忘れられた龍の秘跡 〜MonsterHunter Legend 〜   作:妄猛総督

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うーーん、なんかちょっと違う。そのうち、この内容を改稿するかも。


かくして暴威は荒れ狂い魔王は語る

ベキ、ベキ。

 

《キキキ、キィーーーーーーキキキキキキキキキキキキキキキィィィィィィィ!!!》

 

 

峯陵龍だったものを脱ぎ捨てるように姿を現した異形。

 

ネルスキュラなるモンスターがいる。これはまんま蜘蛛のような甲殻種モンスターで自身の身を守るためモンスターの皮を被るという。しかし、ネルスキュラはモンスターを倒してその皮を被るのだがーー

 

 

姿を見せた異形は、まずアトラル・カと呼ばれるカマキリのような上半身が立直で下半身が蜘蛛のように這う基本姿勢。

シオマネキのように大きさが違う鋏を持ち、なおかつ腕を組むように複腕がある。胸元には目玉のような常に胎動する宝玉のような機関。

 

脚は8本でシェンガオレンより二回りはあるだろう、黒曜石のように黒く艶めかしい。

 

目は左目に当たる部分が四つ、右目に大きな複眼があり、ナルガクルガのように眼光が走る。

 

なにより目を引くのが頭上に輝く赤黒い天の円環。

その光が届いた植物がどんどん生気が失われ萎れて枯れていく。

 

植物だけではない、その場にいた彼らにも影響を及ぼした。

 

ーー蝕星龍は見るからに嫌そうな顔をして僅かに後退している。

 

ーーディスフィロアはそわそわして落ち着いていない。

 

ーーエクセリアを乗せた黒星龍はエクセリアを何度も見てはキュウゥ‥‥とか細い声で催促していた。

 

 

《ケケケケケケ、キキキ、キキキキキキキキキキキキ、ギィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!》

 

聴くもの鳥肌が立つほどおぞましい声がやかましく脳裏に響く。

気がつけば辺り一帯が紫色の煙というか、霧が立ち込んでおりジェスト達彼らを取り囲もうとしていた。

 

立ち込める霧が万象に触れるとそこから砂に変わっていく。

 

岩肌なら、風化するように

 

植物なら植物のまま砂に変わり崩れ落ち

 

動物、この場所では小さな昆虫が砂に変わり果てバラバラと崩れていく。

 

 

 

「ヤベェ!この場を一旦離脱すんぞ!!脱出できなくなる前にだ!!ディスフィロア、蝕星龍!俺らをこの場から連れ出せ!!」

 

オルタの怒号に、キョトンとしていたがすぐさま行動できる辺りこの状況の危険さを理解していたということだろう。

 

エクセリアを黒星龍が、ディスフィロアにはオルタとジェストを乗せ、蝕星龍が消滅のブレスを持って活路を開き脱出を試みる。

 

そこは衝撃的なものを見た。蝕星龍の消滅のブレスは紫色の霧を吹き飛ばしたのだがブレスの先端は砂状の結晶に変えられて更に消滅で上書きを繰り返す。

 

もう一度言うが、拮抗している。あの異形の発した霧と自分たちで知る滅殺なら右に出るものなしと言われた蝕星龍のブレスが。

 

「チッ、黒星龍、ディスフィロア!このまま霧が登らない高度まで上昇しろ!蝕星龍!地面に潜って戦線を離れろ!今はーーー仕切り直しだ!」

 

しかし、オルタの叫びをあざ笑うように霧は追い縋らんと無制限かと思われるほど霧の範囲が広がっていく。しかし、ここはとてつもない深さのクレーター擬きの中心地。オルタは人が営む領域までたどり着くのには流石に時間がかかると踏んでいた。

 

だが、だがしかしーー

 

 

霧は崖に触れると崖を砂に変えてしまい、砂は堆積し始め異形の位置は確実に上昇している。

 

 

「なんていうーーー、怪物!物質を砂に変換するなんて!」

 

「全くだ、あいつも物質操作?だったか似たようなことをやるが……ここまでの規模ではなかったはずだ。鉱石を別のものにするのも錬金なんてもんがあるんだ、珍しくもない。だがーー

 

「「生命を、生きているものさえ砂に変えてしまうのはあいつら(彼ら)でさえ難しいぞ(厳しいと思う)」」」

 

はるか上空になんとか逃げ切れた三人は眼下にいる異形に対し恐怖を含ませた感想が溢れる。

 

「一回、撤退だ。あれは流石に手に負えん。毒なら、無効化すればいい。酸素を奪われるなら呼吸を止めればいい。過重力なら抗えればいい。だが、触れるだけで存在ごと書き換えられるアレは俺たちは耐性がない」

 

ーーー蝕星龍の消滅のブレスさえ掻き消えず上書きされ砂に変わる。

 

「ソフォクレスは言っていました、どんなことになろうとも絶望はしないでくれ、って。でも思うんです、負けてやる気はありませんがアレがもし私たちの世界に現れたら、って思うと正直怖いです」

 

《キケケケケケケ、キキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキ、ケケケケケケケケケケケケ!!!》

 

「「「っ!!?」」」

 

「レウス君、退避!!」

 

ブゥン!

巨大なハサミがまるでワニが飲み込むかのような心象を携えて真下から迫っていた。

かなりの高度を飛んでいたはずーーなのだがどうして届くことが出来たのか。

 

「伸縮自在かよ、気持ち悪いな!!」

 

ジェストの悪態のつく通り、魔王たるシャドーナ・マキリスは触手のように腕を伸ばして高高度の彼らを狙ったのだ。

もっともご覧の通り避けられてしまったが。

 

片腕が雲に触れると雲でさえ砂に変わり、パラパラと地上に向かい降り注いでいる。

 

彼らは立ち止まらぬように旋回して事態をどう解決するが悩んでいた。

 

「なんなんだよ、アイツは。あんなの聞いてないぜ?」

 

「ええ、ソフォクレスさえあのような存在は言っていませんでした。私も寄生?されているそのようなそぶりはなかったというのに」

 

しかし、だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー片腕だけ伸縮自在なんてそんな都合の良いものがあるだろうか?

 

「きゃあっ!!?」

 

雲のかかった真下、丁度旋回していた時に通りかかった際音もなく真下からもう片腕が峯陵龍の蔓を纏いながら黒星龍を襲撃してきた。

蔓はシュルシュルと黒星龍とエクセリアを拘束し地上へ降下する。

 

「エクセリアっ!?」

 

「くそっ!!今、行くぞ!!」

 

ディスフィロアもジェスト二人を乗せてエクセリアの後を追いかける。

 

ゴウッ!!

 

ディスフィロアの熾凍属性のブレスが着弾、蔓に見事に直撃するが黒星龍は脱出できたものエクセリアは更に蔓に絡め取られてしまう。

 

エクセリアは手を伸ばすが、彼らに届くことはなかった。

 

ただまっすぐ地上に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーードスンっ!

 

「きゃっ‥‥‥‥!っ!!」

 

地上に近づくと蔓は緩やかに解かれて地上に尻もちつく形で着地する。お尻が痛いが、すぐさま口元を抑える。

 

生命さえ、砂に変換してしまう驚異の霧を吸わぬようとっさの行動だった。

 

 

《キキキキキキキキキ、キケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケっ!!》

 

ーーゾクッ

 

 

背後に感じるネットリとした悪意。脳裏に響く揺さぶられるような嫌悪感を感じるソレ。

反射的に振り返り、やはりと後悔することになった。燃えるように爛々と輝く瞳がせせら笑うようにエクセリアを見下ろしており、引き絞るようにその巨大な鋏が振り下ろそうとしていたのだから。

 

エクセリアは尻餅をついたまま、背後に下がろうとする。

 

「っぁ、………ぁぁっあ!」

 

「っ!エクセリアァァァァァァァァァァァァァァっ!!!!!」

 

絶望しそうな時、自分のパートナーである彼の声が聞こえてくる。

 

「ジェストっ!」

 

 

空からディスフィロアと黒星龍と共に高速で降下してくるが、間違いなく魔王であるソレが振り下ろす方が早いのは自明の理。

 

《ヒヒヒヒヒ、キケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケケっ!!》

 

「「やめろおおおおおォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!》

 

ドオオオオオオオオオオンっ!!!

 

ジェストとオルタの叫び虚しく魔王の慈悲なき一撃が振り下ろされた。

砂煙に包まれて、あたり一帯は衝撃による爆風と一時的な砂嵐で視界が完全にふさがってしまう。

 

 

「テメエェェェェェェェェェェェェっ!!」

 

ディスフィロアの背から飛び降りようとするジェストをオルタが羽交い締めにする形で静止する。

 

「何しやがる!エクセリアの元に行くんだっ!止めんな、オルタ!!」

 

「馬鹿野郎!今向かったところでなんになる!視界は見えねえ中で動いてもあの霧に触れてお陀仏だ!!」

 

「クソォォォォォォォォォォォォォォォォっ!!!」

 

 

ーー

 

 

ーー私は、まさに死んだと思いました。

 

ええ、彼らが異常なだけで私は人間ですから、あの一撃を食らえば死ぬのは当たり前、だと思っていました。

 

あの瞬間、今までの経験が一度に瞬間的に再生されて噂に聞く走馬灯であることを実感したから。私は思わず目を瞑ってしまいました。

 

「……っ!! 生きて、る?ど、どうして‥‥?」

 

ーーけれど結末は違ったようです。

 

 

段々と晴れて行く土煙の中、エクセリアを覆うようにかばう巨大な森。

魔王の鋏による一撃はその生物の背にあたり、エクセリアには直撃はしていなかった。

 

 

《ルモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!!》

 

エクセリアを守ったのは、精霊種の一つである【森猿ヒラテヅカミ】。

峯陵龍の一撃で気絶していたのだが、どうやら復帰して戻ってきたらしい。

雄々しい雄叫びと共に、魔王の鋏を払いのけ渾身のアッパーが叩き込まれる。剛腕に身体をぶつけられたのだから紙のように吹き飛んでいく。

 

 

《ルモォォォォォォ…》

 

巨大な森を背負うソレは心配そうな声を出しながら眼下のエクセリアを見つめていた。それを見ていたエクセリアの耳にいつぞやのソフォクレスの声が聞こえてくる。 加えて、小さな、可愛らしい羽の生えた人型がソフォクレスと森猿の周りを飛び交っている。

 

『いやぁ、ごめんごめん。峯陵龍の復活、ソレは私たちは感知していたけど堕ちた同胞だけは感知出来なかった。まさか、峯陵龍の気配が消えて堕ちた同胞の気配が代わりに現れたからビックリしたよ。気絶していた彼を癒して空間を曲げてたどり着いたら君が殺されそうだったのでね、迷惑だったかい?』

 

 

『おうさまがはなしをきかないからこういうことになるなのっ!』

 

『まったくだ、精霊王は忠実すぎて柔軟性に欠けるからねぇ。真面目なのに残念なんだよね、ピクシーはそのために何度も謁見を望んだのに」

 

「そ、そのありがとうございます。あの森猿さんもありがとうございます」

 

『うんうん、なら良かった。けど、峯陵龍なら君たちが倒すはずだったんだけど、堕ちた我らの同胞、邪霊に関しては君たちは流石に荷が重すぎる。

 

だからね、ここからは私たちの戦争だ。君たちは、下がっていてくれ』

 

「エクセリアっ!!良かった無事だったんだな!!」

 

「ジェストっ!!」

ヒシッと抱き合い、喜び合う二人。後からオルタがディスフィロアに乗りながら二人に乗るよう促す。

 

「ここを離れよう、巻き込まれるのはごめんだぜ」

 

 

ディスフィロアと黒星龍は再び高高度の領域へ羽ばたきやがて豆粒大になるほど見えなくなる。

 

その様子を見ていたソフォクレス。

 

 

『行ったか。うん、それでいい。

 

 

さて、どのような形で蘇ったかは知らないけど裁きの時だ堕ちた同胞。森猿が君の相手じゃない。流石に今回は無視できない。だから、久しぶり、そしてさようなら。さあ、見上げろ、堕ちた精霊よ、お前に二度目の死を与える死神が世界の果て、輝ける丘より来たる時である!!』

 

 

その時、世界は初めて史上最強の守護者を人型ではなく顕現することを認めこの地にソレが舞い降りることになる。

 

 

【アオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!】

 

『がいせんだよ!くるよ、われらのおう!』

 

空間が割れ出現した次元の狭間から聞こえる遠吠え。それは魔王にとってもっとも恐れる存在。

 

《キキキ、キ、キキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキ!!セ‥‥‥レイ、オゥ、オ、オノ、レ…!》

 

事実、魔王の一柱である天殻魔金蠍シャドーナ・マキリスはその雄叫びが聞こえると僅かに背後に後退しているのがその証左だった。

 

 

 

 

 

ソフォクレスの声がかの存在を讃えながら凛と空に響く。

 

 

『さあ、次元の狭間から現れるは我らが精霊王!真なる真名を聞くがいい。汝の名は【龍狼 ウツノカミヤラビ 】である!!』

 

ザッ、空間から獣の足が大地を踏みしめるのだった。




ラストが(´・ω・):

精霊王、本格的に介入。まあ、魔王だからね、堕ちた精霊種なんて流石に、ね?
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