一色隊。ただいま防衛任務中。
「お兄ちゃん遅いですね~」
「あ、八幡は国語の教師に呼び出されてたって綾辻から聞いたよ~」
「呼び出し!? お兄ちゃん何やらかしたんですかっ!?」
やらかした前提。八幡信頼無いな~。
いや、逆に信頼されてるのか。呼び出し=やらかしたと。
「作文がどうのこうの~って言ってたな。いろはは何か聞いてない?」
『…………私何も聞いてないんですけど』
声低っ!
後でいろはに問い詰められるであろう八幡。
君の犠牲は無駄にしないよ。南無南無。
「まあ、大方作文の書き直しだと思うよ。あんな内容の作文を教師に提出するなんて勇者だよね~」
「どんな内容だったんですか?」
「簡単にいうとリア充爆発しろ~的な感じ」
「お兄ちゃん……」
後は俺への悪口。他校の生徒へ向けた不満を書くってどうなんだろうね。
しかも俺が見てる横で書いてたしね。書かれても改善する気は無いけど。
「くれはさん、海浜高校ってどんな感じですか?」
「どんな感じ? 普通だよ? クラスに出水と米屋がいて、1年棟にいる烏丸に小南と迅さんが居ない日を聞きながら訓練の約束取り付けて、3年棟からランク戦をしろと言いに来るカゲさんから逃げる感じ~」
「影浦先輩や小南先輩からは相変わらず逃げるんですね……」
「野生的戦闘を行う人達は俺との戦いでフラストレーションが溜まるのにもう一回だって言うからね。無限ループだよ無限ループ」
特にポイントを越されたって小南がうるさい。じゃあ本部に来てランク戦しなさいよ。
迅さんはあれ、苦手なんだよね。人間的に。
って言うと本人が傷つくから遠まわしに伝えてる。それはそれで傷付くと言われた。
難しいなぁもう。
「海浜か総武か……う~ん」
「進路選択かな? しっかり悩め受験生!」
「くれはさんは就職ですか?」
「うん。唯我財閥の代表取締役に相談役にならないかって言われてるからね」
ボーダーの一番のスポンサーである唯我財閥が一時的に危機的状況に陥りかけた時があった。
一番のスポンサーが消えるのはボーダーとしても問題なため、サイドエフェクトフル活用して打開策を考えて説明した所上手く行ったらしく、唯我の父親、代表取締役に気に入られてしまった。
今もちょくちょく意見を求められる事がある。ボーダーで忙しい時はメールで返信している。
気さくなんだよなぁ唯我さん。
「リッチですねくれはさん! ブルジョア!」
ブルジョアて……俺が金持ってる訳じゃ無いんだけど。
『ゲート発生! バムスター3、モールモッド2!』
「小町ちゃん、トラップは?」
「置いてありますよ!」
「んじゃよろしく」
パイパーとアステロイドをコネコネして置く。よし。
「出来た」
「スイッチボックス!」
ゲートに一番近かったトラップの上に転移する。
トリオンキューブを分割。
「コブラ」
コブラで弱点である目を打ち抜いて行く。
バムスターは弱点が大きくて倒しやすい。
それに比べてモールモッドは目が小さい。
まあ、トリオン兵は動きが単調だから予測しやすくて当てるのはそう難しくない。
目を打ち抜かれたモールモッド達はこと切れたかのように動かなくなった。
「他、まだいる?」
『今ので全部みたい』
平和だねぇ。
防衛任務終了後、遅れてやって来た八幡。
何でも生徒指導の先生に強制的に部活に入れられたんだとか。
「部活か~青春してますな~」
「はぁ? あんな女と一緒とか絶対嫌なんだけど」
「……女?」
「一色……? 表情硬いよ? てか声低いよ」
いろはは笑顔なのに般若が見える不思議。
「せんぱーい。先輩は防衛任務をサボって、女子と仲良くお喋りしてたんですか~?」
「いや、だからサボったんじゃなくて平塚先生に無理矢理だな――」
この隙に小町ちゃんと2人で作戦室から退避。
後はごゆっくり~。
しかし奉仕部とな。どんな部活なんだ。
「小町ちゃんはこれからどうする?」
「小町はこれから茜ちゃんの所に行ってガールズトークです! くれはさんも来ますか?」
ガールズトークのお誘い。いや、俺男なんだけど。
「俺は後で玉狛支部に行って烏丸と遊ぶ予定だから~」
「あー分かりました! 玲さんによろしく伝えときますね~!」
うん。うん? なんで? まあいいか。
小町ちゃんは唐突な事言いだすよね。八幡の影響かな?
面白いから良いけど。
お土産を買いつつ玉狛支部へと到着。
なんでここ川の上にあるの。
宇佐美に入れて貰った。そう言えば宇佐美って総武高校だよね。
「宇佐美さんや、つかぬ事をお聞きするが良いかね?」
「何だい一色くん。私に答えれる事ならば答えようじゃあないか」
「総武高にあると噂の奉仕部とは何ぞや?」
「……奉仕部……?」
あ、素に戻った。
どうやらご存じない様子。校内でもマイナーな部活なのかな?
「う~ん、私は聞いたことないな~。遥に聞けば分かるんじゃないかな?」
綾辻は確か生徒会らしいしな。生徒会なら校内の部活に関して把握してるか。
「一色先輩、早いですね」
「おー烏丸」
もっさっとしたイケメンが現れた。供物を捧げねば。
「はい、いつものお菓子の盛り合わせ。弟くんや妹ちゃん達に」
「いつもすいません」
「いやいや、バイトの時間減らして相手して貰ってるからね。これぐらいしないと……あ、宇佐美コレ玉狛支部に」
「お~! どら焼き! 流石分かってるね~このこの~!」
宇佐美に肘で突かれていると、部屋の奥からお菓子につられてかお子様が現れた。
「……くれはか」
「陽太郎、元気そうだな」
「こなみがだまされたとさわいでいたぞ」
「なら伝えとけ~『騙される方が悪い』」
あいつは少し疑う事を覚えた方が良い。
陽太郎の頭をポンポンした後烏丸と訓練ブースへと向かう。
本部に比べたら小さいが、そこそこの広さのある訓練スペースだ。
「一色先輩はどうして、わざわざ離れた支部まで来て俺としたがるんです?」
「理詰めで動く人間と戦うのが好きなんだよ。お前や時枝、辻みたいに自分のすべきことを確実にこなして行く奴とは特にな」
「小南先輩が戦いたがってましたよ」
「諦めが良いとなお良しだ」
あいつ全然止めようとしないんだもん。
「「トリガーオン」」
比企谷小町
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