恋人に祝福を
恋の神様ヒマツブシ
二次会の幕が開く
午後六時半
気の利いたことに、浴場も二つ。さすがメイコ。しっかり見て決めてる。男女分けて、入浴。今全員が風呂上がり。身支度を調えるのはお嬢の方が時間かかる。先に集まる、男組
「いやぁ、いいねぇ、キッチンスペース。オーブンにレンジも完備」
「調理しやすげ、明日はパイ焼こうじゃない。勇馬リクのポテトパイ」
「っす、ガクサン、アザッス」
このキッチンの配置はイイじゃない。みんなと離れず料理が出来る。作った料理は、すぐにみんなが食べられる。キッチンの後ろにリビング。カイトと、調理器具を取り出して置く
「そろそろはじめる~ぅ、に~さ~ん」
観ると吹き抜けから、IAが覗き込んで訊いてくる。落ちるんじゃないぞ~
「身支度整ったら、降りといで~」
「今いくよ~がっく~ん」
IAの隣に、リンもいた。早く降りてきて~なんて思っちゃう
「嬉しそうな顔した、がく兄。リンのコト、そんなに好きなんだ~」
「そういう事。お前は、レン。ルカ、ミクの声、聞こえたら嬉しくならない、大好きな人の声」
言ってみたら、真っ赤になっちゃった、レン
「お、おれ今、照れちゃう。二人に、どんな顔して会おう」
「へへへ、どんな顔もね~んじゃね、レン。いっつも通り甘やかされに行けばいい。ってヤツっす」
まあ、そうなるじゃない。今はまだ、好きなだけ甘やかされればイイ。でも
「茶化さない、勇馬。いいぞ~レン、その純粋っ子な反応。照れるかも、でも距離置かない。いつも通り、そして、いつも以上に。積極的に話そうじゃない、二人とさ」
「ああ、殿がレンを同室にしたのって『保護』だけじゃないんだ。もしかして恋愛教室、テル先生も講師役でさ」
「『神威恋愛道場』ですね~、かむさ~ん。キヨテル先生の『恋愛講座』です~ぅ」
さすがじゃない、カイトも気付いた。ははは、恋愛道場って、ピコ
「俺が教えられるワケけない。15歳と、手探りで、バカみたいな恋物語演じるのに、精一杯。ま、ほんの少し助言程度の事を言っただけ。博識のキヨテル先生と指導じゃない」
「レンさんのお心も、まだ浮き足だっておられたようですので。年長者のお節介(おせっかい)ですよ」
世話を焼いてあげたくなる、可愛い弟、レン
「うん、まだふわふわ。保護してくれて良かった、ちょっと危なかった」
「ひぇひぇひぇ。二人の姉がショタをくっ―」
レン、頬を染めながら、心情吐露。何か良からぬ事をホザコウとした重音。来るなり風呂上がり、眼鏡をしてないテルと目が合い逃げていく(笑い)
「アネキどしたの、ああ、そういう事ね。お疲れ、先生、神威君。ふふ、レン、男二人に、男の子が何教わったのか・し・ら」
「がっく~ん、お手伝いする~」
「ゎたしも、カイトのに~さ~ん」
ありがとう、カワイイの。リン風呂上がり、頬紅潮。ちょっと色っぽいじゃない。徐々に集まりはじめる、お嬢組
「にゃ~~、す~ら~たんめん食べた~い」
「おかしタノシミデス~」
天使仲良し。いろはとオリバーも来た。お手々繋いで、仲良しこよし。よし、酸辣湯、スープの素は作ってきたから
「温め直してあげて、カイト、スープ。メイコ、年寄りのお節介焼きじゃない」
「麺も茹でてあげる、いろはちゃん。め~ちゃん、殿と先生がね、落ち着かせてくれたみたい、レンの心」
作業に掛かる、俺、カイト
「私達も、甘い物、並べましょう、リリィさん」
「だねっセンセ」
「「おてつだいしま~す」」
リリテル、甘味並べ開始、お利口のリュウとユキもやって来た。ケーキだのアイスを、冷蔵庫から取り出す
「ぁ、ぉ菓子運び、ゎたしがするよ~ぅ。先生はぉ茶煎れて~」
「ナイス、IA。そ~だ、センセにはお茶煎れてもらわね~とぉ」
IA、テルに待ったをかける。そうじゃない、テルが一番上手。お茶煎れるの。コーヒーメーカー、持ってきてるじゃない。紅茶器具も
「承ります、特上のお茶を煎れなくてはなりませんね」
コーヒー豆を、手にするテル。今日は凝ったお茶、煎れても茶器はプラコップ。シュールじゃない
「買ってきた菓子類は、粗方並べておいたでゴザルよ。カセットWho(カセットコンロ)も設置済みでゴザル」
アル、乾き物系のお菓子並べ。冷たい甘味に、あったか麺。贅沢混交じゃない
「レ~ン君、スナック持ってきたよ~。あ、オデコか~わいい」
「う、うん、ミク姉。ちょっと考えてね」
ミク、袋を両手にやって来る。さっきヘアピンで、髪を上げてたレン。公演時の、リンの前髪真似たっぽい。ただ、双子ちゃんだけど、やっぱり『リン』っぽくは成らない。ふふ、照れてる照れてる、レン可愛い
「何、手伝おっか、がっくん」
「小ネギ買ってあるからさ、刻んで欲しいじゃない、リン」
リン本人がお手伝い、してくれる。ありがとう、その間に、味噌作っちゃおう。麺の肉味噌、重音が買ってた、豚様挽肉。いろはのリク、酸辣湯の肉味噌作り。トッピング用
「うっわ、殿、魚のカマ、冷蔵庫に置いてある」
それはビックリ、誰、それ買ったの。ま~ぁおそらく、桃色のあの子。しかし
「立派なカマじゃない。魚は鰤(ぶり)か、コレ。オーブンで塩焼きだな」
輪切りのレモンを添えておけば、お好みでイイ。カマの塩焼き、女王陛下のおつまみにもなるんじゃない
「イイお風呂だった~。お部屋もオシャレでイイ感じ~」
Miki、まだ水気の残る髪、タオルで拭いながら来た
「Mikiちゃ~ん、ダメですよ~ぅ。しっかりお手入れしないと、傷んじゃいますぅ」
言って、Mikiの手を引いて、席に着かせて。ドライヤーで、髪を乾かしにかかる、ピコ。Night(ナイト)をする男の娘
「失礼しますわ~。あれだけ騒ぎましたのに、またお腹が空く香りがいたしますの~」
「鰤のカマ、お前なんじゃない、ルカ。いつの間に仕入れた」
カマにカマかけて訊いてみた
「ふふ、そうですの。兄様と神威さんがいちゃいちゃしている間に、ですわ」
やっぱりそうじゃない。というか、別にいちゃついていない。あ、重音が戻って来た
「はい、がっくん、ねぎ~」
「お利口さ~ん。さて、味噌と和えながら、軽く炒めて」
中華鍋に、フライパンシートで充分。油をひかない、この工夫だけでも、カロリーが抑えられるじゃない。さっと炒めるだけでいい。スープかければ、肉にも熱がはいる
「イイにおい~、ネギとお肉。がっくんのお味噌で和えると~」
「リンが上手に刻んでくれたじゃな~い。リン、ついでにトッピング用のねぎ刻んで~」
「おっけ~」
リンと並んで調理。恋人に、夫婦に成れなくったってイイじゃない。俺は耐える、リンも耐えてる。辛さを幸せに変えながら。小気味よく、葱を刻んでくれる、リン
「おのろけ~」
「いちゃついてるぜぇ~ん」
「なんかいい雰囲気~」
「夫婦の呼吸~」
リビングスペースから、メンバーの声が聞こえるじゃない。ある程度誰だか解った。けど、解んない、誰が『夫婦』って言ったのか
「ごめ~ん、それは言わないで~。成れてないんだから、わたし。恋人にさえ成れないもん」
リビングの方を向いて、切なげな大声を張る、リン。罪、これは俺の罪。純粋少女に恋してる、汚れた大人の罪業だ。やや声に詰まるメンバー。出来上がった肉味噌を、皿に移しながら思う。リン、悲しい顔をしないで、と
「リ~ン、気にしない。楽しもうじゃない、これからの宴をさ。よいしょ」
「がっくんっ」
これができるのは、今がギリギリ。もう少しリンが育ったら、きっと出来ない、片手抱っこ。肉味噌右手、リン左手、頭を撫でて、抱き上げる。俺、両利き。ペンは右。箸はどっちでも。鍋振る、ボール投げる、打席は左
「ありがと、がっくん大好き」
「俺も、リン。ありがとう」
言って、しがみついてくる、小さな身体。全力でも優しい力、それ程に小さな身体。まぁ、俺が馬鹿でかいだけじゃない。その、リンの感触が変わっていく。子供の細身でない、大人の『ふくよか』さが現れ始めてる。重音、お前が言う『俺』なら、きっと喜べないんじゃない。俺は嬉しい、この『子』は『大人』に成っていく
「ま~ぁ、お熱くて、羨ましいですわ~あ」
「レ~ン君にもして欲しいな~ぁ、お姫様抱っこ~」
ははは、早速振り回されてるな、レン
「さ、さあみんな、乾杯しよ~う。おれ、いちごオレ。ル、カ姉、ミ、ミク姉何飲む。おれ注いであげるから、座って、座ってっ」
イイじゃない、レン、ホスト役。誤魔化しも入ってたけど、姉二人、感激してる
「あっはは、レン、勇気出したね~。これも殿とテル先生の『恋愛教室』があったおかげかな。麺も茹であがったよ~」
テーブルの上、スナック、チョコ類、ビスケット。アイスに、パイに、レアチーズ。チーカマ、カニカマ、鰤のかま。漬け物類に、ナッツ類。缶詰類に、つまみ類。並ぶコップに飲み物に、温め直した惣菜の残り各種。朝炒った、カボチャの種、セルフ酸辣湯麺
「うふふ、レンのお祝いもしなきゃねぇ。ルカミクとお付き合い。驚きの展開よね、さ~あ始めるわよ第二弾」
「すでに第四弾くらいの感じじゃな~い。ほら、いろは、酸辣湯麺の肉味噌。リン、俺の隣でイイ、座る場所」
「じゃなきゃヤダ~、がっくん」
セルフラーメン。丼は小さなプラ丼、小盛りで、イロイロ食べられるように。リンを、イスに降ろしてあげる
「細かいこと言わな~い、か・む・い君っ」
「ありがと、ぽ~に~さん。にゃあ、美味しそ~」
全員寝間着で。メイコは上質な生地のネグリジェ。カイト、レンはシャツとハーフパンツ。ミク、ルカはナイトドレス。俺とリンは、甚平。アルは浴衣。テルとリリィは、揃いの浴衣。子供組はおそろいのパジャマ。ピコとMikiは相変わらず揃い、色違いのワンピース。カルはキャミソールにショートパンツ。めぐと勇馬、寝間着もジャージじゃない。IAはふわふわの、フリル付きパジャマ
「ぉ飲み物、ゎたし、ぅ~ろん茶にし~よぅ~ぅ」
IA、ノリノリ。ペットボトルの、烏龍注ぐ
「お茶も入りました、どうぞお好きなモノを。後でリクエストがあれば、また煎れて差し上げますので」
「ウチ、センセのブレンドコーヒーにする~」
テルとリリィは、これからスイーツタイム、甘々と
「ブラッディーマリーにするぜ~」
赤いからじゃない、重音の選択。正しくはウォッカだけど、焼酎にトマトジュース、Worcestershire Sauce(ウスターソース)を注ぐ。日本っぽく、ブラッディー『まり』って感じ。いるじゃない、スタッフの中にも『まり』って名前の子。バレンタインに義理チョコくれた子
「ユキ、リンゴのこうちゃ。リュウくんは~」
「ほうじちゃにします」
仲良くお茶ップル。リュウトとユキの子供ップル
「うめジュース」
「オレンジジューチュ」
しかし、梅ジュースのいろは。食べ物の好みといい、飲み物といい。あの子、酒飲みの素質が半端じゃない。将来メイコ化か。甘々オリバー
「オレ、コーラにすっす。メグサン、何っすか」
「わたし、キャロットジュース~」
「めぐ姉、わたしもそれで~」
「おそろいね、リ~ンちゃん」
仲良し姉妹は一緒の飲み物、めぐとリン、注ぎ合って、笑み合う。勇馬選ぶは、糖質零のCoke(コーラ)
「かる、ぷりんしぇいくにする」
そんなの売ってたのか、カルよ。よく見つけるじゃない
「ぼく、アイスシャ~ベットにします~」
「ピコきゅ~ん、うっちも~」
仲良し二人、こっちもお揃い。似た名前じゃない、ピコと、この飲み物アイス。パキッと割る、ピコ
「今度は、焼酎ロックいこ。神威君は何いく」
「同じので、女王陛下」
地元、越後の米焼酎。宜しくあるべし。注いで下さる、女王陛下
「オレ、抹茶リキュールにバニラアイスの~せる」
「甘すぎですの~、カイト兄様」
甘すぎるじゃない、マブダチ。取り過ぎ注意、甘い物
「おいし~よ、ルカは、え、ウヰスキー」
「Whiskey(ウイスキー)レモンティーで極薄に割ってます。おいしいですの」
「拙者梅酒デ」
斯く斯く然々(かくかくしかじか)飲み物が満たされる。なんだかんだでテンション上がる。結局俺も楽しいじゃない
「はじめようか、殿」
「じゃない、カイト」
「今晩の発声は~Mikiちゃん」
「「「「「「「「「「や~」」」」」」」」」」
女王様に、命ぜられたる、女子高生。やや照れながら
「それじゃ~、みんな、はじめよ~」
ピコと二等分したシャーベット掲げながら
「楽しい一日をありがとう。アニキ達に、無限大の感謝をこめてっ」
「「「「「「「「「「かんぱ~い」」」」」」」」」」
午後七時二次会(名目上)開始。休日らしく、みんなでど派手に、騒いじゃおうじゃな~い
お祝いをはじめる
仲良し達のお祝い
まだ成れていないけど
恋人に成れていないけど