前話で裸を見られた優子の反応は・・・
「・・・」
「ごめんなさい!ホントにごめんなさい」
仁王立ちする優子と土下座する海人
「まぁまぁ優子、島田君をお風呂に誘導したのは私なんだし、それに島田君だって悪気があったわけじゃないんだから」
木下母が優子を宥めに入る
この場にいる全員が優子は怒っていると思っているが・・・
(海人君に見られちゃった・・・貧相だからがっかりしたかな?やっぱりアタシなんかよりフローラみたいなスタイルの良い女の子の方がいいのかな?)
実際は海人が自分の裸体を見てどう思ったのかが気になっていた
「僕にできることなら何でもします!」
「な、何でも!?ハッ!・・・コホン。と、とにかく!きっちり責任は取ってもらうわよ!」
『何でもする』と言う海人の言葉に一瞬喰いつくが、落ち着きを取り戻し顔を赤くして海人を睨み付ける
(あ、姉上。まさかここで海人に告白を・・・)
「あ、アタシと・・・その・・・か、買い物に行ってもらうわ!」
「え?そ、そんなことでいいの?」
(・・・ヘタレなのじゃ)
「秀吉?何か言ったかしら?」
「なにも言ってないのじゃ」
隣で聞いていた秀吉は溜息を吐くのであった
「そういえば先ほど明久から連絡があったぞい。『海人が帰って来ないって美波が泣きながら連絡してきたんだけど何か知らない?』とな」
「あっ!姉さんに連絡するの忘れてた・・・」
弟を心配するブラコン姉は今日も健在である
「安心せい、ウチで雨宿りしているときちんと伝えておいたのじゃ」
「ありがとう秀吉君」
「でもどうするの?傘を貸してあげるつもりだったけど外は凄い天気よ」
そう言って木下母がカーテンを捲ると外は大嵐
島田家と木下家の距離はそこまで遠くはないが近くもない
この天気では傘をさしてもずぶ濡れになることは目に見えている
「えっと・・・走って帰ればなんとか・・・」
「お主はせっかく温まった身体をまた冷やすつもりかの?」
「天気が落ち着くまでここにいると良いわ」
「すいません。ご迷惑をおかけして・・・」
「気にしないでちょうだい。困った時はお互い様。さ、ご飯にしましょ。島田君もたくさん食べてね」
「そ、そこまでお世話になるわけには・・・」
「いいのよ。いつ帰れるかわからないんだし、お腹が空いたでしょ?それとも私の腕が信用できない?」
「い、いえ!そんなつもりは・・・」
木下母にジト目で見られ、海人は慌てて否定
「これ母上、あまり海人を虐めるでない」
「ふふ、ごめんなさい。とにかく、もう作っちゃったんだし、そろそろお父さんも・・・『ただいま』・・・帰って来たわね」
「ん?お友達かい?」
「お、おじゃましてます!」
木下父に海人は挨拶をする
「こんにちは、いつも秀吉と優子がお世話になってるね」
「いえ、僕の方こそいつも二人には迷惑をかけてばかりで・・・」
「この台風で帰れなくなったのでウチに連れてきたのじゃ」
「ああ、酷い天気だからね。僕もタクシーで帰って来たんだ。まぁゆっくりしていくといい。それよりもご飯にしよう。島田君もたくさん食べなさい」
「は、はい。いただきます。(・・・あれ?僕、自分の名前言ったっけ?)」
木下父が自分の名前を知っていたことを気にしつつ海人は席に着く
「ところで・・・なんでさっきから優子は顔を赤くしてモジモジしているんだい?」
「・・・気にしなくていいのじゃ」
(つい咄嗟に買い物って言っちゃったけどこれってデート?デートよね?買い物に行って一緒にご飯食べてそんでもっとちょっといい雰囲気になったり・・・ほ、ホテルはダメよ!嫌じゃないけどまだ心の準備が・・・)
優子の脳内は妄想で埋め尽くされていた
※数分後※
「・・・雨、止まないね・・・」
現在の時間は21時
嵐はおさまるどころかどんどん酷くなっている
「島田君さえよければ今日はウチに泊まっていくといい。この時間だと嵐が収まっても帰るのは危険だろう」
「と、泊まっ!?」
「そ、そこまで迷惑をかけるわけには・・・」
『泊まる』という言葉に敏感に反応する優子と遠慮する海人
「気にすることは無いよ。幸い明日は土曜日だから学校も休みだろう?こんな時間に子供を外に放り出すなんてできないからね」
「・・・じゃあ・・・お願いします」
海人は少し考えて木下父の提案を受けることにした
このまま家に帰ろうとして万が一怪我をしたら、彼らが責任を感じてしまうと思ったからだ
「ならば島田に連絡をするのじゃ。ほれ、携帯じゃ」
「ありがとう秀吉君」
そう言って秀吉は自分の携帯を海人に渡す
「あ、もしもし姉さん?僕、海人だけど」
『海人!大丈夫!?怪我は無い!?』
「うん。平気だよ。ただ家に帰れそうになくて、秀吉君達の親御さんが泊まっていくと良いって言ってくれてるんだ」
『そう、わかったわ。こっちはアキと玲さんが来てくれているから大丈夫よ』
明久と玲が美波と葉月の事を心配して家に来てくれていると聞き、海人は一安心
そして『おやすみ』と言い電話を切った
「はい、ありがとう秀吉君」
「うむ、島田達は大丈夫かのう?」
「アキ兄さんと玲さんが来てるみたいだから心配ないと思うよ」
「さて、それじゃ布団を用意するわね。秀吉、手伝ってちょうだい」
「わかったのじゃ」
ちなみにその頃、優子はと言うと・・・
(海人君がウチに泊まる・・・一つ屋根の下・・・そんな、まだアタシ・・・心の準備が・・・)
再び妄想で頭がいっぱいなのだった
※数時間後※
「・・・眠れないな・・・」
秀吉の部屋の隣の空き部屋を借りた海人は他所の家と言うこともあり、寝つけずにいた
「ちょっとトイレに行って来よう」
そう言い海人は秀吉達を起こさぬよう静かに廊下を歩く
すると・・・
「おや、寝つけないのかい?」
「あ、はい」
ビールを片手にリビングでくつろいでいる木下父に声を掛けられる
「島田君、少し話でもどうかな?」
「え、は、はい」
「ふふ、そんなに固くならなくてもいいよ」
木下父は少し緊張した様子の海人を見て笑いながらそう言う
「一度、島田君にはお礼を言いたいと思っていたんだ」
「へ?」
海人は思い当たる節が無いのか間の抜けた声をあげる
「優子のことさ。他の生徒に脅されていたところを島田君が助けてくれたんだろう?」
「え、い、いや、あれは僕が助けたってわけじゃ・・・」
海人は慌てて否定する
おそらく根本の件の事だと分かったが、海人にとっては優子を泣かせたのが許せなくて殴り飛ばしただけで、助けたというつもりはなかったからだ
「自分の事で本気で怒ってくれた。それだけで優子は嬉しかったんだと思うよ。それに野球部のマネージャーの件もそうさ。最初は優子に務まるのか心配だったんだけど、その日から毎日楽しそうでイキイキしてるんだよ。これからも優子の事、よろしく頼むよ」
「は、はい。もちろんです」
真面目な顔でそう言った木下父に海人は即答で返す
この時二人は気付いていなかった・・・
襖の向こうで『ある人物』がこの会話を聞いていることに・・・
(か、勘違いしちゃダメよ木下優子。海人君はそんなつもりで言ったんじゃないんだから!)
『優子の事をよろしく頼む』と言った父に『もちろんです』と言った海人
まるで結婚を許してもらいに来た婿と義父のような会話に優子は顔を熱くさせる
「紛らわしいのよ・・・バカ」
優子は誰にも聞こえないような声でそう呟いた
※おまけ※
「な、なに!?あの二人は付き合っているんじゃないのか!?」
木下父は盛大に勘違いをしていた
海人が木下父に認められた?
これであとは二人がくっつくだけですねww
次回から体育祭編に突入・・・なのだが、まだ全く話の組み立てができていないという・・・
まぁなんとかなるでしょww
次回も頑張ります