「あ、最弱はお呼びじゃないです。帰ってください。あと、契約書は破っていいですか?」
最弱と言った奴を軽く殴り、契約書をビリビリに破く。
『イッテェ!!』
「あなたは、何をしてるの!!??」
「へ? だって、この状況で最弱と契約書は要らないでしょ?」
「それくらい分かってるわよ!!」
『ヒヒヒッ、だからって殴ることもねぇな。』
めんどくせぇのばっかりだな。
まだ、エドモンとアルビノの女の方がマシだったぞ。
「はあ、アルビノ女とエドモンの方がまだマシだったな。」
「はあ!? あの冷血女の方がいいですって!?」
めんどくさっ!
「いいわ。あんな冷血女より、私の方が使いやすく有難いって事を教えてあげる。」
『ヒヒヒッ! 今回は面白そうな奴に宿れたな。退屈しないからいいんだがな。』
2人の姿が薄れ、現実世界に戻る。
『私を使いなさい。私の力は、貴方の憎悪によって変わるわ。貴方が、恨み、憎めば変わるわ。』
「言われなくても使うっての!!」
「『これは憎悪によって磨かれた我が魂の咆哮』」
俺の周りに憎悪の炎が燃え盛る。
「さぁ」
『えぇ』
「始めよう」
『虐殺を』
「『吠え立てよ、我が憤怒!!!』」
海が真っ赤に染まる。
その炎の柱は、空まで赤く、紅く、朱く染めていた。
「なんだあれは?」
前の方が赤く染まっている。
「凄く嫌な予感がするわ。」
キャットが飛ばして先に進む。
「ちょっと! もう!」
それにスーヨが続く。
それにゼロ、フウ、ワン、ジャックが続く。
6人がついた時には、原型を留めてない深海棲艦の死体と、その炎の中を悠然と歩く司令官の姿があった。
もう、どうでもいい。
あいつを殺せればと思ったものの、この炎の後には何も残らない。
「コノッ! バケモノガ!」
俺は目の前の仇を見据える。
『まだ』
「終わらない」
『終われない』
そして、この残らない………。
「『この復讐』」
後には何も残らない。
残るのは心に穴が空いたかのような虚無感のみ。
「さて、残すのはお前だけだ。」
そう言って目の前の仇に手をかざした。
だが、そいつは笑った。
「オマエハシナナイダロウガ、アイツラハドウナル?」
その瞬間、仇は俺の大事な部下に対空ミサイルを発射した。
それに気付いたが遅い。
俺は武器を捨て、第一部隊の目の前に立ち、左手でミサイルを弾き返した。
ミサイルは海に落ち、爆発したが、俺の手は使い物にならなくなった。
「し、司令官?」
俺は不安そうにしているゼロの頭を撫でる。
「ありがとな。ここまで来てくれて。すぐに終わるからみんなで帰ろうな?」
「うんっ!」
ゼロは満面の笑みで頷いた。
「さて、と。」
『俺の出番だなぁ。』
「そうだ。」
『さて、派手にやられましたねぇ!』
「そうだな。」
『なら、わかるな?』
「当たり前だよ。」
倍にして返してやらないとな!
「『行くぜ! テメェの自業自得だ!』」
黒いものに侵食されるのがわかる。
だが、怖くもないし、キツくもない。
むしろ心地いいものだ。
「さあ」
『行くぜ!』
「『倍返しだ!!』」
「『逆しまに死ね!』」
「『偽り写し記す万象!!』」
その瞬間に仇は身体中から俺の受けた傷を発現し絶命した。
そのまま俺も倒れた。
誰かが駆け寄る声が聞こえるが、眠い。
寝かせてくれ。
そのまま俺は目を閉じた。