バカとテストとウチの弟   作:グラン

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皆様お待ちかね
海人君の告白シーンですよ


第百二十八問 島田海人の告白

「・・・ここは・・・?」

 

「病院さね」

 

「学園長・・・!!そうだ!あの子は!?島田海人は・・・うぐっ!」

 

「急に起き上がるんじゃないよ。安心しな。アンタより重症な奴はいないよ。島田も額を軽く切っただけで他は奇跡的に無傷さね」

 

「そうですか・・・」

 

 

竹原はホッと溜息をつく

 

 

「よかった・・・これで安心して警察に出頭できます」

 

「何を言っているんだい?」

 

「え?」

 

 

そう言って学園長はテレビに電源を入れた

 

 

『本日夕方、廃院となった文月病院跡地にて崩壊事故がありました。中で現在注目されている召喚システムの実験をしていた生徒教師数名が巻き込まれました。幸い、重傷者はなく、軽傷者は二名。事故の原因は、建物の老朽化と見て捜査は進められております』

 

 

ニュースを見た竹原は絶句する

 

 

「事故・・・?ど、どういうことですか!?」

 

「・・・根本の父親の仕業さ。警察幹部を多額の金で買収したのさ。息子の罪を隠すためにね」

 

「そんなバカな話が・・・!!ま、まさか私の元に来た警察も・・・?」

 

「・・・おそらくね」

 

 

竹原は怒りで拳を握る

最初から根本家の掌の上で踊らされていたのだ

 

 

「私が出頭すればいいだけの話だ!!そしてそこで真実を・・・」

 

「無駄さ。警察がグルなんだ。何を言っても握りつぶされる。それに、ウチの学園にはかつて殺人を犯した男の息子が通っていてね。『余計な真似をしたらそのことを世間に公表する』と言ってきたのさ」

 

 

竹原は言葉を失った

自分はもう失うものは無い

だが、その生徒は違う

自分が余計な事を言えば今度はその生徒を巻き込んでしまう

 

 

「・・・黙認するしか・・・ないのですか?」

 

「・・・とにかく、今回の件でウチの学園の評判は最悪。ネット上でも批判の嵐さ。だから・・・アンタにもさっさと現場に復帰してもらわないと困るのさ」

 

「・・・え?」

 

「よろしく頼むよ。竹原教頭」

 

「・・・は、はい・・・」

 

 

竹原は学園長の言葉に涙を流しながら答えた

 

 

「一つだけ・・・聞いてもよろしいですか?」

 

「なんだい?」

 

「なぜあの時、私の言葉を否定しなかったのですか?」

 

「・・・あの子はね。死ぬ直前にアタシに電話してきたのさ。普段はまだ研究所にいる時間だったんだが、その日はたまたま早く帰っていてね。『藤堂先生に会いたかったな・・・』って言葉の意味に気付けなくて『明日にしろ。今日はさっさと帰りな』って言ってしまったのさ。もしアタシがあの子のSOSに気付ければあの子は死ななかったかもしれない。アタシなら止められたのかもしれない。そう思うと『アタシは無関係だ』なんて言えなかったのさ」

 

「そう・・・だったのですか・・・」

 

「アンタや北条に連絡しなかったのは『今の自分を見られたくない』『自殺する決意が揺らぐ』ってところだろうね。恨みたきゃ恨みな。アタシはアンタの娘を救えなかった」

 

「もう恨んだりしませんよ。北条の言うとおり、あの子は優しい子だ。復讐なんて望むはずがない。怒りで自分を見失うとは、私は本当に愚かだった・・・」

 

 

二人はさやかの事を思いだし、涙を流すのだった

 

 

 

  ※一方その頃※

 

 

「う・・・ん・・・?」

 

「海人!」

 

「海人君!?気がついたんだ!」

 

「お兄ちゃん!大丈夫ですか!?」

 

 

目を覚ました海人の病室には美波、優子、葉月の三人がいた

葉月は海人が怪我した(詳細は教えていない)ことを伝え、英雄たちが病院まで連れてきたのだ

 

 

「大丈夫。心配かけてごめんね」

 

「よかった・・・心配したんだから・・・」

 

 

優子は海人の手を握って泣き出す

 

 

「!!ふぅ、安心したら喉が渇いちゃった。何か買って来るわね。葉月、行こう」

 

「!!はいです!」

 

 

美波が何かを思いついたような表情でそう言い、葉月にアイコンタクトすると、葉月も何かを察知し、美波について病室を出て行った

そして・・・病室には海人と優子の二人っきりだ

空気の読める姉妹である

 

 

(そういえばあの時・・・)

 

(どさくさに紛れて告白しちゃったけど・・・)

 

 

二人は廃院での自身の告白を思いだし、顔を赤くする

 

 

「「あの!!」」

 

 

・・・ハモった

二人の顔は更に赤くなる

 

 

「え、えっと・・・先にいいかな?こういうのは男が先に言うべきだと思うんだ」

 

「う、うん・・・」

 

「じゃあ改めて・・・僕は優子さんの事が好きです。一年の時、言葉が分からなくて困ってた僕に親切にしてくれて、優しい人だなって思って・・・それからずっと好きでした。僕と付き合ってください!」

 

「じゃあ今度はアタシの番ね。アタシも海人君が好き。自覚したのはつい最近。一年の時は放っておけなくて声を掛けて、正直言って親切にしてたのは自分の評価を上げるための点数稼ぎのつもりだった。でも・・・いつからかな?海人君と話をするのが楽しくなって、海人君が休んだ日はちょっと寂しくて、気がついたら・・・海人君の事を目で追っていて・・・多分その頃から好きだったんだと思う。こんなアタシでもよければ・・・付き合ってください!!」

 

 

そう言って二人は頭を下げる

そして顔を上げて目を合わせ、笑顔で・・・

 

 

「「よろしくお願いします!!」」

 

 

そう言った

そしてゆっくりと顔を近づけ、唇を重ねた

ちなみにその頃、病室の外では・・・

 

 

「よかったわね。海人」

 

「おめでとうです!」

 

「やっとくっついたね」

 

「あはは、優子も海人君も鈍感だからね」

 

 

美波達が覗いていた

と、そこへ・・・

 

 

「おーい、お前ら。何やってんだ?」

 

 

雄二が登場

 

 

「ゆ、雄二、声が大き・・」

 

「?まぁいいや。海人、起きてんだろ?おい海人、飲み物買って来t・・・」

 

 

そう言ってためらうことなく病室のドアを開ける雄二

その瞬間・・・時が止まった

病室の中では・・・キスをしている海人と優子

 

 

「あ・・・えっと・・・す、すまん」

 

「さぁぁぁぁかぁぁぁぁもぉぉぉぉとぉぉぉぉ!!!!」

 

「このバカゴリラ!!」

 

「・・・雄二、さすがに今のは無い」

 

「ま、待て!悪気はなかった・・・ぎゃあああああ!!!」

 

 

二人の甘いひと時を邪魔した雄二は魔王様(美波)にお仕置きされ、海人や竹原よりも重症となるのだった

 




海人と優子はついに結ばれました
そして雄二はやっぱりKYでしたね

次回も頑張ります
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