捻くれ者の2人   作:ゆさ

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黒江双葉1

 一色隊作戦室にて、八幡に文句を言われています。

 気を利かせたつもりなのに、おかしいな。

 

「なんでシフト伝えてあるんだよ。サボれなくなったじゃねぇか。返せよ俺の休日」

「休日は学校も休みでしょ。いいじゃん非番の日大体ボーダーに来ないんだから。青春しておいでよ」

「余計なお世話だって言ってんだよ。綾辻にまで伝えやがって……何かあったら力になるから……って俺の退路塞がれてんじゃねぇか」

 

 うん。根回しはバッチリだぜ!

 

「いいじゃん才色兼備の雪ノ下建設ご令嬢と2人の部活で、ボーダーのアイドル綾辻からサポートまでして貰える。何が不満なのさ」

「綾辻は良いにしても雪ノ下は性格最悪だぞ? 犯罪者扱いしてきた上、口を開けば即罵倒だ」

 

 綾辻は良いんだ。評価高いぞ綾辻! やったね!

 しかしご令嬢、気難しい人なのかな?

 

「盛大なるツンデレって可能性は?」

「無い」

 

 即答~こりゃ大変そうだ。

 まあまあ、それはそれで青春の一ページ。

 うん? 八幡のカバンに何やら可愛いラッピングをされた物が!

 

「何だ~やっぱり青春してるじゃ――」

 

 …………何コレ? 炭……?

 

「……八幡、何コレ?」

「何勝手に人のバック漁ってんだよ。依頼解決のお礼にって貰ったんだよ」

「お礼に木炭……?」

「…………一応クッキーだ」

 

 クッキー? クッキー……クッキーの定義って何だっけ。

 

「なあこれって食べたら気絶を促される奴?」

「昨日食べた時は不味かったが、食えんことは無かったぞ」

「つまりお化け炒飯に比べたらマシと言う事か」

 

 なら大丈夫じゃん。あれ? 基準が既におかしい?

 

「んな事言ってると加古さんが来るぞ?」

「いやいや流石に作戦室までは来ないで――」

「「――!?」」

 

 作戦室前に人の気配……小町ちゃん……? それともいろは?

 でも二人なら普通に入って来る筈……まさか……

 いや、そんなまさかな事があるだろうか。入口へと向かってみる。

 そこには黒地に紫を基調とした舞台服に身を包んだ――

 

「あのー……黒江双葉です。くれは先輩は……あ」

 

 双葉が居た。

 

「双葉で良かったぁ~!」

「えぇ!? ど、どうしたんですか!?」

 

 思わずバンザイをしてしまった。いや俺は悪くない。

 怖がらせた八幡が悪い。

 そう言えば双葉との訓練の約束してたんだった。

 ふぅ~ひやひやしたぜ。

 

「じゃあ八幡、俺双葉と訓練ブースに居るから」

「おう。俺は炬燵でだらける」

「ランク戦でも行ってきなよ~」

「断る」

 

 相変わらずだなぁ。

 

「あの、くれは先輩。くれは先輩は色んな隊の作戦室にお邪魔して訓練をしてるとお聞きしたんですが、何故私の隊には来て下さらないのですか……?」

 

 なんでってそりゃ……ねぇ……

 お願いだからそんな子犬みたいな目で見ないで。

 お化け炒飯には勝てないのよ。

 

 

 

 双葉と韋駄天の練習。

 韋駄天は起動設定をした上での攻撃だからバイパーに近いものがある。

 と言っても動くのが銃弾か肉体かじゃまた変わって来るけど。

 

「ん~発動時を見られない方が良いかな~」

「発動時ですか?」

「うん。堂々とすれば対応して下さいって言ってるようなものだしね。三輪の鉛弾なんか通り道に撃たれたら動けなくなるし、エスクードなんか置かれたら勢いよく壁にぶつかる事になるからね」

 

 その場合壁ぶち破るんだろうか……いや、途中で止まるな。

 

「意識を逸らすだけでも良い。旋空放って意識がそっちに向いた時とか。まあその場合は自分の放った旋空に当たらない様にしないといけないけど……トリガーの空きはあったけ?」

「はい。一つ空いてます」

「カメレオンなんてどう? 死角に現れてそこからの韋駄天。折角弧月も背負ってる事だし忍者的な」

 

 韋駄天って奇襲向きだと思うんだよね~

 

「…………背負ってるのはその……腰に差すと引き摺るからで……」

「…………」

「む、無言で撫でないで下さい! あ、やっぱり続けて……」

 

 どっち。

 しばらく頭を撫でた後再び訓練に入る。

 シールドとスコーピオンの二刀流。

 二刀流って本来小太刀で受けて、太刀で斬る訳だから、扱いとして間違ってないと思うんだよね。

 シールドで弧月を受ける。シールドを持った拳からスコーピオンを生やす。

 双葉が後ろに下がる。距離が空くと旋空が来るか、韋駄天が来るか。

 まあ、俺の本職射手だけどね。

 

「バイパー」「旋空――」

 

 旋空か。敢えて突っ込もうか。

 

「――弧月」「グラスホッパー」

 

 シールド片手にグラスホッパーで突っ込む。

 距離を縮めればシールドで防げない事は無い。

 

「シールド!」

 

 バイパーも塞がれた……まあ、折角だし。

 

「しまっ!」

 

 もぐら爪で機動力は頂いておこう。

 となると次は韋駄天かな?

 

「エスクード」「韋駄天!」

 

 壁に直撃は無かったけど、肩を強く打ったみたいだな。

 伸ばしたスコーピオンにも斬られてる……けど、

 あちゃー斬られちゃったよ。

 

『『ベイルアウト』』

 

 

 

 引き分けた双葉さんご満悦。

 あそこはシールド貼るべきだったな。シールド二枚入れてない影響がこんな所に。

 双葉の目が褒めてと言っている。ならば褒めようではないかよしよし。

 小町ちゃんも良くこの目をする。そういえばしばらくいろはを撫でた記憶が無い。

 妹より弟子の方が撫でてる回数多いな。

 まあいろはは八幡に所望してるだろうから、たまにでいいよたまに。

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