま」
「ふ~ふ~してあげるね、リュ~くん」
紫様とリュウト君のやりとり。切り分けてネギ、かつお節、ショウガ醤油をかける。冷まして、食べさせてあげるめぐ姉。口の周りを拭いてあげる
「ありがとうございます、めぐねえさま。にいさま、とってもおいしいです」
微笑ましいやり取り。メンバー全員、心が温まる
「ふふふ、ありがとう神威君。アタシは、ネギ味噌で頂くわ~」
「Thank youでゴザル、神威殿。拙者ハ、キムチで」
「かるは大根おろしと、刻んだおねぎで~」
ご機嫌が上機嫌へと高まるめー姉、アル兄。取り皿の上でトッピング。飲める二人は、食べてビールを、ジョッキ半分まで流す。至福の吐息。カル姉の手には野菜ジュース。わたしは、松皮造り数切れと塩、ワサビを持って、彼の横。自分用の飲み物はレモンティー
「はい、がっくん好きだったよね、お刺身で日本酒。あ、これからお肉焼くでしょ、手伝うよ~」
「ありがとう、リン。ああ、その前に、網、換えちゃうから。そしたら横で、野菜焼いて欲しいじゃない。塩胡椒で、お肉食べたいヤツはコッチにお~い~で~」
網を換え、牛肉を焼き始める。わたしは野菜。玉ねぎ、パプリカ、茄子。トウモロコシにタレを塗る。ミク姉が買ってきた空豆、塩水に漬け込んで置いたもの。サヤごと豪快に焼く
「はいっ、かむさんどうぞ。お酌で~す」
「あにき~、枝豆もど~ぞ~」
「ありがとうお利口さん。二人もたくさん食べてほしいじゃな~い」
ぐい飲みを手渡し、お酌を始めるピコ君。調理台に枝豆を置くMikiちゃん。すると隣の焼き台から
「Mikiちゃん、こんのお寿司すっごく美味しいよ。うっわ~、これすごい」
わたし達はもう、試食済みのお寿司。紫様とMikiちゃん、二人の『合作』不味いはずがない。カイ兄の言葉に、一目散。お寿司に群がるのは、レン、アル兄、ミク姉
「はいはい、だ~か~ら、みんな。天使様が優先だってば」
「少しは学習しろっつ~の~。ったく、天使組の取り分けちまうぞ」
今度はさすがに困り顔、めー姉。リリ姉、呆れながらお寿司を取り分ける
「ああ、リュウト。さっき食べてたおいなりさんは、ピコが作ってくれたじゃない。お礼言っとけよ~」
「ぴこさん、ありがとうございます。とってもおいしかったです。にいさま、おしえてくれてありがとうです」
深々と頭を下げるリュウト君。天使のみんな、四人全員、お利口さん。お料理に、我先にと群がらない辺りも慎み深い。逆に自分が恥ずかしい
「っと、焼き台の近くに置き場ね~な」
「デハ、何卓かを移動させるでゴザル」
でもこうやって、何事も率先して動き出すアル兄。やっぱりこのメンバー素敵。焼き台の周りに小型テーブル到着、完全に野外バーベキュー付き立食パーティー会場
「サンキュッ、アル。ほらみんな~食べようぜ~」
「色んなモノ、少しづつ持って行くっす」
素直にお礼、リリ姉。勇馬兄、お皿に様々盛って持ってくる。みんなで味わう至高の料理
「神威のに~さん、お口開けて~」
松皮造りに塩、わさび、小ネギを盛って差し出すIA姉。自然体で召し上がる紫様。鯛を味わい、お酒を流し込む
「ん~ん。やっぱコレだな。ありがとうIA、ピコMiki。リンも、お手伝いありがとう」
嬉しそうに微笑む紫様。表情がまぶしい
「は~い、リンちゃんもあ~ん」
「ありがとう~、IA姉」
わたしにも、お刺身を食べさせてくれる。適量のワサビ、塩が、身の締まった鯛を引き立てる。美味しい
「う~にゅ、おいし~。鯛の皮って美味しいんだね、に~さん」
自分でも食べて、美味しい笑顔のIA姉
「初めてか、食べたの。魚の皮、美味しいよなぁ。栄養も豊富じゃない。鮭なんか、皮の方が大事なくらい。ま、好き嫌い分かれるけど」
「そ~なんだ~神威のに~さん。あ、ユキちゃんもど~ぞ~、あ~ん」
紫様と会話し、ユキちゃんにも食べさせてあげるIA姉。ワサビは無しで
「ふぁ~。ふぉんふぉは~(本当だ~)おいしい。ありがとう、IAちゃん。ゆきも、はじめてしりました、ぽ父さん」
楽しく食べながら、調理を続けてくれるアニキ様達。わたしも、野菜を焼いていく
「お野菜、食べたい人はも~良いよ~。そのままでも美味しいけど、塩、タレ。どっちも、相性バツグンだよ~」
「上手に焼くじゃない、リン。唐辛子は、どえらく辛いから気を付けろ。子供達が食べないよう、どかして置こうじゃない」
褒めてくれる、隣の彼。とてもうれしい
「頂くわ、リン。この唐辛子、空豆もお酒にばっちりよね」
「おれも貰うっす。玉ねぎ、パプリカ。ト~モロコシもウマそ~」
つまみ上げてゆく、めー姉。その場で、トウモロコシにかぶりつく、勇馬兄。タレで口の周りが汚れる
「ゆ~ま君、汚れてるよ~」
「ふ、ググ、グミさん。あ、あざっす」
微笑んで、紙ナプキンで拭ってあげる。赤面する勇馬兄。それこそ唐辛子カラー
「あはは、あっちも姉弟に見えるね、め~ちゃん」
「勇馬の童顔も相まってね。アタシには、親戚の弟を世話する、姉にに見えるわ~」
隣の姉弟、めー姉、カイ兄が笑い合う。香ばしく、肉の焼ける音。やがて湯気と共に、立ち昇る良い香り。隣の鉄板からも漂ってくる、堪らなく良いにおい
「ステーキソースで食べたい人は、こっち~。第一弾、焼けたよ。赤いの滴っちゃう、レア状態で食べたい人、もう良いよ~」
「うっしゃ~、待ってたぜカイト~」
肉を鉄板から奪い取り、食らいつくテト姉。切り分けさえしないで、噛みちぎる。赤ワインで流して、上機嫌
「こっちも良いんじゃな~い。リリ、焼けたぞ~パイン添え」
「サンキュ~おにぃ、野菜も頂くぜ、リ~ン」
取り皿に取り、こちらは一口サイズに切る。すると
「いろは、良かったら食べねぇ、オリバーも。胡椒、ピリっとすっから気を付けろよ」
「ありがとう、リリちゃん。いただきま~す」
「リリタン、ボクモタベタヒデフ~」
子供達を気遣う。二人の前にかがみ、フォークで口に運んであげる
「アラアラ、しっかりお姉ちゃんしてるわね、リリィ。感心だわぁ。まったく、テトのアネキとは正反対」
呆れるめー姉。今度は、カイ兄にお酌をする。同じ発泡清酒を、自分のコップに注ぐ
「ありがとめ~ちゃん。あ、コンロのカレーと、ビーフシチュー。温め直して貰えるかな。シチューも、おつまみになるよ~」
「リンが、ゆで玉子作ってくれたからさ。カレーのアタマ(カレー汁)On the玉子も、つまみに良いんじゃない、メイコ。ご飯食べたいヤツは、もう蒸らしも終わってるんじゃない」
「嬉しいわ~カイト、温めちゃうわよ。神威君、リンもありがとう」
喜び勇んで、温めに行くめー姉。ひとしきり焼き終わって、テーブルに戻ったのは四時過ぎ。リラックスで談笑。ご飯を食べる面々は、器が小さい。ほぼ、一口サイズ。色々なものを、少しずつ食べられるようにという配慮。Mikiちゃんが握ってくれたお寿司は、大好評。すでに全品、メンバーの胃袋に消えている
「今日は、このあとさ。小一時間したら、一回閉めちゃわない。そのあと片付けして、風呂入った後二次会。スイーツ食べたい人もいるじゃない。飲み足りないヤツは、残りで飲めるし」
紫様の提案。素晴らしい妙案とばかりに
「神威君の案に賛成するわ。建物の中なら、安心して飲めるもの。寝落ちオッケ~」
「寝落ちはどうかと思うけど、オレも殿に賛同するよ。シャワーも浴びたい」
ひたすら楽しそうなめー姉。困り顔、カイ兄。でも、声は楽しさが混じっている。古参組が賛成をはじめると
「ウチもおにぃにノッタ~。スイーツ食べようぜ、センセ」
「よろしいですね、リリィさん。片付けは、わたし達でいたします、神威さん」
先生、今はまだ、ワインタイム。リリ姉と、ビーフシチューをアテに。リリ姉の飲み物は、紫の彼が漬け込んだ蜂蜜レモン水
「あ、そっか。和パフェ、無いなって思ってたけどがく兄」
「そ、冷蔵庫で冷やしてる、レン。どうせ、二次会するじゃない。冷たい方が美味しいよ~」
「キムチラーメンも、ちゃんと作ってあるからね、いろはちゃん」
「やたっ。ありがと~カイトさ~ん」
嬉しそうな二人。天使様は四人、一緒に座る。近くでは、キヨテル先生とリリ姉が面倒を見ている。レンは、ミク姉、ルカ姉と同じ席で楽しんでいる。小一時間なんて言ったけど、三十分後には撤収開始。今の今まで宴会していたのに、二次会モードへ移行する面々。夕暮れの中、焼き台の火の始末を、徹底的にする。コンロは、ガスを外す。テーブルは明日片付ければ良い
「拙者と、キヨテル殿で、食器は洗っておくデゴザルヨ。特に拙者ハ、調理で、戦力に成れぬユエ」
「マンションのキッチンお借りしますね。その間に、入浴を済ませてください。残り物の片付けもいたしますので」
申し出てくれる、アル兄と先生。洗い物を引き受けてくれるのも感謝だ
「あ、自分も手伝うす。ダンナ、テルサン」
「ぼくもです~。あまり、お料理手伝えなかったので~」
女子力の高い男子、勇馬兄、ピコ君も続く。早速、食器をトレイに載せる。余ったものを運ぼうとする
「ありがとう。それじゃあ、お任せしようかな。手早くシャワーだけ浴びちゃおう。お酒入ってるから、ホントは良くないけど。やっぱり汗は流したいよね」
「おし、別れようじゃない。俺の家、風呂広いから。女性陣一同で入って良いんじゃない。ヤロウはシェアハウス、借りようじゃない。皿終わったら、テル達もシャワーな」
それぞれ立ち上がる。彼の提案に応じる
一次会終了
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