忘れられた龍の秘跡 〜MonsterHunter Legend 〜 作:妄猛総督
《キィシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!!》
《ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!》
未知なるモンスターが多く存在するエリエンテ地方のとある高原にて
二体のモンスターが縄張り争いを繰り広げていた。
一方はご存知リオレウス。
もう一方は、なんだろうか?
砕竜ブラキディオスに似ているが、全く違う。
粘菌を纏わず岩石のようにゴツゴツとしていて手は殴るためなのだろうか、まるで巨人の拳のよう。
特徴的な頭部の丸まった角も鬼の二本角みたいに太く短い。
首には首を守るためなのかディアブロスのような襟巻き状の骨が付いている。
リオレウスが空中から火炎弾を吐く。
ブラキディオスに似たモンスターは避けようともせずもろに火炎弾を食らってしまう。煙に包まれ、リオレウスは空中をぐるりと旋回する。
突如危険を感じたリオレウスは大きく上昇、その際飛んで来た岩塊が先ほどの空域に突っ込んで来た。
そこにいたのは、無傷のモンスター。地面に大きな腕を突っ込み、自身の3倍の岩塊を引っこ抜いている。
大きくモーションを起こして投擲、更に目にも留まらぬ速さで投擲した岩塊に着地、更に蹴りつけてリオレウスに肉薄。
そのまま身体を捻り、発達した右足がリオレウスの足に突き刺さる。
回し蹴り。
三次元的な動きにを繰り出すモンスターにリオレウスは大きく吹っ飛び、地面に衝突する。
更に追い打ちとばかりに握りしめた拳がリオレウスが落ちた場所へ振るい落とされる。
響き渡る轟音、だが手応えがなく砂埃の中で、音を頼りに探し出す。
見つけた、リオレウスは咄嗟に飛翔して逃げたのだ。
火炎弾をまるでマシンガンのように吐き出して来る。
辺りはまるで火の海に包まれ、モンスターを焼いていく。
爆炎の煙に包まれて視界が見えなくなるまで火炎弾を吐き続けたが故にリオレウスは勝ったと思った。
真下からアッパーをかまして来るモンスターに気づくまで。
顎を粉砕され、這々の体で逃げ去るリオレウスを横目にモンスターは勝ち誇る咆哮が響く。
《キィシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!!》
だが、このモンスターは満足しなかった。この程度の痛みでは魂は燃えないと。
もっと、
もっと、もっと、
たくさん、たくさん、
この身が、闘魂に燃えるほどの闘争と痛みを、
与え給えと吠えるのだ。
このモンスターの名は、
闘竜、竜のグラディエーターとも言われる拳王。
バルキリディスという。
このようにリオレウスと戦った高原、アルトマリア高原というのだが、この高原を中心に強者を求めて徘徊する狂った竜。
格上と常に戦いたがり、それから齎される痛みに、苦しみに、逆境に自ら突っ込み、魂を震わせて勝利に酔う。
今、彼の前に神の采配だろうか、高原の殆どを副次的に放たれる光で焼き払われ、舞い降りる高原の主に、狂った戦うだけの竜は本当の意味で格上たる古龍種に己の限界を超えるべく走り出す。
走る、走る。
拳にあらん限りの力を溜め込み
大自然の化身たる古龍に肉薄する。
痛みを!
苦しみを!
逆境を!
もたらしてくれ!
我が魂を燃やしてくれ!と
そして、お前に勝つ!格上と死闘して得る勝利に酔うのだと。
モンスター生態編はゲームの生態ムービーのようなものだと思ってください。
次回、海王龍編突入です。海の覇者に今度は人が戦う章となります。
なお、バルキリディスの元ネタ。
バーサーカーこと、スパPさんです。