SIDEを使うのとどっちがいいんだろ?
補足:ドイツ語のセリフは『』を使っています
衝撃の出来事から数分後、島田家には殺気が渦巻いていた
(雄二、元神童なんだから何とかしてよ!)
(無茶言うな!この状況、俺にどうしろって言うんだ!?)
(・・・雄二、私怖い)
(お姉ちゃん、怖いです)
(だ、大丈夫よ葉月、お姉ちゃんがついてるからね)
彼らはヒソヒソとそう言いながら気まずそうに殺気の主へと視線を移す
(なんなのよ!この女は!?)
そう、強烈な殺気を纏った木下優子へと・・・
「?みんなどうかしたの?」
鈍感はこういう時に便利である
ちなみに秀吉は優子の殺気をいち早く察知し、『き、急用を想い出したのじゃ!』と言い帰った(逃げた)
「みんな、紹介するね。彼女は僕達がドイツにいた頃の幼馴染でフローラって言うんだ」
「フローラ・アルベルトです。よろしくね」
「あれ?フローラ、日本語・・・」
「えへへ、いつか海人君に会いに行く時の為にずっと勉強してたんだ♪」
「そうだったんだ。フローラって昔から頭が良かったもんね」
「・・・はぁ」
「なんで溜息?」
割とストレートに海人に好意を持っていることを伝えているフローラだが、この鈍感は気付かない
そして・・・この状況を見ている優子の機嫌は更に悪くなっている
(((((ヒィィィィ!!)))))
明久達が怯えていることに当事者達は気付かない
と、そこに・・・
(ピンポーン)
チャイムの音が鳴り響く
「だ、誰か来たみたいだね!ちょっと僕が見てくるよ!」
そう言って明久は立ち上がり玄関に向かう
(((しまった!逃げられた!)))
残された美波達はそう思う
明久自身この場を離れることに夢中で忘れているようだが、ここは島田家である
「み、美波!助けて!外人さんが来ていて言葉が全然通じないんだ!」
明久はドタドタと美波を呼びながらリビングに戻ってくる
「・・・あ」
するとフローラは何かを想い出したように声を上げた
「?どうしたのフローラ」
「・・・カールを空港に置いてきちゃった・・・」
※数分後※
『全く、酷い目にあったぜ。場所はわからねえし言葉は通じねえし』
『ゴメンゴメン。今度何か奢るから』
『まぁいい。それより、久しぶりだな。海人、美波』
『うん、久しぶり』
『カールもこっちに来てたんだね』
『ああ、家で寝ていたはずなんだが、気付いたら飛行機に乗せられていた』
『だって一人で行くのは心細いんだもん』
世間一般的にはそれは拉致と言う
『まぁいいけどな。久々にお前らに会えたし、旅費はフローラが払ってくれたし』
『フローラ、どこからそんなお金を?』
『え、えっと・・・それは・・・』
何故か顔を赤くして言い淀む
するとカールは一冊の本を取り出し・・・
『ほら、これだよ』
『ちょ、カール!それは・・・』
『ん?なになに・・・現役女子高生モデル、フローラ・アルベルト、ファースト写真集・・・って、モデル!?』
『凄いじゃない!なんで教えてくれなかったのよ?』
『その・・・水着とかが多いから恥ずかしいし・・・』
その写真集には水着などの写真が多く掲載されていた
それもやたらと胸を強調したポーズが多い
((優子の殺気に気をとられていたけど・・・))
(イライラしていて気付かなかったけど・・・)
(((言われてみれば・・・デカい)))
女性陣の視線はフローラの胸部へと移される
たしかに彼女のスタイルはかなり良く、バストサイズは同級生の姫路や明久の姉の玲と同程度かそれ以上に育っていた
(・・・凄い。腰も細いし顔立ちも綺麗。でも雄二は渡さない)
(なんなのよあの胸!反則よ!)
(ウチだって同じところで育ったのに・・・)
「え、えっと・・・」
「気にしないでくれ。それより海人、二人の事を紹介してくれないか?木下姉もそろそろその殺気を抑えてくれ」
「あ、アタシは別に!・・・?(あれ?なんでアタシ、イライラしてたんだろう?)」
これだけわかりやすく嫉妬しているというのにそれでもこの鈍感は自身の気持ちに気付かない
「えっと、それじゃあフローラは紹介したから・・・彼はカール・フランツ。ドイツに居た頃の野球チームのチームメイトなんだ」
『カール・フランツだ。よろしくな』
カールはフローラと違い、日本語は喋れないようだが、ジェスチャーで自己紹介をしているのだということは全員に伝わった
『で、こっちは左から順に僕達のクラスの代表の坂本雄二君、Aクラス代表の霧島翔子さん、葉月と姉さんは知ってると思うから飛ばして、クラスメイトで姉さんの彼氏の吉井明久君、Aクラスの生徒でウチの野球部のマネージャーの木下優子さんだよ』
海人はカールにも伝わるようドイツ語で紹介をする
『ええ!?美波ちゃん、彼氏ができたの!?』
『う、うん』
『へぇ、こいつが・・・ねぇ・・・』
「???」
フローラは驚きのあまり日本語を使うことを忘れ、美波は頬を赤く染める
ドイツ語で会話なので何を言っているのかわからない明久はなぜ自分に視線が向いているのかがわからないのだった
「それじゃ、明久君には美波ちゃんのどこが好きなのか聞かせてもらおうかな♪」
「ちょ、ちょっとフローラ!」
「全部だよ。弟想いなところも素直じゃないところもお化けを怖がってるところも優しいところも・・・美波の全てが大好きだ」
「あ、アキってば・・・」
「ラブラブだね♪」
『幸せそうで何よりだ』
その後、全員で美波と明久をからかい、日が暮れた頃に解散となった
SIDE カール
海人達の家を出た俺とフローラは予約してあるホテルに向かう
一応補足しておくが当然別々の部屋だ
『ねえカール』
『ん?』
『その・・・よかったの?』
『何がだ?』
『美波ちゃんの事、好きだったんでしょ?』
『・・・お見通しってわけか』
『当然。何年幼馴染をやってると思ってるの?』
最初は親友である海人を虐める美波が嫌いだった
しかしある日、海人が事故に遭って野球ができなくなってからこれまでの事を反省し、海人に優しくするようになった
だが俺は信用できなかった
人目につかないところで虐めているんじゃないかと疑った
だから俺は美波を見張ることにした
ずっとずっと美波を見て・・・いつの間にか好きになっていた
後悔していないと言えば嘘になる
でも・・・
『いいんだよ。俺はアイツの笑顔が好きなんだ。あんな幸せそうな顔を壊せるわけねえだろ』
『相変わらず顔に似合わず優しいね』
『ほっとけ。それよりお前こそどうなんだ?海人にただ会いに来ただけじゃないんだろ?』
『・・・そっちもお見通しってわけね。そうだよ。私は・・・海人君に告白するために日本に来たの』
優子ピンチ!
早く想いに気付かないと海人を取られちゃうぞww
次話以降も波乱の予感
次回も頑張ります