はじまりのあの日   作:代打の代打

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開幕、今年の夏休み

恋心を確かめ合って

でも、恋人ではなくて

仲良しのまま、作りましょう


キミと恋とお好み焼き

一時二十分

 

コテージ到着。車四台、駐車スペースに停める。三階建て、総木り。家の前には、ゆったりできる土敷きのスペースが広がる。周りを林が囲んで、奥手に湖。玄関前のテラスでも楽しめそうだ。さすがメイコ趣味いいじゃない。探偵がいたら、確実に事件の起きる、広い佇まい

 

「いい雰囲気~、さっすがメー姉ぇ~」

「こてーじはじめて。ありがと、めいさま」

「ありがと、リリちゃん、カルちゃん」

 

俺の気持ちと、感謝を代弁してくれる、完璧な妹たち

 

「荷物のハコビコミは、任せるでゴザルよ」

 

私物や、食料品を手にするアル

 

「あ、おれもアル兄手伝う」

 

ずり落ちた、サマーセター。乱れた髪。目の下のクマ。ふふ、その様子じゃ、車内で、相当もみくちゃにされてたな、レン。姉二人から、一旦離脱

 

「あ、では、私も同行いたします。スイーツを冷蔵庫に入れてしまいたいので」

「ウッチも行く~センセっ。一人じゃ運びきれないじゃ~んっ」

 

アル、大漁の食品や酒を台車に乗せて。台車は、家(マンション)から持ってきてるじゃない。キヨリリはお菓子を仕舞いに向かう

 

「じゃあ、殿、オレ達はさっそく始めよっか」

「じゃない、カイト。みんな、自分のお荷物運んどいて~」

 

メンバーに促す。運んでおけば、効率良い。自然体で、手、洗ってエプロン付けたときリンに言われた

 

「がっくんと、カイ兄以上に、エプロン似合うオトコノコってこの世にいないと思う人~」

「「「「「「「「「「は~い」」」」」」」」」」

 

なんだ、この結束感。俺、カイト、焼き台やコンロを組み立てる。あらかじめ、ログハウスへ配送しといたアイテム。簡易テーブルに簡易コンロ三台。鉄板焼き用の焼き台二台。ガス、一ダース。ガスボンベ二基。レジャーシート。調理器具数種類、調味料。音響機材に服一式。ゴミ用の袋大量。生ゴミは、備え付けのコンポストに捨てていいとのこと。缶や瓶などの、ゴミは持ち帰る。当然じゃない。焼き台、簡易コンロが整ったとこで、荷物を置いた面々が戻ってくる。にぎやかに。すでにメイコ、重音の手には、缶ビール

 

「おい、メイコ。飲んでもイイから、うごけよ。重音、サボるんじゃナイ」

「わかってるって、神威君」

「サボるんなら、中で飲んだくれてるぜ」

 

メイコは、車内では絶対に飲まない。万一、何かあったら困るから、と。アタシは、メンバーの、誰が欠けても嫌だから、と。どこまでも素敵な女王様。対称的にあの様子じゃ、車中でも飲んだな、重音

 

「よし、じゃまず、赤のクーラーボックス。枝豆、大人ポテサラ、チーズの味噌漬け、冷や奴。いわゆる、つまみオールスターが入ってる。メイコ女王陛下のために並べろっ、下部っ(しもべ)」

「「「「「「「「「「喜んで」」」」」」」」」」

 

笑いを堪える番組の、大物司会者様風に言ってみる。女王陛下のために、各位ノリノリ。我先にと働くじゃない

 

「神威君わかってる~」

「メイコ、ポテサラ、カイトから愛のリクエスト」

 

その女王陛下に告げてあげる。するとダチの方を向き

 

「ありがと、カイト。愛してるから」

「オレも」

「「「「「「「「「「ひゃっは~」」」」」」」」」」

 

オノロケご馳走様。いいじゃない、この光景。さて

 

「白のクーラーボックスには、子供用のポテサラ、ブルスケッタの具。サンドイッチシリーズと、芋餅が入ってるよ。お重には、おこわが入ってるから。みんな並べて~」

 

親友の指示、に

 

「「「「「「「「「「りょうか~い」」」」」」」」」」

「あら、これもおつまみになるじゃない」

 

喜ぶ、下部(しもべ)と女王陛下

 

「では、リュウトさん、ユキさん、いろはさんに、オリバーさん。お兄さんたちが、お料理をひろげられるよう、レジャーシートを広げましょう」

「「「「はいっキヨテル先生」」」」

 

イイじゃない、天使様。さすがテル先生だ

 

「みんなで力をあわせよ~な」

「「「「うん、リリちゃん(ねえさま)」」」」

 

愛おしさが半端じゃない。並べてくれてる間、調理台作成。簡易テーブル、簡易コンロ。ボウル、調理バット。まな板の上に、取り出す包丁セット。そして、水

 

「殿。万一考えて、消火器買っといた」

「さすがじゃない、カイト」

「わああ~ごちそうだ~」

 

まずコンロで、作っておいた物を温め直す。ニオイに惹かれてはじめに寄ってきた

 

「ミク、今ネギ温め直して、みそで和えてあげるから」

「ありがとおっ、がくさん。はわ~めちゃくちゃいいにお~い」

 

砂糖と酒、みりんで溶いたネギ味噌。おいしいじゃない、味噌ネギ

 

「温め直したの、各々取りに来て、カマ焼き温まったよ、ルカ」

 

告げるカイト。リクエストした本人、やって来て

 

「はい、カイト兄様~。まぁまぁ、美味しい香りがいたします~」

 

本当に好きだな、まぐろ。子供みたいな反応じゃない、ルカ。

 

「勇馬、これ、蒸してきてくれないかな。中華まん、蒸籠(せいろ)に入ってるから、ハウスの中で」

「っす、ラジャっす」

「お手伝いするよ、勇馬くん」

 

お付き合いは、順調みたいじゃない、めぐ、勇馬と。兄として嬉しい

 

「ああ、めぐが持ってるのが、粒餡のあんまん。勇馬が持ってる方が、豚様の角煮まんじゃない。Miki美味いか解らないけど、リク返答~」

 

タネは作って、此所で蒸す。中華まんは、温かくなきゃ

 

「ありがと~、神威のア~ニキ。大丈夫だって、絶対美味しいよ」

「角煮まんなんて、手間かかってるわね~」

「肉が食いたいぜ。肉、うま」

 

ありがとう、Miki。手間を掛ければ美味しくなる、じゃない、メイコ。肉ばっかじゃない、重音。そんなこんなで、二時五分。惣菜や蒸し上がった中華まん。温めた惣菜が、コテージ前、ブルーシートの上に鎮座。腰を下ろす、一同。遅めの昼食か、早すぎる夕食か

 

「カイト、神威君、ありがと~」

「はじめようじゃな~い宴を~」

「さ~飲み物ついで~」

 

各々方手にする、使い捨てのプラコップ。名前を書くのは、休日中は、洗って使うから。勿体ないじゃない、一回で捨てちゃうの。好きな飲み物が注がれる。休日ぐらい良いじゃない、昼間っから辛口の純米吟醸。カイトは甘口の純米。メイコは高級ブランデー。重音は赤ワイン。ルカは、スパークリングのロゼワイン。アルはビール。テルはシャンパン。飲めないめぐ、未成年組には、乾杯用に作ったミックスジュースが注がれる。テンション上がってくるじゃない

 

「じゃあ、発声は~ルカ~」

 

告げるメイコ

 

「光栄です。メイコ姉様。それでは、僭越ながら。皆さん、お疲れ様です。カイト兄様、神威さん。ありがとうございます。皆様、常日頃、ありがとうございます。大好きな皆々様と、歌って生ける、この時を祝しまして」

 

杯をあげる。最高の挨拶じゃない

 

「今回の夏休みに」

「「「「「「「「「「かんぱぁぁぁぁぁい」」」」」」」」」」

 

はじまりました、大宴会。夏休み、はじめました。ハメ外そうじゃな~い。乾杯済ませて、冷や奴、紙皿に載せる

 

「いつもの、リアクションでごめんぽ兄ちゃんっ。ポテサラサンド、おいし過ぎるカナ~」

 

両頬を包むめぐ、良かったじゃない、美味いなら

 

「うっま、フルーツサンドおいし~」

「っ~がっくんのクラブサンドおいし~」

 

双子ちゃんの嬉しい反応。サンドイッチ好評

 

「芋餅もち、もちもち。ありがと~神威のにいさん」

 

何だかお前のほっぺがお餅みたい、IA

 

「マグロカマ、最高ですカイト兄様。塩レモンが合います~」

「大人ポテサラ、ワインに合うわ~。アリガトね、カイト」

「メイコさん、ブルスケッタも合いますよ。本当にありがとうございます。神威さん」

 

洋酒好き三人、ルカ、メイコ、テル

 

「っか~枝豆トbeer。サイキョウの組み合わでゴザルっ」

 

日本人か、アル。いや、心は完全なJapanese(日本人)だな

 

「味噌ネギ、パネェっすがくサン」

「ネギ~、ネギウマ~」

 

勇馬とミク、珍しく声が重なる

 

「ひややっこ、ポンずかけてあげる、リュウトくん」

「ありがと、えびふらいどうぞです、ゆきちゃん」

 

微笑ましいじゃない、ユキリュウト。そのやり取りを見つつ、立ち上がり、レジャーシートを後にする

 

「角煮まん、うま~。お肉ぷりぷり~」

「あんまん、うま~。粒餡がぎっしりです~」

 

Mikiピコ、よかった。饅頭系も好評じゃない

 

「でも、あにさま、いつもよりすくないような。あにさま」

 

勘付いたか、カル

 

「あれ、がっくん」

 

気にかけてくれて、ありがとうマイシスターとプリンセス。少し離れた調理台。キャベツの山を築きに掛かる、俺

 

「ああ、殿、手伝うよ、飲みながら」

 

酒を手に、やって来るマブダチ

 

「ありがと、もう、キャベツとニラは刻んだ、飲みながら」

 

エプロンを手渡す、俺、飲みながら

 

「じゃ、麺茹でとくよ、飲みながら。お好み用の中華麺」

「お湯なら、空豆も、お願いしようじゃない。茹でちゃって、飲みながらでイイから」

 

不思議顔のメンバー。さ~ぁ、始めようじゃな~い

 

「お前達、今はまだ、休日のIntroduction(イントロダクション)じゃない。まだ今こんなに、お日様たっか~い(高い)」

「あ、がくサンワザと少なめに」

 

気付いたじゃな~い、勇馬

 

「がっくん作ってるのって、さっき言ってた」

 

その通り、お姫様

 

「お好み焼き。作りたてに叶うものはないじゃない。美味しいの作ってあげる、リン」

「「「「「「「「「「てつだいますっ兄さんズ」」」」」」」」」」

 

 

 

午後二時半

 

「おれ、生地作っとくよ、がく兄」

 

お手伝いを申し出てくれる

 

「ありがとう、レン。小麦粉、ダマに気をつけて。ミク、ヤマトイモおろしてくれな~い。ルカは玉子を混ぜてちゃって~」

「おっけ~、がっくさ~ん」

「YesSir、神威さん。レン君、ミクちゃん、作りましょうね」

 

サンドで作業開始。そうなるようにふってみた

 

「じゃ、生地が出来るまでに揚げちゃおうじゃない。めぐちゃんリクの、フライドポテト」

「ぽ兄ちゃん」

 

驚くんじゃない、妹よ

 

「リクエストしたじゃない。揚げたて、旨いの食べさせたいから。ちょっと待ってて、かわいいの」

「ありがとう~忘れられてたのかとおもった~」

 

かわいい妹のリクエスト。忘れるわけがないじゃな~い。抱きついてくるめぐ

 

「油跳ねるといけないから、離れて待ってて~」

「あ、めぐ姉ずるい~っ。わたしも~」

 

言って抱きついてくる、リン。可愛い妹、カワイイ子、抱きつかれて、俺大破。コレで理性保ってる俺、結構偉いんじゃな~い

 

「ちょっと離れようじゃナ~イ。リン、油取って~」

 

そう言ったって、理性の限界に近付くじゃない。めぐと笑い合って、リン

 

「はいがっくん、オイル~」

 

ありがとう、リンが料理手伝ってくれるだけで、俺幸せ。だけど

 

「リンも油、気を付けて。可愛い顔、してるんだから。火傷したら、ダメじゃない」

「ん、気を付ける~。でも大丈夫、いっつもがっくんと、お料理したから、上達してるんだよ、わたしだって~」

 

満開笑顔、超カワイイ。陳腐なセリフだけど、他に言ってみようがナイ。上達分かってるけど、十二分に気を付けて~

 

「ふぇっふぇっふぇ~。告ってから、公然と惚気るじゃね~か、かむい。可愛いカワイイ、リンたん、のままが良いんじゃね~かぁぁぁ」

「リン殿は、健やかに成長されておるように見受けるでゴザル。孫を観る、Grandpa(おじちゃん)の気分でゴザルナ」

 

重音、何が言いたいかすぐ解る。邪気オーラが漂ってるじゃない。ジジ様オーラを発するアル。まだ老け込む歳じゃあない

 

「いや、俺はリンが好き、生涯かけて。どんなリンでもな、重音。その通り、アル。最近この子積極的。しかも大人っぽく成っていくじゃない。少しずつしんどい」

「うふふ~テト姉、わたし、育ってるんだよ~。がっくん、待っててねっ。待ちきれなくても良いけどっ」

 

嬉しげなリン『胸を張って』爆弾発言。黄色い悲鳴のメンバー。リン、俺を完全な反則野郎にするんじゃ~ない

 

「リ~ンちゃんっ、めっ、だよ~。軽はずみなこと言っちゃ~。お姉ちゃん、オコになっちゃうカナ~」

「あはは~、リンちゃん積極的~ぃ。神威のアニキ、が~んば(頑張って)」

 

と、言いつつ笑顔だ、めぐ。悪戯っ子の微笑みをするんじゃない、Miki

 

「へへへ、ウチも待ちきれなくってイイぜ、セ・ン・セ」

「いけませんよ、リリさん。神威さんと同様の感想を申し上げます」

「先生もふぁいとです~」

 

小悪魔リリ。おったがい(お互い)難儀なもんだよな、テル。優しい笑顔だな、ピコ

 

「まぁ~、お熱いですわぁ。でも神威さん『ちょっと』くらい反則行為しても、人生そんなものですの。許される範囲で『skin ship(スキンシップ)』をとっても、良いと思いますわ~」

「何言ってんの、ルカ。その少しがタガ外す。呷らない、俺はコノStance(スタンス)変える気ナイ」

 

嗾ける(けしかける)ようなことを言うんじゃナイ。そう、何がアリで、何がナシ。それくらいは、俺も思う。でもそれを解禁したら、きっと許されないトコまで。俺はそう思う。だからこそ

 

「戒め(いましめ)はキツめに。人間弱いじゃない『欲』には、特に男は女より弱い。俺、リンと『結婚』するまでは、絶対に『恋人』にならない。まぁ、せめてこのくらいの欲は許されるじゃない。リン~お酒注いで欲しいじゃな~い」

「は~いがっくん」

「うふふ、神威君、強いわね。本当に決めたのね『覚悟』告白のあの日に」

 

誤魔化す、別の『欲』に走る。酒欲。最高の褒め言葉じゃない、女王陛下。あと、やっぱり俺、そうは言っても

 

「どこまでも『少女趣味』じゃないんだな、俺。今のリンには悪いけど。言って、しんどくなってきてるんだ、マトモじゃないな、俺」

 

苦笑い、の顔したと思う、俺

 

「はい、がっくん杯出して~。も~ぅ、ちょっと傷つくよ~、わたし、これでも『育ってる』んだから~」

「ごめんごめん、だから言ってるじゃない、しんどいって」

 

リン、完全に苦笑い。その顔も可愛いじゃない。堪えるの、俺。しかしこの状況、良いのか。応援してくれるのは有り難い(ありがたい)けど、嗾ける(けしかける)んじゃナイ。仮にもオヤジ(俺)と少女(リン)ちょっとは考えようじゃない。うん、と、言うかルカ、さっきのセリフを反芻する俺

 

「ってことは取ってるんじゃな~い、ルカ。レンと、お肌の触れあいを~」

「ル、ルカ姉」

 

妖艶に嗤うルカ、クラッと来ちゃいそう。慌てるレン、恥ずかしいんじゃない『暴露』されるの

 

「~♪、ええ、ほんの少~し、ですわ。ミクさんとも、Skin Ship。ふふっCommunication Level(コミュニケーション・レベル)のささやか、な」

「マヂっかッルカたんんんッッッ。詳しく話を聞こうじゃねぇかあ~~~ん」

 

言って、自分の唇を、人差し指で示すルカ。重音、どす黒い笑み、口の端が吊り上がる。覚醒、黒重音。お前が考えてるような行為、ルカはしてないに違いない

 

「おやすみの前に、オデコに、お二人とも、に。ですわ」

 

ああ、おデコに、か。それは確かにSkin Shipで許される、じゃない

 

「あ、ユキと同じだね、レンにい、ミクちゃん」

「ぅんぬふぅ~~~~、マヂかぁぁぁ、ユキた~~~んッ。先生タンとををををを」

「重音さん」

 

静か~な声で言うから、尚のことおっかないじゃない。テル、必殺技、眼鏡外し。重音、ワイン被って180°腰をおる

 

「ん、テトちゃんどうしたの~」

「てとさまは、どうしておさけをかぶったのですか」

 

子供組に悪影響じゃない、この話続けるの。実際気付く

 

「悪ふざけしただけだ、リュウト。恋バナ打ち切るぞ~。これ以上ソノ話したら、お好み焼き食べさせな~い」

「あはは、オレ賛成っ。殿、きっと相当困ってるよ~。でもユキちゃん、まさか本当に先生と~」

 

朝、話したからな、マブダチ。察してくれてありがとう。でも、それはないだろ、カイト

 

「いえいえ、まさか。重音さんが、何故私の名を上げられたかは、理解に苦しむ所です。リリさんが、天使様に、ですよ」

 

困った笑顔、テル

 

「ウッチがさ、たま~にするんだ~、デコチュ~。天使組にさ~」

「あたし、リリチャンのちゅ~好き~」

「テ、テレちゃいマス~」

 

ほらな。テルの性格上、あり得ないじゃない。好きなら良し、いろは。照れるじゃない、オリバーの慎ましさなら

 

「よし、勇馬、唐辛子の種、取って欲しいじゃない」

「っす、ガクサンやっとくス」

 

フライドポテト、作る脇で焼き野菜も作っちゃおうじゃない

 

「手、ヒリヒリしちゃうからね。はい勇馬君手袋、手伝うよ~」

「メグサン、アザッスッ」

 

よかったじゃない、勇馬役得。ながら調理で、ほかほかフライドポテト。ついでに、炙りベーコン(分厚い)と焼きチーズ。全部鉄板調理で出来るじゃない。焼き野菜も、イイ塩梅。カイトも、麺、空豆を茹で上げる

 

「あがったぞ~、FriedPotato(フライドポテト)食べたい子おいで~。塩に胡椒にマスタード。ケチャップにマヨネーズ。好きなトッピングでイコウじゃない」

「ありがとっがくさん。わ~い美味しそう。レン君、ルカ姉、あ~ん」

 

摘まみながら作業出来るじゃない。フライドポテトって。トッピングソースは、朝のうちに作ってきた

 

「また、お酒に合うわ~」

「おいし~い、ぽ兄ちゃん、だ~いすき」

「俺も、お前達だ~いすき」

 

女王陛下、めぐとも微笑み合う。と、軽い衝撃が左脇に

 

「~ぅ」

「はいはい、ごめん。でもね、リン、俺は一番キミが好き」

 

むくれないでよ俺の嫁。まぁ、セリフは不用意だったじゃない。頭突きを、リンがカマシテ来た

 

「約束だよ、一番の好きでいて」

「いっちばんの仲良しサンでいようじゃな~い」

 

やや涙ぐむリン。そんなトコロまで、繊細な問題なんだ、この子にとって。俺に対する想い、こんなにも寄せてくれてる。無力で汚れた大人の俺に、純真少女が恋をする。神様、非道いシナリオじゃない。何はともあれ、俺の嫁、ゴキゲンを治して欲しいから

 

「こん~な風にさぁっ」

 

リンを抱き上げて姫抱っこ。焼き台から少し離れ、フィギュアスケートのリフト『ごっこ』

 

「あ、あはは、がっく~ん、大好き~」

「お・れ・もっ、リンが好き~」

「へへ~、やっぱまだガキじゃ~ん、リン。単純~」

 

レンが茶化してくる。これにリン

 

「い~でしょ、レンっ。大好きな人が、大好きって言ってくれて、抱っこしてくれて。わたし達、いっちばんの仲良しだもん。レ~ンなんて、自分から言ってないじゃない、ルカ姉にもミク姉にも『好き』ってさ~~~」

 

努直球勝負、直撃のレン、ぐうの音出ない。百合姉妹、レンを覗き込む。俺の首に、リンの腕がまわる

 

「ぎゅってして、がっくん。それくらいイイでしょ~」

 

本来なら慎むべきじゃない。でも今、状況が状況。お姫様のゴキゲン、損ないたくはないじゃない

 

「特別に、じゃない。今だけの、大Service~(サービス)」

 

言って、ぎゅうぎゅうに抱きしめる。あああ、罪だ、俺はキミが愛おしい

 

「お熱いでゴザルナ~、イヤハヤBeer(ビール)が突き進むでゴザルっ」

「リンちゃん、ぽ父さん、こいびとさんみ~たいっ」

 

アル、枝豆食べてBeer、一気。ユキ、成れないじゃない、俺とリン。恋人同士には

 

「ユキ、俺とリンは、まだ恋人じゃあない。ああ、ごめんな、リュウトも。ハンバーグ、明日美味しいの作ってあげるから」

 

代わりに、つくねの餡かけ、買ってきたじゃない

 

「ユキちゃん、ユキちゃん、恋人はダメなの、わたしとがっくん。でもね、一番の仲良しサン。だよね、がっくん。がっくん、わたしのこと、好きだよね」

 

本当に遠慮が無い、リンは。だからこそ、なんじゃない、大人は注意しなきゃイケナイ。遠慮無く『間違い』をしようとする子供を。せめて自分が留められる範疇で

 

「大好き、リン。だ・か・ら、待って。明日のリンも来年のリンも、どんな姿のリンでも。俺はキミが好きだから」

「ありがとう、がっくん。待っててね、約束っ」

 

ぎゅうぎゅうに抱きしめたまま、俺回転。約束を交わす

 

「萌ぇ萌ぇで、萌ぇ萌ぇだよ~~~ぅぅぅ」

「いやぁ、スマホ構えといて良かった~」

「くぅけけけけけぇぇぇっ、完全アウトの構図じゃあねえのかぁ~ん。かむいがろ―」

「いや、問題ないよ姉さん。リンだって、思いっきりしがみついてるもん、殿に。仲良しお兄ちゃんと妹ってカンジ」

 

萌え上がるIAの声に、重音のどす黒い声が重なる。これも記念じゃない、ミクNiceShot(ナイスショット)と、カイトの声、オクターブが下がった。コレは結構にレアな事。観るとカイト、まな板を、出刃包丁で叩く。朝の話で、俺とリン、事情をよく知った、思いやりカイト。あ~あ、怒らせちゃった、重音。カイトの目の前にひれ伏す、重音

 

「では、神威さんが特別なわけではないように」

「るるる、かっ姉」

 

レンを抱きに行くルカ

 

「さぁ、ミクちゃんも」

「うんっルカ姉っ。あ~でも撮影が」

「ミク殿、拙者が引き継ぐでゴザル。遠慮メサレズ」

 

脱兎勢い、抱きしめに行くミク。いや、レンと二人で抱きしめられる風情。姉二人に、抱きしめられて、慌てるレン

 

「では、私も少々、男気と言うモノをお見せいたしましょう。失礼、リリさん」

「へっへッ、センセ何してくれん―」

 

リリが言い終わる前に、姫抱っこする、テル

 

「リリさん、やはり細身ですね、お軽いです。ですが、力強くて、女性らしい。お美しいです、リリさん」

 

こんな台詞言う、テル、相当貴重。リリ、真っ赤で湯気発ててる

 

「私がいま、していることがお嫌なら、今すぐ私をうったぅ―」

「イヤなワケね~じゃん~~ッ。大好き、センセッ」

 

益々もって、テルの首っ玉にしがみつく、リリ

 

「わぁ~年の差~カップルズ、良いなぁ。神威のアニキは、それに体格身長差~。観てて萌える~」

「ぼくたちは、遠慮無く恋人です、Mikiちゃん。申し訳ありません~」

 

そう、Miki俺とリンには差がある。おまえ達も幸せに生け、ピコ。歳も身長も。歳は17歳、身長は約40センチ。差がありすぎる。だから、俺、長生きしたい。せめて、リンと結ばれるまで。イヤ、結ばれたって、一日でも長く、リンといたい

 

「アネキも、変なことばっかり言ってないで、身の固め方、考えたらぁ。リンの方がしっかりしてるわぁ。神威君に嫁ぐって、決めてるもの」

 

トドメ、女王陛下の一言。重音、一気に酒を呷って、肉を食らう。はっは、自業自得。恋の神のヒマツブシ、つき合う代わりに、俺願う。真心込めて、感謝して。その神様に、同じく仏様に、せめて、長生きさせてと願いします

 

 

 

午後三時

 

二十一人分のお好み焼き、考えると相当豪快じゃない。現に生地作りで結構時間かかってた。さっき俺が、リフトごっこしてから、流れが少し変わった事も相まって。時間が結構経っていた。途中から料理系、出来るメンバー総出。その間、肉を焼いて重音を黙らせておく。焼き野菜やポテトをアテに、みんなで和気藹々、作業する

 

「がく兄」

「カイ兄」

「生地ができあがりました」

 

サンド一致で、生地を差し出してくれる、レン、ミク、ルカ

 

「ありがと。レン、ミク、ルカ」

「ありがとうな。おし、生地が出来たら鉄板で焼いていこうじゃない」

 

鉄板に、まず生地を流して、ヘラでのばす。大きめお好み焼き、三枚分

 

「カイ兄とがっくん、同じお好み焼きでも違うんだね、作り方も具も」

「ああ、俺は広島風。ちなみに俺、広島プロ野球チーム党」

 

野球、結構見るじゃない。PROJECT内野球好き

 

「オレのは、大阪風。野球は北国、地元チーム好きかな。イカ、ホタテ、もやし、ネギ。全部混ぜ込んでと。生地完成、まず、豚肉を軽く焼いて、火が通ったらどける。生地全部流し込んで焼くのみっ」

「ウマソウで、ござるなっ。拙者はNYのストライプ派でゴザル。FiftyFiveは、誠、偉大な選手でゴザッタ。SeaYou~ッ。Knot、MVP放出スルッテ、ナンデゴザルカッ」

 

カイト、スパークリング清酒で上機嫌。ビール片手に、アルの主張。野球好きでも、応援するチームは別々。ただ、アンチが居ないのがメンバー共通。好きな選手は、各球団にそれぞれ居るってヤツじゃない

 

「よ~し、イイ感じ。生地に熱が通ったら、キャベツドカ盛り、豚肉のせて、もっかい生地。で」

 

準備万端

 

「ひっくりかえっすっじゃな~い」

「さすが、神威さん。キレイに返しますね。もう香りが堪りませんわぁ」

 

ルカ、お好み焼きにもときめくじゃない。美味しいよな、お好み焼き。ワイン片手に、アテはチーズ

 

「コツを掴めば、簡単じゃない、ルカ」

「いえ、そのコツが最も難しいのです」

 

まぁ、そうかも、じゃないさて

 

「リン、麺入れちゃって~」

「は~い」

 

満遍の笑み、可愛いリン。麺を鉄板に投入してくれる

 

「このまま、麺焼いちゃって、焼きそば作る」

「焼きそばだけでも美味しそうです~ぅ」

 

じゃない、ピコ。でも我慢すると、もっと美味しいお好み焼きが出来るじゃない

 

「がっくん、あ~ん」

「ん」

「がっくん、あんまり食べてないでしょ」

 

リンが、笑顔で、箸にのせた冷や奴を差し出してくる。休日ノッケから幸せ。召されてしまいそうじゃない

 

「ありがとう」

 

素直にもぐもぐ。リンにもう一口、奴を貰い、酒を流して言う。リン満開の微笑み、その微笑みで、俺萌え炎上。でも、お好み焼き、焦げ付かせるわけに、いかないじゃない。傾斜復元

 

「さぁ~て、そろっとイイんじゃない」

 

『そろっと』は、越後の方言らしい。音大の、関東時代使ったら、通用しなかった。俺びっくり。メンバーには浸透『そろっと』は『そろそろ』って意味

 

「仕上げに、お好みを焼きそばのせて。玉子のせて。もっかいひっくり返して。火が通ったら完成。仕上げようじゃな~い」

 

三つの大お好み焼き、ソース、花鰹をたっぷり。香りがさらに反則級。作っておいて、だけど、香りがもう、美味しいじゃない

 

「ぅゎ~ぉいしそう~、に~さん、もぅ食べてぃぃの~」

「イイにおいだね~、リュウくん」

「たまらなく、おいしそうです、ゆきちゃん」

 

さあ出来たぞ、子供達。IA瞳輝く、ユキ、リュウトとお手々を繋いで楽しげ。その笑顔で、閃いた

 

「明日みんなで、ハンバーグ作ってみな~い。みんなで、お料理教室」

「あっ、楽しそうだね、殿。お料理教室しようよ、みんな」

 

目を輝かせる、メンバーに、告げるカイト。さらに目を煌めかせながら

 

「楽しそ~、やろ~よっカイトのアニキ~。ピコきゅん、ハンバーグ作ろ~」

「アニキ様のお料理教室です~、Mikiちゃん。お願いします、かむさ~ん」

 

素敵な休日、Custom(カスタム)計画。我ながら、自惚れながら、どう、この素敵な発案。焼き台に、寄って来ながら

 

「ハンバーグ、作ってみた~いっ、ぽ父さん」

「おいしいはんばーぐ、ツクッテミタイデス~」

 

手を繋いで、その場で踊る、いろは、オリバー。無邪気な反応、ありがとう

 

「わあ~、たのしみがふえるね、リュウト君」

「はんばーぐ、おしえてください、かいとさま」

 

お願いポーズで跳ねる、ユキ、しっかりお辞儀、リュウト。かわいい反応、ありがとう

 

「作るの楽しみ~、アニキ流ハンバーグ。でも今は、早く食べさせて~、カイに~ぃ」

「食欲暴走するってば、おにぃ。ウチも食べたい、お好みっ。もち、明日のハンバーグも~」

 

ミク、リリ、お好みおねだり。よしよし

 

「切っておくから、紅ショウガ、キムチ、マヨはお好みでなIA。キムチ、ニンニク入ってないヤツだから、安心して食べて欲しいじゃな~い」

「あら~ぁ、美味しそうね、神威君。キムチで頂くわあ」

 

メンバー、食欲が暴走し始めたな。イイぞ~、勢い良く食べようじゃない。俺ら歌い手。ニンニク臭はまずい

 

「切り分けるから、好きに取って食べろ~おまえ達~」

「「「「「「「「「「あざっす兄さん」」」」」」」」」」

 

群がる群がる。ハイエナ状態。おい、子供達の分。ああ、はじめに、リリテルが分けてる。さすがじゃない、若夫婦

 

「あとは、豚肉をのせて、ひっくりか~え~すっ」

「カイに~さんもうま~い」

「殿もいったけど、コツだよ、いろはちゃん」

 

いろは、香りを楽しんでるじゃない。ハナが動いてる

 

「カ~イト、おくちあけて。たべさせてあげる」

 

スプーンでポテサラ、差し出すメイコ。幸せカイト。しかしさすがだな。おいしいニオイ、してるじゃない

 

「よ~し、コッチもできたよ~。天かすもあるからお好みでね」

 

三枚の大お好みを、切り分けながらカイト

 

「がっく~ん」

「カイト」

 

リンとメイコが寄って来てくれる

 

「アタシも手伝う、手伝いながら食べる」

「食べさせてあげる、がっくんあ~ん」

「カイトもあ~ん」

 

俺、直後の意識が負傷退場、幸せすぎて。気がついたら、お好み頬張ってた。後で訊いたらカイトも同じだったじゃない




恋人でなくても出来ること

仲良く仲良く、じゃれましょう

仲良しでも出来ること

でも、慎むのは紫の彼
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