バカとテストとウチの弟   作:グラン

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どうも、二週間ぶりです
モチベが上がらず少々ぐだついてしまいましたがなんとか更新




第百四十八問 親バカ達の一日

「はぁ・・・」

 

 

公園のベンチに腰掛け溜息をつく一人の中年

娘に恋人ができたと聞き、つい頭ごなしに反対し大ゲンカ

そして現在に至る

 

 

「どうされましたか?」

 

「え?」

 

 

そんな彼に声掛ける一人の男性

その手にはなぜか大きな旅行鞄

 

 

「失礼、なにやらお悩みの様でしたので声を掛けたのですが、ご迷惑でしたか?」

 

「・・・いえ、ちょうど話し相手が欲しかったところです」

 

 

そして後から来た男性もベンチに腰掛ける

 

 

「・・・実は最近、娘に恋人ができたようでして・・・」

 

「ほぅ・・・それはおめでとうございます」

 

「めでたくなどありません!・・・失礼、つい熱くなってしまいました」

 

 

勢いよく立ち上がり大声を出す中年

しかしすぐに冷静さを取り戻し、再びベンチに座る

 

 

「つまりあなたは娘さんに恋人が出来たのが気に食わないと」

 

「そうです。娘は僕が守ります。男など必要ない」

 

「・・・なるほど、娘さんを愛しているんですね。お気持ちはよくわかります」

 

「わかっていただけますか」

 

「実は私にも年頃の娘と息子がいましてね、娘は家を留守にしがちの私や妻の代わりに弟や妹の面倒をしっかり見てくれる、自分で言うのもなんですが、本当によく出来た娘でして・・・」

 

 

笑いながら娘自慢をする男性

 

 

「しかし、最近、娘にも恋人が出来まして」

 

「ほう、では当然反対を・・・」

 

「いえ、好きにしなさいと言いました」

 

「な、なぜ!?あなたは娘を愛していないのですか!?」

 

「愛していますよ。私は娘や息子を愛していますし、命に代えても守る覚悟はあります。でもね・・・親と言うのは子供より先に死んでしまうものなんです。もし私がいなくなったとき、誰が娘を守るんです?」

 

「そ、それは・・・」

 

「だから私は信頼できる男に娘を任せたいと思っています。それが娘の幸せにつながると信じています」

 

 

少し寂しげな表情でそう言う男性

 

 

「・・・アナタの言うとおりですね。僕は『娘の為』と言いながら、娘の将来のことなんて全く考えていなかった。考えていたのは自分の事ばかりだ」

 

 

静かにそう呟く中年

 

 

「帰って娘に謝ろうと思います。そして・・・『お父さん!』・・・美春!?」

 

「もう!いつまでほっつき歩いているんです!!忙しいんですからさっさとお店に戻って来てください!」

 

「ふふ、娘さんも迎えに来たことですし、私はコレで・・・」

 

「あ、はい。ありがとうございました。僕はそこの『ラ・ペディス』で店長をしています。よかったら是非寄って行ってください」

 

「ありがとうございます。でも、今日は久しぶりの日本なので、娘たちと過ごします。また機会があったら寄らせていただきますよ。それでは」

 

 

そう言って男性は去って行った

 

 

「初対面の僕にここまで世話を焼くとは。お人好しな人だ。ん?どうしたんだい美春」

 

「いえ、今の方、どこかで見たような気がするのですが・・・ハッ!それよりお店!早く戻りますよ!」

 

 

美春は中年男性(店長)を引きずって公園を後にした

 

 

  ※一方その頃※

 

 

(あの親子、うまくいったかな?)

 

「あれ?お父さん!?」

 

「おお、海人。部活帰りか?」

 

「うん。いつ日本に戻ったの?」

 

「少し前だよ。まぁ書類を取りに来ただけだからまた明日にはドイツにとんぼ返りだけどね」

 

「そうなんだ・・・」

 

 

父の言葉にションボリとする海人

 

 

「海人達の事をほったらかしで悪いと思っているよ」

 

「お仕事なんだから仕方ないよ」

 

「お土産をたくさん買って来たからな。早く帰ろう」

 

「うん」

 

 

その日島田家では家族『四人』でにぎやかに食事をしたのだった

 

 

 

 

  ※一方その頃ドイツでは※

 

 

「むー・・・」

 

「いつまで不貞腐れてんだい?」

 

「陸人さんだけズルイ!私だって美波にハグしたり葉月にキスしたり海人の『初めて』を奪ったりしたいのに!」

 

「アンタは仕事が残ってんだから仕方な・・・って、ちょっと待ちな、最後のはアウトだよ!」

 

「冗談ですよ」

 

 

笑いながらそう言う女性の名は島田美月

美波や海人の母親である

 

 

「にしてもこんなところで秋子先輩に会うとは思いませんでしたよ」

 

「アタシもだよ」

 

 

先程美月にツッコミを入れた女性の名は吉井秋子

明久と玲の母親である

この二人、実は高校時代の先輩後輩の関係なのだ

 

 

「しっかし、ウチの明久でいいのかね~?美波ちゃんならもっといい男がいそうなもんだけどね」

 

「美波は明久君にベタ惚れみたいですからね。明久君ほど良い男もそうそういないと思いますよ」

 

「そんなもんかね~?それはそうと、去年はすまなかったね。ウチの玲がバカなことをしてさ」

 

 

※玲は明久と美波が付き合い始めた当初に美波に嫌がらせをしています。詳しくは第七十八問にて※

 

 

「いえいえ、過ぎたことですから」

 

「玲のバカは代わりにアタシがボコボコにしといたから」

 

「あ、あはは・・・泣く子も黙る『女番長秋子』は未だ健在ですね」

 

「おー懐かしい通り名だねぇ。あの頃は二人で無茶したもんだ」

 

「ホントですね~」

 

 

しみじみと語る二人

 

 

「お互い結婚して子供がいるなんて、あの頃じゃ考えられないね。アタシなんて一生結婚しないつもりだったしさ」

 

「よく言いますよ。旦那さんにベタ惚れして高校卒業と同時に結婚したくせに」

 

「うぐっ、み、美月こそ『陸人さんについていく♪』とか言ってドイツまで追っかけて行ったくせに」

 

 

お互い当時の事を思いだし、顔を赤くする

 

 

「そ、そういえば、海人君も恋人ができたんだって?」

 

 

だんだん恥ずかしくなり、むりやり話題を変える秋子

 

 

「ええ、木下優子って女の子。美波から聞いた話だとラブラブらしいですよ」

 

「へぇ、それはそれは」

 

「ええ」

 

「「弄りがいがありそうだ」」

 

 

悪戯っぽい笑みでそう言う二人

本人不在の中、海人と優子が弄られることが確定したのだった

 




今回は海人や明久達の親がメインのお話でした
次回はそろそろもう一組二組位カップルを成立させて次の章に向かいましょうかね
いい加減ひっぱり過ぎたので・・・

次回も頑張ります
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