バカとテストとウチの弟   作:グラン

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今回は瑞希と智也しか出ません
『甘ぁぁぁ~い!!』と叫んでもいいんだぜw


第百八十三問 お泊り

(ふぁああああ!!わ、私ってばなんて大胆な事を・・・)

 

 

時は遡り、事件の日の夜

智也の家に入った瑞希はリビングに座り、自身の発言を思い返して顔を赤く染めていた

 

 

(・・・ごめんなさい。今日だけ・・・今夜だけですから・・・)

 

 

瑞希は智也に抱き着いていた少女、あやかに対して心の中で謝る

彼女は未だに智也とあやかが付き合っていると勘違いしているのだ

 

 

「・・・めじ・・姫路?」

 

「ひゃい!!」

 

「風呂入れたぞ。着替えは・・・そこのタンスから適当に持って行ってくれ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

瑞希は智也にそう言って、風呂場に向かう瑞希

 

 

(智也君、いつも通りでした・・・やっぱり私の事なんてなんとも思ってないからでしょうか・・・)

 

 

女の子を家に泊めるというのにいつも通りの智也の姿を見て若干がっかりする瑞希

しかし・・・

 

 

(・・・まずいだろ・・・これ)

 

 

一見、冷静に見える智也だが、内心ではかなり動揺している

それもそのはず、同年代の女の子を家に泊めるなんて経験は一度もない

 

 

「あ、あの・・・智也君」

 

 

そうこうしているうちに瑞希はお風呂から上がってきた

 

 

「あ、ああ、あがったのか」

 

 

瑞希が着ているのはTシャツとハーフパンツだ

ズボンの方は紐でウエストを調整できるタイプなので問題ない

問題はTシャツだ

ただでさえ小柄な彼女に男性もののTシャツのサイズが合うはずもなく、ブカブカだ

肩からブラの紐が見えている色っぽい状態となっていた

 

 

「じゃ、じゃあ俺も風呂に入ってくるから、そこら辺の紅茶とかを適当に入れて飲んでくつろいでてくれ」

 

「むー」

 

「?どうかしたか?」

 

「・・・なんでもないです」

 

 

普段通りの態度の智也を見て不満そうな瑞希

そんな彼女をスルーして智也は風呂に入る

そして智也が入浴を終え戻ると、瑞希は正座をしたままピクリとも動かず待っていた

明らかに緊張している

 

 

(そう固くなられるとこっちも困るんだがな・・・)

 

 

そんなことを考えつつ智也はお茶を瑞希の前に置く

 

 

「腹減っただろ?なんか簡単な物を作ろう」

 

「あ、私もお手伝い・・・」

 

 

そう言って瑞希が立ち上がろうとしたその時・・・

瑞希は智也に抱き着くように崩れる

 

 

「ど、どうした・・・?」

 

 

背中に当たる柔らかい感触を感じつつ、智也は瑞希に問いかけた

 

 

「あ、足が・・・痺れて・・・」

 

 

・・・正座で待っていた結果である

 

 

「手伝いはいいから座って待ってろ」

 

 

智也はそう言うが瑞希は智也から離れる様子が無い

 

 

「姫路?」

 

「・・・私、最低ですよね・・・智也君にはもう恋人がいるのにこんなことして・・・諦めなきゃいけないのに、諦めきれなくて・・・」

 

「・・・待て、誰に恋人がいるって?」

 

「智也君です」

 

「は?いないぞ?」

 

「嘘です!私、見たんです。今日の夕方、女の子と抱き合ってるところを」

 

「・・・それって、これぐらいの背丈で、代表よりちょっと短いくらいの髪の一年生か?」

 

「そうです」

 

 

智也はジェスチャーで瑞希に問いかけた

 

 

「あれは恋人じゃない。同じ施設で育った妹みたいなもんだ」

 

「・・・へ?妹・・・?それに施設って・・・」

 

「ああ、お前には言ってなかったか?両親は俺が五歳の時に亡くなってるんだ。それから児童養護施設に預けられて、あやか・・・お前が見た少女ともそこで出会ったんだ。で、夕方に数年ぶりに再会して『会いたかった』って抱き着かれたんだ」

 

「そうだったんですか・・・ご、ごめんなさい!私、何にも知らなくて・・・」

 

「気にするな。もうとっくに割り切ってる。それより・・・」

 

「?」

 

「・・・そろそろ離してもらえるか?」

 

「!!ご、ごめんなさい!」

 

 

瑞希は未だに智也に抱き着いていることに気付き、顔を真っ赤にして慌てて離れる

 

 

(そっか・・・まだ諦めなくてもいいんだ・・・まだ・・・智也君の事を好きでもいいんだ)

 

 

あやかが智也の恋人じゃないと知り、嬉しそうな瑞希

そして智也が作った軽食を食べた二人は・・・

 

 

「寝るか。姫路、そこのベッドを使ってくれ」

 

「え?でもそれじゃあ智也君は?」

 

「俺はリビングのソファーで・・・」

 

「そ、そんなのダメです!私が床で寝ますから智也君はベッドを使ってください」

 

「いや、姫路は女の子なんだし、そういうわけには・・・」

 

「・・・じゃ、じゃあ、すごくいい考えがあります」

 

「・・・すごく嫌な予感がするんだが・・・」

 

 

瑞希は顔を赤くして意を決したような表情で智也にそう言う

 

 

「・・・どうしてこうなった」

 

 

ベッドに入っている智也

その隣には・・・すぅすぅと寝息を立てている瑞希の姿

二人は同じ布団の中に入っているのだ

 

 

(こいつ・・・たまに大胆な行動にでるよな・・・)

 

 

智也は瑞希の寝顔を見つつそんなことを考える

 

 

『諦めなきゃいけないのに諦めきれなくて・・・』

 

「・・・覚悟、決めるかな」

 

 

智也は先ほどの瑞希の言葉を思い出しつつそう呟き、目を閉じた

 

 

  ※数時間後※

 

 

「ふみゅ・・・」

 

 

夜中、ふと目を覚ました瑞希

寝ぼけつつ目を開けると、至近距離に智也の顔が・・・

 

 

「っ!!」

 

 

思わず声を上げそうになり、自分の口を押える瑞希

 

 

(そ、そうでした・・・私、智也君と一緒に・・)

 

 

自身の取った行動を思いだし、顔を真っ赤にする瑞希

そして智也の顔を眺めた

智也からの返事を待つ

選ばれなければ諦める

そう心に決めていた瑞希だったが・・・

 

 

(やっぱり・・・諦められないです・・・)

 

 

頭でわかっていても身体は正直

それ故に自分でも驚きの行動を取ってしまうのだ

 

 

(智也君に、はしたない子だって思われちゃったかなぁ・・・?)

 

 

そんなことを考えていると・・・

 

 

「ん・・・」

 

 

智也が寝返りをうって、瑞希を抱きしめるような体制になった

 

 

(ふぉぉぉぉおおおおお!!!)

 

 

思わず叫び出しそうになる瑞希

 

 

(近い近い近い!!落ち着いて落ち着いてそして落ち着くんです!!こういう時は素数を数えて気を紛らわせて・・・)

 

 

正面には智也、背後には壁、そして体の上には智也の腕

彼女に逃げ場はない

パニック状態の瑞希は頭を落ち着かせようとするが、次の瞬間・・・

 

 

「ん・・・」

 

「むぐ・・・」

 

 

再び寝返りをうった智也が瑞希の身体を抱き寄せるように動いた

その際、瑞希の唇に智也の唇が触れる

つまり・・・

 

 

「キ、キキ・・・キ・・・きゅう・・・」

 

 

不慮の事故とはいえ、不意打ちで好きな人とキスした瑞希は処理が追いつかず、顔を真っ赤にして気を失った

 

 

 

  ※そして翌朝※

 

 

「う~ん・・・なんか昨日、良い事があった気がするんですけど・・・思い出せないですぅ・・・」

 

 

あまりの衝撃の大きさ故に瑞希の記憶はふっ飛んでいた

 




次回はついに・・・智也と瑞希が・・・

次回も頑張ります
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