バカとテストとウチの弟   作:グラン

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タイトルでわかった方も多いでしょう
そうです。オリ主はあの人の弟です



プロローグ
プロローグ


  NO SIDE

 

 

「ゴホッゴホッ」

 

「海人、大丈夫?」

 

 

寝込んでいる少年にポニーテールの少女は心配そうに声を掛ける

 

 

「僕は大丈夫だよ。それよりも姉さんは早く学校に行かなきゃ」

 

「で、でも・・・熱が40度も・・・」

 

「ほら、今日は振り分け試験なんだから。僕の事は気にしないで、大人しく寝てるから」

 

「・・・う、うん・・・わかった。なるべく早く帰ってくるからね」

 

 

そう言ってポニーテールの少女、島田美波は部屋を出て行った

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 美波

 

 

「海人・・・大丈夫かな・・・?」

 

 

ウチは家で寝込んでいる双子の弟の事を思い出す

お父さんもお母さんも夜遅くまで帰ってこない

ウチも振り分け試験が終わるのは夕方だからそれまで帰れない

もしも病状が急変したら海人は・・・

 

 

「・・・アキ、ごめん!」

 

 

ウチは踵を返し、自宅へと戻って行った

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 明久

 

 

「美波・・・遅いなぁ・・・」

 

 

僕は斜め前の空席を眺めながらそう呟く

もうすぐ振り分け試験開始なのだが、美波はまだ来ていないようだ

何をしているんだろう?

 

 

「さぁ、テストを始めるぞ」

 

 

試験監督の先生が来てしまった

 

 

「先生、まだ島田さんが来てません」

 

 

気になったので先生に声をかけ聞いてみるが・・・

 

 

「島田は体調を崩した弟の看病をするとさっき連絡があった」

 

 

美波が休み・・・

それじゃあ美波は強制的にFクラス

しかも海人の看病ってことは海人も休みってことでFクラス

 

 

「あの・・・吉井君?」

 

「へ?ああ、ゴメン」

 

 

前の生徒がいつまでたっても回ってきたテスト用紙を受け取らない僕に声を掛ける

僕は慌ててテストを受け取り後ろに回した

そしてテストが始まった

・・・わかる、これならAクラス、悪くてもBクラスには行けそうだ

これも僕に勉強を教えてくれた海人のおかげ・・・

そこまで考えたところで手が止まった

・・・もし、AクラスやBクラスに行けても、そこには美波も海人もいないんだよな・・・

 

『三人でAクラスに行こうね』

 

そう言って毎日勉強を教えてくれた

海人だって自分の勉強があるはずなのに、僕みたいなバカに丁寧に自分の勉強時間を割いてまで・・・

 

 

「・・・」(ゴシゴシ)

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 海人

 

 

「う・・・ん・・・」

 

 

どうやら寝ていたみたいだ・・・

今の時間は昼の一時過ぎ

振り分け試験も半分くらい終わったころだな

今の姉さんとアキ兄さんならAクラスに行けるはず

はぁ・・・僕も行きたかったなぁ・・・

これで姉さんともアキ兄さんとも別のクラスか・・・

 

 

(ガチャ)

 

「あ、起きたわね。お粥作ったから食べちゃいなさい」

 

 

部屋のドアが開いて姉さんがお粥を持って入って・・・

・・・あれ?

さっきも言ったが、今の時間は昼の一時過ぎ

大事な事なのでもう一度言う

昼の一時過ぎだ

振り分け試験は夕方まで終わらないはずだ

 

 

「ね、姉さん!?なんでここに・・・ゴホッゴホッ」

 

「ほら、落ち着いて」

 

 

そう言って姉さんは僕の背中を擦る

 

 

「ありがとう。で?姉さん、振り分け試験は?」

 

「・・・休んだわ」

 

「そんな!あんなに頑張ってたのに・・・」

 

「いいのよ。試験なんかより海人の身体の方がよっぽど大事なんだから」

 

「ぐすっ・・・姉さん・・・」

 

「泣かないの、全く・・・泣き虫なところは全然変わってないんだから」

 

「だって・・・僕のせいで・・・」

 

「ウチは優先したいことを優先しただけなんだから、海人はなんにも気にしなくていいの。ほら、冷めないうちに早く食べなさい」

 

「・・・うん」

 

 

姉さんの作ったお粥は温かくて優しい味だった

 

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