放課後、美波は急ぎ足で海人の元に向かっていた
「きっと今頃、自分の姿を見て不安になっているわよね。姉としてしっかり元気づけてあげなくちゃ」
そして保健室に到着
「かいと~♪お姉ちゃんが迎えにきた・・・わ・・よ?」
しかし、そこに海人の姿は無く、地面には勝亦先生が倒れている
「ちょ、先生!何があったんですか!?」
美波は慌てて勝亦を抱き上げる
「寝てるだけ・・・?殴られたわけでもなさそうね」
寝息を立てている勝亦を見て考え込む
居眠りにしても地面で寝ているのは明らかにおかしい
美波はとりあえず勝亦を開いているベッドに寝かせる
「じゃあ海人はどこ?トイレに行くにしても海人が倒れてる先生を放っておくわけないし・・・」
必死に考えるが、何度考えても答えは最悪の状況
「誰かに・・・連れて行かれた・・・?」
顔を青くする美波
この事を知っているのは明久、秀吉、優子、学園長だが、倒れている勝亦を放って連れて行く人はいない
となると誰かが勝亦を眠らせ、海人を連れ去ったと考えるしかない
「美波、置いていくなんて酷・・・「アキィィィィ!!」・・・ゴフッ!」
美波の鳩尾タックル
明久に999のダメージ
「どうしようアキ!海人が!海人がぁ・・・!!」
「み、美波!どうしたのさ!?落ち着いて!」
「・・・何やってんだお前ら?」
「・・・大胆」
美波が明久に馬乗りになって泣きついているとそこに三年生の常村勇作と神崎琴音が通りかかった
「あー島田姉。何があったか知らんが、落ち着いて状況を説明してくれ」
「海人が小学生でいなくなって保健室なんです!!」
「吉井、通訳してくれ。さっぱりわからん」
「美波、落ち着いて。単語の順番が滅茶苦茶だよ」
「・・・島田君が小学生になって保健室からいなくなったって」
「「今のでわかったの!?」」
琴音の情報処理能力に驚く二人だった
※数分後※
「身体が縮んだねぇ・・・信じがたいが、島田姉の様子を見る限りだと嘘を言っているようには見えねえな」
「アタシも見ました。海人君の身体から煙が出たと思ったら身体が縮んで小学生位の姿に・・・」
常村の言葉に合流した優子が答える
「探すにしてもどうする?もし学園の外に出られたのならもう探しようが・・・」
「わかってるわ。だから・・・『姉上』・・戻って来たわね」
「竹原教頭に聞いてきたのじゃ。五時間目開始からずっと正門前の草むしりをしていたそうじゃが、不審人物は入って来てないし、子供を連れた人物も大きな荷物を持った人物も通ってはいないそうじゃ」
「そう、裏門は今は工事中で通れない。と、言うことは?」
「・・・犯人はまだ学園内にいる」
「じゃあ早速探そう!こういう時にムッツリーニがいてくれれば助かったんだけど・・・」
「・・・呼んだか?」
「何かあったんですか?琴音さん」
「ムッツリーニ!?それにたしかあなたは小山さんの知り合いの・・・」
「小暮葵ですわ」
「珍しい組み合わせじゃのう?」
「・・・小暮先輩は取引相t・・・もごもご」
「そ、それより、なにがあったんですか?見たところお困りのようですが」
※説明後※
「身体が縮む・・・まさか・・・」
「何か知ってるんですか!?」
「確証はありませんが・・・理香の仕業かもしれません」
「・・・小保川が?」
「そういやアイツ、五時間目に姿が見えなかったな」
「誰?」
「小保川理香、私たちと同じAクラスの生徒で、科学部部長。そして数か月前に島田君のファンクラブから追放された人物ですわ」
「追放?」
「はい。彼女の行動はあまりにもモラルに反していて、いくら非公認のグループとはいえ、黙認できるレベルではなかったのです」
「・・・たとえばどんな?」
「ストーカー行為や盗撮は当たり前。他にも彼が部活や体育中に更衣室に忍び込み制服の匂いを嗅いだり、一番酷かったのは彼の制服を新品とすり替え、使用済みの物を鮮度が落ちる前に真空パックで保存して自宅に保管して・・・」
「「「「・・・」」」」←どん引き
「で、でも、その人が犯人だという証拠は・・・」
「ええ、ありません。しかし、彼女は最近オカルト研究会に入り、黒魔術について調べているという情報を耳にしました。彼女が犯人じゃなければそれでいいのですが、もし犯人だとしたら・・・」
「したら?」
「科学やオカルトの力を使って島田君の洗脳位は平気で行うでしょう」
「ウチノカイトニナンテコトヲ・・・ユルサナイユルサナイ・・・」
「コロスワ。ソノオンナ、コノヨニ、ケツエキイッテキノコサズ、ケシサッテヤル」
魔王二名様ご案内!
(先輩、優子さんは同じ部の仲間なんでしょ?止めて下さいよ)
(お前こそ、彼女を止めろよ)
(無茶言わないでくださいよ!僕に死ねって言うんですか!?)
(その言葉そっくりそのまま返してやるよ!)
「「ゴチャゴチャイッテナイデ、サッサトイクワヨ!」」
「「サー!イエッサー!」」
優子と美波の殺気を浴び、怯えつつ常村と明久は返事をした
「「海人をかえせえええええ!!」」
まだ犯人と決まったわけではないのに、迷うことなく科学部のドアを吹き飛ばす美波と優子
「・・・いない」
「理香は変態ですが、バカではありませんわ。ここに来ることを想定して他の場所に移動しているのかもしれません」
「じゃあ手分けして探そう!」
そう言って彼らは分散して海人を探し始めた
「全く・・・どこに隠れたのよ!」
優子は空き教室の中を確認しながら廊下を疾走する
「空き教室が多すぎる!」
優子が今いる場所は新校舎
旧校舎や運動部の部室などを含めれば隠れる場所はかなりある
「急がないと・・・(ガッシャーン!)・・そこか!?」
優子は音がした部屋のドアを勢いよく開ける
するとそこには・・・
「す、すいません。お皿を割ってしまって・・・あの・・・うるさかったですか?」
一人の女子生徒が割れたお皿を持ち、ビクビクしながらそう言った
「あ、ううん。どうやら人違いだったみたい」
優子はそう言ってドアを閉める
そこでふとある事に気付く
「・・・アタシってば・・・なんてバカ!!」
今の皿の割れた音がヒントだった
誘拐までしているのにこんなに音が響きやすい所にいるわけがない
そもそも、窓があって外から見える教室を使うはずもない
頭に血が上って、ちょっと考えればわかる事を見逃していたのだ
そして優子は人気がなく、少々声が漏れても問題ない場所、屋上のドアを開けた
「海人君!!」
しかし・・・
「・・・いない・・・?」
そこに海人の姿はなかった
そこから旧校舎の屋上も見てみるがそちら側にも誰もいない
「考えるのよ木下優子。旧校舎は古くて音が響きやすいから無い。部室棟も鍵が職員室にあるから無い。防音といえば音楽室だけど、あそこは放課後は合唱部が使うはず・・・」
(何か見落としているはずよ。外から見えなくて、人気が無くて音が外に漏れない場所・・・そんな都合のいい場所・・・)
「・・・あった・・・」
そして優子は再び走り出した
カーテンが閉まっていても不自然ではなく、放課後は使われず、音が外に漏れにくくなっている部屋。それは・・・
「視聴覚室!!」
※視聴覚室※
「・・・ん・・・」
(ここは・・・?)
「あら目が覚めた?」
「ん・・・んん!?んんー!!」
自分が拘束され、口を何かで塞がれていることに気付き暴れ出す海人
「自己紹介がまだだったわね。私は小保川理香。乱暴な事をしてごめんなさい。でもすぐに解放してあげるわ。そう・・・」
優しげな笑みを浮かべる小保川に海人は少し安心するが・・・
「・・・あなたの子を孕んだら」
「んんんー!!!」
再び暴れ出す
今の海人の状態は大きな机に大の字に拘束されている
そして小保川は自身の制服のボタンを外し、下着が見えるようにする
「どう?木下さんやお姉さんより大きいでしょ?海人様が望むなら私の身体を自由にしてもいいのよ?」
「むー!むー!」
魅力的な提案を色っぽく言う小保川だが、海人は首を振りながら暴れる
「そう・・・まぁいいわ。すぐに私の虜にしてあげる」
そう言って小保川は海人の履いている短パンに手を掛ける
必死にもがく海人だが、今の状態で抵抗はできなかった
そして短パンが下されるが・・・
「え!?」
そこには彼女が想像していた男性の象徴なるものがなかった
「な、なんで!?失敗!?幼児化させた際に女性化までさせてしまったって言うの!?これじゃあ既成事実をつくるという私の作戦が・・・」
頭を抱える小保川
自身の身体が女性化したという事実にショックなようなとりあえず助かったような複雑な感情を持つ海人
「・・・仕方ないわ。どうせ三日もすれば元に戻るんだしプランBで行きましょう。大丈夫。痛みはないわ。ただ・・・洗脳して木下さんのことを忘れさせるだけよ」
「!?むー!!むー!!」
怪しげな色の液体が入った注射器をもつ小保川を見て海人は涙目で暴れる
「そこまでよ!!」
が、そこにドアを勢いよく開け、そう叫ぶ優子が現れる
隣にはピッキングの道具を手にした康太の姿
そして・・・
「・・・し、白」(ブシャアアア)
半裸状態の海人と、下着が丸見えの小保川を見て康太は鼻血を出し倒れた
「つ、土屋君!大丈b・・・うぐっ」
「木下優子ぉぉぉぉ!!」
優子の顔を見た瞬間、小保川は急に人が変わったように優子に襲い掛かり、首を絞めながら優子の身体を持ち上げる
「憎イ憎イ・・・私カラ海人様ヲ奪ッタキサマガ憎イ」
「ぐ・・が・・(なんて馬鹿力・・・ビクともしない。このままじゃ・・・)」
「むー!むー!」
小保川の表情は先ほどまでの優しげな笑みはなく、怒りの表情だ
優子は小保川の馬鹿力に手も足も出ず、海人は拘束のせいで動けない
康太は鼻血の出し過ぎで気絶中
絶体絶命と思われたその時・・・
「ウチの義妹になにすんのよ!!」
美波が小保川を蹴り飛ばした
「ゲホッゲホッ・・・」
「優子!大丈夫!?」
「え、ええ。助かったわ」
「よかった。アンタ!ウチの弟を泣かせて義妹を傷つけて・・・覚悟は出来て・・・『・・・げて・・・』・・・は?」
「逃げて・・・海人様を連れて・・・早く・・・!!もう・・・抑えられな・・・」
「な、何言って・・・」
頭を抱えながらそう言う小保川に美波と優子は戸惑う
「グッ・・・アアァァァァ!!」
すると今度は急に苦しみだした
「く・・クケケケケケ・・・コロス・・・私ト海人様ノ仲ヲ引キ裂ク者ハ全員コロシテヤル」
ホラー映画のような人間にはありえないような動きをする小保川
「ど、どうなってるのよ!?」
「憑りつかれてしまったのですわ」
振り向くとそこには小暮や他の海人を捜索していたメンバーの姿があった
「憑りつかれた?」
「はい。先ほどオカルト研究会の方で話を聞いてきたのですが、そこの生徒が面白半分で呪われているという噂のネックレスを『願いが叶うお守り』と言って彼女に渡したとのことです。それをつけた理香は人が変わったかのように黒魔術の研究を始めたそうです。その生徒もまさか本当に呪われているとは思っていなかったようです」
「そ、そんな非現実的な・・・」
「あり得ない話ではありませんわ。召喚獣や、召喚システムなど、この学園はオカルトで満ち溢れていますもの。それにそれを言うなら島田君の幼児化だって、非現実的ですわ」
小暮の言葉に一同は言葉を失う
「じゃあどうすれば・・・」
「あのネックレスが原因だと言うなら、アレを奪うか壊すしかないと思います」
小暮は小保川を指差しながらそう言う
小保川の首には趣味の悪いネックレスが掛かっている
「クケケケ・・・コロスコロスコロコロコロ・・・」
小保川は気味の悪い笑みを浮かべながら一同に近づく
そしてネックレスが妖しく光り・・・
「これは・・・召喚フィールド!?」
辺りに召喚フィールドが広がった
悪魔?に憑りつかれた小保川
美波達はどうするのか?
次回も頑張ります