はじまりのあの日   作:代打の代打

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朝ご飯の準備、お好みのお味噌汁

好きな人と、お好みのお味噌汁

キッチン要員の役得

つまみ食い


好きな人と、お味噌汁

午前六時

 

三人で調理中。作ってはテーブルに置く作業

 

「よ~し、おこわ蒸しちゃうね。冷めてもおいしいおこわ」

 

カイト、醤油おこわを蒸し始める。金時豆入り醤油おこわ

 

「お願い、カイト。よし、芋餅の芋はさっき一緒に潰したやつに、片栗粉混ぜて」

 

こっちも冷めたら冷めたで、おいしい芋餅

 

「がっくん、ブルスッケッタ、トマトやっとくね。フランスパンは、途中でお買い物しようよ~」

「お利口さ~ん、お願い、リン。そうだな、行きがてら、モールに寄ってお買い物しようじゃない、カイト」

「いいね、殿。ミートパイも材料買って、ハンバーグ一緒に向こうで焼き上げよう」

 

そんなこんなで調理して。カイトがラストの、醤油おこわを蒸し上げにかかる。この辺りから

 

「おはよ~ぽ兄ちゃ~ん。電子ジャー、リビングに置いてきたよ~」

「おはよう、めぐ。お利口さん、昨日言っておいて良かったじゃない」

 

集まりはじめる、ボカロファミリー。朝起きたら、お櫃(おひつ)持ってマンションに来て欲しい。打ち合わせた通りじゃない。お利口の妹で、俺幸せ

 

「お~っす~、お、リンもいるじゃ~ん。朝ご飯、目玉焼き楽しみ~」

「おはおは、あにさま。カイ様、りんりん、も~にんぐ~、ぐ~」

 

賑やかになるじゃない。はじめに来たのは、可愛い妹達。昔は朝が苦手な子だったのに、いまじゃ~朝型。俺と一緒に暮らした結果、生活リズムが変化した

 

「おはようっ、めぐ姉。今日もイイ天気で、良かったね、リリ姉。リュウト君は、カル姉」

「リュ~君はね、シェアハウスに行ったの。みんなを起きてるカナ~って」

 

楽しげに笑うじゃない、めぐ。リンと微笑みあって、天使の笑顔。俺の周りって、可愛い子ばっかり、俺、幸せ者。ふふ、ユキをお迎えに行ったんじゃない、リュウト。無自覚天然、天使のCouple(カップル)可愛い

 

「よし、カイト、味噌汁作り始めようじゃない。ネギと揚げ、小松菜とキャベツ、具はそんな感じでイイんじゃない」

「だね、具だくさんの野菜味噌汁。白いご飯が来たんだもん。グミちゃん達、他に具のリクエストある~」

 

今から作れば、味の染みた美味しい味噌汁が出来るじゃない。おそらく食べるの八時過ぎ。朝が弱い子もいるから。俺、自慢の弟筆頭の弱いとこ、お寝坊さん

 

「ぽ兄ちゃん、お茄子も入れようよ~、秋茄子~。一回揚げ浸しにした、甘~いお茄子~」

「あ、それウチも好き~、おねぇナイスッ。あとオクラも入れよ~ぜ、リン~」

「かるかぼちゃ。土手かぼちゃ、かぼちゃ、ぼちゃぼちゃ」

 

お、良い提案じゃない、めぐ。忘れてた、秋茄子。丁度旬の食材じゃない。オクラも、良いな、リリ。土手にかぼちゃの種、捨てたら、実るようになった土手かぼちゃ、カルのリク

 

「あ、わたしも賛成~っ。がっくん、茄子好きじゃな~い。茄子、わたしも大好物~」

 

姫君が賛同してくださった、俺爆発。秋茄子決定

 

「これは秋茄子決定だね、殿。あはは、幸せ者だ、殿。妹に、好きな子に、好物のお味噌汁、なんて」

 

全くだ、Brother(ブラザー)

 

「お早うございます、皆さん。会話が聞こえました、野菜、私が収穫して参りますよ」

「おはようございま~す」

「おはようございます、みなさま」

 

テル、ユキ、リュウト。シェアハウス組、先生に連れられた生徒風情。連れだって来るじゃない

 

「おはよう、先生。リュウト君、ユキちゃん、おはよ~う」

「GoodMorningでゴザル。収穫なら、拙者でも可能でゴザルナ。某(それがし)も参るでゴザルヨ」

 

アルも来たじゃない、リンとアイサツ。早朝型って得な気がする。勝手な見識だけど、一日を長く、有効に使える気がするじゃない。お日様の光は、人間を元気にするし

 

「あ、センセ行くなら、ウチも行く~」

 

必然そうなるじゃない。思い人、テル出撃に、同行、リリ

 

「ソウでゴザルか、リリィ殿。では拙者、車に荷物でも運んでおくでゴザルヨ。FuFuFu、トシヨリは退散でゴザル」

「アルサンキュ~」

 

と、Vサインリリ。ふふふ、アル、解ってるじゃな~い。調理ボウルを手に、畑へ向かうテルリリ

 

「白いご飯、めだまやきに具だくさんのお味噌汁。わ~、朝からご馳走だねぇ」

「よし、めぐ、家(神威家)行って糠漬け、持ってきて欲しいじゃない。この献立なら必須じゃない、糠漬け」

「だね、殿。今日の朝は純和食。お昼からのパーティーで、どうせ洋食も食べるんだし」

 

リン、俺、カイト三人、息ぴったり。さすが長年、調理を共にした三連星。色はバラバラ、黒くないけど、阿吽の呼吸。ご馳走って言うと、すぐにフランス料理、高級中華、料亭和食。分厚いサーロインとか言われるけれど、俺達にとってのご馳走は、こんなにささやかでありがたい。さっきの玉子だって、農家の夫妻が持ってきて下さった、サイズ不揃いながら、栄養たっぷり赤玉子

 

「は~い、ぽ兄ちゃ~ん」

「めぐ姉様に、かるつづく~」

 

素直さがステキな妹達

 

「~、もう一品欲しいな。うん、赤いウインナーで、SauceKetchup(ソースケチャップ)タコさん作ろうじゃない。子供組、好きだから」

「あ、そだね、子供ちゃんのこと考えなきゃ。好きだもんね~、タコさんウインナ~」

「一品、洋風が加わっちゃうね~。でも、う~ん子供かぁ。まだわたしも子供なんだ。好きだもん、赤いタコさんウインナー」

 

気落ちするんじゃない、リン。カイト、ちょっとだけ迂闊だ。慌ててる。いや、俺も迂闊だった、でも、リン

 

「だいじょ~ぶ(大丈夫)だよ~ぉ、リンちゃん。わたしだって好きなんだよ~、ケチャップのタコさんウインナ~。赤いので作るのが、一番好き~。じゃ、糠漬け取ってくるね、ぽ兄ちゃんっ」

「かるもすきすきす~。ういんなご飯、ぬか漬けご飯、美味なりなり」

 

完璧なる援護、妹二人、めぐカル。さすが大好きな妹様。よくぞ救け船、だしてくれた。言ってから取りに向かう。俺も負けていられない

 

「そ、リン、気にしない。嫌いなもの、美味しく作るのは難しい。好きだから作ってあげられるの。俺も好き、赤いタコ様。ケチャップソースで和えたら尚のこと」

 

腕でリンの肩を抱く。イイじゃない、このくらい

 

「それに『赤いウインナー』って、日本生まれじゃない」

「あ、そうなの、がっくん」

「ぉはよ~う、リンちゃ~ん。楽しみで早く目が覚めちゃった。神威のに~さん、なになに~ぃ」

 

IAが来た。それ、遠足前の小学生じゃない。まったく可愛いのが多すぎる。リン、益々くっついて来る

 

「おっはよ~、IAちゃん。あのね、赤いウインナーは、日本で出来たの、ってお話し」

「あ、そ~ぅなんですね、カイトの兄さ~ん。あ、でも、それでですね~、NYで赤いの見なかったの~」

 

なるほど、他所では無いんだな、本当に。そういえば言ってたじゃない

 

「そうか納得。アルが言ってた。来たばっかりの頃『アコガレノ赤いVienna Sausage(ウインナー)』って」

「あ、言ってた、言ってた~。すっごく嬉しそうだったよね、がっくん」

 

あの日、発祥の話題に至らなかったのは、がっつくアルが面白かったから。誰も疑問に思わないじゃない

 

「大の大人が、目、潤ませてさ。中々レア光景じゃない。さてリン、離れて~、作業戻ろうじゃない」

「むぅ~~~」

 

俺、迂闊。本当に。感触が違ってきた、これからは考えないとダメじゃないコミュニケーションの取り方

 

「デモ、Japanはゴハンガおいしいです。Countryにモドルリタクナクナルくらいです」

「にゃ、オリバ君、ぽ~兄さんの和食、カイトさんのナポリタン、大好きだもんね~」

 

天使様全員集合。オリバーの国、そんなに料理非道くないと思うじゃない。半年前、行った。美味しいのも沢山。まぁ、申し訳無いが『大ハズレ』は確かにトンデモナイ味だった

 

「オリバ~、日本だって『ハズレ』って店もあんだぜ~。おにぃ、カイトのご飯が、特別美味いんだ」

「ウウン、リリチャン。ジャパ、ニホン、ナンデモおいしいよ。おべんとうも、ウッテルおかしモ」

 

特上の微笑みで否定するオリバー。やっば、鼻血でそうじゃない。お弁当ってのは『ロケ弁』で供される、仕出し弁当のことじゃない

 

「Countryのね、おかしより、ボクニホンのおかしスキ。まかろんも、こっちでツクッタのがおいしい。オマンジュウとか『美味しい棒』もスキ~」

「にゃ~ぁ、美味しいよね~、色んな味があって~。あたし、めんたいこの味スキ~」

 

駄菓子って美味しいじゃない、オリバー。いろは、最近酒のアテが好きになってる、将来有望~

 

「ハジメニネ、ニホンキテ、Mum・Dad(お母さん、お父さん)とたべた、たってたべるおそば、すっごくおいしくてビックリシタモン。ナットウおろしソバ~」

 

到着してすぐ、立ち食い蕎麦か、オリバー。あまりに質素じゃない。しっかも渋いChoice(チョイス)

 

「でもでもお、ぽ父さん達のごはん、おいしいのはほんとうのことだよねっ、りゅうとくん」

「かいとさまのごはん、きょうのあさごはん、たのしみです」

 

期待されるって、イイじゃない。とびっきり美味しいの作ろう

 

「カイト、ウインナーお願いしてイイ、俺その間に、味噌汁作ろうじゃない」

「オッケ~イ、殿。21人分のタコさん、作りがいアルね~」

 

二十一人分の味噌汁も作り手あるじゃない

 

「お味噌汁、わたし、がっくんと作る~」

「ぁわたしぉ手伝い~。カイトのに~さん、手伝うよ~ぅ」

 

リン、冷蔵庫から豆腐三丁を取ってくれる。IA、萌え袖振ってから腕まくり。可愛いの二人が手伝ってくれる、俺達幸せ

 

「よっし、カツ節と昆布、今日も本物で取っちゃおうじゃない、お出汁様~」

 

俺、大鍋に水を張る

 

「よ~し、タコさん作ろっかな。IAちゃん、コッチの一袋お願いして良いかな」

「よ~ろこんで~」

 

タコ軍団、あわせて三袋分のウインナーを調理にかかるダチ

 

「うい~、良いにおいがたち込めてるぜ~」

 

頭を掻きながら来る重音。キッチンのソファ、身を投げるように座って、TVを点ける。清々しいまでに、手伝う気がないじゃない。元っから、期待してないけど。TVの音BGMに、しばらく作業

 

「お茄子収穫して参りました、オクラも美味しそうですよ~」

「洗ってきたから、このまんま使えるぜ、土手かぼちゃ~」

 

今度は、イイコちゃんズ、キヨリリが、野菜を手にやって来る。お、今、大事なことにも気がついた

 

「ぽ兄ちゃん、ぬか床ごと持ってきた~」

「二つぼぶんの、じかせい、おてせい」

 

めぐカルも戻って来たから、訊こうじゃない

 

「ありがとう、先生、リリちゃん。オクラは、コンロで炙ろう」

 

火で炙ると、髭が消えるじゃない、カイト。俺、重要事項を訊いてみる

 

「おまえ達、今日の味噌は何味噌がいい、味噌汁の。自家製か、白味噌か。米麦、八丁。赤だしに仙台、どれがイイ~。ありがとう、めぐ、カル」

 

問うてみる、華やぐメンバー、仲良く検討。その日の気分で、お好み味噌汁。コレには参加、重音『豚汁』っとかホザイタ。それは却下だ重音、具までリクするんじゃあない。楽しそうな『喧々諤々(けんけんがくがく)』の末、出てきた答えは

 

「おかず味噌汁であれば、赤出汁が良いのでは、と結論に至りました」

「一日一回なら、塩分もセーフだしなっ、センセ」

 

味噌汁は、朝か晩、どちらか一回がメンバーの規則。減塩大事。冷蔵庫から、赤だしを取る

 

「イイね~、ご飯進んじゃいそうっ。あ、がっくん、油揚げ切っておいたよ~」

「お利口さ~ん、よし、リン、茄子も切って欲しいじゃない。~、茄子か、リン覚えてる、初めての包丁」

 

ボウルに入れた油揚げ、五枚分、手渡してくれるリン。ちょっと思案した後

 

「あ、切ってた~、ピーマンと茄子~。一緒に包丁~」

「ぁ~、ミクちゃんが見せてくれたぁの~」

 

あの日も茄子だった。IA、あの写真は初めての日じゃ~ない

 

「嬉しいな~がっくんもちゃんと覚えてくれてるんだ~」

「キミと俺の思い出じゃない、忘れるはずない」

「ぅ~ふふ、堂々とオノロケしますねっ、に~さん、リンちゃん」

 

俺、手の上で豆腐を切って鍋へ。リン、茄子のヘタを取る。うんうん、教えたとおりの取り方じゃない

 

「ふぇへへ、又『疑惑』が深くなるぜ~ぇ。神威『に~いち』疑惑~」

「好きにホザコウじゃない、重音。俺はリンが好きで、子供も好き。でも『少女趣味』でなけりゃ『少年趣味』でもない。レンだって、ま~だ可愛い盛りじゃな~い」

 

レンと天使の『融合造語』アイツ素で可愛いじゃない。ちょっと将来が心配。子供は可愛いけど、どこまで行ったって『恋愛』の対象に考えられない。子供を恋人にする、大人が。イヤイヤイヤ、俺は無理。だからリンとも

 

「テト姉さん、それヤメテあげて。殿、本当に切ない思い、してるんだから。リンと恋人に成れなくて」

「テト姉、わたしもう『滑走路』じゃあないも~ん。がっくん、まっててね、大人のわたしを。一番の『仲良しさん』でっ」

 

そう、リンと俺は『仲良しさん』何処まで行っても恋人じゃない。そう言って、お互いの『恋心』は認め合ってる。カミサマノヒマツブシ。それでも『恋人』は出来ない

 

「仲良しさんなの、知ってるよ~ぅ」

 

IA、のほほんボイスが癒してくれる。手元を見ると、カイトとタコの形が違うじゃない、微妙に。この手作り感がイイじゃない『ワリッタ、ワリッタ』重音、アレは反省無いな。リン、あまり大きな声で言わな~い。そ~う、だからさっき感触が違った、今までと。迂闊なことはできない、か

 

「リ~ンちゃん、大人っぽく成ってきてるカナ~。髪も、少しずつ伸びてきてるよね。だ~か~ら、めっ。はしたないこと言ったらめっ。お姉ちゃん、怒っちゃうカナ~」

 

めぐナイス。その注意の仕方、イイじゃない。素晴らしい妹で良かった

 

「ははは、おにぃ、がんば~。来年のリンとか、ウチに益々似てくるんじゃね~の~」

「ありがと~リリ姉。ふふふ、楽しみにしててね、がっくん」

 

それな、リリ。お前の『体型』に似たら、益々持って俺、しんどい。リン、楽しさと切なさと『空恐ろしさ』も含むじゃない。かぼちゃ、一回レンジで温める。すると、切り分けがしやすい。種とって、皮ごと、出汁素材と煮込んでいく

 

「押忍ッ皆さんオツ(おつかれ)っす。今割合みんなリビング集まりはじめてっす。手伝うことあるすか、ガクサン、カイサン。あ、メグサン、オッス」

「おはよ~、ゆ~まく~ん」

 

勇馬が来たな、お前もテンション上がってるんじゃない。声が楽しげ。めぐと微笑みあってる

 

「今はまだ無いかな、もう少しで完成するから~。ああ、そろそろみんなに、食器とか運んでもらえる」

「っす、カイサン。じゃみんなに知らせに行くついでに、ソースとか運ぶす」

 

俺達の後ろを抜けて冷蔵庫を漁る

 

「はい、がっくん茄子~」

「ありがと~う、よし、サッと揚げて味噌汁入れればかんせ~い」

 

油は控えめ、時間もササッと。軽く白出汁で味付ける。カイト、タコさんを炒めにかかる。と、閃いちゃう

 

「ついでじゃない、食べ物は粗末にしな~い。カボチャの種炒って、女王陛下のツマミにしちゃおう」

「あ、わたしも好き~、かぼちゃの種~」

「ぉやつにも最適ですね~ぇ」

 

可愛い子二人、おやつにもイイじゃない。ナッツ感覚、かぼちゃの種

 

「ふふふ、いいねぇ殿。め~ちゃん喜ぶよ」

 

こちらは油、使わない。フライパンに、焦げないシートで充分じゃない。ウインナー炒めてるカイト、メイコの喜びが、お前の喜びになるじゃない

 

「あ~、このニオイ、たまんねっす、カイサン」

 

好物じゃない、勇馬、赤タコケチャップソース

 

「よし、これで味噌汁完成。勇馬、鍋敷きも運んでくれ」

「さぁ~楽しいぁさご飯ですね~」

 

IA手を洗って、袖を萌えに。勇馬がメンバー呼びに行く。カイト、ウインナーを大皿へ。コレはお好みで、好きな数食べようじゃない

 

「キッチンテーブル、お総菜屋さんみたいだね。持って行くお料理も併せて~」

 

リンの笑顔が眩しいじゃない、あ~かわいい

 

「出来たか、朝食~。さすがに腹がペコちゃんだぜ~」

「うん、テトさん。今ね、カルちゃんとお漬け物切ったら出来上がりかな~」

 

『さっそく』なんて摘まむんじゃない、重音。お前結局、なんにもしてない。つまみ食い目的で来たのか、台所に

 

「さて、味噌汁運ぶか。お椀なんかは、後発の連中に任せようじゃない」

「ああ、ウチが運ぶぜ、おにぃっ。センセ手伝って~」

「承ります、リリさん。ではご飯茶碗も運びますか」

 

お利口、テルリリ。見習え、重音。新聞片手に、リビングへ行く。引退したオッサンみたいな行動

 

「糠漬け、あるなら、味噌漬けは要らないかな」

「にゃ、カイに~さん、あたし、味噌漬け好き~」

「漬け物は、種類あっても構わないじゃない。出そう、カイト」

 

いろはが好きなら、出してあげようじゃない、カイト。大鍋、漬け物、タコ軍団。キャスターに載せて運ぶ

 

「朝ご飯から楽しいですね~ぇ」

「これから始まる、夏休み。わくわくどきどっき~」

 

IA、袖フリはこの子のクセ、楽しんでるじゃない。目の中の星が倍だ、カル

 

「あ、すみませ~ん、お手伝いしなくって~」

「運んでくれたんだ~、ごめんね~、みんな」

 

曲がり角、顔を見せたのは、ピコとMiki。そうか、取りに来てくれた、お利口さん

 

「おっす~Miki~」

「おはよっ、ピコ君」

 

リリリン姉妹が挨拶を交わす。そうか、取りに来てくれたんなら

 

「おはようじゃない。すまない、それならキッチン行って取ってきて欲しい。牛乳と麦茶、野菜ジュース。ジュースの色は、二人にお任せ~」

「あ、忘れてたね、殿。飲み物のこと」

 

そう、俺も今、思い出した

 

「は~い、了解です~ぅ。お砂糖も持ってきますね~」

「あ、牛乳に入れる子もいるもんね、いろはちゃん好きだよね~」

「うん、好き~。甘~いお砂糖ミルク~」

 

入れすぎるんじゃないぞ~いろは。過剰摂取はダメじゃない

 

「は、しまった、休日じゃね~か。ビール持って来りゃ良かったぜ~」

 

重音、どう考えても今日、真っ昼間から飲むんだ。朝から飲むんじゃない、依存か。二人と別れて、階段の前

 

「あら~、良いにおいがやって来るわ~。うふふっ、おなかすいちゃうわねぇ」

「あ、お早う、め~ちゃん」

「配膳しておきますから、お顔洗って下さい、メイコさん」

 

メイコが降りてきた。今、起きて着替えたばかりじゃない、目がまだ眠そう。カイト、めぐが、挨拶交換

 

「顔洗ったら、手伝ってね、めー姉」

「もちろんよ~、あ~あ、おなか空いた~」

「この香りは、空腹を刺激いたしますね」

 

リンの言葉で洗面所へ向かうメイコ、一度大きく伸びる。テルのセリフ、確かに。俺、空腹認識。途中までは、メイコも一緒、別れてリビングの前まで来る、と

 

「おお、朝餉の準備が整ったデゴザルナッ。GoodTimingでゴザル」

「今ね~、アル兄と荷物運んで、ついでに畑の野菜達に、お水あげておいたんだ~」

 

少し汗ばんで、アル、ミクが外から帰って来るじゃない

 

「ありがとな、アル。ミクも、畑気に掛けてくれるじゃない」

「がくさんと始めた菜園だもん。今はみんなの貴重な食料供給畑になったね~」

 

微笑み合い、ミクと握手。と、俺の手を取り上げる、小さな手

 

「がっく~ん、むぅ~」

「ふふ、そうだ、今はリンとも畑作業。お手伝いしてくれるじゃない」

「あはっ、カワイイなぁ、リンちゃん」

 

めぐ言う通り、可愛いじゃな~い、ふくれっ面。明らかに嫉妬。この子は人一倍敏感。俺と恋人に成れない焦りじゃない。今朝、そんな話があったから。こんな時、俺と別の『お嬢』が仲良くすると、ヤキモチ焼く。メンバー、スタッフ、ファンの皆様、誰であっても

 

「あは~、ごめんごめん~、リ~ンちゃん」

 

笑うミク。しかも、弟のレンは、当のミクと恋人で問題ない。15歳、17歳のカップルは、何も反則ないじゃない。最も、レンの問題は別にあって

 

「まぁまぁ、素敵な方達が、素敵な香りと参りますわぁ。早くレン君も起きて来ませんかしらぁ。ミクちゃ~ん」

「ルカ姉~、今日から楽しみだね~。本当~。レン君早くこないかなぁ」

 

ルカは、ミクも併せて好き。二人の百合姉妹から、想いを寄せられる、レン。コレハこれで大問題。22歳と15歳は反則だろう。まあ、俺とリンよりは軽度な反則。向こうが『ギリギリアウト』なら、俺達は『完全無欠のアウト』ホーム手前で、キャッチャーがこっち向いて構えてる、完全アウト。ルカ、ミクを抱きしめに行く。ミク、ルカに飛び込む

 

「さ~て、テーブルの上、整えちゃおう」

 

カイトの号令で、めだまやきや銘々皿を並べる。コップを手渡し、醤油や塩、ソース類を並べる

 

「お飲み物もって来ました~」

「今朝はオレンジ色の野菜ジュース~」

 

アホ毛カップルが飲み物を載せてやって来る。俺もアホ毛治んないから、共通アイテム、嬉しいじゃない。この辺りで、メイコ合流。各種、各員、好みの飲み物が注がれる。食卓が整って、ご飯と味噌汁を注ぐタイミングで

 

「~ん、みんなぁ、ぉはょ~」

 

最後まで寝てたレンが起きてきた。何度寝した、レン

 

「おはようレン、顔洗ったか」

「ぁふぅ。うん、がくにい、ぉはよ」

 

そう言って、抱きついてくるレン。まだ寝ぼけてるんじゃない、朝が弱いから。珍しいじゃない、撮影以外で、俺に抱きついて来るなんて。それにしてもこの子、このまんま可愛がってやろうか、このカワイイの

 

「ああ~っ、がくさんずるい」

「神威さんっリンちゃんという『お嫁さん』が有りながらっ」

「ちょっとおっ、レンっなにがっくんに抱きついてるのっ」

 

レンに抱きつかれたことを、嫉妬するミクルカ。ふっふふ、リンの声は嫉妬全開、俺、イタズラ心をくすぐられた。だから

 

「キッチン要因の役得だと思って~」

 

レンを含み、四人頭の上に疑問符が浮かんでいる。不思議なお顔。その四人に、こんなことを言い放つ

 

「つ・ま・み・ぐ・い」

「「「な」」」

 

お嬢三人、目、まん丸

 

「ひっ」

 

お前、なんで真っ赤になってるの、レン。まあ、いいじゃない

 

「な~んて、くだらんこといわせな~い、レ~ン」

 

とりあえず、ぽんぽん、頭をなでる。そして、持ち上げ、姫だっこ

 

「はいっ」

 

並んで座る、ミクとルカに届けてやった。二人の膝の上に

 

「「ちょっ、今のっ、つまみぐい~」」

「がっくん、わたしもつまんでよ~」

 

何を言っていらっしゃる、姫様方。大家族ならではのこの光景。さあ、楽しいタノシイ、ご飯の時間

 

午前八時十五分

 

勢いよく湯気たつ白飯(はくはん)電子ジャーを開けて混ぜる。豆腐ネギと油揚げ、大根。揚げ茄子とオクラの味噌汁。めだまやき。中央には、ウインナー炒め、漬け物各種。デザートには、フルーツヨーグルト。飲み物は、麦茶、野菜ジュース牛乳。それぞれお好みで

 

「~ぁ、おなか空いちゃったぁ、ぽ父さん」

「うちも~、カイト『おかあさ~ん』」

「「よしよし待ってて、子供達~」」

 

ユキのご意見、Mikiの催促。おとん、おかん(お父さんお母さん)よろしく盛り付け

 

「ご飯の盛り宣言しようじゃな~い」

「神威君、アタシ少なめで。おかわりしたいから~」

「あ、ウチもメー姉と同じ。おにぃ、お願いっ」

 

少なめでおかわり派、メイコ、リリ。熱々ご飯で食べたいじゃない

 

「拙者、特盛りでっ。カイト殿、汁も同様、願うデゴザ~ル」

「自分、味噌汁だけ大盛りたのむスっ、ごはんは普通で。さっき超美味そうだったっす」

 

大盛り宣言、ガタイ見たまんまだよな、アル。勇馬、おかず味噌汁見たじゃない

 

「にいさま、ぼくはおおもりで」

「にゃ、あたしも~、ぽ~に~さ~ん」

 

リュウトといろはが大盛りじゃない。ご飯茶碗、各々大きさが違う。天使組は大人より、一回り小さい

 

「がく兄、おれも大盛り。汁も多めで、カイ兄」

「がくさん、わたしも~。お味噌汁は並で~、カイ兄」

「どちらも少なめでお願い致しますわぁ~」

 

レンミクルカ、盛りのサイズはバラバラ。まぁ、学生の方が食べるじゃない。良いことだぞ~。ルカ、盛りは少なめだけど、おかずは沢山食べたい派

 

「ミ~ク、良いけどさ、なんでこんなトコロ撮ってるの」

 

撮影してたのか、ミク。隣でカイトが眉下げる。確かに、日常の光景じゃない、ご飯を盛るなんて。って思ったら

 

「だ~って、普段ならこんな風に、全員揃った朝ご飯無理だも~ん」

 

言われてみればそうじゃない。休日だけの幸せごはん。メンバーが増えて、仕事も忙しくなって、日常、こんな賑やかごはんは出来なくなった

 

「休日は、た~くさん撮って、思い出残さなきゃ。昨日そう思ったの~。撮影係、張り切るよっ。去年の誕生日にもらったメモリーもまだまだ残ってるからっ。だいじょ~ぶ、ま~か~せ~てっ」

 

中々に、嬉しいこと、言うじゃない。ならミク

 

「その思い出映像の中には、お前も入るんだぞ、ミク。俺達の歌娘。自撮りの静止画だけじゃない、動画の方も、な。アングル気を使え~、番記者さま~」

「おっけ~がっくさ~ん」

 

お前が入らずして、何がボカロファミリーじゃない。総てに捧ぐ歌娘、総てのきっかけの子。小さなソノ身体で受け止めるには、あまりにも大きな期待と不安。受け止め続けた、偉大な娘

 

「では、拙者モCameraman(カメラマン)を引き受けるでゴザル。Angle(アングル)ナドはミク殿に及ばぬガ、撮影は拙者モ出来る事デゴザルヨ」

 

海を越えやって来た黒船は、ただ、人のためにやって来たじゃない。役に立てるよう、心優しい、巨人New Yorker(ニューヨーカー)国境も思想も越えて。俺達のPROJECT、思想の大黒柱。俺達自身が体現

 

「そうだね、オリバーくん。言われてみたら。特別だね~」

「ミンナデごはん。ぼくたのしいです~」

 

何もかもが違う俺達。ここで平和に、朝ご飯。胸が暖かくなるじゃない。盛ったご飯、注いだ味噌汁は、メンバー(子供達)の手渡しで、各位の元へ

 

「ゎ~今日もぉいしそ~ぅ」

「自分もコレが無いと、一日始まらねっす」

 

IA、今日も余る萌え袖パタる。勇馬、腰を降ろして、食いつく勢い。全員に味噌汁が行き渡った所で着席

 

「わ~作っておいて、かもだけど、美味しそうだね、がっくん」

「美味しいじゃな~い。特に、リンが手伝ってくれてるから、俺には最上の食卓~」

 

好きな人と、好きなものを、好きなように食べる。イイじゃない、孤独ご飯より、俺はこの方が好み。一人ご飯も『楽しめる』けどさ。リンとごはん、みんなで朝ご飯

 

「ふふっ、ほ~んと、仲良しねえ、神威君とリン。さ~ぁ、みん~なぁ。今日のご飯様に感謝して~」

 

大家族長女、女王陛下の御発声、思い思い、祈りを捧ぐ

 

「「「「「「「「「「いただきま~す」」」」」」」」」」

 

始まった、穏やかで賑やかな朝食

 

「やっぱ二人のごはん。落ち着くわ~。ありがと、カイト、神威君」

 

味噌汁を、一口含んでメイコ。女王様のお墨付きをいただく

 

「もぅこれないと、一日が始まんないよ、神威のに~さん」

「朝はパンよりごはんってなったの、かむいのせいだぞ~」

「お味噌汁は、一日の意識を覚醒させますね」

 

IA、お気に召すなら何よりじゃない。俺のせいか、重音、どんなもんよってカンジじゃない。パン好きを、ご飯好みに変えてやった。テルも、和洋混交派だった。今では和派、食事は。甘味は洋物派だけど

 

「この半熟メダマヤキ、極めてデござる。やはりショウユが好みでゴザルナ」

「わたし、全熟にお塩~。赤味噌のお味噌汁もたまんな~い。コレだけで、充分おっかず~(おかず)」

「自分、中間、ケチャップで。糠漬けも旨っ、白飯進むっす~」

 

めだまやきの好み、アル、ミク、勇馬が告げてくる。以外に合う、ケチャップ。チリソースも合ったりするじゃない。アル、大盛りごはんの上載せる。それに醤油をかけ、めだまやきを少しずつ崩して、混ぜ込む食べ方。ミクの食べ方は、白身を先に食べ、最後に黄味をご飯と。勇馬は時々に、ケチャップを掛けながら。黄味はちょこちょこと食べる

 

「ケチャップウインナーおいしいよ、カイトアニさん」

「タコさんのウインナー、おいいしいよ、ぽ父さん」

 

Miki、ユキが嬉しそうじゃない。いや、美味しそうのがいいか。あ、い~ろ~は

 

「子猫ちゃ~ん、お砂糖入れすぎないように~」

「だぁ~って、甘い方がおいしいも~ん」

 

糖質『取り過ぎ』になるじゃない。山盛りお砂糖、牛乳にぶち込もうとしてた。俺注意、いろは、眉を下げる。困り顔されれば、弱いじゃない、俺

 

「今日の朝は、砂糖スプーン、二杯まで~」

「に~ゃ~、ありがとう、ぽ~にい~さ~ん」

「牛乳の前に、野菜食べてね、いろはちゃん。吸収が緩やかになるよ」

 

おとん、おかんのようなやり取りする、俺カイ・フ夫婦

 

「おみおつけ、赤だし、揚げ茄子、うまうまうま」

「ウチ、ごはん、おっかわり~。お、オリバー、茶碗空じゃん。おかわりいくか~」

 

カル、おかず味噌汁、効果絶大。実際天使様の一番のおねぇは、リリ。妹ながら、良く気づかってあげるじゃない。オリバーの頭撫で回す、リリ

 

「オネガイリリチャン。しろいごはん、メザメタッ。おつけものダケデモイケマフ」

 

オリバー、きちんとおかず食べろ~。しっかり食べて、大きくなって

 

「ほんと、いつもありがとね、がっくん。どれも美味しいよっ」

「ありがとうにいさま」

「おまえ達の笑顔が最高のお返じゃな~い。特にリン、ありがと、大~好き。カイト、今日の朝ご飯も至上じゃな~い」

「嬉しいよ、みんな。美味しそうに食べてくれて、ありがとうね~。だね、殿。さいっこう(最高)の幸せご飯」

 

ありがとう、未来の奥さん。リュウト、おりこうさんの応えに、マブダチと共に返す

 

「ふふ、アタシ達こそありがとう、よ、カ~イト、神威君。幸せね、朝ご飯が、おいしく食べられるって」

「大好きなご飯を、大好きな人と、だよね、めー姉。がっくん、大好きなご飯、大好きながっくんが作ってくれた」

 

際限ない、お礼の念をこめたつもりが。無量の感謝の言葉が返ってきた。ありがとう、神様仏様。野のお地蔵様、菩薩様。俺達は

 

「今日も平和に、楽しく生くぞ~~~(いくぞ)お・ま・え・達~~~~~」

「「「「「「「「「「生きましょ~~~」」」」」」」」」」

 

今日もこんなに平和です




みんなでご飯

幸せの朝ご飯

慎ましやかなご馳走

本物のご馳走
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