とある小学校にて
「隆くん、昇くん、おはようです!」
「あ、うん」
「おはよう」
男子二人に元気に挨拶をする女の子
彼女の名は島田葉月
海人と美波の妹である
「やっぱり島田さんって可愛いよな」
「明るくて優しいしな」
葉月に好意を寄せる男子は多く、モテモテ
しかも・・・
「あ、瑠璃ちゃん。日直一人ですか?」
「うん。透くんが今日風邪でお休みだから」
「じゃあ葉月が手伝うです!」
「え?でも・・・」
「困った時はお互い様です!」
誰にでも優しいため、同性からも好かれており、嫉妬されたりと言う事は無い
葉月は特別な事をしているつもりは無く、兄の海人の背中を見て育ったため、これは当たり前の事だと思っているのだ
「葉月ちゃんがモテる理由がわかる気がする」
「??」
鈍感なところまでそっくりに育ってしまったようだが・・・
しかし、そんな彼女にも最近、悩んでいることがあった
それは先週配られた一枚のプリント
そこには・・・『授業参観のお知らせ』と書かれていた
普通はそれを両親に見せるのだが、島田家の両親は海外赴任中で不在
(お父さんもお母さんもお仕事。でも・・・)
葉月は悩んでいた
授業参観の日は土曜日。高校はお休みだ
海人は部活だが、美波なら来てくれるかもしれない
だが、家族想いの葉月は家の事で忙しい美波に負担を負わせることは出来ないと思っているのだ
「葉月、おまたせ」
「こんにちは葉月ちゃん」
「お姉ちゃん!明久お兄ちゃん!こんにちはです!」
放課後、校門の前で待っていると美波と明久が葉月を迎えに来た
そして明久はいつものように二人を家まで送り、自宅に帰っていった
「あっ、いけない!卵が無いの忘れてた」
晩御飯の準備を始めた美波が卵の買い忘れに気付いた
「葉月が買ってくるです!」
「うーん、でも・・・」
「葉月だっておつかいくらいできます!」
「・・・わかったわ。じゃあお願いね。車に気をつけてなるべく人通りが多い道を通るのよ。あと、何かあったらすぐに電話して。変な人に絡まれたら大きな声で助けを呼ぶのよ」
「はいです!あ、お姉ちゃん・・・」
鞄の中のプリントを手に取った葉月は・・・
「ん?どうかしたの?」
「・・・何でもないです。行ってきます」
そのプリントを丸めてゴミ箱に入れて家を出て行った
(・・・やっぱり・・・言えないです)
忙しそうに料理をしている美波を見て、やっぱり言い出せないのだった
一方その頃・・・
「葉月、何か言いたげだったわよね・・?ん?」
美波はゴミ箱の中に何かが入っているのを発見
「何かしら?点の悪いテストを隠すような子じゃないし・・・」
ゴミ箱のゴミは今朝、捨てた
海人はまだ帰ってきていない
自分じゃないのだから捨てたのは葉月以外考えられない
「・・・そういうことだったのね。もう、葉月ってば言ってくれればいいのに・・・」
授業参観のお知らせを見て、美波は苦笑いを浮かべる
「日時は今週の土曜日・・・はぁ、土曜日に授業があるなんて言うからおかしいと思ったわ。って、あれ?今週はたしか・・・」
美波は携帯を手に取り、電話を掛けた
※そして土曜日※
授業参観開始数分前
周りの子達は自分の親に向かって手を振ったりしている
(・・・寂しくなんかないです。家に帰ったらお兄ちゃんやお姉ちゃんがいるです)
自分にそう言い聞かせるが、寂しさが顔に出ている葉月
そんなことを考えているうちにチャイムが鳴り、先生が入ってきた
その数分後、後ろのドアが開いた
誰か父兄の人が来たのだろうと葉月は見向きもしない
しかし・・・
「あ、すいません」
女性の声が後ろから聞こえ、葉月は目を見開く
思わず後ろを振り向く葉月
聞き間違えるはずがない
この声は・・・
「お母さん!?なんで・・・」
「島田さん。授業中ですよ」
「あ、あぅ、ごめんなさいです」
微笑みながら注意する教師に葉月は申し訳なさそうに前を向く
そしてもう一度後ろを振り向く
すると『すみません』と小声で言いながら他の父兄の前を通り教室の中に入る母の姿
そして葉月と目が合った島田母は笑顔で葉月に手を振るのだった
※授業終了後※
「お母さん!」
「葉月、久しぶりね。大きくなったじゃない」
「何で日本にいるですか!?お仕事は!?」
「ちょうど長期で休暇が取れたから日本に戻ってくる予定だったのよ。そしたら今日は葉月の授業参観だっていうじゃない。ならせっかくだから驚かせてやろうと思ってね♪」
ふふっといたずらっ子のような笑みを浮かべる島田母
授業参観の事は誰にも言ってないはずなのにと思った葉月だがこの際どうでもよかった
「葉月、寂しい思いをさせてごめんね」
「平気です!お兄ちゃんとお姉ちゃんがいるから葉月寂しくないです」
葉月を抱きしめる島田母
だが、葉月は笑顔でそう言った
「本当に、美波も海人も葉月も優しい子に育ってくれてお母さん嬉しいわ」
葉月の頭を撫でながら島田母はそう言う
そして手を繋いで家に向かって歩き始めた
「それにしても・・・」
「?」
葉月の方をジッと見る島田母
(ムニュ♪)
「ひゃわ!」
「おお、やっぱり!こっちの方も大きくなってるじゃない♪そろそろブラが必要なんじゃないの?」
ムニムニと葉月の胸を揉む島田母
「お、お母さん、くすぐったいです!」
「これなら美波より大きいんじゃないの?あの子ってば年の割にぺったんこだし・・・」
クスクスと笑いながらそう言う島田母
※その数メートル後ろ※
「離しなさいアキ!ウチはあのバカ親の脳天を叩き割ってやるんだから!」
「ダメだよ美波!落ち着いて!」
様子を見に来た美波は暴れ出しそうになり、明久はそれを必死に抑えるのだった
※おまけ・一方その頃※
「ここが来週から自分が通う文月学園か・・・」
学園の校門に一人の影
「ここに『あの人』が・・・フフッ、ようやく会えるんですね。フフフッ」
その人物は静かにその場を去って行った
葉月の授業参観の日にたまたま母帰国
なんというタイミングw
最後の方になにやら新キャラ登場の予感・・・
次回も頑張ります