忘れられた龍の秘跡 〜MonsterHunter Legend 〜 作:妄猛総督
「誰だ、てめえ‥‥‥‥」
牙向く獅子のように己の銀閃を片手で摘まみ取ったその相手を睨みつけた。その美貌に一瞬世界が止まったかと錯覚した。
「誰だ、か。そうだね‥‥‥‥‥うん、ソフォクレスと呼んでくれないかな?」
「あぁ!?聞きてえのはそういう事じゃねえんだよ!!」
「父さん!落ち着いて!」
陽気な、そして他人を無自覚に煽る口調に少しブチ切れるジェストとそれを止めようとする息子のルーク。
「あははっ、ゴメンねぇ。ジェスト・スレイヤー、息子君のスキンシップ邪魔して」
さて、とその美女ソフォクレスは一息いれると改めてジェストに向き直る。
「私がここにきたのはね、他でもない。星が君を、そしてエクセリアを望んでいるからなんだ。ここではない、世界の特異点と呼ばれるこの世界の最終防衛線に来てもらうためさ。ちなみに拒否権はないからね」
「君は知らないだろうけど、君たちが生きている世界は並列する世界がある。ここもその一つだ。だが、並列する世界に存在する星の意思は共通でね、私たちはあらゆる時間軸の出来事を知る事が出来る。
まあ、とにかく。来てもらえればわかるさ。星の意思だけじゃない、友人のピクシーにも頼まれていてね。うん、君たちなら出来るさ」
ソフォクレスは指を円を描くように空間を廻すと時空が歪み始め人一人通れる空間の歪みが出来上がる。
「おい、待てや。誰が行くと言ったんだよ、それに‥‥‥‥‥‥てめえ、人か?あいつらと同じ匂いがするが‥‥‥てめえも同じ類か?」
「くふふふふ、どうだろうね。想像にお任せするさジェスト・スレイヤー。人でありながら、龍の領域に足を踏み入れた勇者君。かの精霊王も君を、エクセリアも果てはライバルである星焔竜をずっと見ているからね。私も君は興味深い」
だからこそーー
「まあ、これもお仕事なのでね。半分は精霊王の嫌がらせさ、かの王には少し焦ってもらった方が面白いし!愉悦ってやつだよ」
右手を軽やかに動かすとジェストの体が磁石のように引っ張られてそのまま、次元の狭間に放り込まれてしまう。
「父さんっ!!お前っ!!!」
「なんだこりゃっ!!テメェ覚えてろよぉぉぉぉぉぉぉぉ!?「あっ、この瞬間にもね、エクセリアに同じ現象が起きてるから、って聞こえてないか」
ーーー同時刻
「うーーん、ダメだね。絆石と完全にリンクしてるからそれ持っている限りその声はずっとかも」
「そうですか‥‥‥、仕方ないですよね」
「壊すとしても、思い入れがあるだろうし‥‥‥どうしよっか」
エクセリアは今現在、祖龍と一緒に女王領域に来ており星焔竜と話し合っていた。
理由は無論、絆石を介して干渉して来た存在だ。
「だから、私がぶっ潰してやろうか、って言ってるじゃん」
「妃星、前にも言ったけど。貴方はこの世界以外には関わっちゃダメ。宇宙をバンバン作るのはこの際もうどうでもいいけど。作ったところでこの世界と同じだからね。でも世界を渡るともなれば話は違う。
貴方の法則はこの世界でこそ生きているのであって、並行する世界では法則は弱まるの。そこへ精霊王や精霊種と戦ってみなさい?
すぐ、やられるわよ」
前と同じように真摯な顔つきで妃星と呼んだ少女を諭す祖龍の少女。そこへ話を聞いていたエクセリアが自ずと手を挙げ質問して来た。
「あの、気になっていたのですけど。精霊王とか、精霊種って、なんでしょう?モンスターの種別だと思うのですが‥‥‥‥」
精霊種。あの祖龍から何度か聞いているモンスター。
なんでも世界の意思によって動くモンスターを超えるモンスター。
そして、絆石に干渉しているのも精霊種だという。気にならない方がおかしい。
しかし、やはりというか、
「エクセリア、知らなければ幸せなこともあるんだよ。貴方は、まだ人だから‥‥‥‥」
「気になりますが‥‥‥仕方ないですね
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥っ!!?」
ゾワっ、そんな身体の危険信号が一気に駆け上がってくる。
「?どうしたの、奏音。寒い?」
「いや、違うよ妃星!!」
そんな時、エクセリアの背後から空間が歪み、人一人通れる空間の歪みが現れそこの奥から声が聞こえる。
『うん、やっと繋がった。まったくここは磁場がおかしいからねリンクするのに手間取ってしまったよ。
さて、はじめまして。エクセリア・スレイヤー、巫女姫殿。モンスターから愛された自然の寵児よ。迎えに来たよ』
「貴方は‥‥‥その声はソフォクレスっ!?嘘でしょ、星の
焦るような声で祖龍の少女がその声にまくし立てる。ついでに祖龍の翼を広げていつでも迎え打てる格好だ。
『ん?その声‥‥‥‥霊位に上り詰めた祖龍かな?んーー、本来君には関係ないんだけどね、まあ、いいか。簡単なことだ、星が、世界がそう望んだからだよ。琥珀君』
『無駄話は終わりにしよう、こう見えてもこの世界は危機に瀕している。だから、精霊王が認めなくても私は星の意思に従うし、最善と思えばやるのだよ。
さあ、エクセリア。新たな世界へようこそ。君の旦那さんも向こうで待ってるからね』
《ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!!『おっと、乱暴だな、君は』》
妃星の呼ばれた少女は白いリオレイアに姿を変えてその空間の歪みにエクセリアを傷つけぬようブレスを吐き出した。着弾と同時に埃を払うような仕草と思える声が聞こえ、ブレスが効いてないことがわかる。
「え、ちょっと待ってください!!あの人も向こうにいるって聞こえましたけど!!」
エクセリアの疑問は自分の夫であるジェストがすでに向こうにいるという事実に確かめたかった。
無論、それは事実でーー
『勿論だとも、それに全てが終われば元に戻してあげられるからね。心配する必要はない。さあ、行こうか』
空間の歪みはあっという間にエクセリアを飲み込み消えようとしていた。
「待ちなさい!エクセリアを、奏音を返して!!」
「妃星っ!!ダメッ!!」
消えかけの空間の歪みに突撃し、祖龍の声を聞かずに飛び込んだ妃星。あとは取り残された祖龍のみ。
「マズい‥‥‥、精霊王以前に世界を渡るためには‥‥世界の裏側に行かなくてはいけないのに!!案内なくあそこを通ればいくらあの子でも、高濃度のエーテル体を浴びたらっ!!」
世界創造の力であるエネルギー、エーテル体。宇宙とは世界の一部であり、並行世界も世界の一部であり、異世界を除いて世界は同じである。世界創造とは異世界を作り上げることであり、それを行うためには一兆度の火さえ圧倒的に出力が足りない。
それは祖龍の少女でさえどうしようもない、ただ祈るのみであった。
『うーん、このパターン。前にもあったんだよね‥‥‥ちょっとイタズラ心で始源の龍を拉致した時と変わんないなぁ。トール君がかなり健気だったなぁ‥‥。
いやあ、面白い!!二度あることは三度ある。ふふふ、飽きないよこの世界は』
場所は違えど、二人を戦いの地へ誘う星の伝道者ソフォクレス。
だが、間違いなく断言できるだろう、二人は間違いなく神龍の戦いで鍵の一つを握るだろうと。
別にマーリン爆死したからモデルにしたなんてことはないよ、多分ね、きっとね(´・ω・)
それに近い冠位クズだけどw
後、幻天狐の質問が圧倒的すぎて、顎外れました。そんなにモフモフ成分は重要なのか(´・ω・)