はじまりのあの日   作:代打の代打

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いつもの流れ

高まる気持ち

黄色い子の気持ち

高まる気持ち


準備会その2

テーブルやソファの配置を変える。そのうちに

 

「たっだいま~デザート期待して~」

「もどりました~良いものが手に入りましたよ~」

「焼き鳥、焼きそば、焼きビ~フ~ン」

「お総菜もいい感じで~す」

 

リリ姉と、キヨテル先生の澄んだ声。Mikiちゃんとピコくんの穏やかな声が響き

 

「今日は飲むわよ~」

「サスガに、重たいデゴザルよ~」

「買いすぎだろ~」

「足りないより、余るほ~がいいよ~」

 

わいわいと、めー姉、アル兄、レン、めぐ姉の楽しげな声が響き

 

「カイト兄様、ただいま戻りました~」

「たいりょ~祭りだよ~アニキ様~」

「あとはまかせたぞカイト~、かむい~」

 

とルカ姉、ミク姉、テト姉のあたたかい声が響いた。そこからは、完全にお祭り状態。昼食もとらずに、調理にかかる、カイ兄と紫の彼。それぞれの荷解を行なうメンバー

 

「しかし酒多いな、おし、飲み物系はシェアハウスの冷蔵庫行きだ。スイーツと一緒に冷やそうじゃない」

「食材の荷解はキッチンでやった方がイイね、殿」

 

斯く斯く然々、台車に品物が並ぶ。大家族なので、食材の買い出しは基本こうなる。冷蔵庫は各家、三台、備え付け

 

「よし、キッチン組とホール組に別れようじゃない。つまみだの酒だの整えてくれ」

「うん、それのが効率もいいね。デザートはもう、冷やしてあるらしいから」

 

食材を台車に乗せ、キッチンへ向かい出す、兄二人

 

「わかったわ、神威君。こっちからも、運ぶ人員なんかは送るわ、カイト」

 

残るめー姉達。シェアハウス組は、飲み物を冷やしに行く

 

「お料理手伝うよ~がっくん」

「ゎたしも~リンちゃ~ん」

 

わたしは、彼について行く。IA姉も続く

 

「ありがとう、専属のお手伝い様。ああ、Miki今日も寿司握ってくれないか、シャリは用意してあるじゃない」

「もっち~(もちろん)アニキっ。ピコきゅんのリクだもん。縒り(より)かけちゃうよ~。あ、ピコきゅん、一緒に作ってよ、おいなりさん」

「は~い喜んで、です~ぅ。おいなりさん、ん~何いなりにしよ~う」

 

わたしとIA姉、まとめて撫でてくれる彼。Mikiちゃん、腕まくりの動作、気合いを入れる。ピコ君も鼻歌まじり『ピコいなり』もメンバー名物。キッチンへ向かう面々、さっそく大漁の食材を漁る

 

「海鮮多いな、魚は造りと寿司にするとして、コッチは何にするか」

 

イカとエビ、貝はアサリとお見受けする、紫様談

 

「あ、海鮮チャーハン作るよ殿。ご飯ものリクに丁度良い」

 

再びエプロンを身につけ、カイ兄が言う

 

「お、それイイじゃない、カイト。じゃあ、魚から捌こう」

「あ、がっくん、わたしマグロのお造り、造っておくよ。イカ捌いて」

 

マグロは『策取り』切るだけで良い。効率を考え、調理を申し出る

 

「お利口さん、リン。任せようじゃない。刺身包丁、気を付けて~」

 

褒められて至極。早速手をあわせ、イカを捌き出す紫の彼

 

「アサリは、もう砂吐かせてあるみたいだね。よし、チャーハンの下ごしらえするかな」

 

カイ兄、炊いておいたお米、キッチンボールにうつして、卵を混ぜる。暖かいごはんに卵を混ぜると、パラパラチャーハンが簡単にできるのだ

 

「リンちゃん、アニキ、お造りできたら、少し分けてね~」

「わ~い、Mikiちゃんのお寿司です~」

 

Mikiちゃん、酢飯造り。ピコ君、今日もおいなりさん用の酢飯を分ける。ひじき、ガリ、ゴマ、コンニャクを混ぜて五目酢飯を作成。作業没頭、各々方しばらく無言

 

「よしっと、お造り、まずは中トロ。こっちは舟盛り用に残して」

「は~い、Mikiちゃん、お寿司よ~ぅ」

 

わたし、お刺身用を分ける。お寿司用マグロを、さっそく渡しに行ってくれるIA姉

 

「おし、捌けた、カイト。アサリも出しといた、身」

「ありがと、殿。さ~て『振る』よ~」

 

エビ、イカ、アサリを中華大鍋にくべるカイ兄。海鮮に軽く日が通ったら、みじん切りの玉ねぎと共に炒め、玉ねぎが飴色になる寸前、火を止める。卵ご飯を投入して、さらに鍋を『振る』その姿は、もはや五つ星シェフの上を行く。この大鍋を振るには『筋力』も必要。鍋は兄と紫様しか振ること不能。お玉を使い、ご飯が空中で舞う

 

「よ~し『握る』か~」

「ぼくは『包み』ます~」

 

こちらも本職におとらない、Mikiちゃん、お寿司を握る。ピコ君、隣でおいなりさんを包む

 

「ワァ~、カイトサンノ、タ、チャ、チャアハン。トッテモオイシソウデス」

 

鍋を振ること数分。手際よく兄がチャーハンを作り終えたとき

 

「ありがと、オリバー君。あ、いろはちゃん、チャーハンできたから運んでもらえるかな」

 

やって来てくれた、二人。照りの良いチャーハン、大皿に移し替えるカイ兄。お米一升分の、大盛りチャーハン

 

「りょ~か~い、カイトさん。にゃ~すっごくいいにお~い。すっご~い。エビさんにイカさんまで。あ、ラーメンは」

「だ~いじょうぶ。心配しないで。スープは作ってあるよ。〆にだしてあげるから。重いから、キャスター使って」

「やたっ。わかりました~」

「ボクモテツダフ、イロハチャン」

 

嬉しそうにくるりと回る。二人協力して、チャーハンをキャスターに乗せ、運びだすいろはちゃんとオリバー君

 

「マンション(ここ)だけだと手狭だな。おし、めぐ、勇馬と家(神威家)行ってロブスター茹でてきてくれ」

「あにさま、かるもやるやる、ろぶすた~」

「おっけ~ぽ兄ちゃん」

「了解っす」

 

好物の調理を申告する、カル姉。めぐ姉楽しげに、勇馬兄、今度の調理命令は嬉しげ。わたし、自分のコロッケ用の芋を潰し、軽く塩。順調に料理達が出来上がってゆく

 

「魚繋がり、金目の煮付け、こしらえておくか。さすがルカの選魚眼、素晴らしい金目様」

 

感謝の意をささげ、金目様二尾を『調理』にかかる。鱗を落として捌いてゆく。さらに手際よく、煮汁を作る紫様。大きめの鍋から立ち上る、湯気と良い香り

 

「う~ん、良いにお~い。あ、がくさん、こっち玉子運んで良い」

「ああ、出来てるから運んでくれミク。丁度、味が染みてる頃じゃない。リン、ミクと一緒に切り分けて~」

「オッケ~がっくん」

 

ミク姉と共に、半分に切り分ける。大皿の上、サニーレタスを敷いて並べる。トレイにに載せる、と

 

「リンちゃんは貴重なキッチン要員だから~『がくさん』と一緒にお料理して~」

 

と、キッチンに残ることを言い渡される。がくさんを殊更に強調した感があった。次に入れ違いに入ってきた

 

「カイトさ、いろは達がチャーハン運んでたけど、冷めたら勿体なくね、アレ。超うまそうなのに~」

 

リリ姉が、疑問を口にする。と

 

「リリちゃん、大丈夫。あとでトロトロオムレツのっけて、オムチャーハンにしちゃうから。海鮮オムチャーハン」

「だったら、熱々のハヤシルーかけて、オムハヤシにしちゃおうじゃない、カイト。トマトたっぷりのハッシュ・ド・ソース」

 

素晴らしい提案、歓喜の目を剥くリリ姉

 

「カイトナイス。さっすがおにぃっ。それ、絶対おいしいヤツじゃん」

「ありがと。あ、ローストビーフ、作っといたよ。ハニーソースも。一緒に運んでもらえるかな」

「サンキュッ。ぅは~、美味しそ~う」

 

今度はウットリしながら運ぶリリ姉。と、入れ違いに、サキイカをしゃぶり、500MLの缶ビール片手にやってくるテト姉とめー姉

 

「おい、重音、メイコ。おまえ達、も~ヤって(飲んで)んのか。サボってんじゃない」

「にゃっはっは。い~じゃね~か、ハレの日だ。サボじゃね~から、来てやってんだぜ」

 

苦笑い、頭を二度、横に振る紫様

 

「ったく。ま、飲みながらでいい。つまみを運べ。俺がこさえた、スモークサーモンのカルパッチョが冷やしてある。カイト作のスライス玉葱ツナマヨ和えも。メイコ、こいつも良いつまみにもなるんじゃない」

「お、ナイス、かむい」

「あら~、嬉しいわ、カイト」

 

さっそく冷蔵庫から取り出す二人、と

 

「うん、こりゃ美味い」

「ビールにもワインにも合いそうね~」

 

おつまみを摘まみ食いして、缶ビールを一気飲みする、姉二人

 

「摘まむんじゃない、とっとと運べ」

「命令すんな。快感じゃね~か」

「メイコさん、油揚げ炙っておきました~。おつまみにどうぞです~」

「あら、ピコ君もありがと~」

 

順調に料理達が出来上がってゆく。開宴が近づくとともに、鮮度命料理の調理へと移行

 

「ムウ、神威殿、スバラシイホーチョウさばき。さすがSamurai。カイト殿も、シェフ以上でゴザルナ」

 

アル兄がベタ褒めする、彼とカイ兄の料理。賞賛されると、なぜだか、わたしも、鼻が高かった

 

「アル、サムライと包丁はカンケ~無いじゃない。レン堅梅干しとって」

「はいよっ。包丁侍、がく兄見参っ」

 

梅干しのタッパーを渡し、ポーズをキメる片割れ

 

「っはは~それ、久しぶりに聞くじゃない。大根細切り、レタスちぎって、スライスキュウリ。水菜、大葉ちらして、しあげにゴマ、梅肉、かつお節、決め手の九条ネギ」

 

大皿に、美しく盛り付ける彼

 

「サラダに梅肉の発想はなかった、さすが殿」

「旨いぞ~。これだけで、ドレッシング要らずじゃな~い。よし、完成。運んでくれ、アル」

「ショウチ、ミク殿が喜ブデゴザロウ」

 

ドレッシング要らずの彼サラダ。市販の調味ダレで味をつけるよりより、ずっと美味しい。梅を加えるレシピはこの日、初めて知った。大皿二つ、両手持ちで運ぶアル兄。煮物を温め直すカイ兄。発泡スチロール、氷の中から魚を取り出す彼

 

「魚って事は、ルカが買ってきた物だね、殿」

「わたしまだ、丸ごとのお魚は捌けないな~」

「ふふ、リン、今度教えてあげようじゃない」

 

かつては、包丁さえ握らせて貰えなかったわたし。あの日は既に、お料理要員の第一戦力『教えてあげよう』は、彼が認めてくれた証。気分が急上昇。天に昇るとはまさに、なカンジで

 

「ほんとっ、がっくん、絶対だよ~」

「二言はナイじゃな~い」

 

捌き出す彼。カイ兄は、アジフライ用のフライヤーをセット。わたしはコロッケ用のパン粉を用意。再び各々方、作業に没頭。お料理屋さんの舟盛りよろしく、船に造られたお刺身。出来上がった時に来たのは

 

「お、ルカ、タイミング良いじゃない。刺し盛り造ったぞ。氷敷いてあるから、運んでほしいじゃない」

 

お刺身大好きルカ姉。鮮度を保てるように、氷、その上にザルを敷いてツマを載せたもの。瞳の輝き倍の倍、ルカ姉

 

「ありがとう、神威さん。ぁの~まぐろ―」

「リンが上手に造ってくれたじゃない。これ、相当いいヤツなんじゃない。大間産なのか」

 

褒められて光栄。わたし、Vサインを示す

 

「まあ、うれしいですわ、リンちゃん。魚市場まで行ったカイがありますわ~。いえ、神威さん。大間の旬には、まだ早かったので。大船渡産のものです」

「さすがの鮮魚眼じゃない。すんごい、中トロ。ああ、冷蔵庫の中の、わさびと醤油も忘れるんじゃないぞ~」

「あ、ルカね~さん、お寿司も上がったよ~」

 

お寿司も完成。ルカ姉、握ってくれたMikiちゃんに、熱烈ハグをお見舞い。鼻歌交じりに運ぶルカ姉。このあたりから次に次にと、入れ違い。大体の調理が整う段階で、わたしはお料理運びに参加する

 

「がっくん、冷蔵庫のガスパッチョは~」

「ああ、リン、タルタルソースと一緒に運ぼうじゃない」

「うんっ」

 

余りのトマトで作った、冷製スープ。これがまたおいしいのだ。小鍋二つ、キャスターに乗せる

 

「Mikiちゃん、お寿司ももう運んで良いよ~」

「はいさっカイトアニさん」

 

わたし、冷蔵庫から取り出すスープ。Mikiちゃんと共に宴会場へ。作る人手伝う人、運ぶ人。みんなみんな、たのしんでいた。すでに、めー姉、テト姉は飲んでたんだけど。ホールで、料理を並べる。テーブルの上は既に大宴会

 

「わ、すご~い。ホテルのビュッフェみた~い」

「うっわ~もう、この香りがハンパね~っす」

「あにさまのたるたるで、ろぶすた~。むねあつ、むねあつ」

 

茹で上がったロブスター、敷かれた野菜。大皿三つと共に来るめぐ姉、勇馬兄、カル姉。神威家調理組もご馳走を並べる

 

「めぐ姉達のもおいしそ~。わ~すっご~い」

「ふふ、がんばっちゃった。って言っても煮込むだけだもん、手抜きでごめんね~」

 

眉が下がるめぐ姉。そんなことはない、しっかり一手間加わっている。殻を剥いで、エビ味噌は又別に分けてくれている。頭は揚げて、お煎餅状態に。殻を上げたのは、勇馬兄の案だろう。いつだかも『骨せんべい』作ってくれた

 

「ガクサンの料理、まだある、リン」

「カイ様ごはん、まだ運ぶ、りんりん」

 

聞く、勇馬兄、カル姉。まだ運ぶものがあるので

 

「うん、ごめんねぇ、めぐ姉、手伝って~」

 

わたし、先頭でキッチンへ戻る。至上の香りが漂ってくるその先、調理場へ足を踏み入れる。そこには、温かい系の料理が、台所テーブルに並び始めていた

 

「鯵フライ、出来たて運んで~」

「カイ兄、おれ運ぶ。あ~美味そうッ」

 

たった今、作りたてのノン鯵フライ、弟悶絶。揚げない鯵フライ

 

「コロッケも作りたて、美味いの食べて欲しいじゃない。はいよ、運んでリン」

「ありがとがっくんっ。あああ~た~べ~た~い~」

 

同様に、ニオイだけでよだれが出るコロッケを渡される。今度は、赤色の強いハヤシソースを煮込む彼。トマトから作った特製のものだ。金色のオムレツを作るカイ兄。このオムレツだけでも大ご馳走だが、二人はもっとトンデモナイ料理にすると言っていた。その完成を経て、大宴会の幕が開く。お預け状態で、揚げ物二種を弟と共に運ぶ。向かった先のホールでは

 

「コップやお皿、お菓子を並べま~す。お手伝いできるひと~」

「「「「は~い」」」」

「では、リュウトさん、ユキさん、いろはさん、オリバーさん。走らないように、気をつけて、お手伝いおねがいします」

「あわてなくて良いからな~。キッチンから、気をつけて運ぼ~ぜ」

「「「「は~い先生、リリちゃん」」」」

 

微笑ましい光景が広がっていた。キヨテル先生、リリ姉のエプロンは、黒のシックなものなのに、リュウト君、ユキちゃん、いろはちゃん、オリバー君がほどこしたかわいらしいアップリケがついている。ねこ、かいじゅう、リンゴを載せた、船の、アップリケ。そのアップリケエプロンを四人に贈られたとき、二人の目尻は下がりっぱなしだった。六人、連れだって、ホールを出てゆく。入れ違いに

 

「うっわ、すっげぇうまそッ。さっすが、カイサン、がくサン」

「ぽ兄ちゃんとカイトさんのごはんだもん。絶対おいしいよ」

 

彼、カイ兄特製のフルーツ・オレを持ってくる勇馬兄、めぐ姉。目を輝かせ言う。作っていたときは気にならなかった腹のむし。急速に、胃袋が、ごはんよこせと大暴動。おなかが鳴る。テーブルの上に並ぶごちそうが、星のように輝いている

 

「これ、レストラン開けるよね、カイトアニさん達」

 

Mikiちゃん、金目の煮付けをキャスターに乗せ、やってくる

 

「ぼく達、ホントに幸せですね~」

「あにさま、かいさまの幸せご飯」

 

お揃い衣装のピコ君、カル姉。それぞれメンバーもテーブルに寄ってくる

 

「わ~すご~い。何でもあるね~」

 

IA姉の手にはチーズリゾット。テーブルに並ぶ、大きな金目の煮付け。カンパチ、アジ、トロ、カワハギの刺し盛り。サーモンのなめろう、にぎり寿司においなりさん。ハモの湯引き。アボガドのディップにロブスター。ほかほかの煮豚、肉ジャガも。自家製の漬け物も。手間がかかっているの見てとれる。揚げたてコロッケ、鯵フライ。ローストビーフ。鶏肉と野菜のサンドイッチにフルーツサンド。オムチャーハン、シーフードパスタ。トッピング自由のラーメン。ホットケーキ。吟味されたスイーツ。おかずに、おつまみ、ごはんもの。デザートまで、まさに至れり尽くせり

 

「お、神威ごくろ~」

「心して食べるがよい」

「「「「ありがと~、おに~ちゃ~ん」」」」

 

テト姉と彼のやりとり。エプロンのままキッチンよりやってくる二人。同時に入ってきた天使様。全世界のお兄ちゃんだけでなく、お姉ちゃんも打ち抜かれるエンジェルのスマイル。ダメージコントロールをしてくれたのは、後からキャスターを押してきてくれたキヨテル先生、リリ姉の声

 

「これからまた、すげーのが加わるぜ~」

「本当に素晴らしい逸品になるはずですよ」

「あ、うん。危なかったね、殿」

「鍋落としそうだったじゃない」

 

二人がテーブルに寄る。その手には、片手鍋とフライパン。カイ兄が、チャーハンにオムレツを載せる。ナイフで中心を切る。広がる半熟、黄金玉子。彼、そこに熱々のハヤシルーをかける。赤みの強いハヤシルー。目の前で完成されるご馳走。見た目と香りだけで、もう食欲が暴走、上がる歓声

 

「ちょ、ぽ兄ちゃん反則~」

「あんたたち、こんなおいしそうなの目の前で作って~」

「さ~始めようじゃないメイコ。お・ま・え・達~、心して食べようじゃな~い」

 

心していただきます。でも

 

「がっくん、お疲れさま。お料理ありがと~」

 

わたしは、タオルを差し出す

 

「ありがとう、リン。何言ってるの、一緒にお料理がんばってくれたじゃない」

 

微笑み言って、撫でてくれる。ありがとう紫様。貴男のナデナデが、最高至高のご褒美です。宙返り返りして喜ぶ心をなだめつつ

 

「カイ兄もお疲れ、二人とも汗だくでしょ、先にシャワーあびちゃう」

 

四時間近く、ずっと、鍋をふるっていた二人。感謝の言葉をのべ、わたしなりの気遣いをする

 

「そうそう、あびてきたら~。二人で一緒に。カイがく、がくカイ、受けと攻め~」

「重音さん」

「ごめんなさいっ先生っ」

 

軽口に、目を細める先生。土下座で謝るテト姉。エプロンを外しながらカイ兄が

 

「や、待たせたくないし、冷めないうちに始めちゃおう。鮮度命の料理もあるからね」

「みんな待てないって顔してるじゃない。リンもお腹すいたんじゃな~い」

「うん、実はペコペコ」

 

照れ笑い

 

「ごめ~んうちも始めた~い。に~さんズのオムハヤシがトドメ~」

「サーセン、自分もはらぺこっす」

「拙者モ、ポン酒欲ガ暴走し始めたでゴザル」

 

身悶えMikiちゃん。情けない顔で腹の虫と格闘中の勇馬兄。お酒欲とバトル中、アル兄難しい顔。メンバーからも、開始を急く声が上がる

 

「さ~、それじゃあ始めるわよ~」

 

めー姉のかけ声で、みんなが中央のテーブルに着く。バイキング形式で、イスはまた、別のスペースに

 

「飲み物ついで~」

 

カイ兄の声。輝くシャンパンに、透き通る白ワイン。紫の彼は当然、日本酒。銘々のグラスに、様々な飲み物が注がれる




誕生会の幕が開く

黄色い子の、幕が開く

誕生会、主役は
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