きっとそれはヒマツブシ
恋神様がする
悪戯のヒマツブシ
「一度だけ、この『PROJECTに来て』からぶち切れた事がある。それ、やっぱりリンがらみの事だった。アレも、言われたら反則だったじゃない。元、とは言え、格闘家だった俺が、ぶん殴った」
「え、殿、ゲンコツ沙汰おこしたの」
「そう、カイト。あまりにも頭にきた」
驚くカイト
「覚えてる、俺とリン、初めて公式に歌った歌。その次に歌った歌でも、暫くそんな目で見られてたじゃない」
「あ、うち、まだその時メンバー加わってなかった。世間の弾幕それだったよね、アニキ。おっかけだったうちは、そんな風に見えなかったけど。ちょっとだけは、裏舞台とか知ってたし」
そっか、Miki、そうか、まだ本当にはじめの頃じゃない、歌ったの
「実際、主(ぬし)達の悪ノリで歌わせたって話。何処までも悪ふざけだったらしい。ふざけるんじゃないって感じ。あの歌、吉原設定のアレ」
俺、実は今でも好ましくない。大切な人を、売り買いなんざしたくない。大体『買う』ってなんだ『買う』って。物じゃないんだぞ、どの前時代だ、大馬鹿タレ。あの子じゃあ『オマケできない』の歌じゃあるまいし
「10歳の女の子に歌わせるか、コレを、この設定で。ミクとリンで歌った時でさえ思ったじゃない。しかも、今度は俺と、やたら設定盛って。何考えてる。その挙げ句、俺を重音が言うような人間に見せるか。そう思ったら、腹が立った。限界超えた」
しかし、あれだけ怒れるって、俺もまだ若かったじゃない。今はあんなEnergy(エナジー)無いな
「それ以上にさ、リンが傷ついてるの、観て、込み上げた。もの凄い、怒りの衝動。リンから、一部始終聞いてさ。主達が、酒飲んで、勝手に盛り上げって、フザケタことで盛り上げってる処」
「たまたまね、喉が渇いて、一階に降りたの。プロデューサーさん達の声が聞こえてね。見つからないように、覗いたんだ」
あの夜、ココアを手に、俺の部屋で泣きながら告げてきたこと。今はリン、ビスケット囓り(かじり)微笑みながら思い出す
「そしたらね、わたしとがっくん、歌わせようって。嬉しくなった~。でもね、すぐ後に『反則くさいな~』って。笑いながらね『ああ、がくさまとか、リンが言ってさ~』なんて言われちゃって」
「『リン、愛らしいなとか、がくが言うんだぜぇ、あのリンに』とかフザケタらしい『どうでぇ、この危険臭。ひゃっはははは』なんて、俺の主、言ったらしい」
人を肴にして、ふざけるんじゃない。それでどれだけ、リンが傷ついたと思ってる
「コレハマタ、Delicacy(デリカシー)に欠ける言動でゴザルナ。その場に、当人が居たと、知りモウサンにしても、でゴザル」
「私も同一の感情をい抱きます。これは友人に相談いたしましょうか『法』に明るい、友人に」
苦い顔、アル。テル、声のトーンが下がる。そんなこと言われれば、誰でも頭に来るんじゃない。まして
「大切に思ってる妹、あの日はまだ妹の一人だった。目の前で泣いている、心無い言葉に傷つけられて。ただ純粋に、俺と歌いたがってる妹がさ。汚れた大人の口汚ぇ、イカレタ妄想に『疵付けられて、汚されて』おい、覚悟しろよテメエ等って」
「神威君、か・む・い・くんっ。○気(さっき)抑えてっ。みんなドン引いてるわよっ」
「くっ、口調変わってるよ、殿っ」
ん、ああ済まない。思わず『リングに上がってた時』状態になるトコロだった
「『思い出して、怒り』そうになったじゃない。ありがとな、メイコ。カイト」
それくらいには、気に障る出来事だったのか。周りにPressure(プレッシャー)まで与えてたか、申し訳無い
「怒りの沸点、振り切った。リンを送った後、超ナントカ人状態で乗り込んだ」
あの夜は、後の事なぞ考えない。思考が『ぶっ飛ばそう』しか無くなるくらい、腹の中身がマグマの状態だった
「大暴れした、主には悪いけど。ボッコボコにした。まぁ、悪い事したけどさ、主達も思ったんじゃない『悪かった』って。俺、翌日、頭下げに行った。その時言われた『すまなかった』って『不問に伏すから』って」
「当たり前だよ、あんなヒドイこと、言ったのプロさんなんだからっ」
リン、理不尽でも、そうじゃあナイ
「リン、覚えておいて。どれだけ理不尽でも、拳骨はダメなの。俺みたいな、一応でもプロの格闘家だった人間が、拳を振るったら。武器持って、襲いかかるのと同じなの。覚えておいて、もうリン、レンの歳になったら、拳骨沙汰は『反則』になる。例えどんなに腹立っても、じゃない」
その反則拳骨を振るった当人。人の事、言えた話じゃない
「だから、この件、テルのお友達に言われたら、俺悪者決定。と、言って、主達も落ち度があるから、ヘタに動けない」
リンがその気になったら、主連中が悪者確定。その昔の『心の傷』子供に負わせた、わ~るい(悪い)大人として
「痛み分けって所じゃない。でも、ある意味では感謝。そこから、俺リン、合唱増えたから」
感謝しなきゃならない
「俺、リンと歌うときが一番。それこそ、レコーディング前日から浮き足立ってさ。もう、楽しみでしょうがなかった。当日、何度やり直し、命ぜられてもさ、演じ直し食らってもさ。何も苦痛じゃない。リンと二人の時だけは。皆には申し訳無いけど、本音」
「ぅふふふ、わたしもお~んなじ(同じ)がっくんと歌うの、楽しみで、歌ったら楽しくって。プロさん達もね、目、まん丸『がく、と』『リンがね~』って」
公式には初めて。でも、本当の『初めて』はあの日『はじまりのあの日』
「『この世に奇跡は無い』誰の言葉じゃない。けどさ、俺とリン。歳もタイプも、何もかも。生きてきたその総てが違うのに。何故か出会って、どういうワケだか気が合って。何故だか知らない、惹かれ合う。これ、奇跡だとしか思えない。恋の神様が、悪戯してるんじゃない。ヒマツブシに」
神様も仏様も、俺は信じてる。ロクに信じてない方に多く居る、何だっけ。ああ『この世には、神も仏も居ない』とか言う人か。はは、あったりまえ(当たり前)じゃない。だって、神様は天国。仏様は浄土にいらっしゃる。この世にいるわけが無いじゃな~い。ははははは
「ヒマツブシだからこそ、さ、爆誕するじゃない。テルリリも、ミクレンルカのSandwich(サンドウィッチ)も。あり得ないんじゃない、このCoupling(カップリング)って」
「かみさまのひまつぶし、かるにもわかる。あにさまの考え、なんだかわかる。かみさまちゅ~」
「ええ~、何だかヤだな~ぁ。ヒマツブシで、がっくんと両想いって。わたしは不満~」
「ははは、あったね、殿。オレ達が、もう少し若いときにさ、そんな歌~」
カルの不思議な感性で読み取ったか、俺の気持ち。リン、イイじゃない、ヒマツブシだってさ
「カイトも覚えてたか、良い曲じゃない、あの歌。リン、ヒマツブシだってさ、俺は嬉しい。だって、誰より愛しい、キミと出会えたんだから。あの歌、前に聴いてくれたじゃない。カラオケ大会で、俺が歌った、ヒマツブシ」
「あ、あの歌か~。アレ、良い曲だよね~」
思い至って、笑顔になる、可愛いリン
「あんな感じ、今の俺とリン。キミのコト、考えて、胸が苦しい。恋人同士に成れなくって、切ない。でも、キミと一緒で楽しい。キミと過ごしてるだけで、あっという間に日が暮れる。今日みたいにさ」
俺達の恋は『叶えよう』じゃない。リンと二人、乗り越えて
「でもお手々の上で、踊らされちゃう響きです~。Mikiちゃんと出会えたの、ヒマツブシですか~ぁ」
「そんごくうさまも、てのゆびでした」
「ピ~コ~、気の持ちよ~う。踊るなら、いっそコッチから楽しく踊ろうじゃない。リュウ、それはお釈迦様の手のひらだ」
お、ピコ、甘々Mode(モード)じゃない。Mikiの肩に顎載せ、ほっぺ併せ。Mikiご機嫌でほっぺた、もちもち。リュウ、釈迦牟尼世尊は神様じゃあない、仏様
「そぉ~、うちは悪くないけどな~ピコきゅん。だ~いすきなピコ君と出会えてさ。大好きな歌、歌って、み~んなと暮らせてさ~」
「Dance(ダンス)を踊るなら華麗に、Step(ステップ)を踏むなら楽しんで。Programme(演目・プログラム)は自分好みに、ですね、神威さん」
解ってるなぁ、桃色二人。Mikiとルカ、ああ、この二人も多少、姉妹艦。もとい、姉妹感、あるじゃない
「お、おれ~」
ん、レン、控えめに右手を挙げて
「神様仏様、難しくて解んないケド―」
少々の照れと、そこはかとなく上目遣い。カワイイじゃない、俺の弟筆頭。で、次の言葉で
「ルカ姉、ミク姉の手の上で、遊ばれてる気がする」
正論、か。いや、どうか。まあ、百合姉妹の目が煌めいて
「きぃや~~~~~ぁ」
ルカミクで、レンのおでこにちゅ~しに行く二人。弄んでる、心底楽しんでる、あの二人。悲鳴を上げるレン、照れっ照れ。もがいても逃げられない。力付いてきてるけど、姉二人よりまだ小柄、抵抗不能
「ぬけけけけ~ん、こいつはいい画になってるぜ~ぃん」
「レンレンルカルカ、ミクミック。三人お似合い愛」
ちゃっかり撮影に加わる重音、お前ソレ流すんじゃないぞ。動画サイトとか、ネタ動画とかに。カル(我が妹)よ、目の星が赤い機体の倍数
「ひまつぶしでもいいな~ぁ。あたし、オリバー君と恋人~」
「し、しあわせ、です。Amen」
積極的にピーアール、いろは、手を繋ぐ。オリバーは、まだ恥ずかしいんじゃない。でも、悪い事じゃないんだ
「もっと堂々、胸を張るでゴザル、オリバー殿下」
「そうそう、オレ達メンバーしか居ないんだしさ」
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「ないすふぉろ~、カイアルアニキ~」
「まずゎ今までみたいに、仲よくすればいいよ~ぅ」
「そっ、うちとピコきゅんみたいにね~」
Mikiが全員の気持ちを言うじゃない。IAもイイ事言って、Miki、ピコといちゃいちゃ再開
興が乗る
宴になる
開宴する
次回大会