バカとテストとウチの弟   作:グラン

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今回はデート・・・の前日のお話



第百三十五問 彼と彼女の初デート 前編

「さてと・・・始めましょうか」

 

 

部活を終え、シャワーを浴び終えた木下優子はそう呟いた

 

 

「まずは何を着て行くかよね」

 

 

そう、明日は海人とのデートなのだ

前回如月グランドパークに行った時の服装はTシャツに上着を羽織って下はショートパンツと言うラフな格好

 

 

「うん、無い。あれは無いわ・・・」

 

 

当時は恋心を自覚していなかったとはいえ、男の子と遊びに行くような恰好ではない

 

 

「まずはこの本ね・・・」

 

 

優子が取り出したのは一冊の本

タイトルは『失敗しないデート』

まさに今の優子にうってつけの本である

 

 

「えっと・・・あった。男の子が喜ぶ服装第一位」

 

 

着替える優子

 

 

「おかえりなさい。お風呂にする?ご飯にする?それともア・タ・シ・・・って、バカ!っていうかやってるアタシがバカ!?」

 

 

ちなみに今の優子の服装は裸エプロン

たしかに男の子が喜びそうではあるが・・・

 

 

「デートだって言ってんでしょうが!!」

 

 

この格好で出掛ければドン引きされること間違いなし

 

 

「次よ!次!」

 

 

ドレス

 

 

「結婚式か!!」

 

 

振袖

 

 

「成人式か!!」

 

 

メイド服

 

 

「それは前話前々話でやったわ!!」

 

 

などの服装は選ぶと引かれる可能性が高いので選ばないようにしましょう

 

 

「なら書くな!!」

 

 

本を地面に叩きつけながらツッコむ優子

 

 

「はぁはぁ・・・まぁいいわ。それより続きよ。なになに?『彼がウブな性格の場合、露出の多い服はNG。恥じらいで目を合わせてくれなくなる』・・・なるほどね。たしかにそうかも・・・」

 

 

顔を真っ赤にして顔を背ける海人の姿が安易に想像できる

 

 

「『黒やベージュのような暗い色や地味な色は避け、白やピンクのような明るく派手過ぎない色を選ぶと良いでしょう』・・・ふむ、そういえば買ってから着てない白のワンピースがあったわね・・・ウエストがきつくて着れなかったけど今なら・・・」

 

 

タンスから取り出し、着てみる優子

 

 

「やった!着れた!ちゃんとダイエットの効果が出てるじゃない♪」

 

 

海人への恋心を自覚してから、こまめにエクササイズなどをし、体型に気をするようになった

元々太っているわけではなかったし、マネージャーの仕事も割ときつく、いつの間にかウエストが細くなっていたのだ

 

 

「服はコレでいいわね。次は・・・なになに?『待ち合わせ時間には少し早めに行くこと』まぁ当然よね」

 

 

女の子としては『ごめん、待った』『ううん、今来たところ』なんてシチュエーションに憧れるかもだが、真面目な性格の優子としては、初デートで遅刻なんてありえないと思っているのだ

それに・・

 

 

「海人君は絶対に早く来るだろうし・・・」

 

 

マネージャーを始めてから海人とは朝練でも顔を合わせているが、彼が遅刻したところを見たことが無い

それどころか開始時間前には着替えと準備運動まで済ませている位だ

 

 

「待たせるのも悪いし、気をつけなくちゃね。えっと、次は・・・『彼を部屋にあげてもいいように片付けておくこと』・・・いやいやいや、それはさすがに早いっていうか物事には順序と言うものがあって・・・」

 

 

誰に言っているのか優子は顔を真っ赤にしながらそう言う

 

 

「で、でも絶対に無いとは言えないわね・・・海人君だって男の子なんだし、そういうことに興味を持っていてもおかしくないわ。は、恥ずかしいけど海人君が望むなら・・・」

 

 

『部屋にあげる』と書いてあるだけなのに随分と具体的な妄想力である

 

 

「えへへ・・・ハッ!」

 

 

優子は妄想の世界から戻って来て周囲を見渡す

・・・現在の優子の部屋の状況を一言で言うなら『ゴミ屋敷』である

 

 

「こ、こんな部屋、見せられるもんですか!」

 

 

  ※数分後※

 

 

「ぜぇぜぇ・・・なんでこんなに散らかってるのよ・・・」

 

 

文句を言うが、当然散らかしたのは優子自身である

 

 

「と、とにかくこれでいいわ。海人君の性格を考えると勝手に押入れを開けたりはしないでしょ」

 

 

×片付けた→○押し入れに詰め込んだ

 

 

「さ、次よ次!『男の子は手料理に弱い』・・・アタシの腕で明久君や美波に勝てるわけないじゃない・・・」

 

 

凄腕料理人の二人を思い浮かべつつ呟く優子

 

 

「でも・・・作ったら海人君喜んでくれるかな・・・」

 

 

優しい性格の彼ならきっと『美味しい』と言って食べてくれるだろう

 

 

「よし!ちょっと頑張ってみますか!」

 

 

その後も随所にあるポイントを抑え優子は眠りについた

 

 

 

  ※そして翌朝※

 

 

「む?姉上、今日は休日だと言うのに随分起床が早いではのう」

 

「まぁちょっとね。それよりアンタは今日も部活でしょ?ついでにアンタの分の弁当も作ったから持って行きなさい」

 

「うむ、ありがとうなのじゃ(『ついで』と言うことは・・・なるほどのぅ)」

 

 

優子の発言でなんとなく早起きの理由に気付いた秀吉

 

 

「それでは行ってくるのじゃ(からかうと痛い目を見るし、余計な事は言わないのじゃ)」

 

「いってらっしゃい」

 

 

秀吉を送り出す優子

 

 

「さてと・・・ふふ、我ながら上出来じゃない?海人君、喜んでくれるかなぁ」

 

 

味見をしてみると、やはり明久達には及ばないが、それなりに美味しく出来たと自負する優子

 

 

「ふぁ・・・さすがに早すぎたかしらね」

 

 

現在の時間は午前7時

起きたのは6時頃である

 

 

「でもまぁ、遅れるよりマシよね。まだ時間もあるし、ゆっくりして行こうっと」

 

 

そう言ってソファーに座りくつろぐ優子

 

 

 

 

『海人君、お弁当作って来たんだけど、食べてくれる』

 

『うん。すごく美味しいよ!可愛くて料理上手な彼女を持って、僕は幸せ者だよ』

 

『海人君・・・』

 

『優子さん・・・』

 

 

二人はいいムードに・・・

 

 

 

「えへへ・・・海人君・・・むにゃむにゃ・・・」

 

 

・・・なんてことはなく、今のは優子の夢である

ソファーでくつろいでいた彼女はそのまま二度寝してしまったのだ

木下母はそれに気づいたものの、幸せそうな寝顔の娘を見て、起こさずにそのまま出かけてしまったのだ

 

ちなみに海人との待ち合わせ時間は11時

現在の時間は・・・12時半

つまり・・・

 

 

  ※数分後※

 

 

「みぎゃあああああああ!!」

 

 

木下家から花の女子高生とは思えない奇声が響いたのだった

 

後編へ続く

 




初デートにて大遅刻してしまった優子
はたして海人は待ってくれているのか・・・

次回も頑張ります
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