悪魔の力を持った男が冒険者してたのは間違っているだろうか   作:Rings

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第二話

大規模な戦闘を終え、ダンジョン50階層に到達したロキファミリア一行。ここで野営地を形成していた彼らのなかに先程素晴らしい戦闘を演じた彼女は肩身の狭い思いをしていた。

 

 「どうして前線維持の命令に背いたんだい?」

誰よりも幼い相貌の団長、小人族(パルゥム)の少年、フィン・ディナムは冷静な口調で問いただす。

 

「アイズ、君は強いしそれ故に組織の幹部でもある。君の行動は下の者に影響を与えるんだ。だからあえて聞こう。今の立場は窮屈かい?彼のように高みに登りたいかい?」

 

  「・・・ううん、ごめんなさい」

 

一瞬過ぎった心の内を見抜かれ素直に自省して謝罪する。

 

「まぁ、そう言ってやるな。前衛も崩れかかっておったしな。」

 

「それを言うなら詠唱に手間取った私の落ち度もある。それと奴を話題に上げるのはやめろ」

 

ドワーフのガレス・ランドロックとエルフのリヴェリア・リヨス・アールヴは助け舟をだし、フィンを窘める。申し訳なさそうな表情をするアイズ。

その一部始終をみて苦笑を浮かべるフィン。

 

「アイズ。ここはダンジョンで今は組織で動いている。君のように全員が動ける訳では無いし、戦えない。このことは心にとどめておいて欲しい」

 

「・・・わかりました」

 

幕屋を出て、野営地の外れにふらふらと辿り着いたアイズは先程フィンの言葉を頭の中で繰り返す。

(もっと強くなりたい、強くならなきゃ。そう、こんな所で立ち止まる訳にはいかない。彼のようにもっと。彼----ロト・フェンリルのように)

 

 

 

 

 

 

 

 携行用の『魔石灯』がいくつも光を揺らす中【ロキ・ファミリア】の面々は休息をとっていた。

 

 「大荒野(モイトラ)の戦いではご苦労だった。みんなの尽力のおかげで無事50階層にたどり着いた。ありがとう。ゆっくり休んでくれ」

 

 ダンジョンのなかであってモンスターが生まれない安全階層(セーフティーポイント)の50階層は冒険者の間で休息地帯(レスト・エリア)として利用されていた。

 ゆっくりと食事を取り、片付けを終えた彼らは見張りの者以外で輪を作り首領のフィンの言葉を待っていた。

 

 「それじゃあ今後のことを確認しよう」

 

 「『遠征』の目的はかわらず未到達階層の開拓だ。ただ今回は冒険者依頼(クエスト)をこなしてから行く」

 

 「冒険者依頼(クエスト)・・・・確か【ディアンケヒト・ファミリア】からのカドモスの泉の泉水ですか?」

 

 「今回は少数精鋭のパーティーを二組で行く。第一班を僕、ガレス、ベートとラウル。第二班をアイズ、ティオネ、ティオナ、それとレフィーヤだ」

 

 「・・・なぁ第二班(こいつら)大丈夫か?」

 

 編成が不安だという危惧を隠さないベートの声にフィンも黙考する。

 狂戦士(バーサーカー)のアマゾネスのティオナにティオネ、そして非公式の綽名が「戦姫」といわれるアイズ、格下のレフィーヤでは彼女たちを御しきれない。

 しばしの沈黙後、フィンは顔を上げる。

 

 「ティオネ、君だけが頼りだ。頼んだよ」

 

 「 ————お任せくださいッッ!!」

 

 団長に大恋慕中(ぞっこん)の少女は、その台詞に大歓喜しながら了承する。

 

 こうして二組のパーティーは数時間の仮眠後、他団員を束ねるリヴェリアに拠点(キャンプ)の防衛を任せ、出発した。

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