Re:CREATORS 〜白夜叉、創造主の世界へ〜   作:平山雑賀

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ネイキッドを買って読破した後に投稿。
下巻はよ、はよ。


第八訓 ご飯はよく噛んで食べましょう!

「私は昨日一晩かけて『追憶のアヴァルケン』をプレイした。 クリアまで」

 

その言葉に一同は驚愕した。

 

「マジで?」

「一晩でですか、メテオラさん?!」

「私には無理。 自分が出てる作品を見るなんて……」

 

メテオラは皆の反応に苦笑する。

 

「自分の与り知らぬ所で戯画化された私を見るのは、どうにも面映ゆいもの感じるが」

「既に鬼籍となった彼の思考を追いかけるのであれば、彼の創った作品を、彼が遊んで欲しかった様に追体験する事が恐らく、最も近道であると思ったから。 だから私は、傍観者として一度自分の世界へ戻った」

「それで、どうだったんだ?」

 

銀時の問いにメテオラは、

 

「ゲームは、とても面白かった」

 

その表情は、もの静かな憂いを秘めた普段ものと違い、温かな日のような笑顔であった。

それを見て銀時も「そうか」と言い笑う。

 

「それだけ?」

「それだけで十分。彼はとても繊細に、とても思慮深く、世界を作っていた。 そこにある多くの者達の人生を、見えない所まで、細やかに気配りしている逃れ感じられた」

「私は多くの複製された『アヴァルケン』の中で、永劫の輪廻を繰り返す。 そのゲームを遊ぶ人がいる限り、私は勇者にザルカザンの秘法を伝授し続けるだろう。 滅びゆこうとする世界を救う為に、永遠に」

 

そして、

 

「私は考えた。 その永劫を知った今、私は私の世界と役割を受け入れられるか。 その世界を創った者を受け入れられるか」

 

手に持つゲーム『追憶のアヴァルケン』を胸に抱き、笑みを浮かべるメテオラ。

 

「胸を張って言おう。 私は、受け入れられる」

「私は自らの役割を永劫に務めよう。 自分の世界を離れ、改めて観測者として自らの世界を俯瞰して、信じるに能う価値があったと確信できる」

「それがただの遊興であったとしても、私の『創造主』が私の世界に込めて託したものは変わらない」

「彼は確かに私の世界を愛していた。 その世界を外側から愉しむ者達も、同じく愛していた。 ならば私は、彼の愛したものを守りたい」

 

メテオラの独自を聞いて銀時達は顔を上げて頷き、彼女もまた頷き返した。

 

「私は決めた。 私の『創造主』がこの世界を愛していたのなら、私は世界を守る。 それが『彼女』か、他の何かの意図に囚われていたとしても、世界の衝突を防ぎその全てを欺くある所へ戻す」

 

メテオラは決意に満ちた表情を皆に見せ、

「私が『アヴァルケン』で、滅びゆく世界を繋ぎ止めたようとした様に」

 

○ ○ ○ ○

 

メテオラの独白が終わり、最初に口を開いたのはセレジアだった。

彼女もまた新たに決意を固めており、

 

「メテオラ、貴女の世界の勇者の代わりになれるか解らないけど、全力で協力するわ。 私は帰らなきゃいけないもの、カロンや皆が待ってる世界にね」

「俺も同じだぜ、メテオラ」

 

次に応えたのは銀時である。

 

「俺の世界には、俺の意思を継いでる奴等がいっけど、主人公様がいなきゃ話が盛り上がらねぇからな」

 

それに、

 

「てめぇで方を付けなきゃいけね事もある。 だからよメテオラ、万事屋の坂田銀時としてその難題、一緒に解決してやるぜ。 それで三日月、お前はどうすんだ?」

「ふむ、そうだな……」

 

湯呑みを口にし三日月は語った。

 

「俺のいた世界、物語には過去へと遡り歴史を自分達の都合のいいものに変えようとする"歴史修正主義者"と言う連中がいてな。 それに唯一対抗できるのが俺達、刀剣の付喪神である"刀剣男士"だった」

「俺はジジイなので長い生きしてるからな。 過去へと赴き、仲間達と戦いながら多くのものを見てきた」

 

眼を瞑り、過去の経験を思い馳せる三日月。

 

「夢を抱き、大志を掲げながらも叶えず倒れた者。 多くの者に畏怖されながらも、呆気ない最期を迎えた者。

己の理想とはかけ離れた場所に立ちながらも、人の為、世の為に奮闘した者」

「誰もが己の生を、今と言う刹那を駆ける姿を、俺達はこの眼で見てきた」

 

三日月は眼を開き、メテオラに顔を向ける。

 

「だからこそ俺は、俺達"刀剣男士"は、刹那を駆けた(生きた)者達の命を守りたいと誓ったのだ」

「例えこの戦いが享楽の物語の一つだとしても、終わりの無いものだとしても」

「故にメテオラ、この三日月宗近も共に戦おう。 この世界に生きる者達の刹那()を、俺にも守らせてほしい」

 

深々と頭を下げる三日月にメテオラは頷く。

 

「感謝する、三日月殿」

「はっはっはっ、三日月で構わんよ」

 

そしてメテオラは皆の顔を見回しながら、

 

「セレジア、銀時、三日月、貴方達が元の世界へ戻れるよう、私は全力を尽くす。 そして松原殿に、まりね、貴方達に改めてお願いしたい。 私の見解では恐らく、最終的には『創造主』の力が必要だと考えられてる」

 

松原は首裏を掻きつつ、ため息混じりに答える。

 

「まぁ、セレジアが帰れなくなったら、俺は彼女抜きで話を書かなきゃいけねぇからな。 そんな面倒は嫌だから、協力するぜ」

「私も、出来る事は少ないと思いますが、皆さんの為に頑張ります」

 

メテオラの手を両手で包むように握るまりね。

そんな光景を微笑ましく見る銀時は口を開いた。

 

「それで、これからどうすんだ? その……軍服の女を探すのか?」

「いや、今現状において最優先にすべきは……」

その時、誰かの腹の虫が鳴り出す。

 

「まずは、腹ごしらえだな。 出前でいいか?」

 

松原は笑いを押さえつつ携帯電話を手にとった。

 

○ ○ ○ ○

 

光源の少ない廃墟。 そこに2つの影が映える。

一つは黒いコートを羽織った少し大柄の男性。

もう一つは対象的に細く背の低い、顔にマスクを付けた白髪の少年であった。

 

「すみませんブリッツさん、こんな泥棒みたいな真似をさせてしまって」

「なに、軍服の少女(彼女)に君の食事の件について頼まれてたまでの話だよ」

 

ブリッツと呼ばれる大柄の男は、少年に白い布で覆われたものを手渡す。

 

「大学病院の解剖室からくすねたモノ(・・)だ。 今はそれを大事に食べたまえ」

「……はい」

 

少年はそれを手にその場を去ると、ブリッツは少し離れた柱の影を横目で見る。

 

「騎士様か、なんのご用かね?」

「なに、先程までいた人喰い鬼の半人を警戒していたまでの話だ」

 

その影から現れたのは金糸の髪を後ろに束ねた女性騎士、アリステリアだった。

 

「あまりそう酷い事を言わないで貰いたいな。 彼もまた、私達同様に『創造主』の手でイタズラに描かれた登場人物なのだから」

 

軍服の少女に、ブリッツは少年の事情を聞かされていた。

 

金木研。 漫画『東京喰種(トウキョウグール)』の主人公。

普通の人間だった彼は、人の姿をした人を喰らう化物『喰種(グール)』に遭遇してしまい、その都合で起きた事故により大怪我を負う。

その際に失った臓器の代わりに喰種の臓器を移植され、彼は『半喰種』となってしまった。

人肉しか食べられない絶望と、人間を襲いたくなる衝動に恐怖する金木は、人間社会に溶け込み暮らす喰種に救われる。

そこで彼は人を襲わずに生きる喰種達の姿を見て、少しづつ成長していく。

しかし、漸く手にした平穏な日常は、喰種撲滅唱える機関『CCG』と、災厄に等しい喰種チーム『アオギリ』によって壊滅する。

 

人間と喰種。 2つの価値観を持つ金木研は葛藤しながらも己が信念を貫いたが……。

 

「彼程、自分の世界を恨み、呪った人間はいない。 彼はこの世界を壊し続けるだろう……、自分の身も含めてな」

「悪いが、貴様と問答を交わすつもりは無い。 私は一刻も早く己の世界へと戻り、祖国を救済せねばならんのだからな」

 

アリステリアがその場を去ると、ブリッツは上を向き自分のいた世界を思い出す。

 

「生まれた世界と『創造主()』が違えども、最近の若者はせっかち過ぎると私は思うよ、カンナギ」

 

 

 

 




また新キャラを出す予定で考えてますが、誰を出すかはまだ完全に決まってません。
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