車の中で、恋談義
恋人には出来ないの
まだキミは『純粋少女』
午前九時半、自宅前
鰯雲広がる秋の空。本日快晴。気持ちいいじゃない。洗い物を、アルやピコが片付けてくれる間に、着替えを済ます。家の戸締まり確認
「忘れ物無いか~、神威家一同」
「「「「は~い、おにいちゃ~ん」」」」
良い返事じゃない、我が家族。格好様々、これ、ちゃんと理由がある。公演移動は、一応『歌い手』の括りで人前にでる。だから『お揃い』をよくやる。今日は『個人』で『休日』を過ごしたい。だから、あんまり見られたくはナイじゃない。ありがたいことに『スター』みたいに見てくださる方もいらっしゃる。俺達、そんな存在でもないじゃない。五人で、ガレージの前へ移動。ああ、そうだ、決めていなかったコトを思い出す。微笑んでる、女王陛下に話しかける
「メイコ、車割りどうしようじゃない」
休日の楽しさで浮かれて、決めてないじゃない
「そうね、運転できるのが、カイト、神威君、テル先生、アル、アネキでしょ」
白のロゴ入りシャツ、サスペンダーで吊った、黒のローライズミニスカート、編み上げブーツのメイコが答えてくる
「メイコちゃん、ボク今日はゆっくりしたいぜ」
休む気満々、30分ロリポップを口に入れたまま。迷彩柄のミニシャツと白のカーボーイパンツ。黒ブーツ。ヘソ出しルックの重音。まあ
「ああ、ヤロウ共で運転するから、重音。休んでくれ」
「サンキュ~かむい。あとで蹴飛ばしてやるぜ」
軽口なのは分かってるが、ホントにやったらただじゃあおかない
「わたしはがっくんの車がいい。うふ~ぅ、今日お揃いだね~」
「昨日のお約束通りじゃな~い」
俺、黒のサルエルパンツ、薄いグレータンクトップ。黒、夏物のライダース。ショートブーツ。リン、黒のサルエルパンツに、薄桃のシャツ。夏物、黒のライダース。ショートブーツ。二人、格好が似てるのは、最近リンが合わせてくれるから。俺、爆発しちゃいそう
「がくリン決定ね」
リン宣誓、メイコ様が決を告げる。当たり前じゃない、他には渡さない、俺の嫁
「わたしもぽ兄ちゃんの車がいいな。リンちゃんも一緒が良いカナ~」
「グミちゃんも決定~。神威の妹ねぇ、リ~ン」
俺の妹、多いじゃない。可愛い妹、俺幸せ
「自分、グミさん、がくサンで」
「あら、お熱い。ふふっ勇馬も決定」
ふふふ、めぐに釣られたな、勇馬。ブラコンの妹で良かったじゃない。シスコンの俺。めぐと勇馬、お揃いで、オリジナルのジャージ。ハーフパンツ。赤のシャツ、サングラス、スポーツシューズ。ペアルックってヤツじゃな~い
「ゎたしも、神威のに~さんので」
「がくリンめぐ馬IA、一号車決定」
リボンの付いた白の麦わらに、同じく白のフリルドレス。白のサンダル。アニメから飛び出してきたようなルックスIA。波長が合うって凄いよな。俺達全然違うのに、タイプが。良い感じに決まっていくじゃな~い
「では、私は年少組の皆さんを引き受けましょう」
何時ものように申し出る、テル。さすが先生じゃない。七分丈のワイシャツ。ベージュのスラックス。白の革靴のテル
「お願いできる、テル先生。子供達のお世話」
「ええ、喜んで、メイコさん。リュウトさん、ユキさん、いろはさん、オリバーさん、よろしいですか」
「「「「は~い」」」」
リュウトと合わせたのか、ユキ。麦わらに、ポロシャツに白のハーフパンツ、スニーカー。ポロシャツは色違い。リュウト、萌黄、ユキ、薄桃。海軍帽、白のセーラー服、ハーフパンツ、サンダルのオリバー。いろは、フリル付き、薄桃のキャミソール、白のねこみみサマーパーカーにカボチャパンツ。インナーじゃなく、外着用の。
「なら、ウチもセンセの車で」
「はい、二号車決定」
二号車の組み合わせ、天使様にテルリリ。これはもう鉄板じゃない。七分丈のワイシャツを、ベージュのホットパンツに入れず。白のブーツ。ダテ眼鏡のリリィ。明らかにテルと併せてる
「じゃ、オレ三号車担当。めーちゃん、ナビシートお願いね」
「オッケェよ、カ・イ・ト」
七分丈、ロゴ入りティーシャツにグレーのベスト。ライトグレーのジーンズに、シルバーのグラウンドシューズのカイト。ふふ、さりげない独占欲じゃない、カイト。この夫婦も鉄壁~
「おれも、二人の車がイイ。気楽にいこ~」
「レン決定」
となると当然
「「じゃ、わたし(ワタシ)も」」
「ミクルカ、三号車決定。サンドイッチ食べたくなるわ~」
「作ってあるよ、め~ちゃん。フルーツサンドもね、レ~ン」
ピンクのタンクトップ、薄青のホットパンツ、スニーカーのミク。黒のフェミニンクロス、白のロングスカート、ピンヒールのルカ薄水色が宣言。ロングサーマーセーター白のハーフパンツのレンをサンドイッチしながら。名物Sandwich。あまり気楽じゃないな、レン。サンドイッチはイロイロ拵えたじゃない
「デハ拙者は四号車を」
「アネキ、ピコくん、Miki、カルちゃんね」
「そういや、なんで運転デキルんだダンナよぅ」
桜柄の着流し。中に前開きシャツ。富士柄おしゃれステテコ、地下足袋のアル。その背中を叩きながら聞く重音
「かるも気になるなる。国際免許」
GothicLolita(ゴシックロリータ)カル、キャラのまま。あにさま的にも不思議な子だけど、決して『痛い子』じゃあない。常識的不思議ちゃん
「重音殿、拙者、NYでも、右Handle(ハンドル)の日本車をコロガシテいた故。Yesでゴザル、拙者持ってるでゴザル、カル殿」
「そんなに日本好きなんだアルさん」
「四号車決定です。メイコさん」
ピコはMikiと腕組みで、華やぐ。二人共おそろい、色違いのゴスロリ。ゴスロリそろえたんじゃない、Mikiピコカル
「了解ピコちゃん。全号車決定ね~」
「よし、行こうじゃない、お・ま・え・達~」
「「「「「「「「「「お・ま・え・達~」」」」」」」」」」
一号車、パールホワイト
二号車、レモンイエロー
三号車、フェラーリレッド
四号車、闇夜色(やみよいろ)のワンボックス
なんとなく、メンバーの個性色に落ち着いた車割感。よし、車割りが決まったんなら
「惣菜、運んじゃおうじゃない、カイト」
「調味料も持ってくるね殿」
「それぞれの私物も忘れないようにお願いします」
テルや俺達の指示。各々、ワンボックスに、荷物を積む。下着や化粧品。トランプ、カードゲームなんか。ん、そこに、女王陛下の必需品、あるはずのものがないじゃない。ってことは
「メイコ、途中で酒買う気じゃない」
「当然よ、神威君。貴男もご所望のお酒、あるでしょ」
見抜かれるじゃない。良いポン酒が欲しい。よ~し
「なら、全員で一回、大型店寄ろうじゃない。朝も話してた、三人で。子供達のおやつ、食料品なんかも買いたい」
「オレも、みんなで、お買い物したいし。どうかな、みんな」
「足りないモノ、お買い物~」
促すカイト、リン、ノリノリ。それぞれ破顔。笑顔の煌めくメンバー
「その素敵な提案ナイスっ、カイト、おにぃ。買い物しようぜ、リン」
「決定でござるナ」
リリ、サムズアップ。アル、ガッツポーズ
「よっしゃ、いくぞお前達ッ」
「「「「「「「「「「いざしゅっぱ~つ」」」」」」」」」」
午前十時、車内
お気に入りのBGMを流す。基本、クラシックが定番。俺達歌い手、歌詞の入った曲歌うじゃない。普段は音楽のみ聴きたいって共通項。鼻歌交じりに隣のリン
「~、歌、料理、車の運転。がっくんて、何でも出来るよね~」
そんなことを言ってくれるじゃない。でもね、リン
「いや、何もできない」
何でも出来る、人間なんてないぞ、リン。俺は出来る事しかデキナイ
「何言ってんすか、ガクサン」
「そだよ~お、ぽ兄ちゃ~ん」
「神威の万能型に~さんだよ~ぅ」
本来なら運転に集中したい、でも、ちょっと思考回路を話に向ける
「何にもできないから。せめて出来ることを、やってるだけ。それがお前らのためになれば、これ以上、嬉しいことはない。それで誰かの心の荷物、軽く出来るならこの上ない」
静まりかえる車内。だってさぁ
「なんでも出来たら、とっくにしてる。リンを恋人に。俺はな~んにも出来ない。出来る事をしてるだけ」
「ふっけぇす(深い)ガクサン」
そんなことないぞ、勇馬。なんでもできる何て思ってるヤツは、タダの自惚れ君じゃない
「ちょっと嬉しかったり~」
リン、声が照れたときのトーン。運転中だから、迂闊に横はむけないの
「恋人にしてくれる気、あるんだ、がっくん」
「もっとリンが大人に成ったら、ね。なんでもできたら魔法をかけて、リンを二十歳(はたち)位まで大きくしちゃう。大人リンにしちゃってる」
「~、嬉しい、でもちょっとだけ残念。しょうがないよねっ。わたしまだ、子供リンだもん」
それができたら、どれだけイイか。何とも言えない、リンの声
「萌えぇぇぇぇ~。がくリン~~~~~」
IAが萌え上がってる。お前、俺とリンの、何処にそこまで萌えるじゃない
「ぽ兄ちゃん、ぽ兄ちゃん。ぽ兄ちゃんは、リンちゃんだけの魔法使いカナ~」
バックミラーのめぐが言うじゃない。とても楽しげだけど、ほんの僅か、痛々しさを含んだその笑顔。神威の妹、イイコ達。俺も大概なシスコンだけど、だからこそ。妹達に幸せに成って欲しいじゃない。出来ることなら、妹が『想った人』と結ばれて、幸せに成ってほしい。コレ、きっとめぐ達も同じ
「おやすみの魔法、かけてあげてるカナ、毎日。ね、リンちゃん、ぽ兄ちゃんは、リンちゃんの魔法使いカナ~」
「ありがと~、めぐ姉。がっくん、何でもはできなくても、できること、はして欲しいなっ『恋人』もっ」
出来ること、か、何かあるの、俺とリン。手を繋ぐ、頭を撫でてあげる。膝に乗せる。それだって、反則くさいって言われるじゃない。何が出来る、俺とリン。一体何が、許される
「背、伸びてきた、出来そうだよねっ、腕組みくらい~」
「ああ、確かに。ふふ、今度してみようじゃない」
「に~さんと腕組み~ぃ。何にも問題ないよ~ぅ、リンちゃん」
そうか、その程度なら許されるかな。俺が汚れてるんだな、考えつかなかった。こんな細やか(ささやか)なことでも『恋人』じゃない。リンにとって。でもIA、反則って言う輩もいるじゃない
「めー姉、カイ兄、みたいにさぁ、指輪買いに行こうよ、今度っ。あ、クラスメイトもね、言ってた~『彼氏』とペアリング買いに行ったって~」
それだけでも、恋人気分。全く、俺みたいに汚れたのが、この純真娘様を、さ。汚れちゃった悲しさで、気怠いうちに、召されてしまえ。って、具合じゃない。詩人様の詩が、頭をよぎる
「そんなにコダワルことっすか、ガクサン。自分たち内、ローカルルールで、オッケ(OK)ダメなんすか」
勇馬、そういう意味じゃあない。ったく、これ、確実にリンが凹むから、本当は言いたくないじゃない。でも
「勇馬、お前、成れるか、恋人に。お前が来た日は、まだリンが最年少だったな。今、最年少はユキ、か。じゃあ、ユキには悪いけど、例えばユキ、いろはでもイイ。お前はユキと、恋人出来るか~。いろはに、めぐと同じお付き合いの仕方、出来るかあ~」
「無理ス、ガキじゃねっすか。それ恋人とか、オカシイっしょ。ガキを恋人とか―。あ、イ、イヤ、わりぃリン。お前はユキほど子供じゃねぇけどさっ」
「ほら見ろ、そうじゃない」
子供を恋人にする、大の大人が。オイオイオイ、俺は無理。そういう事。汚れちゃった悲しみに、今日も子ユキの降り積もる。勇馬、慌ててフォロー。最近、子供扱いを嫌うリン。メンバー共通の注意事項
「倫理だの道理だの、語るつもりはないじゃない。そんなご大層な身分じゃない。そうじゃなくて、俺がまだ無理なんだ。リンに『恋人』強いること」
重音が言うような人間だったら、楽だったのか。いや、そう思わない
「う~、確かにヘコム~。ちょっとだけ『嫌い』って言われてるみたいで」
「リンちゃん、こう考えたら良いんじゃないカナ~。今のね、リンちゃん『だけ』が好きなぽ兄ちゃんなら、大人リンちゃんになったら嫌われちゃう、ぽ兄ちゃんに」
めぐが、素晴らしい援護をし始めてくれる。その人間なら、いま成長するリン、喜ばないんじゃない。俺は嬉しい、リンが大人に成っていく事
「でも、ぽ兄ちゃんは言ってるカナ。どんなリンちゃんも好きって。だからね、いまのリンちゃんも好きなの。でも、恋人さんじゃなくて、今はわたし達と同じ『妹』の好き好きなの」
「ん、そだね、めぐ姉。わたし『神威の妹』だもんね」
おお、それ、いいじゃない。たしかにまだ、俺の『妹』感もあるじゃない、可愛いリンは。その妹と『恋人』出来ないな、俺は。世の中は、色んな方達がいて、一概に言えないけど。その意味で、勝手に思おうじゃない。神威家は『健全』なシスブラコンだ。少なくとも『病んで』はいないんじゃない
「わたしもね、ぽ兄ちゃん大好き。でも、勇馬君も、今好きカナ。好きが違う好き。もう少しだと思うよ、リンちゃん。ぽ兄ちゃんの好きが、恋人の好きに変わるの。リンちゃん、大きく成ってるカナ~、大人リンちゃんに成ってきてる」
「っす、さっきはわりぃ、リン。自分も思う。初めて会った日より、随分変わった気がする」
俺の大好きな妹が、救済の言葉を述べてくれる。勇馬、素直に謝って、偉いじゃない
「イイ事言ってくれるじゃない、めぐ。重音が居なくて、茶々入んないから、言っておく。リン、好き。大きな声で言おうじゃない。リンが好きだ~~~~~」
車中で雄叫び、あげてみる。歩行者居ないし、走行中だ。車内の叫びは、誰にも聞こえないんじゃない
「好きだよ~~~~~っ、がっく~~~~~ん」
「「「わああああああああああああ」」」
隣でリンがまた、盛大に叫んでる。IAめぐ勇馬もはしゃぐ。超うれしいじゃない。めぐがホント良いこと宣ってくれたから。そう、今のリン『だけ』好きだったら、明日のリン、一月後のリン。来年のリン、大人のリンが好きじゃない。そんなこと、俺はない
「未来永劫、俺はリンの事が好き。乗り越えようじゃな~い『有為の奥山』をさ。一人じゃ無理でも、二人なら、きっと超えていけるから」
「ん、がっくんと二人で、ね。ありがとう、がっくん。絶対結婚しようね」
左手を、助手席側へ出してみる。小さな、柔らかな手が。固く堅く、俺の手を握り返してくれる
「っしゃ~、みんなで歌うすっ。奥山超えっすよ~~~」
「女の子版、男の子版、どっちも歌おうカナ~」
勇馬めぐ、応援ありがとうじゃない。特にめぐ、昔っから力添え、本当にありがとう。出来すぎの妹様
「二人なら超えられるよ~ぅ。さぁ歌ぉ~ぅ」
IAの癒し力、この声もありがたい。昔の飛行機が、大山脈越えるのに命がけだったくらい。そんな大仕事になるけれど。超えたいじゃない、大好きな人と命がけ、力を併せて。さて、運転に集中しようじゃない。って思ったけど、この後『色は匂えど散りぬるを』ふふ『常ならむ』から変わっていく。良い方向にだって変わるじゃない。クラシック消して、全員で大合唱しちゃった
午前十時半
大型店舗到着。車が多くて、駐車場は一番、降り口から離れた場所。屋上の駐車スペース
「少し歩くけど仕方ないじゃない。止めた場所覚えとけよ~、おまえ達~」
「しょ~うがないよ~ぅ、に~さ~ん、歩くくらい~。ただ、止めた場所、覚えてないと、帰り遭難しちゃうね~」
じゃない、IA。止められただけ良い。以前一回、場所、誰も覚えてなくて『遭難』車探しに20分くらいかかった
「人も多そうだね~。わたし達が行って、混乱させちゃったらどうしようカナ~」
「自分はダイジョブっすけど『メグサンマジ天使っ』とか言うヤツ多いス。ッチ」
めぐ、心配顔だ。勇馬、めぐ『独占』出来ないからって、舌打ちするんじゃない
「多分大丈夫じゃない、めぐ、木を隠すなら森。人が多いほどわかりにくいと思う」
「一応変装してるもんね、がっくん」
そ~う、グラサンだのだて眼鏡だの。キャップやハットでも印象変わるじゃない
「さ~あ、買い込むわよ~お・さ・け」
「手加減してよ~、め~ちゃ~ん」
カイトが眉を下げる。メイコ『買い込む』って宣言じゃない、手加減ナシって。これは要注意。店の入り口に向いながら会話
「ウチらも買い込もうぜ~センセッ」
「休日に、甘い物くらいは贅沢致したいですね」
甘味の買い込みはいいじゃない、手加減抜きで。入り口入って、エスカレータでフロアへ向かう
「「「「おやつかいたいで~す」」」」
「うちらも買おうねっ、ピコきゅ~ん」
「おまんじゅうは必須で~す」
天使様もゴキゲン。Mikiをたてたじゃない、ピコ。お饅頭系大好きMiki
「がっくん、ね、ね」
言って頭を揺らすリン、何のアピールかと思って、ああ
「嬉しいじゃない、今も大切にしてくれて」
言ってリボンごと、リンの頭を撫でる俺。来たじゃない、あの日、この大型店舗に。リンがケガしちゃった日
「ぁ~何だか通じ合っちゃってる~ぅ。萌えるけど、ずる~ぃよ~ぅ」
ふくれるんじゃない、IA。リスほっぺ、かわいいじゃない
「ウッチは気付いてるぜ~、I~A。リンの頭の髪飾り~」
「おリボン、ボンボン、りんりん、おしゃれ着、あにさまりぼ~ん」
妹達は気付いてる。一張羅の金糸リボン。さすがじゃない、リリカル、俺の『妹』達
「あ『車椅子』のお話しだ~、萌え萌え~」
思い至ったじゃない、IA。しかし俺とリン、どこにこれだけ応援される要素があるの
「ぬぅ~ふっ、リンタンに『ソフトタッチ』しまくったあの日かぁ~ん、かむ~い。ひぇひぇひぇ『召使い』とかホザイテよぅっ。リンタンを触りまくっ、でっっっっっ」
「アラ、すみません、テト姉様。いやですわぁ、今Escalator(エスカレーター)揺れませんでしたぁ」
後ろ見たら、ルカが踏んでたじゃない、重音の足。ふざけすぎたバツだ重音
「っっっっっ、ルカタンッ、ボクに何か恨み―」
「恨みもツラミもありません、が、嫌悪感はあります、わ。その物言いに。アラ、不思議ですわ。何だかもう一度揺れる気がい・た・し・ま・す、の」
「私も加勢致しましょう、巡音さん」
後は前向いて会話だけ聞いてた。あの二人、重音は反撃できないじゃない。熟々ありがとな、ルカ、テル。そんな『愉快』な会話して、大型店舗内、フロアに降りる。と、芋洗い状態の店内。そうかしまった、世間様的には
「三連休のなか日か」
「わ、ひとがおおいです」
「殿下、ハグレルトいけない故、拙者ノ肩二乗ルでこざる」
しゃがんで、肩車。そうじゃない、子供達、はぐれるとイケナイ
「ありがとうございます、アルさん」
「ありがとな、アル」
「ナンノこれしき、殿下、神威殿」
肩車され、大層喜ぶ我が弟。と、やや下から
「がっくんがっくん、ね、さっそく~」
かわいらしく、手をだすリン。ああそっか、早速しちゃおうじゃない
「腕、組んじゃおうじゃない。離れないように」
「ん~~」
言って笑顔を爆ぜさせる。キミ天女様なんじゃない、その笑顔。リンの両手が、俺の左腕に回される。しがみついてくる、リン。取り敢えず前と違う感触は気にしないことにしようじゃない
「じゃ、オレはユキちゃんかな」
カイト右肩に担ぎ上げる。よろこぶユキ
「ありがと、カイトさん」
「どういたしまして、お姫様」
おひめさまの単語で喜ぶお姫様
「オリバーくん、アタシと手つなごっ」
「ハッハイ」
メイコが言う。やや照れながら、手を繋ぐオリバーが可愛いの
「じゃ、いろはちゃん、わたしたちと手」
「つなぐっす~」
「は~い」
めぐ馬と両手繋ぎ、いろは。レンは、ああ問題ないか。ミクルカが両手がっしりつかんでるじゃない。よ~し
「天使様優先、お菓子から見に行こ~う」
「「「「「「「「「「いえっさ、アニキ~」」」」」」」」」」
お菓子コーナー
やっぱりお菓子が好き。テンションあがる子供組。ただ、選んでる好みが、えらい違うじゃない
「おまんじゅう、みずようかん、おせんべい」
「リュウト君、しぶいね~かっこい~い」
「そんなことないです。ゆきちゃんはなんですか」
「一口チョコの詰め合わせと、ミニドーナツ。あとリンゴ飴」
こちらの仲良しは、和洋でモロモロ
「あたし、ウエハースとキャラメルと串団子。オリバーくんは」
「ボク、Chocolatepie、Marshmallow、MarbleChocolate(チョコパイ、マカロン、マーブルチョコ)イロハちゃん」
こちら仲良しは、混交でイロイロ
「あ、みんな、わすれちゃいけません」
選んでいた天使様。促すように、言うリュウト。どした
「「「「せんせ~とりりちゃんに、ちょこれ~と~」」」」
全員に鼻血級のエンジェルスマイル。特に、テルリリ直撃
「眼鏡砕けるかと思いました」
「ウチも」
本人談
未成年・大人組の菓子チョイス
「適当なスナック菓子×30」
ルカレンミク、相変わらずサンドイッチしながら選びま~す
「それにしても、多くない、ミク~」
「あまったって、持って帰ればいいから~、カイ兄~」
確かに余る方がイイ、お菓子くらいは。国民的チップス、ポップコーン、多種多様、選ぶ三人。で
「銘柄の違うビスケット×5ケース」
「味の違うクラッカー×8箱」
「種ピーナッツ×10袋」
「魚練り物系駄菓子、各種×30」
コレ、選んだのは、俺、込みの飲んべえ組。ツマミ兼務でお菓子選び。子供とちがって、華やかさ無いじゃない、大人の菓子選び
「板チョコ×10種」
「チョコスティック×10箱」
「その他チョコ系数種×5固ずつ」
メンバー共通。カゴに放り込んでたらそうなった
「和菓子の詰め合わせセット×3」
「わらび餅×3」
「中華菓子×3」
「一口羊羹のセット×3」
Mikiピコが、仲良く楽しく選んだじゃない
コーヒー他、お茶の店
「この豆なら、間違いないでしょう」
「センセ、お茶の入れ方上手いよな~」
ここでもこの二人が活躍、テルリリ
「日本茶好きの拙者ハ、ほうじ茶と玄米茶を所望致す」
「甘~い羊羹と渋~いお茶です~」
イイじゃない、アル。ピコ、菓子じゃ~なくても、お茶は欲しい
「紅茶も買っていこうっ。アールグレイとオレンジペコ~」
「あ、アップルティー何てのもあるよ、ユキちゃん」
「ありがと~、ユキ、りんごすき~」
世界のお茶大集合。イイ選択するじゃない、Miki。子供達を気に掛ける、優しいリン。ユキのエンジェルスマイル。お茶も多くたってイイじゃない
「よし、ウーロン茶も買っておこう。ヘルシーお茶もいいな」
「休日は炭水化物重なっちゃうもんね~がくさん。お肉付かないように抵抗しないと~」
歌い手として、やっぱりプロポーションも気にするじゃない。女の子、ミクなら尚更気に掛かる
「食べて動けば、問題なし、よ。トレーニングは欠かさないわよ~」
「ジャージ、持ってきたス、メイサン」
そう、メイコ、継続は力なり。ジャージ私服の勇馬、トレーニングもまたジャージ
「じゃあせめて、入れる甘味は0カロリー。コーヒーにも、紅茶にも」
巷ではやりの糖質Off。と言っても、結局食べ物で糖質ガッツリ。まったく、人間てのは欲に忠実
食品コーナー
「和洋中の乾麺は買っとこう。いろはのラーメンもリクあるし」
「そうだね、残っても、腐らないし、日持ちするし」
買い物カートを押しながら、カイト。俺の手にはカゴ
「缶詰もいっとくか。鯖に鮭、両方水煮でいいじゃない。何にでも使える。ホールトマト、シーチキンなんかも良いな」
「ミックスビーンズもいいね、うずらの卵と、コーン缶とか」
品物を観ながら、簡単な調理計画を親友と。目に入った
「小麦粉、買っていって、お好み焼きしようじゃない。鉄板も送ってあることだ」
焼きたて、作りたてに勝る物なし
「いいね、じゃ後で豚肉と紅ショウガ、キャベツも買って行こう。お好み焼きするなら、オレと殿、違う種類焼こう」
「いいIdea(アイディア)じゃない。そうなると、この無臭キムチが生きてくる。家で漬けてるの持ってくれば良かったな」
わざわざ買うこともなかった
「さすが殿、いいね。それならオレ、この大阪風ソース買っておこっと。あ、りんごの缶詰、ユキちゃん喜ぶ。パイ生地も買っておかなきゃ」
徐々に満たされるカゴとカート
「カイト大阪なら、俺は広島にしょうじゃない。うん、カレールウも買っていこう。カレーも外れないじゃない」
「じゃ、後で冷凍のシーフードミックス買って、シーフードカレー作ろうよ、殿」
可愛い笑顔で提案するマブダチ。良いアイディアだな
「よし、イッテおこうじゃない。あとは玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、茄子、長ネギ、カボチャ、ブロッコリー、たまごも買っておこう」
カレーなら、野菜は多め、ゴロッとしたのが好きなメンバー
「はずさないねぇ茄子、キャベツとレタス。向こうに冷蔵庫あるらしいし、チーズ類も買ってこうかな」
「秋茄子だから、美味しいじゃない。さっきの味噌汁で、茄子覚醒。あと、ブルスケッタ用のフランスパン。お、空豆いいじゃない」
おつまみ空豆、俺嬉しい。ふふ、女王陛下も喜びそう
「あ、殿、焼き野菜セットだって、コレ良くない。玉ねぎ、にんじん、ピーマン、エリンギも入ってるよ」
「いいな、それ、四セットほど買おうじゃない。カレー用野菜と別で、手間が省ける」
イイの見つけるじゃない、カイト。野菜好きの俺も嬉しい。だから見つけた
「これは俺、個人が大好き、満願寺唐辛子。激好きには堪らな~い」
「あはは~、好きだねぇ、辛いの。でも、め~ちゃんも好きだから、買っちゃお、殿」
この唐辛子、甘さと激辛さを兼ね備える一品。味付け無し、タダ焼くだけで、絶品のおつまみ
「あ、トウモロコシも買っていこうか、殿」
「焼き台が生きるじゃない、カイト。あとは、お、生の落花生、珍しいな、これ買っておこう。さて、こんなトコロじゃない」
と、切り上げようとして、腰の辺りに当たるカート。後ろを見ると、ムクレルているリン
「ど~したリン、ご機嫌斜めじゃない」
「だって、がっくん、カイ兄といちゃついてるよ~に見えるっ」
「「「「「「「「「「それなっリンちゃん」」」」」」」」」」
何をおっしゃる。リン、アニキにまで、ヤキモチ焼かな~い
精肉コーナー
「鳥胸、ササミ、ぼんじり。豚ロース、薄切り、切り落とし。牛、ステーキ用に、テール。モツの詰め合わせ。お、焼き肉用ミックスイイじゃねーか。豚挽肉は、何にでも使えるぜぃ。チャーシュウに、厚切りベーコンも外せねぇな。サイコロステーキ用も捨てられねーぜ」
肉食獣重音、好きに買わせておいた。向こうに冷蔵庫がある。余ったら持ち帰ろうじゃない
お酒コーナー
俄然(がぜん)張り切る
「ウイスキーは、シングルモルトとバーボンそれぞれ×3。ブランデーは奮発して、レミちゃん。缶ビールは別銘柄で二ケース。乾杯用はドライアイス付けて貰って、六缶二つ。リキュールは10種類。純米吟醸と本格焼酎、1.8の×4。本格梅酒も1.8を一瓶。赤白ロゼにスパークリングそれぞれ4瓶。あとは、シャンパン五つ」
酒好き女王陛下、と
「サキイカ、まぐろブロック、ビーフジャーキー。イカクン(イカの燻製)にホタテクン(ホタテの燻製)燻製ナッツ。ミックスナッツ、チーカマ、カニカマ、お、大豆ジャーキーなんてのもあるぜ。チーズは外せねぇ、チータラに焼きハギもいっとっこうじゃね~か」
大酒飲み、肉食獣
「メイコどんだけ飲む気だ。重音もツマミ過ぎ」
半分に減らす。文句は許しませんの。結局文句言われて、半分にはできなかった。でも減らした
スイーツコーナー
メモを取る店員様、選ぶテルリリ、並ぶ子供達
「リリィさん、このザッハトルテ、良さそうですよ」
「レアチーズのホールも外せないよセンセ」
「カイトさんにホールアイス三種類も」
「バニラ、チョコ、抹茶ね」
デート中の若夫婦風情だな、キヨリリ。実は大学助教授と学生。ふふふ、反則じゃな~い。なんて思う俺、32歳が15歳。確実な反則野郎。まぁ、反則行為してないから良いか。俺も、テルも
「みなさん達も、選んでいいんですよ」
「でも、さっきおやつ―」
「おやつと、デザートは別。何がいいっ、リュウト~」
と、屈んで弟の頭を撫でる。促されて、選びはじめる可愛い子達。しかしこの光景
「ええっと、あんこのカステラたべたいです、りりねえさま」
「いろはっ」
「じ、じゃあ、桃のケーキ」
今度はオリバーの両肩に手を置くテル
「オリバーさんは」
「ヤ、ヤキプリン」
「ユキさんは何が宜しいですか」
「あ、アップルパイ」
「「じゃ、今言ったの全部三つずつ。ドライアイスつけて」」
声が会うテルリリ
「若夫婦だよね~、先生とリリちゃん」
「子供さんに見えちゃいます~」
あ、思ってたか、Mikiピコも
雑貨コーナー
「花火買おうよ、IA姉。打ち上げと手で持つの両方」
「ナイス~レンく~ん。ぉ、蚊取り線香、ぁるといいね~」
レンのが年下なんだが、童顔で小柄なIA。うん、兄妹っぽいじゃない
「必須だよね、IA姉。絶対蚊が居るだろうから~」
「でしたら、リンちゃん、日焼け止めも必要ですわ~」
お嬢組、お肌には敏感じゃない、ルカ。蚊取り線香、なんだかんだ商品あっても、一番効くのは渦巻きのアレ。そんな気がする
「ですよね~、ルカさん。うちウエットティッシュも」
有ると便利なウエットティッシュ、ナイス、Miki
「あにさま、むしさされのくすりも」
「要るな、カル。あと、プラ皿とプラコップ、入れといてくれメイコ」
「了解、神威君」
一式、カゴに入れて、会計しようとしたとき
「がっくん、これも」
振り返ると、線香花火を手に、リン。照れ笑いの、可愛い子
「今年もくっつけようね」
「―、リン、ありがとう」
俺も頬がやや熱い。許されない俺とリン、僅かゆるされる、恋人ごっこ。線香花火の約束、涙出そう。好きな人が、俺を好きで、いてくれて
許されるもの
せめて出来る、僅かなこと
腕を組んで歩くこと
あの日も合わせた線香花火