今週もなんとか更新
「ふぁ~・・・姉さん、葉月、おはよう」
「お兄ちゃんおはようです!」
「もうお昼だけどね」
「まぁ休みの日に身体を休めるのは良い事よね」
寝ぼけ気味の海人がそう言うと『三人』が返事を返してきた
「・・・って、優子さん!?なんでここに・・・」
「む、彼女が彼氏の家に遊びに来るのがそんなにおかしいかしら?」
「そ、そういうわけじゃないけど・・・」
(ずっと寝顔を眺めていたことは黙っておこう)
「ほらほら、話は後にしてご飯にしましょ。冷めないうちに食べてちょうだい」
「あ、うん」
そう言って一同はテーブルを囲んで座る
葉月は何気なくテレビを点け、そこには・・・『根本会長逮捕』の文字が表示されていた
『日本を代表する大企業の一つ、根本グループの根本会長が逮捕されました』
「・・・これって根本君のお父さんだよね?」
ニュースキャスターの声を聞き、海人がそう呟く
『調べによると根本会長は、三年前に当時13歳の少女を拉致監禁し、取引先の男性に売春を強要していたとのことです。警察では他にも余罪があると見て捜査を進めています』
「・・・最低ね」
「子供が子供なら親も親ね」
『なお、この件は高校二年生の次男の『自分が彼女を襲いました』という自首により発覚したもので、根本会長は次男の犯罪を揉み消すためにこの事件を起こしたと見られています』
「え・・・?高校二年生?これって根本君だよね?じゃあ拉致監禁されてたのって・・・」
海人がそう言ったその時、海人の携帯が鳴りだした
「あ、智也君!?今、テレビで・・・」
『見ていたのか。それなら話は早い。根本は捕まった。もう安心だ』
「そ、それはわかったけど・・・」
『詳しい事は学校で話すよ』
「う、うん。わかった」
そう言って電話を切った
「智也君は何か知ってるみたい。詳しい事は学校で話すって」
「そう・・・とにかく、これで海人君が狙われる心配はないわね」
「そうね。あのキノコをぶん殴れなかったのは残念だけど、これで安心ね」
優子と美波は海人に危険が及ぶことが無くなったことに胸を撫で下ろすのだった
「くそっ!あの出来損ないめ!!よりによって私の根回しをしていないテレビ局にメールを飛ばしおって!!」
テレビのニュースを見ながら、根本父は取調室の中でそう叫ぶ
「おい、そこのお前。署長の松田を出せ」
看守に向かって偉そうに命令する根本父
・・・が
「松田は辞職しました」
「なんだと!?じゃあ吉川か鈴本、小田川でもいい!」
「残念ですが・・・アンタから賄賂を受け取った連中は全員クビになったよ」
「な、なん・・・だと・・・?」
急に口調を変え、そう言い放つ看守
「昨日の夜中にネット上で公開されたんだよ。アンタがウチの上層部に賄賂を渡している動画や渡した人物のリストがな。それを見た本庁の人間が査察に入り、全員解雇ってわけだ」
「な、なぜそんなものが・・・まさか正一か!いや、アイツは同席させてないはず・・・なら・・・」
根本父は考えを巡らせ、一つの結論に至った
同席していたのは・・・執事の男だけだった
「あの恩知らずめ!!くそっ!!どいつもこいつも私をバカにしおって!!」
拳を握りそう叫ぶ根本父
「おい、おまえ。私をすぐに釈放しろ。いくらいる?百万か?二百万か?」
すぐさま看守を買収しようとする根本父
「いらねえよ」
「な、なんだと!?よ、よし、一千万でどうだ?お前らが一年や二年じゃ稼げない金額だぞ?後の事は心配いらないぞ。新しい上層部にも根回しして、お前には非が無いように細工をする。だから・・・」
「一千万だろうが一億だろうがテメエの腐った金なんか要らねえって言ってんだよ」
「くっ、もういい!貴様では話にならん。他の奴を呼べ!」
「構わねえけど、無駄だぜ」
そう言って看守はテレビを点ける
『・・根本グループ傘下企業が次々と買収されていっております』
「な、何だこれは!!」
ニュースを見て狼狽える根本父
『霧島グループ、神崎グループなどが次々と根本グループの傘下の企業を買い取り、残った企業も独立や閉店をしていき、根本グループは事実上破綻となりました』
「ふ、ふざけるな!!正一は何をしているのだ!!」
『なお、根本正一新会長はその売上金を全額、日本全国の孤児院や、世界の恵まれない子供たちへ寄付し、その額は数百億とみられ、根本グループの財産はほとんど使われたとみられています』
「な・・わ、私の金・・が・・・」
「わかったか?アンタにはもう金も何も残っていない。アンタは・・・ただの犯罪者だ・・・」
その言葉で真っ白に燃え尽きる根本父
「は、はは・・・私の・・・金・・・ははは・・・」
崩れ落ち、気の狂ったように笑うのだった
「これで残高は12円か。ははっ、大企業の資金とは思えないな。もう缶ジュースも買えないや」
正一はクスリと笑う
彼が行った事、それは根本家の資金をゼロにすること
金があったら根本父はそれを使い釈放され、また悪事を繰り返してしまう
故に、派手に資金を使い果たし、根本家に金は無いと思わせることが必要だった
そう考えた正一がまず行ったのは傘下企業の社員の生活の保障だった
彼らを巻き込むわけにはいかない
そう思い、彼は霧島家、神崎家などに頭を下げ、格安で買収してもらったのだ
「神崎会長や霧島会長には感謝しないとな。こんな無茶なお願いを聞いてもらってさ」
「そうでございますね」
「・・・付き合わせてしまってすいません」
正一は執事にそう言い頭を下げる
傘下企業の社員たちはそのまま霧島グループ、神崎グループで雇ってもらえることになった
しかし、執事はそうはいかない
職場が根本家である上に、今回の件で雇い主を裏切っている
そんな男に次の就職先があるはずもない
「構いません・・・私は旦那様の指示とはいえ取り返しのつかないことをしてしまいました。あの日運転手として芹沢さやかさんの監禁の片棒を担いでしまった。今でも彼女の泣き叫ぶ声が耳に焼き付いて離れない。これは私のけじめなのです」
「・・・それじゃあ、行こうか」
「はい。最後まで、お供させていただきます」
そう言って二人は警察署に向かった
そして翌日、彼らは監禁幇助の罪で逮捕された
根本父はこれにて退場していただきましょう
え?生温い?すいません
次回は少し時を遡って智也と瑞希のあま~いお話♪
次回も頑張ります